「ベロブルグの危機って奴だね!ウチらで頑張ろ!」
「…正直どんな場所か分からんから不安だ。」
「大丈夫だよ!その事は第十五話が教えてくれるよ!」
「ここが裂界?」
ゼーレがそう言いながら辺りを見回す。
「外縁通路が受けた侵蝕と比べたら、天と地程の差があるな。」
御影がそう言って思考を巡らせていた。
「なんか不気味だな…嫌なプレッシャーを感じるぜ。」
「翡翠もそう思う?ウチも…なんか色んなとこから沢山の眼で見られてる感じがするんだよね。」
そう言ってなのかは体を震わせる。
「大丈夫か?不安なら、俺の側から離れるなよ。」
「うん…ありがと翡翠…」
なのかが俺の服の袖を掴んできた。このプレッシャーだ。無理も無い。
「セーバルは星核がベロブルグ北部の雪原にある可能性が高いって言ってたな。」
「そこに行くには、この迷路みたいな道を抜け出さないとな。」
御影がそう言う、五人は頷いて道を歩き始めた。
「案内人も居ないから、慎重に進まないとな。」
俺達は慎重に迷路のように複雑な通路を進む。
「あれ?」
なのかが何かを発見した。
「あれってブローニャじゃん!え、ええ!?なんでカカリアもいるの!?」
なのか達の目線の先にはブローニャとカカリアが居た。
しかし、何やらホログラムのような感覚をしていた。
「…」
俺がブローニャに触ろうとすると、透けてホログラムは消えた。
「裂界が複製した残滓みたいなものだと思う。確証は無いが…」
御影は頭を悩ませてそう呟く。
「でも。ここにブローニャ達が来たって事だよね。」
星がポジティブに考えて言った。
「そうだな。あっちに行ってみよう!」
六人はブローニャの残影を追って奥に進んだ。
○○○○○
「おやおや、こんなところにまで来たようですね。」
翡翠達の動向を観察していたデクターは、ケーブルをその辺に落ちていたプロペラに突き刺した。
「レギオウィルス『飛ぶ』インストール。」
『プロペラロイド、プロペラロイド、プロペラロイド。』
「デクター様、何か御用ですか?」
「開拓者達を追いなさい。」
「ハッ!了解です!」
プロペラロイドは命令通りに空に飛んでいった。
「さぁて、そろそろ動きますかね。」
そう言ってデクターはニヤリと笑った。
☆☆☆☆☆
俺達は扉の前で立ち止まっていた。
「参ったなぁ…」
「エネルギー中枢に似た物があったよね。戻って調べようよ。」
「だな。」
道を振り返って、エネルギー中枢に似たところに戻ってきた。
「…………解除完了。」
御影がエネルギーを復旧させた。
「じゃ、戻ろうぜ。」
「待て翡翠。」
俺が行こうとすると、御影に止められた。
「前にさ、夢を見たって言ってたよな。」
「だな。」
「ま…なんて言えばいいかな…あっ、そうそう。夢の中の声がどんなのかを思い出して欲しいんだよ。」
「えぇー?無理だろ。」
「ダメ元でもいいからやれ!」
御影に言われて目を閉じたものの。記憶には期待してなかった。しかし、やがてあの『声』が頭の中に流れ込んできた。
『カカ…リア…脅威が…迫ってくる…』
『必ず…絶たねば…必ず…徹底的に…』
「!」
俺が目を開ける。
「どうだ?」
「確かに…声がした。」
「…翡翠も…?」
「え?なのか達もか?」
御影、星、なのかの三人も俺が夢で聞いた時と同じ声が聞こえたようだった。
アクセルとゼーレはなんのこっちゃと言う顔をしているが、まあ当然だろうと思う。
「…もしかしたら…俺達の中にある星核が…ヤリーロの星核と呼応したんだと思う…」
「え…じゃあ…ウチらにも…」
なのかは胸に手を当てる。それを見た星も胸に手を当てた。
「…俺の推論なんだが…お前の星核の力で呼応したと思う。」
「俺の星核が…?」
「ああ。俺達の星核よりも純度が高い星核…それがこの星の星核と『換起』したんだと思う。」
御影の言ってる事は分からなかったが、まあ俺の力が凄いということだけが分かった。
「…あの…話は済んだか?」
アクセルが俺たちの肩をポンポン叩く。
