【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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少し遅れたけど…
三月なのか誕生日おめでとう!!!

……早く元気になってくれ…


なのか「誕生日!」翡翠「凄く嬉しい!」

 

「…うーん…朝か……」

目を覚ますと、柔らかな日差しがカーテンの隙間から差し込み、ウチの目を刺激した。

「おはよう、翡翠……あれ?」

隣を見るが、翡翠の姿はない。ベッドから抜け出し、部屋をぐるりと見回すが、やはり翡翠はいなかった。

「トイレかな……?」

 

そう思いながら、ウチはパジャマを脱ぎ、私服に着替える。気になりつつも、まずは支度を済ませることにした。

「どこ行ったんだろ……」

軽くあくびをしながら、ラウンジへ向かう。

 

「おはよう、三月ちゃん。誕生日おめでとう。」

「ああ、誕生日おめでとう。」

ラウンジに入ると、姫子とヨウおじちゃんがにこやかにウチを迎えてくれた。誕生日を祝ってもらえて、ウチは嬉しくなった。

二人から小さな箱をそれぞれ手渡される。

「これは?」

「新しい髪飾りだ。試しに付けてみるといい。」

ヨウおじちゃんの言葉に従い、箱を開けてみる。中には、梅の花の形をした可愛らしい髪飾りが入っていた。早速、髪に付けてみると、しっくりと馴染んだ。

 

「三月、私からはこれよ。」

 

姫子からはネイルセットをもらった。

「新しいのが欲しいって言ってたでしょ?だから高級ブランドのものを用意したの。活用してね。」

「ありがとう!」

ウチはネイルセットを受け取り、大事にポケットへしまった。

 

「あ、そういえば翡翠を知らない?朝起きたとき、部屋にいなかったんだけど。」

「うーん……私は知らないわね……ヴェルトは?」

「……そういえば、早朝から『出掛けてくる』と言って、どこかへ行ったな。」

「そっか……ありがと!」

 

少し気になりつつも、ウチは次にパーティー車両へ向かう。

パーティー車両に足を踏み入れると、星とホタル、それからゼーレが談笑していた。

 

「やっほー。」

「あ、なの。誕生日おめでと。」星が微笑む。

「なのか、誕生日おめでとう。17歳だっけ?」ホタルも軽くウインクをして祝ってくれた。

「三月、誕生日おめでと。今日は良い日になるといいわね。」ゼーレも優しく声をかけてくれた。

 

ウチはみんなの言葉に、心の底から幸せを感じた。

「…そうだ。翡翠を知らない? 朝から見ていないの…」

「うーん…知らないなぁ。二人は?」

「アタシは知らないなぁ。」

「私も知らないわね…」

三人とも首を振る。

「そっか…ありがとう!」

「うん。翡翠が見つかるといいね。」

ホタルは少し考え込むような表情を浮かべた。

「…それにしても、あの翡翠が早朝からどこかへ行くなんて珍しいね。いつもなら誰かに連絡するのに。」

翡翠は何か用事があるときは、必ずグループチャットで報告する。

いつもはそうするのに、どうして今回は違うのだろう…?

「御影とアクセルなら何か知ってるかもよ? いつものところにいると思うよ。」

 

星が助言してくれた。ウチは三人に感謝を述べて、トレーニングルームへと向かった。

 

トレーニングルームに入ると、御影とアクセル、それに丹恒と…珍しくサンデーもいた。

「やっほー!」

「お、誕生日の人が来たぜ。」御影がヘラヘラと笑う。

「おはよう、三月。誕生日おめでとう。」アクセルが言う。

「三月、誕生日おめでとう。」丹恒はいつも通りの落ち着いた声。

「三月さん、お誕生日おめでとうございます。」サンデーは優雅にお辞儀をしながら祝ってくれた。

四人はそれぞれプレゼントを用意してくれていた。

御影は木刀、アクセルはルービックキューブをくれた。

「えっと…」

「頭を鍛えるのも大事だぜ?」

「はぁ? お前が先に鍛えたらいいだろ?」

御影の言葉にアクセルがプツンと切れる。

「なんだとぉ!?」

そのまま二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。

「はぁ…三月、受け取ってほしい。」

「三月さん、こちらをどうぞ。」

丹恒とサンデーもプレゼントを渡してくれた。

丹恒はカメラのフィルム、サンデーは本をくれた。

「この本は、これまでの三月さんの記録を元にまとめた日誌です。中身は後ほどご確認を。」

「うん! ありがとう!」

四人からもらったプレゼントを大切にしまった。

「…あ、そういえば翡翠を知らない? 連絡もなしにいなくなっちゃったんだけど。」

「…俺は知らないな。」「私も…」

丹恒とサンデーは心当たりがなさそうだった。

御影たちに聞いてみようと思ったが…まだ喧嘩していた。

 

 

