「ウチらが寝てる時にそんな事してたの!?」
「うん。アクセルのパワーとゼーレのスピードは優れたものだ。」
「そう言う話じゃ無くて!何にも無かったの!?」
「え?なんも無かったけど?」
「ホントかなー?第十一話!早く!」
「いつもより焦ってない?」
「ここだ。」
アクセルとゼーレに案内されて、目的地のリベットタウンにやってきた。
「……懐かしいな。俺とゼーレは、昔ここに住んでた。」
「そうだったのか。」
「孤児院生まれでな。今は、裂界に侵蝕されて、住めなくなっちまったけど……」
「そうだったのか…悪いな。」
「気にすんなって。過ぎた事だ。」
アクセルはそう言って、歩き続ける。
四人は見晴らしのいい高台からリベットタウンを眺めた。
「…あれだ。あの丘にあるのがナターシャが管理してた孤児院だ。餓鬼の頃は、幼少期の半分はあそこで過ごしてた。」
「ん?」
翡翠がブローニャの方を見ると、少し悩んでいるように感じた。
「どうした?」
「いえ、ただ何処かで見たような気がして…なんでもないから気にしないで。」
「……変な奴。」
四人は高台の下にある市場で目的の物を探す。
「……あれ、無い。」
「んー…じゃあ別の場所に行ってみるか。」
そして四人は市場を走り回った。
モンスターを薙ぎ倒しながら、物資を探し回る。
「あ〜!何処にもねぇ!」
「クソッ、流浪者に物色されたんじゃねぇの。」
「裂界のモンスターは人間のアイテムを必要とはしない。じゃあ…誰かが物色したって訳ね。」
ブローニャは地面に足跡があるのが見えた。
アクセルは地面に触って目を閉じた。
「……………」
翡翠はアクセルの奇妙な行動について聞いた。
いくらなんでも、地面に触って目を閉じるのは奇妙と感じるからだ。
「…なあゼーレ?あいつ何してんの?」
「…アクセルの不思議パワーよ。あいつ、地面に触って誰が通ったかを確認できるの。ま、追跡に便利って訳ね。」
「見えた。向こうだ!」
アクセルが走っていくと、ゼーレ達も追っていく。
…………
そして、しばらく走っていると、向こうに何やら少年が居るのが見えた。
「ん?あれは…エリック?」
「おいこら餓鬼!なんでこんなとこに居るんだよ!」
「ゼーレ、こいつは?」
アクセルがエリックと話している最中、翡翠はゼーレで小声で話しかける。
「こいつはエリック。有名なコソ泥。今着てる服も他の餓鬼から盗んだ奴。」
「悪ガキだなー。」
「で?鋼板と包帯で何するんだ?」
「…200」
「あ?」
「…200ガルド…」
「嘘だろ?こんな時に交渉かよ!?」
「200ガルドって高いのか?」
「……別に高くは無いけど…今財布持ってなくて…」
「間に受けんな。いつもの手口だ。で、どうなんだ。またオヤジを言い訳にしたら…」
アクセルは殺気を漂わせながら剣を握ろうとする。
「うぅ……」
「アクセル、もうやめとけって。」
翡翠がアクセルを止める。
翡翠はエリックに近づき、懐からある物を取り出した。
「エリックだっけ?足しになるか分かんないけど、これ。」
それは、美しい輝きを放つ宝石だった。
「こ、これは?」
「これはオパールって言ってな。これを目利きできるやつに売れば、高く売ってくれるはずだ。」
「ぐすっ…ありがとうお兄ちゃん!俺…」
「これを機に、物なんて盗んだりするなよ?いいか?」
「分かった!俺絶対もう盗んだりしない!」
「じゃあ指切り。嘘ついたら、こわーいアクセル兄さんが襲ってくるからな。」
「ありがとう、名前の知らない兄ちゃん!ここにある物全部兄ちゃんたちにやるよ!」
そしてエリックはそのまま去って行った。
「頭上に注意しろよー!」
……………
「いいのかよ。あんな貴重な物。エリックに渡しちまって。」
「いいんだよ。困ってんなら、助けなきゃな。」
「…例え、その行いが偽善だとしても、俺は困ってる奴は見過ごせないんだ。」
翡翠の言葉にアクセルは黙った。
「そっか。お前らしいな。」
「そうかな?」
そして四人が歩みを進めようとすると、翡翠の頭に電撃が走った。
「…!…なあ、ちょっと迂回しないか。嫌な予感がする。」
「は?いきなりかよ。」
「商店街って…こっちか?」
「そっから行くつもりなのか?」
アクセルは暫く悩んだ後、翡翠に賛同した。
「分かった。ゼーレ、ブローニャ行くぞ。」
アクセル達は翡翠に着いていくように歩いて行った。
アクセルは急に翡翠の事が気になった。
(確かにさっき確認した時に…孤児院の道は封じられていた…)
(あいつの能力なのか…?)