「ああ。話は済んだし、行こう。」
アクセルとゼーレに続いてドアの先を抜けて行った。
「…ここらの敵、これまでのモンスターと全然違ったね。裂界が生み出したモノだって知らなかったら、人間と戦ってるって勘違いしてたかも。」
「そこらのモンスターより、知能も持ってるのが厄介だよね。」
星はバットを振ってモンスターを薙ぎ倒していく。
「あ、見て。ブローニャとカカリアの残影…二人もここを通ったみたいよ。」
ゼーレが指を刺す。
しかし、俺達は少し眩暈がしてきた。
「大丈夫か?」
「もしかしたら…これが裂界に近づいてるって証拠かも…」
「だったら話が早いな。」
アクセルが先を進もうとする。
しかし、空から何かが降ってきた。
「散開!」
御影の呼びかけで俺達は散開した。
「これは…」
「おやおや、避けましたか。」
声のした方を見上げると、そこにはデクターが突っ立っていた。
「デクター!お前か!」
「やあやあ翡翠。元気そうで何より。」
デクターは律儀にお辞儀してきた。妙に紳士的でムカつく。
「…お前!俺達は故郷守る為に忙しいんだよ!どっか行け!」
アクセルがデクターを怒鳴りだした。しかしデクターは顔色変えずに、むしろフッと鼻で笑い出した。
「何がおかしい…!」
「いいえ、別に…ただ薄っぺらい理由だと思っただけです。」
「何ッ!?」
「いいですか?私たち『星核ハンター』は、この星だけでなく、全銀河に侵略を進めています。」
「この星の危機はそれに巻き込まれただけ…ああ可哀想に…哀れ哀れ…」
デクターは続けてアクセルを煽る。贄を切らすアクセルは武器に持つ。
「テメェ…!!」
「勘違いしないでください。私は別にこの星がどうなってもいいのです。ただ、愉しければいい。」
「………あんた…相当嫌な性格してるね…」
「うん…私、アンタの事嫌いだよ。」
星となのかも怒りに震えていた。
「おっと、怖い怖い。プロペラロイド。後の始末は頼みます。私は…新しい星に行かなければなりませんからね。」
「ハッ!」
そしてデクターは転送装置を使って転送をし始めた。
「開拓者諸君。私は次に『羅浮』に行きますので。では、Au revoir(さようなら)」
デクターはそう言い残して消えてしまった。
「あの野郎!」
「待てアクセル!俺たちの相手はあのレギオロイドだ!」
俺が怒れるアクセルを宥め、鞘から剣を抜いてプロペラロイドに走っていく。
プロペラロイドから放たれたプロペラカッターを回避しながら、攻撃を命中させていく。
「援護するよ!」
「たくっ、しょうがないわね!」
ゼーレとなのかもマルチウェポンを装備し、プロペラロイドに殴りかかった。
「このぉ!」
御影と星の同時攻撃も命中し、プロペラロイドは地面に倒れ伏した。
「そこを退け!」
アクセルが大剣を抜き、エネルギー刃を展開して、そのまま切りつけた。
「くっ!ちょこざいな!」
プロペラロイドはそう言ってアクセルにカッターを命中させる。
「ぐっ…!まだまだぁ!」
腹部から血を出しながらも大剣で何度も叩きつけるアクセル。
「おりゃあ!」
ジャンプ斬りを叩き込んで、頭部のプロペラを破壊した。
「今だ!全員の武器を一つに!」
俺達のマルチウェポンを合体させ、カイタクバスターでプロペラロイドに狙いを定めた。
「カイタクバスター!」
「「「「「「バニッシュッ!!」」」」」」
俺たち六人の叫び声と共に、極太ビームがプロペラロイドに命中し、そのまま消し炭になった。
「…よしっ!」
「…デクターの奴め…」
俺達がデクターの野望を知り、その場で怒っていた。
「そこの!今はベロブルグの問題よ!その…デクターって奴の問題は後回し!いいわね!?」
「お、おう!」
ゼーレに発破をかけられた俺達は今の目的を再認識し、そのまま星核の元に向かって行った。
☆☆☆☆☆←メインキャラ視点
○○○○○←三人称視点
プロペラロイド
空を飛べる。プロペラをカッターにして飛ばしてくる。