「ああ。ここから俺達の勇姿が見られるんだな!」
「うん!ウチと翡翠の大活躍もここからだね!」
「怪我だけはするなよー?」
「分かってるって!じゃあ第七話どうぞ!」
「……ようこそ。存護の町『ベロブルグ』へ。」
ジェパードに案内されながら、翡翠達はベロブルグに到着した。
「ここがベロブルグなんだねー」
なのかは体を震わせながら言った。
「早速行こう。」
ジェパードはそう言ってベロブルグに向かって行った。
五人も続いてジェパードに着いて行った。
「あれ、寒く無くなってきたね。」
なのかがそう言って、体を伸ばす。
「君達が今立っている地はベロブルグ…人類が寒波に抗う最後の砦だからな。」
「最後の砦?」
「……」
ジェパードは少し黙った後、話し始めた。
「700年前に、モンスターがここを溶岩と煙で満たしたと言われている。」
「そんな滅亡の危機と同時に寒波が発生した。吹雪が侵略者を滅ぼし、残るはベロブルグのみ…」
「『建創者』がこの街を築いた。『存護』のクリフォト様の加護の下、ベロブルグは風雪に侵されてなお、永遠に暖かいままなんだ。」
「へー…」
翡翠は話の内容がよく分からなかったが、納得した。
そして、ジェパードに着いていきながら色々な話を聞く翡翠達。
裂界のモンスターに苦戦するシルバーメイン。
大守護者という名前。
「……大守護者って?」
なのかがキョトンとしながら言った。
「ベロブルグのリーダーに推薦された事だ。彼女達は代々この都市を守り、民を庇護してきた。」
「現代の守護者はカカリア・ランド様。都市に敷かれている重要な政策は全て彼女が決めたものだ。」
「つまりお偉いさんって事?」
「…今、大守護者様は会議で忙しくてな。今日は面会は無理だ。」
「えー?どうするの丹恒?」
なのかは困り顔で丹恒を見つめた。
「…自由行動だ。ジェパード。近くに泊まれそうなホテルは無いか?」
「…いいホテルがある。私が予約を取っておこう。」
「え!?いいのか!サンキュージェパード!」
…それを聞いた御影は後ろを振り向いて歩いていった。
それを止める星。
「何処に行くの?」
「……ただの散歩さ。」
しかし、御影を見る星。どう見ても何かを探っている様子だった。
「私も行くよ。」
「え」
星の言葉に御影は少し驚いた。
「…記憶の手掛かりを探すつもり…だよね?」
「…気づいてたのか。」
「その顔見れば誰だって気づくよ。」
御影は黙る。
そしてしばらく悩んだ後、星の方を振り向いた。
「…着いてくるのは好きにしろ。」
「…!うん!」
そして星と御影は明日の方向に歩いて行った。
「…俺は宿に泊まっておく。三月、翡翠。お前達はどうする?」
「俺は走るぜ。」
「ウチは写真いっぱい撮りたいな!」
それを聞いた丹恒は溜息を吐く。
「分かった。深夜までには帰ってこいよ。」
「「はーい。」」
そして丹恒はホテルに足を進めた。
グゥ〜…
「あっ…」
「ははっ、なのか腹空いてるのか。」
腹の音が鳴り、赤面するなのか。
「…ちょっと待ってな。なんか買ってくるよ。」
そう言って翡翠はダッシュで探しに行った。
「あ!待ってー!」
なのかも翡翠を追いかけて行った。
………数分後、翡翠は屋台から何かを買ってきた。
「お待たせ。」
「…何?これ?」
「チリドッグ。」
そう言って翡翠はチリドッグをなのかに手渡した。
そして翡翠はそれを貪り始めた。
「……あむっ」
なのかも続いてチリドッグを食べ始めた。
「…!美味しい!」
「だろ?」
翡翠はチリドッグを食べ終わると、もう一つのチリドッグを食べ始めた。
なのかは美味しそうに食べる翡翠に見惚れていた。
(あれ…何してんだろ…ウチ…)
なのかは顔を赤ながらチリドッグを食べ終える。
「あ、なのかチリ付いてるぞ。」
翡翠はなのかの頬に付いたチリを手で拭き取った。
「!?」
なのかは一瞬ビクッとした。
「なのかはうっかりだなぁ。」
そして翡翠はそれを舐め取った。
「…………………」
なのかの思考はフリーズした。
(あわわわわ…なんだろうこの気持ち…翡翠を直視できないよぉ…)