数分も歩いて漸くして孤児院に到着した。
「ここだな?」
アクセルとゼーレが目的の物を探している間、翡翠はブローニャと話していた。
「…私…なんだかここに見覚えがある…」
「そうなのか?お前上層部の生まれじゃ?」
「うーん…どうなんだろう…分かんない…」
そしてアクセル達が落ち込んだ表情をしていた。
「無かった。」
「は?嘘だろ?」
「本当だよ。畜生…」
アクセルが壁に拳をぶつける。
しかし、そんな余裕は無く、後ろからストーンロイドが現れた。
「チッ、お前が来やがったか!」
「ちょうどいいわ!包帯が無かった腹いせにあんたをボコボコにしてやる!」
二人は武器を構えてストーンロイドに向かって行った。
「ブローニャ行くぜ!」
「うん!」
ブローニャは銃剣で援護射撃を行い、翡翠は剣を抜いてストーンロイドに走って行く。
三人の攻撃が命中するが、ストーンロイドの硬い外皮に弾かれた。
「畜生!硬すぎる!」
「何か…奴に対抗できる武装があれば…」
アクセルがそう言うと、翡翠の宝石が光を放ち始めた。
「!?」
六つの宝石を取り出すと、それがゼーレとアクセルに飛んでいき、残った三つの宝石も何処かに飛んで行った。
「こ、これは…?」
すると、宝石は武器に変化した。
「凄い…翡翠の宝石が武器になった…」
「…よく分かんないけど…これなら行ける!」
三人は武器を持ち替えてストーンロイドに攻撃を再開した。
「おりゃ!」
翡翠の剣が攻撃をすると、ストーンロイドの腕にヒビが入った。
「!効いてるぜ!」
「それが判ればこっちのもんだ!」
アクセルは至近距離まで近づいてストーンロイドの胸部分に連射する。
「グゴゴゴゴゴ!」
「そらっ!」
ゼーレも続いてクローで回転攻撃を続ける。
「そろそろトドメだ!」
三人の武器を連結されていく。
「「「『トリプルバスター』!」」」
武器を連結させてストーンロイドに構える三人。
「「「バニッシュ!」」」
そして超加速された弾丸がストーンロイドを貫いた。
「ウガガガガガ」
そしてストーンロイドはそのまま爆散していった。
…………………………
そして、ひたすら目的の物を探し続ける事数時間。
「あっ!これよ!見つけたわ!」
「殆ど無傷だ。やったな。」
ゼーレとアクセルは拳を合わせる。
「一応、アルコールの使用期限は確認した方がいいと思う。期限が切れてたら効果も落ちるだろうから。」
「そうだな。えーっと…ん?これは?」
アクセルが謎の物体を発見した。
「そ、それは…私が小さい頃に持っていた物…」
「え、ブローニャの小さい頃の?それって間違いないのか?」
「昔、ここに来た事があるのか?」
翡翠はそう言うと、ブローニャは頷く。
「思い…出した。私は、昔ここに住んでいた。建創者に連れて行かれ、カカリア様に引き取られるまで……ここに住んでた…私は…下層部の人間だったんだ…」
「ブローニャは下層部の人間…?てかっ、カカリアって『大守護者』の…」
「そう、私は建創者によって定められた継承者。将来、ベロブルグを率いる『守護者』になる存在。」
「………」
「でも、どうして今まで思い出せなかったんだろう。小さい頃の記憶がはっきりしない…」
「…もしかしたら、カカリアが細工でもしたんじゃ?」
「それはあり得るかもな。」
そして三人は考え込んだ。
それからはブローニャの話が続いた。
守護者が極秘で選ばれる事や、その際の記憶を消す事。
など…
それを聞いた翡翠がブローニャの前に立った。
「ブローニャ。お前、少し背負い過ぎだって。自分を追い込もうとするな。」
「ベロブルグの未来の守護者として…私は常に自分の行いと考えを見つめ直す必要があるから…」
「…ま、俺はブローニャの意思を尊重するさ。」
そう言って翡翠はブローニャに肩を置いた。
「…なあ、アクセル…ちょっと二人にしてやろうぜ。俺達は陣痛剤を探そう。」
「…それがいいかもな。」
そしてアクセルと翡翠はこっそりとゼーレ達から離れ、陣痛剤を探しに向かった。
この世界の通過について(妄想)
各作品によって通貨が違います。(願望)
1モラ=1円(原神)
1ガルド=10円(テイルズ、スタレ)
1龍門幣=10円(アークナイツ)
1クレジット=100円(ブルアカ、ゴッドイーター)
1信用ポイント=0.5円(スタレ)
【今回の用語】
マルチウェポン
翡翠やアクセルが持つ個別装備。
合体させる事で凄まじい威力を発揮する。
レッドスラッシャー
翡翠が所持する個別装備。オリハルコン製の刃でどんな硬いものでよ斬り裂く。
ブラックボウガン
アクセルが所持する個別装備。毎秒0.5秒の速度でエネルギーの矢を連射可能。
バイオレットクロー
ゼーレが所持する個別装備。オリハルコン製の鋭い爪を持つ。