「ああ、やっと開拓の旅が始まるって事だな。」
「っと…その前に…」
「その前に?」
「その前に?」
「ちょっとおまけだよ!」
「…だそうだ。第四話どうぞ。」
「起きた?」
「なのか。」
翡翠が目を覚ますと、なのかが起こしに来てくれた。
「なんかあったか?」
翡翠がベッドから起き上がると、なのかはカメラを弄りながら言った。
「姫子が呼んでたから、起こしに来たの。」
「わざわざ悪いな。」
二人はベッドを出て、広間に向かった。
……
「食料不足だわ。」
「急だな姫子。」
姫子にそう言ったのは、地味な見た目の眼鏡のおじさんだった。
「あんたがヴェルト?」
「そう言う君が翡翠か?」
「ああ。なんか強そうですね。」
「別にそうでもないさ。もう歳だからな…」
「でも、俺達を助けてくれたのは…あんただろ?」
「ありがとな。」
翡翠がそう言うとヴェルトはフッと笑った。
「姫子。食料不足って言ったって…どこで買うんだよ?」
「丁度、近くに星があるから、そこで食材調達ね。」
「近くの星か…なんで場所だ?」
「辺境の星でね、ある巨大都市があるの。」
「その都市の名前は?」
「『キヴォトス』と言うらしいわ。」
そして列車は跳躍を開始した。
「こ、これが跳躍なのか…」
「三月転んだな。」
変な体制の翡翠と御影。なんとか立ち上がって、窓を見た。
「うおっ!?スゲェー…本当に別の星だぜ。」
「これが星穹列車の力なのか…」
すると姫子達が歩いてきた。
「凄いでしょ?これが星穹列車よ。」
「一体どんなテクノロジーを使っているのやら…」
御影がそう言って考えると、翡翠が肩を叩いた。
「それより、キヴォトスって場所に行ってみようぜ!俺待ちきれないよ!」
「ふふ、若者は元気ね。急いで調達して、ヤリーロⅥに向かいましょう。」
「はーい!ウチ行きたい!」
「私も。」
「俺はパスだ。」
なのかと星が手を上げて、丹恒はパスした。
「俺も行こうかな。」
「じゃあ俺も。」
翡翠と御影も手を上げた。
「じゃあ四人に頼もうかしら。」
「話が分かるね姫子さん!じゃ、開拓の旅にー?」
「「「出発ーッ!!」」」
そして列車は地上に停まった。
「とりあえず適当に買ってくればいいんだな?」
「ええ。頼むわね。」
そう言って姫子はドアを閉めた。
「じゃあ行きますか。」
「「うん。」」
なのかと星が同時に頷いた。
「どういう感じで行動する?」
「ウチ、星と行きたい!」
「俺は一人行動で。」
「じゃあ俺も一人行動だな。」
そして翡翠、御影、なのかと星はそれぞれ食材を買いに行った。
〜翡翠は歩き続けて、清楚なところにやってきた。
「どいつもこいつも…頭に輪っかがある…」
「そういえば…数年前にテラを旅してた時にも…天使の輪っかを持った人間を見かけたっけ…サンクタだったかな…?」
翡翠が悩みながら歩いていると、向こうで爆発音がした。
「なんだ?」
翡翠は爆発音がした場所に向かった。
「んん?」
「戦車か!?」
翡翠は剣を抜く、するとキャタピラ音を鳴らして戦車が出てきた。
翡翠より一際デカい戦車だった。
「…とりあえずやってみるか…!」
翡翠は戦車に走り出した。
戦車は砲撃してくるが、翡翠は砲弾を切り裂いて進む。
「せやぁ!」
地面に衝撃を加えて、砲台に乗る。
「ここか!」
翡翠は荒々しくハッチを開ける。
そこには砲弾が見えた。
「でやぁ!」
そこに剣を突き刺した。
翡翠は急いで戦車から離れると、戦車は爆散した。
「危ねぇ…」
翡翠は頬の汚れを手で拭き取った。
「見つけたぞ!」
「!?」
後ろを振り向くと、機械の兵士が銃を持って翡翠に構えてきた。
「構え!」
「……撃てッ!!」
すると一斉に銃を発射してきた。
「やべっ!」
翡翠はローリングしながら射撃を回避していく。
瓦礫を駆使して、弾丸の雨から逃げた。
「クソッ!なんだあいつら!」
「逃がすな!追え!」
兵士達は翡翠を追って行った。
〜御影はキヴォトスで食材調達に勤しんでいた。
「これは全部何円だ?」
「12064クレジットです。」
「分かった。」
御影はクレジットを払う。
「ありがとうございましたー。」
「他の三人は買えたかな…」
御影は頭で考える。が、あまり期待はしない事にした。
〜なのかと星も買い物をしているようだった。
「あ!あれ気になる!」
と言ってなのかは写真を撮っていた。