両手を手に当てる。心臓もドキドキしている。
こんな気持ちは初めてだった。
「…?どうしたんだなのか?」
「な、なんでもない!」
「そう?」
翡翠は状況が分からず、なのかの頬が赤くなっている事しか知らなかった。
「………ふむ…ベロブルグですか…」
デクターは量子ワープでベロブルグにやってきていた。
「…ここで私の"計画"の為になるものがあればいいのですが…」
そしてデクターは屋根から降りて、地面に着地する。
そしてその光景を見たシルバーメインの人間が居た。
「Ca va?(調子どう?)」
……
そして、デクターは近くにあったヒーターにパソコンから伸びたケーブルを突き刺した。
デクターはパソコンを手に取り、あるカードを取り出した。
「レギオロイド…最初の一体はここで試しましょうか。」
そしてカードホルダーから赤いカードを取り出した。
「レギオウィルス"溶かす"。インストール……」
そしてパソコンのスラッシュリーダーにカードをスライドした。
そして、パソコンから機械音と共に何かが生み出されていった。
『ヒーターロイド、ヒーターロイド、ヒーターロイド。』
すると、ヒーターは徐々に形を変えていき、全く別の怪人になった。
「……ヒ…?ヒー?」
「ふむ…レギオウィルスも完璧みたいですね。」
そしてデクターはヒーターロイドの肩を触る。
「開拓者達を見つけて、倒しなさい。」
「そして…彼らの『星核』を奪いなさい。そして…私の計画を遂行させなさい…!」
「ヒー!」
そしてヒーターロイドは体の温度を上昇させながら歩いて行った。
「…さあ!ショーの開幕です!」
………
「キャアー!」
「むっ?」
御影は遠くからの悲鳴を聞いた。
「なんだろう?」
「行ってみよう。」
そして二人は悲鳴のした方向に向かった。
「ヒー!ヒー!」
「ぎゃあああああ!!と、溶ける…!俺の体が…!」
「痛い痛い痛い!助けてくれぇ!」
二人が見たのは、体が徐々に溶けている住民達の姿だった。
「これは…」
「あいつから出てる…熱?」
星がヒーターロイドに目を向ける。
「あいつが住民を…!」
御影は刀を抜いて、走って行った。
「はあ!」
御影はジャンプしながらヒーターロイドに切り掛かる。
ガキンッという音と共に御影の剣は弾かれる。
「チッ!」
怒りに任せながら色んなところを斬っていく御影。
「御影!私も手伝うよ!」
星もバットを持って走って行った。
「やあ!」
「オラッ!」
二人の攻撃が炸裂する。
「ヒー…!」
すると、ヒーターロイドは熱を溜め込んで、大きな球体を作り出した。
「あれは!?」
「なんて熱さ…」
星達から汗が垂れてくる。
「ヒーター!」
そしてヒーターロイドが投げ飛ばした火球を二人は同時に回避した。
その火球は建物に当たり、建物が溶けて無くなった。
「…やばそうだな…」
「うん。」
すると……
「はあ!」
何処から共なくブーストと共にヒーターロイドにぶつかった。
「二人共ー!」
「なのか!じゃああれは…」
「へっ、あんなのが居たら、呑気に散歩も出来ないぜ。」
翡翠は手首をスナップしてワイヤーを射出した。
「ヒーター!」
ヒーターロイドは火球を生成し、翡翠に連続で投げ飛ばす。
「ふっ!」
翡翠は壁にワイヤーを飛ばして壁をそのまま走った。
「でやっ!」
そしてワイヤーをヒーターロイドに飛ばしてそのままドロップキックを繰り出した。
その衝撃でヒーターロイドの内部の熱力が暴走し始めた。
「星!決めろ!」
御影がそう言うと、星はバットに力を溜め込んだ。
「ハアッ…!ルールは破る為にある!」
勢い良く走っていき、そのままバットで空高く打ち上げた。
「ヒーター!……」
そのまま熱が暴走して爆散した。
その爆発時の煙が無くなると、そこにはデジタル化したデータがあった。
「やったあ!」
なのかはピョンピョン跳ねた。
それを遠目で見るデクター。
「…おやおや、倒されてしまいましたか…しょうがないですね…これも試しましょうか。」
そしてデクターはあるコードを打ち、ケーブルをデータに伸ばした。
「『巨大化プログラム』始動。」
