「うん。なのか、頑張ろうね。」
「あたしもいる事忘れないでよ。」
「ウチらと翡翠の活躍で、この星を救っちゃうよー!」
「クライマックス!第十七話、どうぞ〜。」
☆☆☆☆☆
「あり得ない…」
「『存護』の意志は俺達を選択した…」
「貴様らは世界を何も理解していない…その先に待っている結末を何も知らない!」
「たとえ滅ぶ運命だとしても、私達は手を取り合い、勇気を持って暗闇の中を歩いていく…」
ブローニャは俺の手を掴んだ。
「そうだ。俺達がいる限り、こんな結末は訪れない!」
俺は龍狼形態になり、カカリアの懐まで走っていく。
「星!やれるな!」
「うん!」
御影と星が武器を構えてカカリアの元に向かっていく。
星の槍の力でその場には陽炎しか残されていなかった。
「炎の槍よ…断ち切れ!」
「行くぞッ!」
御影は剣に雷鳴を纏わせ、瞬間移動で空に飛び上がった。
「襲爪雷斬ッ!」
「行けぇ!」
星と御影の同時攻撃で槍を一本破壊した。
「ブローニャ!手を貸して!」
「うん!」
なのかとブローニャが背を合わせて、迫り来る攻撃を撃ち落とす。
『俺たちだって!おりゃあ!』
ゴウリュウジンに乗る、アクセルとゼーレ、暴走する存護ロボを食い止めていた。
『行くぞ!ゼーレ!』
『ええ!背中は預けたわよ!』
二機のメガゾードが共に走り出し、分離して、合体し始めた。
『『完成ッ!ゴウリュウカイタクオー!』』
ゴウリュウカイタクオーを駆る二人、その火力は存護ロボを一瞬にして崩壊させていった。
「馬鹿な…!」
「余所見するなっての!」
余所見をするカカリアの槍をエネルギーの尻尾で破壊する。
一旦バックステップを取り、空から降り落ちる氷柱、爪で引き裂いて破壊する。
「星!」
「翡翠、どうしたの!?」
「槍投げろ!」
「う、うん!」
俺は星が槍を空中に投げたのを確認する。
それと同時に両手に量子エネルギーを溜め込んだ。
「喰らえ!」
二つの量子エネルギーを投擲し、槍の力で分散させて拡散させた。
カイタクオーから降りてくるゼーレとアクセル。
それと同時に空が暗くなってきた。
「…星核の力は…私と共にある…」
「貴様らは…旧世界の崩壊を前に死闘しているだけに過ぎない!」
「んな事は俺達が決める!」
「そうだよ!私達は…その為にここに居るんだ!」
俺はマルチウェポンを召喚して、五人の武装と連結していった。
「この手で…偉大なる新世界を築くッ!!」
カカリアが空に向かって手を差し伸べると、空から巨大な結晶が落ちてきた。
「カイタクバスタァァァァ!」
俺達は落ちてくる結晶にカイタクバスターで対抗した。
「「「バニッシュッッ!!」」」
御影とアクセルと俺が叫び、結晶とビームがぶつかり合い、辺りは光に包まれた。
光は予想以上に強く。何も見えない。
「ぐっ……」
俺は衝撃で吹き飛ばされてしまった。
なんとか立ちあがろうとしても…力が入らない…
目もぼやけて見えずらい…
一体…何…
が……
「嫌っ!お母様を連れて行かないで…!」
…………………………………
「翡翠…」
「翡翠…!」
「翡翠ッ!」
「!」
俺はなのかの声で目が覚めた。
「ハッ!カカリアは…うっ…」
「あ、まだ安静にして!頭打って少しクラクラしてるんだよ…」
「大丈夫だ…これぐらい…」
俺はフラフラしながら立ち上がる。
なのかに支えてもらいながら、俺はブローニャの方に近づいた。
「ブ、ブローニャ…カカリアは…」
「………………」
ブローニャは沈黙した。
俺はそれで察してしまった。
カカリアはあの時、力を使い果たして消えてしまったのだと……
「…ブローニャ…」
俺はブローニャに抱きついた。
「翡翠…」
「泣きたい時は…泣いてもいいんだぞ。」
「翡翠…うぐっ…うぅ…!」
俺がそう言うと、ブローニャは抱きついて大声で泣いた。
泣いて泣いて、それはもう泣きじゃくった。
それは当然なのかもしれない。ヤリーロⅥの事件の元凶だったとしても、カカリアは…彼女はブローニャにとっては母親だったのだから……
ブローニャの泣き声は辺りに響き渡った。
そして数分後…ブローニャは俺から離れた。
「ありがとひすいっ…」
「気にすんなって。」
俺はブローニャの肩を優しく叩く。
「家族…家族かぁ…」
なのかは不思議そうな顔をしていた。
「ウチ…そういうの分かんない…こういう時、どんな顔すればいいか…分かんない…」
なのかが珍しく暗い顔をしていた。
彼女は記憶喪失で、家族が居たかも分からない状況だった。
だから、二人の関係がまだ上手く理解出来ないのだと思った。
「なの。暗い顔するなんてお前らしくねぇぞ?」
「翡翠…」
「なんとかなった。それだけの事さ。」
俺はなのかの頭をめちゃめちゃ撫でた。
「うん…ありがと翡翠。」
いつもの元気なのかに戻ったようだった。
「これが…星核?」
ゼーレとアクセルが星核らしき光の球体を見つめていた。
「これが…」
俺は釣られるように星核を覗き見た。
そして試しに手をかざしてみた。
「!?」
