「ああ。まさか金的されるとは思ってなかった…」
「痛そ〜…どんぐらいの痛みなの?」
「腕を折られてそのまま全身を業火で焼かれるぐらいの痛みだ。」
「ひぃ〜!!それだけは絶対嫌だな…」
「だろ?第十話どうぞ。」
「あ!ウチのセリフ〜!」
「ここか?」
御影達は採掘場に向かう。
「ああ。昔は鉱区が沢山あったんだが、裂界の侵蝕が広がったせいで多くの鉱脈が採掘できなくなっちまったのさ。」
「コレから俺達が行く鉱区は比較的裂界に侵蝕されてない。家を失ったならず者が拠点にしてるほどだからな。」
アクセルは箱に入っているツルハシを数本取って御影と翡翠に手渡した。
「で?どうするんだ?」
「鉱脈を掘るのもあるけど、結構前にならず者達がやらかしたからな。その尻拭いさ。」
「じゃあその尻拭い。あたしも混ぜてもらっていいかしら?」
すると、後ろからテレポートするかのように、量子の蝶と共に少女がやってきた。
「ゼーレか。」
「ちょっと、あたしを置いていくなんてどう言うつもり?」
ゼーレはアクセルの鼻を突く。
「知り合い?」
翡翠は聞く。アクセルは答えた。
「ガキの頃からの知り合いだよ。」
「ふーん。仲良しなんだな。」
「「仲良く無い!!」」
息が合うかのようにアクセルとゼーレは叫んだ。
(息ピッタリじゃん…)
星は内心そう思った。
空気を変えるかのように御影が喉を鳴らす。
「なぁ。行かないのか?」
「そうだな。俺、待ってるの苦手なんだ。」
翡翠と御影は今にも走りたくてウズウズしている。
「はいはい。じゃあ行こうぜ。」
そしてアクセルを先頭に立たせ、翡翠達はそれに着いていくように採掘場に向かった。
大鉱区は入り組んでおり、複雑な道が多く存在していた。
「この先に何があるんだ?」
翡翠達はそう思いながら、奥へと進む。
そして、なんとか開けた場所に出る。
すると、アクセルが奥に見知った女性が居るのを確認した。
「ナターシャか。」
「誰それ?」
「お前らを看病してくれた医者の人だよ。」
「ナタが居るって事は…自体は相当深刻みたいね。」
ゼーレはそう呟いて、ナターシャの元に向かった。
「ナタ!来てたのね。ボスは?」
「ゼーレ、アクセル。それにサンポのお客さん達、もう二人と知り合ったのね。」
「ああ。アクセル君からの粋なハプニングのせいでな。」
「その事は忘れろ。」
翡翠がジト目で笑いながら言った。
アクセルもジト目で翡翠を睨む。
「オレグは見かけなかったわ。鉱夫によれば人を連れて奥に向かったらしいけど。」
「そっか、じゃあ早速行こうぜ!」
翡翠はウズウズする。そして我慢できずにそのまま走ってしまった。
「あ、翡翠!待ってよー!」
なのかも翡翠に着いて行った。
「あっ!おい…クソッ…ナターシャさんの話ぐらい聞けっつうの…」
御影は翡翠に呆れながら溜息を吐いた。しかしーナターシャはクスッと笑った。
「ふふっ、いいのよ。若い子は元気が一番だからね。」
「そんなもんですかね?」
………………
翡翠達は、走り続けて中央の巨大な鉱脈のある場所に向かっていた。
「でっけぇ…あれが鉱脈?」
「うん。すんごいおっきいねー。」
なのかは巨大鉱脈の写真を撮る。
そして二人はしばらく歩き続けて、エレベーターの前に立った流浪者が居た。
「オラッ!」
「ギャア!」
翡翠は勢いよく蹴飛ばした。
すると、流浪者が落とした機械が反応した。
『ピピッーーーガガガガガガッ☆~☆・%+÷☆・・%¥☆~→~×☆÷・%!?』
「やっべ、壊しちゃった…」
「もう!何やってんの!」
二人が夫婦漫才かのように雑談をしたりしているのを、それを見つめるデクターの姿があった。
「さあて…ショーの開幕です。」
デクターはその辺に落ちた地髄のかけらを拾い、ケーブルに刺した。
「レギオウィルス『落とす』。インストール…」
『ストーンロイド、ストーンロイド、ストーンロイド。』
「オデ、ストーンロイド。ナニスレバ、イイ?」
「翡翠となのかを追ってください。今すぐにね。」
「ワカッタ」
ストーンロイドはドシドシと足音を立てながらなのか達が追って行った。
………しかし、翡翠達は後ろから足音が聞こえているのを確認していた。
「何か来てるな。」
「うん!走るよ!」
翡翠となのかはストーンロイドから逃げるように走って行った。
鉱道を進んでいき、巨大な鉱脈がある場所に向かって行った。
「ふう…あいつら着いてきてるかな?」
「どうかな…御影と丹恒は怒ってるかも…」
「丹恒は呆れるだろうが、御影は怒るかもな…」
翡翠は歩いていると、何かを確認して物陰に隠れた。
「待て、誰か居る。」
「え?」
翡翠が物陰から見ていると、そこには巨大なロボと裸足の少女が何かを喋っていた。
「何話してんだろ?」
「うーん…よく聞こえないなぁ…」