次の瞬間。
データは再構築を始め、巨大化したヒーターロイドが復活した。
「えぇー!?」
「で、でかい…!」
「50メートルは軽く超えてるぞ!」
四人が焦り、戸惑った。
すると、連絡が入ってきた。
『みんな…聞こえる?…』
「姫子!どうしたの!?」
『さっき謎の高出力反応を確認したわ、一体何があったの!?』
「巨大な怪人が現れたんだよ!」
『なるほど…なら、あれを使う時が来たみたいね。みんなスマホの右端のアプリを押して!』
そして四人は言われた通りにアプリを押す。
すると…
『カイタクギア・アクティブ』
その音声と共に、四人のスマホから謎の機械が出てきた。
『それはカイタクギア。それを使って、あんた達もその敵に対抗するのよ!』
「よっしゃ!こうなりゃ一気に行くぜ!」
そして翡翠はカイタクギアの1のボタンを押した。
「なら、俺も行かせて貰うぜ!」
「うん!」
御影達は2、4、5のボタンを押した。
『ダンプ』
『フォーミュラ』
『ドーザー』
『マリン』
その音声と共に、ワープゲートから巨大な機体が四機出てきた。
「あれか!」
翡翠達は急いでそのマシンに乗った。
「これがコックピットか…!」
翡翠は操縦桿を握る。
そして翡翠の乗るカイタクダンプはそのままヒーターロイドに突撃して行った。
『ちょ、翡翠!カイタクダンプはそう言う使い方しないわよ!?』
「俺なりのやり方でやるだけさ!」
そして他の機体も何をすればいいか分からず戸惑っていた。
「どうすればいいんだ?」
「…くっ」
しかし、ヒーターロイドは火球を作って辺りを爆発させて行った。
「くそッ!どうする!」
『そろそろだと思っていたぞ。』
すると、後ろから丹恒の声がした。
「丹恒!お前もそれを!」
カイタクジャイロに乗った丹恒がバルカンを発射して攻撃した。
『丹恒あんた何やってたの?』
「少し、調べ物だ。」
『ま、まあいいわ。それより、翡翠。五人のマシンが揃ったわ。』
『そのまま合体よ!』
「が、合体?」
御影は姫子の言葉に戸惑う。
「面白い。しかし、確率はどうなっている?」
『正直高いとは言えないわ。精々10%でしょうね。』
「いいじゃねぇか。」
翡翠はニヤリと笑う。
『本当?翡翠大丈夫?』
姫子は内心心配していた。
「ちょっとした冒険だな。行くぜ!」
「開拓合体!」
『合体シフト・オン!』
『ダンプ!フォーミュラ!ジャイロ!ドーザー!マリン!』
『開拓フォーメーション!』
そしてマシンは徐々に変化していき、ダンプを軸とし、他のマシンと合体して行った。
頭部が出現し、ジャイロのヘッドパーツと合体した。
「うおっ」
翡翠達は同じコックピットに乗り込んだ。
「すげぇな…」
「完成!カイタクオー!」
そして、巨人はヒーターロイドに拳を向けた。
「オラッ!」
二回連続のパンチを繰り出していく。
「ヒー!」
ヒーターロイドは火球を飛ばした。カイタクオーは攻撃を受けて少し後退る。
「クソッ、一気に決めるしかない!」
翡翠は操縦桿のコマンドを押して、武器を召喚した。
『召喚シフト・オン!』
「ほーん…剣か!俺に合ってるぜ!」
カイタクオーは剣を握って、ヒーターロイドに切り裂いた。
「オラッ!」
連続の斬撃でヒーターロイドは大ダメージを受けていた。
「まだまだぁ!」
カイタクオーはヒーターロイドから飛んできたパンチをしゃがんで回避し、そのままジャンプ斬りで真っ二つにした。
「ヒ、ヒー…ター…」
ヒーターロイドは倒れ、そのまま爆散した。
「…すげぇなぁ…」
翡翠は操縦桿から手を離す。
その手は少し震えていた。
「どうしたの翡翠?怖いの?」
「いや、すげぇワクワクしてんだ!今!」
翡翠は前を向いて、笑顔を見せた。
カイタクオー
合体機体:カイタクダンプ・カイタクフォーミュラ・カイタクジャイロ・カイタクドーザー・カイタクマリン
星穹列車が使用するメガゾード。SPC(スペシャルプレシャスコーポレーション)社が開発したメガゾード。呼び出す際はワープホームを介して召喚する。
ヒーターロイド
初期型レギオロイドの一体。高温を出して辺りを溶かす。