【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

2 / 120
ホタル可愛いんだ。


episode.2:ホタルを愛でる

〜翡翠視点.

 

「ふっ!」

 

俺は爆発する博物館を尻目に無事に脱出した。

 

「これが例の星核って奴か。」

『そうよ。』

スマホを見ると、俺の任務目標である星核が反射して青く光っている。

「とりあえず、目標達成だな。」

『えぇ。なら一旦作戦基地に戻って……って言いたい所だけど……』

カフカは気まずそうな声色で言う。

『……あなたさっきド派手に突入したせいで、警備の奴らにバレちゃったわ……』

「……あー…やっぱりダメだった?」

『えぇ、今既に囲まれてる。』

「……は?」

俺は思わず素の声で言ってしまった。

「いや……え?もう?」

『えぇ、すぐに回収したいけど…ここじゃ無理ね。遠くに逃げれる?』

カフカの声色が真剣なものに変わる。

「あぁ。任せとけって、走るのは結構得意だからな。」

俺は星核を持って、来た道をダッシュで戻る。

そして数分して……俺はとんでもないミスをしていた事に気づく。

「しまった!ここって山の中じゃねぇか!」

そう。俺が今いるのは山の中、しかもかなり高い場所だった。下は崖になっていて、落ちれば即死だろう。

「クソッ!どうする!?」

『翡翠、聞こえる?』

「何?」

『その辺りならすぐに回収できるわ。』

「本当か!」

俺はひとまず安心する。

『ただし、回収したらすぐにこっちに戻ってきてちょうだい。じゃないと本当に死ぬわよ。』

「分かった!ならとっとと逃げるか……」

そうしていると、警備兵の奴等が到着するのが見える。

だが今は空から光が俺に当たって、俺はその光に吸い込まれる感覚に落ちる。

「え?」

そして俺の身体は全て光に包まれ、消えた。

 

すると、俺は基地に戻ってこれた。

「おかえり。」

「ただいまホタル。」

「おかえりなさい。星核の回収、ご苦労だったわ。」

俺はカフカに星核を手渡す。

「じゃあ、ゆっくりしなさい。疲れただろうから。」

「あぁ。」

カフカが星核を持って何処かに行くのを見て、俺はソファにぐったりと座る。

「お疲れ様。翡翠、どうだった?初めての任務。」

「いやぁ…大変だったよ。警備兵をバッタバッタとなぎ倒しながら行って……」

「凄いね。そういえば、どうやって脱出してきたの?」

「走って逃げた。」「え?」

ホタルはキョトンとした顔をする。

「いや……走って逃げたんだよ。」

「えぇ……」

ホタルは困惑していた。

「でも、そのお陰で星核の回収ができたから良かったわ。」

「……そうだね。」

俺は体を伸ばして深呼吸した。

ふと、ホタルの方を見ると、少し顔が暗かった気がした。

「体の方はどうだ。」

「え…ああ…すっかり平気だよ。アタシの中に感じる違和感が消えて…なんだか変な気持ち。」「そっか……」

ホタルは胸に手を当てている。

その仕草を見て、俺は不覚にも可愛いと思ってしまった。

俺は無意識のうちにホタルの頭を優しく撫でた。

「……?何?」

「あ、いや……」

俺は慌てて手を離して目を逸らした。

「もっと撫でてくれないの?」

ホタルは上目遣いで俺を見る。その仕草がとても可愛らしくて、俺はまた頭を撫でた。

「ふふっ……」ホタルは嬉しそうに笑う。

「翡翠の手……温かいね……」

「そうか?」

俺は少し照れくさくなって頬をかいた。

「……ねぇ、もっと撫でてよ。」

ホタルは俺の手を優しく掴んで自分の頭に乗せた。そしてゆっくりと撫でると、彼女は気持ち良さそうな声を出した。

「はぁ……気持ちいい……」

ホタルは目を細めて笑う。その姿はまるで猫みたいだった。

「ねぇ、もっと強くして?」

「……こうか?」俺は少し力を入れて撫でると、ホタルはまた嬉しそうな顔をした。

「ん……」

しばらく撫でていると、彼女はウトウトしだした。

そうして俺の膝で眠り始めた。

「うおっ」

俺は驚いたが、すぐに落ち着いた。

「可愛いな……」

思わず口に出してしまった。

「…俺も寝ようかな。」

俺も目を閉じる。

そしてそのまま眠ってしまった……

 

〜ホタル視点.

