【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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なのかわいい


なのか「ふ、太ってないから…!」

「なの太った?」

「うぇぇぇ!?」

星に突っ込まれて、なのかは少しビクッとしてしまった。

「確かに、ちょっと太ってるかも。」

ホタルからも突っ込まれてオドオドするなのか。

「ううう…だってぇ…翡翠のご飯美味しいからぁ…」

「…あー、分かるわ三月。翡翠のご飯はいつも美味しいわよね。」

ゼーレ達は頷く。

「分かるよなの。翡翠のご飯は本当に美味しいからね。」

「うんうん。抗えないよ。」

星とホタルも頷く。

「翡翠…演武典礼の修行の時いつも筋肉質の付く料理ばかり出してきて…」

「具体的には?」

「鶏肉の丸焼きとか……ローストビーフとか……」

「あー。」

「もちろんそれ以外も出たよ?パインサラダとか天ぷらも……」

「パインサラダ…」

星が少し頭にパインサラダを待っている人が浮かんだ。

「いやいやいやいや…」

しかし、すぐにそのイメージを消した。

「そういえば今日の夜ご飯ってなんだっけ?」

「翡翠はマーボーカレーだって。」

「マーボーカレー…確かに最近食べてないなぁ。」

星はマーボーカレーの味を思い出そうとしている。

「マーボーカレー美味しいよね。」

ホタルも顎に手を当てる。

「何それ?」

ゼーレが聞いてくる。

「マーボーカレー知らない?美味しいよ〜、ウチの好物なんだ!」

なのかはニコニコしながら話す。

「ふーん。地元じゃそういう料理はあんまり無いわね。普通のカレーなら知ってるけど。」

「そうなの?」

「ええ。でも、聞いてると美味しそうね。」

ゼーレが興味深そうに聞く。

「でしょ!翡翠の作る料理は全部美味しいけど、マーボーカレーは特に美味しいんだ!」

なのかは嬉しそうに話す。

「……ふふっ、なのは本当に翡翠の事好きなんだね。」

「当然だよ。…だって…」

「カレーができたぞー。」

翡翠と御影達がラウンジに戻ってきた。

翡翠の両腕には巨大な鍋が抱えられている。

「御影アクセル!持ってくれ!」

「ジュース奢りな。」

「お菓子もな!」

「クソッ!年下をこき使いやがって!」

アクセルと御影は鍋を机の上に置いた。

「よーし…疲れた…みんな飯にするか…」

「やったー!」

「翡翠のカレーだー!」

「御影とアクセルだけおかわり禁止にしてやろうか?」

「マジ勘弁してくれよ…」「ジュース奢らなくていいから…」

「よし…おかわりしてもいいぞ。」

七人は皿を持ってカレーと白米をよそい、スプーンを持って席につく。

「いただきます!」

全員で挨拶をして食事を始める。

「うん。ジュース奢りを無くしていっぱい食べるカレーは美味いな!」

「ああ…しかも俺好みのキーマカレーだぜ。サンキュー翡翠。」

「ん?ああ、キーマのスパイスがちょうど余ってたから。使ったんだよ。」

翡翠はレシピ帳をめくる。

「翡翠はオリジナルブレンドは最高だね。スーパーで買うカレールウよりもコクがあるよ。」

「そうね。ベロブルグで食べてたカレーとは大違いね。」

ホタルとゼーレはしみじみとカレーを味わう。

「よくそんなに味わえるな?俺が全部食っちまうぜ?おかわり!」

アクセルが皿の中を見る。そこには米粒一つ残っていなかった。

「お代わりだ!」

御影も席を立ち、おかわりをしにいく。

「わわっ!アタシも!」

ホタルも慌てて席を立った。

「慌てんなよー」

翡翠は溜息を吐きながらカレーをよそってなのかの隣に座って食べ始めた。

「どうだ?なの?美味いか?」

「うん!やっぱり翡翠のカレーは最高!」

「そうか、良かった。」

「ホタルもアクセルも御影も美味しいって!作った甲斐があったよ!」

なのかが嬉しそうに笑う。

「まあ、俺が作ってるからな……でも、ありがとう。」

「えへへ……」

「二人共仲良いね〜なのと翡翠。」

突然星が言った言葉になのかは少し顔を赤くした。

「ん?当たり前だろ!」

翡翠はなのかの肩に手を乗せる。

「俺、なのかの事好きだからな…」

「……もー…恥ずかしいよ人前で…」

なのかは翡翠にカレーをすくったスプーンを向けた。

「はい、あ〜ん。」

「ちょっ!」

今度は翡翠の顔が赤く染まる。

「ひゅーひゅー!」

星が囃し立てる。するとゼーレも続いた。

「……こういうのって本当にやってる人間いるのね……」

「人前でやられると…少しむかつく…」

ゼーレとホタルが言う。それと対照的に……

「…なぁ…キーマカレーってこんな甘かったっけ…」

「さあ…あいつが砂糖入れすぎたんじゃない…」

少し何かを悟ったような顔をしてカレーを口に運ぶ御影とアクセル。

翡翠はそんな二人に目もくれず、なのかからのカレーをパクリと食べた。

「うん……美味いな。」

「……恥ずかしいよぉ……」

翡翠はなのかの手をそっと握る。

そして、他のみんなからは見えにくいように、指を絡めた。

「えへへっ……」

(かわいい)

翡翠はなのかにだけ分かるように、小さく呟いた。

今日も列車は騒がしいのだった。

 

 

 

 

 

「そういえばなのか太った?」

「………」

 




大体の主人公は料理上手い設定です。

二章の好きなキャラ

  • 翡翠
  • なのか
  • 符玄
  • 御影
  • 朱雀
  • 青雀
  • 秋作
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