〜翡翠視点.
「翡翠ー。風呂入ろー。」
「え」
俺がラウンジでSNSを楽しんでいると、なのかにそう言われて固まった。
「…?」
「………」
キョトンとした顔で見つめるなのか。
「ナ、ナイッテルカワカリマセン。」
「なんでカタコトで敬語なの?いいじゃん。付き合ってるんだし。」
その一言で俺は何かを察して口を開いた。
「えっと、もしかしてなのかは俺と風呂に入りたいのか? 」
「うん。」
「そ、そうかー……。」
俺は少し考えてから、
「………分かった。一緒に入るか。」
「やったー!」
……いや待て。これは大丈夫なのか?確かに俺たちは付き合ってるし、そういうこともするかもしれない……でもまだ16歳だ。いざとなったら責任取れるか?いや、取ればいいのか……。いや、でもまだ早いんじゃないか……? 俺が1人でぐるぐる考えていると、いつの間にか風呂場に辿り着いていた。
そう言って中に入るなのか。俺は後に続いた。
俺たちは脱衣所で服を脱ぐ。そこで、俺は一つの疑問を抱いた。
……もし一緒に風呂に入るとなった時、普通は男女別々に入るよな?となると、これはなにかの試練か?俺が服を脱いでいる間になのかが俺を襲うという……。いや、でもさすがにそんなことしないか。
俺がそんなことを考えている間にも、なのかは服を脱ぎ終わっていた。そしてそのまま風呂場に入っていく。俺もその後、目を手で覆いながら風呂場に入った。
「……」
「……」
気まずい!いくら最近スキンシップが多めだとはいえ、ここまで気まずいものなのか!?
「えっと、翡翠?なんで目を隠してるの?」
「なのかが可愛すぎて直視できない。」
「いつも見てるじゃんウチのこと。」
「……確かに。」
どうやら言い訳は通じなかったらしい。
「ウチって…そんなに魅力無い…?」
「そんな訳ないだろ!…ただ…その、恥ずかしくて……。」
「…………」
「こんな風になのと風呂入ると初めてで頭が今ボーッとしてる…」
「…ふふっ…翡翠って…意外にウブ?」
「……言うな。」
俺はなのかの頬に手を当てた。
「えへへ…顔が熱いよ。」「俺も。」
「……あの、さ。」
「?」
なのかはいきなり真面目な顔になった。
「ウチと翡翠ってさ、もう付き合って1年ぐらい経つじゃん?でもウチはまだ知らないこと沢山あってさ……やっぱりちょっと怖いんだ。」
「……そうなのか?」
なのかは少し俯きがちに言う。
「うん……もちろん知識としては知ってるよ?だけど経験がないからいまいち想像出来なくて……」
「……」
俺は黙って聞いていた。
「だからその……もし翡翠が嫌じゃ無ければ……その…」
「その?」
「ウチに……色々教えてほしいな…。」「!」
俺はなのかを抱きしめた。そして耳元で囁く。
「……いいのか?俺で。」
「……翡翠が、いい……」
「……そうか……じゃあ……覚悟しろよ?」「……ん…」
俺たちはそのまま唇を重ねた。
「えへへ…」
「…ふっ…」
その後、視界が暗転した。
……………
「で?結局失敗したんだな。」
「…うるせぇよ…」
ベッドで御影に煽られる。顔がうざいからぶん殴ってやりたい。
あの後、俺となのかは体がすごく火照って体温上昇した挙句、のぼせて二人とも倒れてしまった。
その後はベッドで冷やされている。
「……お前なぁ…ほんとに(自主規制)する時運ないよな。」
「はい…」
「ま、次は運があったら(自主規制)できるかもな。頑張れよ。」
「……慰めかた雑じゃね?」
「知らん!」
やっぱこいつ後でぶん殴る。
運が悪い翡翠サン。