 

「……はっ!?」

アタシは目が覚めると、翡翠に膝枕されていた事に気が付く。

「あっ……ごめん……」

慌てて起きると、彼は爆睡してて起きなかった。

「寝てるんだ……」

アタシはクスッと笑った。

そして、彼の頰を軽くつねる。すると彼は少し反応し、またスゥ……と寝息を立てた。

「ふふっ」

思わず笑ってしまう。

「可愛いな……」

アタシはボソッと呟く。…私は彼の頬に顔を近づける。

「今なら…いい…よね?」

アタシは彼の唇を見つめて、顔を近づける。

「……起きません……ように」

そしてそのままキスをした。彼の柔らかい唇が触れるだけの軽いキスだ。

「ん……」

彼は少し反応して、またスヤスヤと寝始めたのを確認してから、アタシは顔を離す。

「しちゃった……」

顔が熱くなるのを感じた。心臓の音がうるさいくらいに鳴っていた。

「えへへ……やっちゃった……」

アタシは嬉しくなって、つい笑ってしまった。

そしてもう一度顔を近づけて……「ん……」さっきより長いキスをした。彼の口は少し開いていたので、アタシの舌をねじ込んだ。

「ん……くちゅ」

舌を絡めると、彼は少しビクッと反応したが、起きる様子は無かったのでそのまま続ける事にした。

(翡翠……好きだよ)

アタシは心の中で呟いた後、ゆっくりと離れた。銀色の糸が伸びていき、切れた。

「えへへ……」

顔が熱くなるのを感じた。すると彼が目を覚ましてしまったようで目を擦っていた。

「……あれ?寝てた?」

「あっ…おはよ翡翠。」

「……おう…」

寝ぼけてて気付いてないみたいだ。翡翠は口元が少しベトベトになってるのを感じた。

「あれ?涎やばいな……」

翡翠はハッとして慌てて拭く。そしてアタシの顔を見ると、きょとんとした。

「ホタル、なんか顔が赤いな?」

「ふぇ!?」

突然指摘されてアタシは変な声を出してしまった。慌てて口を抑えて顔を逸らす。すると彼は不思議そうに首を傾げた。

「なぁに?まだ眠いの?」

「あ……いや……その……」

アタシがモジモジしていると翡翠は優しく微笑んでくれた。そして頭を撫でてきた。それがとても心地よくて、つい身を委ねてしまう……

(あぁもう!好きすぎる!!)と心の中で叫んだ後、彼の胸に飛び込んだ。

「うわっ!?ど、どうしたホタル?」

翡翠は少し慌てたがすぐに抱きしめてくれた。その優しさにまたキュンとしてしまう……

「ねぇ、もっと強くして……」

「こ、こうか?」

彼はさっきより力を強くしてくれたけどまだ少し足りないかなと思い、アタシはもっともっとと言うように強く抱きしめた。すると彼もそれに応えるかのように強く抱き締めてくれた。彼の体温を感じてアタシは幸せを感じた。ずっとこのままがいいと思ったその時だった。