…数分後。

「はぁ…二人とも!」

「はい。」「すみません。」

ウチは氷で御影とアクセルを凍結し、大人しくさせてから話を聞くことにした。

「…翡翠がどこに行ったか知らない?」

「…ピ、ピノコニーだよ。アイツ、全財産を持って行ったぜ。」

「ああ、確か…『指輪を見に行く』って言ってたな…」

「でも…何のために?」

「さあ…」

二人が話し合っているのを横目に、ウチはすぐにピノコニーへ向かうことを決めた。

慈愛の律者である私なら、蒼穹の律者の次に速く飛ぶことができる。

すぐに追いつけるはず——。

「…よっと…」

 

ウチはわずか3分ほどでピノコニーに辿り着いた。翼をたたみ、周囲を慎重に見渡す。

「確か…指輪ショップだったよね…」

久しぶりのピノコニー。見慣れたはずの街並みも、少し違って見える。

「どこにあるんだろ…」

通りを歩いていると、翡翠がとある店の前で足を止め、真剣な表情でショーケースを見つめていた。

「あ、翡翠…?」

ウチは反射的に近くの柱の陰に身を隠した。こっそり様子をうかがうと、翡翠は悩んでいるようだった。

 

…………………

 

「うーん…どれにしようかなぁ…」

翡翠は指輪を選ぶのに迷っていた。

「ダイヤモンド…高すぎる…エメラルド…これも無理か…」

「くそっ!50万じゃ足りなかったか!」

 

ため息をつき、頭を抱える翡翠。

「お客様…どなたにプレゼントされるのですか?」

店員が優しく声を掛ける。

「ん…?ああ、彼女の誕生日なんです。何か指輪をプレゼントしようと思って…」

「なるほど…」

「でも、どれが一番似合うのか分からなくて…」

 

翡翠の悩みを聞くと、店員は微笑みながら助言をくれた。

「お客様、似合うかどうかより大切なことがあります。」

「え…?」

「大事なのは気持ちです。彼女さんは、あなたからのプレゼントなら、どんなものでも喜ぶと思いますよ。」

「…そうか…」

翡翠はしばらく考えた後、シンプルなデザインの指輪を二つ選び、レジへと向かった。

「こちらでお会計いたしますね。」

「お願いします。」

指輪を受け取り、店を出た翡翠。そのタイミングを見計らい、ウチは彼の前に飛び出した。

「うわぁぁぁ!なの!」

「………」

 

ウチはジト目で翡翠を見つめる。

「もう!連絡なしでどこか行かないでよ!心配したんだから!

「わ、悪い…つい…」

「せめてホタルか丹恒に一言くらい言って!」

「……御影とアクセルは信用無いな。」

 

「…………これをこうして…」

 

ウチは翡翠と一緒に指輪を細い紐に通し、しっかりと結びつけた。

 

「…よし、できた。」

翡翠は指輪をペンダントトップにしたネックレスを完成させた。

「なの、俺は…お前のことが好きだ。でも、まだ結婚できる歳じゃないだろ?だから…」

そう言いながら、翡翠はそっとウチの首にそのネックレスをかけてくれた。

「わぁ…」

指先でそっと指輪をなぞる。

「どうかな?上手くできてたらいいんだけど…」

翡翠が少し不安そうに尋ねる。

「うん…すごく嬉しい…」

ウチは頷きながら、胸の前でネックレスを大事そうに握りしめた。

翡翠は手に持っていたもう一つのネックレスを自分の首にもかける。

「…どうだ?お互い同じネックレス。」

翡翠は優しく微笑んだ。

 

「あ…言い忘れてたな…」

「なの、誕生日おめでとう。」

「うん!ありがとう…」

 

ウチは照れて、頬が熱くなるのを感じた。

「なのか。」

「翡翠……」

静かに唇を重ねると、自然とお互いの顔が熱を帯びていく。

「……ベッド、行く?」

「う、うん…」

私たちは翡翠の寝室へと向かった。

「……本当にいいの?」

「うん、大丈夫。」

そうして、私たちはお互いの愛を確かめ合った。

 

………………

 

それからしばらくして、ウチのバースデーパーティーが開かれた。

「それで、やったんだ。」姫子が静かに言う。

「う、うん…」

「翡翠、ずいぶんキスマークつけられてたね。」ホタルが呆れたように言った。

「三月、独占欲つよーい。」ゼーレがからかうように微笑む。

「……なの、その指輪…?」

星が、ウチの首にかけられたネックレスを見つめながら尋ねてきた。

「うん、翡翠がくれたんだ…」

「三月ちゃん、指輪のネックレスには、絆や愛情、永遠の結びつきといった意味があるのよ。」

「永遠の結びつき…」

「でも翡翠、多分そんなこと知らないわね。さっき同じ話をしたら、ぽかんとしてたもの。」

「でも、それが翡翠らしいっていうか…なんというか…」

「まあ、いいじゃない。ほら、パーティーを楽しみましょ!」

その夜は、笑い声と温かな雰囲気に包まれて、とても楽しい時間だった。

 

…………………

 

パーティーが終わり、ウチは再び翡翠の寝室を訪れていた。

「何見てるんだ?」

「うん、いつか翡翠からもらった指輪のこと考えてたの。」

「……そ、そっか…」

「いつか、ウチの指に嵌めてよね。」

「当たり前だろ。」

ウチはそっと翡翠にキスをした。





もうすぐ完結です。
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