〜なのか視点.
「………」
神経を研ぎ澄ませて、的に向かって狙いを定める。そして――、
「……ッ!」
鋭く息を吐いて、矢を放つ。
ウチの放った矢は真っ直ぐに飛び、狙い通りに的の中心に突き立った。
「……ふぅ」
「お疲れなの。」
「あ、翡翠。」
後ろを向くと、翡翠が拍手して出迎えてくれた。
「朝から特訓なんて精が出るな。」
「それほどでも〜♪」
「よーしよしよし、俺の彼女は凄いなー。」
「わわ、や〜め〜て〜!」
誉められて調子にのったせいか、翡翠はウチの頭を凄い勢いで撫で回す。
でもウチは翡翠にワシャワシャされるのは嫌いじゃないので、翡翠の手をどけようとはしない。
「…もう!折角整えたのに!」
「悪い悪い。」
「む〜。」
翡翠はヘラヘラ笑いながら、ウチの髪を整えてくれる。
「ほい、これで良いだろ。」
「ありがと。」
何だかんだ言って、このやり取りを気に入ってる節があるし。
ウチらは訓練室から出て、自販機でジュースを買って、雑談をすることにした。
「最近…星がよく自慢してくるんだよね…えっちな事。」
「あー…俺も御影から嫌なぐらい自慢されたよ…」「あはは……」
…確かにまだ行為をしていない。ウチと翡翠が付き合ってから数ヶ月経ったけど、今だにスキンシップやキスぐらいしかしてないし。
「……翡翠はウチと……そういうことしたい?」
「ん?!……おう…」
「そっか。」
ウチは、翡翠にもっと触れて欲しいし、もっと触れたいと思う。
でも、ウチらには……まだ早いかな?
「あ!そうだ!今度さ、2人で温泉とか行かない?」
「……お〜、いいなそれ。」
2人で旅行……うん、いいかもしれない。
「…行く時はちゃんと連絡してから行くか。」
「…そうだね。」
この前、連絡をやらずに出掛けて姫子やヨウおじちゃんにだいぶ怒られたから、今度は気を付けないと。
「大丈夫!こういうのは慣れだよ!ゼーレも慣れだって言ってたし!」
「そ、そういうもんかなぁ?」
「こ、こうなったら!今から実践しよう!そうした方が早いし!」
「え、今から?!」
ウチは翡翠の手を引っ張って、自分の部屋に連れて行く。
……でも、結局その日は何も起こらず。
ただ一緒にゲームをして遊んだだけでした。
……あ、でもキスは出来たよ?
……………
「それで、結局失敗したのね?」
「……うん…」
ウチは姫子にお喋りという程の相談をしていた。
「だから!温泉に行こうって言ったの!」
「温泉って……いくら何でも急過ぎじゃない?」
「いいじゃん!善は急げって言うし!」
「……はぁ……」
姫子はウチの言い訳に呆れ、ため息を吐く。
「……なんで上手くいかないんだろ……」
ウチがそう言うと、姫子の表情が少し変わった気がした。
「三月ちゃん。一旦先の事を考えず、今を楽しみましょうよ。」
「……今?」
「そ、今の状態を楽しむの。今から未来のことを考えても空回りするだけよ。」
「そうかな?」
「そう。今を楽しむの。」
確かに姫子の言う通りかもしれない。何もせずに悩み続けても、答えなんて出ないしね。……ウチはバカだなぁ……こんな事にも気付かないなんてさ。
「ありがと、姫子!」
「どういたしまして。頑張ってね。」
「うん!」
ウチは姫子にお礼を言い、部屋に戻って行った。
一章の好きなキャラ
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翡翠
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三月なのか
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ブローニャ
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御影
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星
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アクセル
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ゼーレ