星核が俺の胸に近づいてきた。
「な、なんだこりゃ!?」
考える暇も無く、星核が俺の中に入った。
俺はびっくりしてぶっ倒れてしまった。
「翡翠!?」
「大丈夫?」
「あ、ああ…」
俺はブローニャとなのかの手を掴んで立ち上がる。
「星核が俺の中に…」
「その事はヴェルトさんに言おう。ひとまずベロブルグに戻るぞ。」
御影の言うとおり、俺達はベロブルグへと帰還した。
…………そして翌日。
俺達は下層部に向かい、ナターシャ達に色々な事を伝えた。
しかし、ゼーレの考えで、『カカリアは存護の為に犠牲になった』と俺達は嘘をつく事になった。
そして、数時間かけて上層部に戻った。
「よう、ジェパード。」
「『開拓者』。改めて、ようこそベロブルグへ。」
「開拓者…」
「この星でそう言われたの初めてだよ。」
「建創者から呼称を使うべきだと判断されてね。余所者では距離感があるからね。」
「禁句での事を聞いたよ。すまなかった。」
ジェパードが俺たちに頭を下げてきた。別に俺達はここまでの事をしてはいない。
「気にすんなって。不意打ちは誰でも気付けないからな。」
「そういえば、もうすぐブローニャ様の就任スピーチが始まる。僕は彼女の命を受けて、この事を君達に知らせに来たんだ。」
「え、もうスピーチを?体調優れないんじゃ…」
「あまり芳しく無い…だが、彼女は一刻も早くスピーチを行い、すべての人々が納得する説明をしたいと頑なにね。」
「翡翠、君は最前で見て欲しいとの事だ。」
「俺だけ?」
自分に指を刺す。それを見たジェパードは頷いた。
俺はスピーチ場の一番近くに立った。
「お、始まった。」
俺がそう呟くと、ブローニャのスピーチが始まった。
彼女のスピーチは、何処と無くカカリアを連想させ、それでいて彼女らしいスピーチだった。
その途中で俺達の話もした。直接されるとなんだか恥ずかしい…
スピーチが終わり、俺は拍手をした。
とても、素晴らしいスピーチだった。
…………
俺達がブローニャの元に向かう。
「ブローニャ、大丈夫か?」
「翡翠、スピーチに間に合ってよかった。ごめんなさい、日程に無理があったのは承知だけど…市民を待たせる訳にはいかなくて…」
「それでも、いいスピーチだったぜ。」
「うん…ありがとう…」
「ブローニャなら、きっといい指導者になれると思うぜ。」
俺が笑顔になると、ブローニャも笑顔になった。
「俺達、これから…この星を離れなきゃいけ無くなったんだ。」
「ああ。事件も終わったし、もうここに残る必要は無くなったからな。」
御影がそう言う。
「………分かってる。翡翠は困ってる人は見過ごせないもんね。」
「…でも、またいつか遊びに行くよ!なのかも、御影も、星も、あとゼーレとアクセルも連れて…また遊びに行くよ!」
「翡翠…ありがとう…その日を楽しみにしてる。」
ブローニャがそう言ったのを確認して、俺達はその場を後にした。
「あ!待って!」
「ん?何か…」
俺がブローニャの方を振り向くと、唇に熱い感触が伝わってきた。
至近距離。俺の両肩を掴むブローニャ。
「……………」
「…これは…私なりのほんの気持ち…翡翠、あなた達の旅に『存護』の加護が在らん事を…」
俺達はそれを聞いて、静かに去った。
俺は唇を触る。
今だに状況が飲めていない。
「………………むぅ…ファーストキス取られちゃった…」
「ん?なんか言ったか?」
「ふんっ!知らないならいいもん!」
なのかはそっぽ向いた。
御影と星は俺を見てニヤニヤしていた。
状況を飲み込めていないのは俺だけなのだろうか?
○○○○○
翡翠達は星穹列車に帰還した。
すると、四人は無駄に体の疲れが一気に押しかけてきた。
「うう…なんか疲れた…」
「翡翠…初めての旅はどうだった?」
「は、はは…まだ行けるっての…いててっ」
翡翠は腰を触る。御影に至っては悶絶していた。
丹恒とヴェルトが何かを話し合っていた。
「ヴェルトさん。翡翠の星核の事…」
「ああ…彼には…何か特殊な力を持っているのだろう…」
「複数の星核を取り込める力…」
「…………」
御影はソファに座って、くつろいでいると、何か目立つ木箱を発見した。
「ヴェルトさん。あんな木箱あったっけ?」
「ん?俺は知らないが…」
「そっかぁ…」
御影はダガーを木箱に投げつけた。
ダガーが木箱に突き刺さると、突然暴れ始めた。
「きゃあ!なになに!?」
「ゆ、幽霊じゃないよね!?」
星となのかが御影達の後ろに隠れる。
そして木箱から人が二人ほどで出てきた。
「あっ!!」
「アクセル…!ゼーレ…!」
紫のロングヘアの少女と赤髪の少年であるゼーレとアクセルが入っていた。
……
彼らが星穹列車に乗る事で、この先の戦いが激化していく事を、彼らは知る余地は無い……
ゴウリュウカイタクオー
カイタクオーとゴウリュウジンが合体した形態。
ドリルとドラゴンヘッドによる格闘線に特化した形態。
アクセル・ゼーレ
木箱に隠れて星穹列車に乗ろうとしていた。
第一章 完!
次回、仙舟「羅浮」 篇!