「それにしても、ここの人達にはなんで輪っかがあるんだろう。」
「なんでだろうね?天使なのかな?」
「うーん…」
星が悩んでいると、路地裏から翡翠が出てきた。
「星!なのか!」
「翡翠!どうしたのその傷?」
「ちょっとな…向こうから機械の兵隊が来てんだ。危ないから早く逃げてくれ。」
「分かった。」
そう言って星は逃げていった。
「え!?翡翠は?」
「俺も後で行く!」
「ほらなの。行くよ。」
星はなのかの腕を引っ張って行った。
「………」
「居たぞ!」
その声に反応して翡翠は剣を抜いた。
「見つけたぞ。」
「お前ら…一体何者なんだ!」
「お前に関係無い。死んで貰うぞ!」
すると、左の道路からも戦車が複数やってきた。
「マジかよ…」
「ここで貴様は終わりだ…」
そして銃が翡翠に向けられそうになったその時……
「そこまでだ!」
謎の声と共に、空からミサイルが飛んできた。
「何ッ!?」
「しゃがめ餓鬼!」
「え!?」
翡翠は言われた通りにしゃがむと、何処からか青年が居合切りで兵隊を切り裂いた。
「ふんっ!」
同時に大剣を持った狼の青年も出てきた。
「全員下がれ!」
そしてジェッド噴射で地上に着地してくるアーマーを装備した眼鏡の少年が、腕のガトリングガンで敵を一掃した。
敵は一瞬で破壊されてしまった。
「………もういいぞ。」
「…あんた達は?」
「話は後だ。一旦近くのカフェテリアで話そう。」
そして翡翠は青年達と共にカフェに寄った。
「俺は獅童士。ここ学園都市キヴォトスで先生をしている。」
「教師って事?」
「……そんな感じだな。」
士は眼鏡をクイっとくる。
「先日からカイザーコーポレーションの機械共が街に跋扈した。原因は…連邦生徒会に問題が起きたからなんだ。」
「はえー…」
「俺達はそいつを見つけ次第に破壊しているんだが…問題が発生した。」
「その問題は?」
すると士は資料を見せてきた。
「カイザーコーポレーションが開発を続けている軍事兵器だ。これを…キヴォトスニ向かわせるとの報告があった。」
「それってかなりヤバいんじゃないのか?」
「ヤバい…」
士は冷や汗をかいていた。本気で不味いことなのだと悟る翡翠。
「俺達はこの兵器を破壊したい。だが…警備が厳重でな…入りきれないんだ。」
「そこでだ、お前の力を借りたい。」
「俺に警備を突破しろって事?」
「簡単に言えばそうだ。お前のその走力なら、警備からも逃げられる筈だ。」
「…警備を突破するのはいいけど…その後俺はどうすれば?」
「好きにしてもらって構わん。そのまま来るもいいし、帰ってもいい。」
「分かった。やってやるぜ。」
「助かる。」
二人は手を組む。
そして握手を交わした。
「早速、行ってもらうがいいか?ルートはこの通りだ。」
士はスマホのデータを翡翠のスマホにインプットさせた。
「サンキュ。」
「あ、後これも。」
士はある物を翡翠に渡した。
「これは?」
「ワイヤー射出機だ。ミレニアムの技術の粋を集めて作ったスーパーアイテムだ。」
「半径500mも射出できる。しかも壊れにくい。」
「俺達は使わないからな。お前にやるよ。」
「わざわざ悪いな、こんなの貰って。」
「遠慮はいい。存分に使え。」
翡翠はありがたくワイヤー射出機を受け取った。
そしてカフェを出る。
「じゃあ行ってくるぜ!」
そしてワイヤーを射出しながらカイザーコーポレーションの基地に向かった。
「眩しいな。」
翡翠がしばらくワイヤーを使いながら走っていくと、基地が見えた。
「あれか!」
そして兵士達が翡翠に狙いを定めて乱射しまくった。
「はあっ!」
翡翠はそれをワイヤーを使って上手く避け続けた。
そして剣を一つ抜いて、更に駆け出した。
「食らえ!」
「ぐわっ!」
そして兵隊達をどんどん切り裂いていき、基地の防壁を乗り越えた。
「よしっ!」
翡翠は地面に着地すると、士に連絡を始めた。
「士。潜入成功だ。」
『すまない。後は任せろ。』
翡翠がスマホを切ろうとするが、物陰から兵士達の声が聞こえた。
「バリアを?」
「ああ。隊長が言っていた。」
「侵入者から"あの兵器"を守る為か?」
「そうらしい。"あれ"があればキヴォトスはすぐ制圧可能だ…」
「……悪い。まだやる事がありそうだ。」
『……そうか。終わったら連絡頼むぞ。』
「了解。」
そしてスマホの電源を切り、翡翠は潜入を開始した。
最初のクロスはブルアカでした。