「あらあら〜…アオハルね〜。」

「!!か、カフカ!?」

「お、カフカさんと刃ちゃん。」

アタシ達が振り向くと、カフカと刃がいた。しかもバッチリ見られていたようだ……

「あんた達そんな仲だったのね……」

刃は何も考えずに見ていたが、カフカはニヤニヤしていた。

「……いつから見てた?」

「最初からよ。」

カフカは即答する。

「部屋でしろ。」

刃はそれだけ言うと、興味無さげに去っていった。

「あらら〜……翡翠。彼女を大切にするのよ。」

「当たり前だろ?ホタルは俺の大事な仲間だからな!」

「!!!」アタシは嬉しくて顔が真っ赤になるのを感じた。そんな様子を見てカフカはまたニヤニヤしていたが、翡翠は鈍感なのか何も分かってなかったようだ。

「じゃあね〜お二人さん。」

そう言って彼女は去っていった。そして部屋に残ったのは二人だけになった。

「……ホタル、そろそろ離れてくれないか?」

そう言われてハッとする。どうやらずっと彼に抱きついていたらしい……

「ご、ごめん!嫌だった!?」

「いや?全然嫌じゃなかったけど……でもちょっと恥ずかしかったな……」

翡翠は頰をポリポリ搔いた。アタシはまた彼の胸に飛び込む。そしてそのままスリスリと頰ずりをする。

「ちょ、何すんだ!」

「えへへ〜、翡翠って温かいね。」

「そうか?」

彼は不思議そうな顔をしたが、気にせずに続ける事にしたようだ。そのままアタシを抱きしめる。その力はとても優しく、そして温かかった。暫くして満足したのか解放してくれた後、彼は立ち上がって伸びをした。

「ちょっと外走りに行くか。ホタル、一緒に行くか?」

「行く!」

アタシは即答し、すぐに準備をして外に出た。外はとても暑くて汗が止まらなかったけど、それでも走り続けた。そして30分程経って休憩していると、突然翡翠が話しかけてきた。

「……ホタルはさ」

「ん?何?」

「これからもずっと俺と一緒に居てくれるか?」

「……うん。勿論だよ!」

「そうか……良かった……」

そう言って彼は笑った。その笑顔を見ると胸がポカポカして幸せな気分になった。

 

しかし……

 

「!?」

突如として空に大きな禍々しい空間が現れた。

微かに見えるけど何か怪物のような顔も見える。怪物の顔が見えた途端、体が空間に吸い込まれた。

「な……なんだこれ!?」

翡翠は驚きの声を上げたが、アタシは剣を地面に突き刺して耐えた。

「くっ……このっ……!」

アタシが必死に抵抗していると、翡翠はアタシの手を掴んだ。

「くそっ!」

しかし、吸い寄せる力が強すぎて、地面が抉れて翡翠も吸い込まれそうになる。

「「うわあああああああ!!!」」

私たちは叫んだが、そのまま二人は空間に飲み込まれた。

「うぅ……」

 

目を覚ますと辺り一面真っ白な空間に色んな建物が立ち並んでいるとてもミスマッチで不思議な空間だった。

「どこだここ?」

翡翠が辺りを見回す。するとアタシは向こうで少し変わった建物を見つけた。

「なんだろあれ…変な形の…建物かな?」

「ま、行ってみる価値はあるぜ。行こう!」

そうして、アタシ達はこの不思議な空間を探索することになった。

 

 

〜アオバ視点.

「ここは一体…」

辺りが光り輝いたと思ったら、真っ白な空間に来ていた。

「うーん…特にホログラムによる幻覚でも無い…一体なんなんだろうね。」

「銀狼……銀狼!?」

突然背後から声がしたからびっくりした。しかもいつの間にか背後にいたし……

「何?どうかした?」

「いや……ちょっと気になってな。」

「何が?」

「……銀狼、お前はこの空間についてどう思う?」

「え?どうって……まぁなんか変な所だなって思うけど……」

「そうか。」

俺は少し考える素振りをして言った。そして少し間を置いてから続けた。

「……とりあえず、辺りを散策してみよう。翡翠とか…居るかもしれないじゃん。」

「あ、いたよ。」「えまじ?」

俺は銀狼が指差した方を見る。

翡翠とホタルが辺りを見回しながら走っているのが見えた。

「よかった…あいつらも居るんだな。」

「でも、なんか行く為の鍵…みたいなのが足りなくて行けないみたい。」

「鍵?」

「うん。向こうにあった歯車の扉が怪しいと思うんだ。」

そう言って銀狼が指差した方向には歯車の扉があった。扉には3つの鍵穴がついているようだ。

「……行ってみるか?」

「うん。行ってみよう。」

俺達は二人と合流する為に、この空間を散策することに決めた。




関係ないけどソニックフォースをクリアしました。
中古で480円だったけど楽しかったゾ!

みんなもソニックやろう!

アナザーifルート・二作目

  • ブローニャルート
  • 符玄ルート
  • トパーズルート
  • ルアン・メェイルート
  • 三月なのかルート
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。