すると、上から何かが降ってきた。
「レギオロイドォ!?」
「オデ、ストーンロイド。ヒスイ、ナノカ、ドコ。」
「俺たちを探してる…?」
そしてストーンロイドはロボと少女の方を見つめた。
「アイツラ、タブン。ツカマエル。」
そしてストーンロイドはドシドシと少女達の方に向かっていく。
「ッ!」
翡翠はすぐさま物陰から飛び出して二人をガードした。
「あ、あなたは…」
「逃げろッ!これ以上は持ち堪えられない!」
「は、はい!」
「クラーラ、行こう。」
ロボはクラーラを連れて何処かに消えて行った。
「翡翠!」
なのかが矢を構えて放つ。
ストーンロイドの足を凍結させて、翡翠は足蹴りを繰り出しそのままバク転してなのかの隣に立った。
そして、それを追ってくるかのように御影とアクセル達もやってきた。
「手助け、するぜッ!!」
アクセルは大剣を変形させて斬りかかった。
煙が辺りを包んだ。
御影が煙を晴らすと、ストーンロイドは居なかった。
「き、消えた…?」
「クソッ、逃したか。」
「馬鹿、なんで逃すんだよ。」
アクセルは剣を帯刀する。
翡翠は息を切らす。
「流石に…走り過ぎたか…?」
「翡翠、大丈夫?休んだ方が…」
なのかが翡翠を支えた。
「悪いな。」
奥では、アクセルとゼーレが中年の男性が会話をしていた。
「あれがオレグかな?」
「うん。ダンディなイケオジだね。」
御影が翡翠達に近づいてきた。
「なのか、俺が変わる。」
御影は翡翠の腹にパンチを繰り出した。
「ブッ!?」
そのまま翡翠は気絶してしまったが、御影は翡翠を担いだ。
そしてそのまま街に戻って行った。
………………
次に目を開けると、そこはホテルの中だった。
上着と服がハンガーにかけられており、翡翠はインナーのままだった。
(眠れねぇな。ちょっと散歩にでも行くか。)
翡翠はベッドから立ち上がり、外に向かった。
外に出ると、そこにブローニャが立っているのを見つけた。
翡翠はブローニャに近づく。
「そこにいるのは誰!?」
「うおっ!?びっくりした、脅かすなよ。」
「…なんだ。貴方だったの。私が武器を持ってたら怪我を負わせてた。…翡翠も眠れないの?」
「うん。御影に気絶させられてたみたいだ。」
翡翠は頭を掻きむしり、後ろを向いてくしゃみをした。
「…ねえ、今は誰も居ないしこの機会に一つ聞いてもいい?」
「ん?」
「もし、『星核』を見つけられたら、この寒波を止められるの?」
それを聞いた翡翠は悩んだ。
「…わかんね。丹恒に聞いたらわかるかな。」
しかし、それを聞いたブローニャはホッとしていた。
「そう、ありがとう。むしろホッとした。…本当は翡翠達の言葉にそう簡単に信じられそうにないの。ベロブルグに生きる人にとって、あまりにも想像できない話だったから……」
「カカリア様の命令…つまり、翡翠達を捕えろと言う命令こそが私にとって合理的だった。でも、カカリア様がそう言った命令を下してなかったの事実……」
「きっと…翡翠達の中に何かを見てしまったんだと思う。私には見えない何かを…それが私を悩ませてる。何があったかも分からないし、急に態度を変えた理由も不明。でも、命令は命令。軍人は命令を疑ってはいけない。」
ブローニャは黙々と言葉を募らせて言った。
「ブローニャの立場なんだ。仕方ないさ。」
「…弁解の余地をくれるの?ありがとう。私自身も何度か疑った事はある。でも、責任感が勝っちゃうんだけどね。」
「ブローニャらしいや。」
そして二人は街を歩きながら、色々な事を話した。
すると、アクセルとゼーレが何かを話し合っていた。
「ゼーレ、1人で大丈夫か?誰か人を寄越してもらったらどうだ?」
「おじさん達は何日だって休んでないし、無理して来られても足手纏いになるだけ。アンタも言ったでしょ?酷い怪我を負った鉱夫も居るって。今は一向を争う事態だから…」
それを聞いたブローニャと翡翠はアクセル達に近づいて行った。
「なんか面白そうな事話してんじゃん。」
「…おいおい。寝ないでいいのかよ。」
「散歩だよ散歩。で、どんな事しようとしてんだ?」
「お前の言うとおり、面白い事さ。」
それを聞いた翡翠はニカっと笑った。
「ま、何をするかはお任せするから、行こうぜ。」
「ちょっと、アクセル。いいの?」
「こいつらの戦闘力は俺たちと同等だ。役に立つ。」
「…ふん。アクセルが言うならイイけど…」
そして四人は武器を手に持ち、アクセルはナターシャのメモを睨んだ。
「鉄板、包帯、消毒液、陣痛剤…こんぐらいだな。」
「はあ…すぐ見つけて、さっさと戻ろうぜ。」
「だな。行こう。」
そして四人は目的地の『リベットタウン』に向かった。
ストーンロイド
初期型レギオロイド。鈍重な動きと高い防御力を持つレギオロイド。
カタコトでギリギリ聞き取れるぐらいのセリフ。