【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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「慰霊碑に居たあの子…誰なのかな?」

「さあ…少なくとも…慰霊碑に関係してる人だろうな。」

「御影達の話も済んだし、アクセル達と合流しないとな。」

「うん。第十九話。始まるよ!」


episode.19:仙舟「羅浮」

○○○○○

 

「らんらんらーん…」

デクターは歩きながら、何をレギオロイドにするか悩んでいた。

「おや、これは…」

デクターは地面に落ちていた重力装置を拾った。

「これは使えそうですねぇ。」

「レギオンウィルス『跳ばす』…インストール…」

 

『ワープロイド、ワープロイド、ワープロイド』

「なんでもかんでも転送しちゃう…ワープロイドォ!」

「ワープロイド。適当にいろんな所で襲撃しなさい。いいですね?」

「了解であります!」

ワープロイドはワープして何処かに消えて行った。

 

☆☆☆☆☆

 

「…なあ星。」

「どうしたの御影?」

「…ヤリーロで、お前炎の槍を手に入れたよな。」

俺がヤリーロで炎の槍を手に入れた事を言うと、星は槍を出した。

「うん。」

「…ここ羅浮でも、新しい武器が手に入るかな?」

「うーん…どうなんだろう。手に入ったらいいね。」

フラグにしか聞こえなかったが、星の目は輝いていた。

あの炎の槍は、星核が強く喚起して星が入手したものだと俺は考えている。

「…とりあえず、ゼーレ達を探そう。な。」

「うん。」

俺たちは散策を開始した。

 

……そして数時間後、俺達はゼーレとアクセルを発見した。

「…うーん…負けた。」

「でも、初めてにしては上出来だよ!君麻雀得意なんだね。」

「別に…昔からそう言うの得意なだけだよ。」

「たくっ、それじゃあ合流するのは長引きそうね。」

「おーい。アクセル?」

「……………ん?あ、御影!よお。」

アクセルが立ち上がって俺に近づいてきた。

「何してたんだよ…」

「麻雀だよ。こっちの青雀って奴がさ。麻雀相手を探してたって言われたからさ。」

「ふーん…謁見終わったから、合流だぞ。」

「え、もうなのか。分かった。行こうぜ。」

アクセルは荷物を持って。俺達に着いてきた。

 

…………………………

「これからどうするよ。」

俺達全員が合流する。

「……うーん…」

翡翠が悩んでいると、空から何かが落ちていた。

 

「!」

翡翠が龍狼になって高く飛び上がった。

「きゃあ!」

「うおっ!」

翡翠がピンク髪の少女を受け止めた。

そしてゆっくり降りてきた。

「ふう…大丈夫?」

「え、ええ…」

翡翠は形態を解いて、少女を下ろした。

するとアクセルが少女に聞いてきた。

「あんなとこで何してたんだよ。投身自殺にしてはえらくダイナミックだな。」

「……私がわざわざあんな場所で投身自殺なんかすると思ってたのかしら?私は"跳ばされた"のよ。」

「…何に。」

「正体不明の怪物。」

その時点で俺達は察した。恐らくデクターが作ったレギオロイドなんだろう。

「…俺は翡翠。こっちはなのか。お前、名前は?」

「…符玄よ。」

「符玄って言うのか、よろしくな。とりあえず…」

俺達は符玄から話を聞いた。符玄は太卜司と言う所で働いていて、占いが得意。景元からいつか将軍の座を譲る日を待ち侘びてるらしい。

翡翠は終始符玄を子供扱いしていたが、両方同い年だろ、多分。

 

「…占いの結果が外れるなんて…私としたことが…」

「別に占いなんてただの予知だろ?外れる確率の方が高いって。」

「…………」

翡翠の言葉に符玄は黙秘権を使った。

 

○○○○○

 

「…………」

とある通路を歩いている一人の少年が居た。

彼は、慰霊碑で翡翠となのかと会話をした少年だった。

「おーい、朱雀ー。」

「ん?」

「今日は休み取れたけど一緒に出かけないかー?」

「………俺はいいよ。」

そう言って朱雀はその場を去った。

 

「チッ…なんだよ全く…」

街に出て、愚痴を言いながら歩く朱雀。

前を見ずに歩いてくると、誰かにぶつかり尻餅を付いた。

「…すんません。前見てなくて…」

「いたた…こっちこそごめんー…」

二人はお互い立ち上がる。

「…あっ、その服…雲騎軍だよね?ここで何してるの?」

「あんたこそ、太卜司んとこの人じゃないか。サボってて平気なのか?」

「私はいいんだよ。君は?」

青雀に聞かれた朱雀は無言を貫く。

「…あ、ごめんね。言いたくなかったらいいよ。」

「…そうですか…」

朱雀はそっぽ向く。そして、その場を立ち去ろうと青雀が手を掴んだ。

「あ、待ってよ。君、なんだか疲れてるように見えるけど…」

「あんたには関係ないでしょ!早く離してくださいよ!」

「と、とりあえず!君は仕事を休むべきだよ!」

青雀は無理矢理朱雀の手を握って走り出して行った。

「あっ!ちょっと!」

 

☆☆☆☆☆

 

彼の瞳を見た時、私に何か嫌な感じを感じさせた。

別に彼とは初めて会ったけど、何か気になって仕方が無かった。

「…暗くなってきましたね。」

「うん。あー…太卜様になんで言おうかな…」

言い訳を考えて私は頭を悩ませる。

そうして後ろを振り返ると、さっきの男の子は眠りについていた。

「…あ、布団掛けずに寝たら風邪引く…」

私が彼に布団を掛けてあげようとしたら、何か小声でボソボソと寝言が聞こえてきた…

 

「父さん…母さん…」

 

「…?」

彼の小声に耳を傾けてみる。

「父さん…母さん…ごめんなさい…ごめんなさい…」

先程の強気そうな彼とは裏腹に、非常に弱々しく掠れた声で唸っていた。

その姿を見て、私は随分前の事を思い出した。

 

 

……………

それは私は仕事をサボっていつも通りに麻雀を打っていた時の事だった。

 

『君、少しいいかい?』

『え…?あなたは?』

後ろを振り向くと、雲騎軍を率いている将軍の景元が居た。

『しょ、将軍様!?なんでここに!?』

やばいやばい、その事を太卜様に伝えられたら…

『ああ、別にこの事を符玄殿に告げ口はしないよ。』

それを聞いた私はホッとする。それと同時に将軍様の顔が少し落ち込んだ表情になる。

『君には、伝えておきたい事がある。』

『私に?』

『ああ…いつか、君の力が必要になる少年がやってくるようになるかもしれないんだ。』

『その時は、君が力になってくれ。』

……………

 

当初、その言葉の意味が分からなかったが、もしかして…この子が…?

「ううん…流石に無いよね…」

私は流石に将軍様の冗談だと捉えていたが、彼を見ていると、胸が痛くなってくる。

「……………」

私は彼に背後から抱きつく。

「…今は…ゆっくりおやすみ…」

そう言って私は眠りについた。

 

詳しい事は明日考えようと思う。

 

 

…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○

 

辺りが静まり返り、静寂が包み込む夜中。

翡翠達はホテルに泊まってくつろいでいた。

「……」

翡翠は外に出て夜空を見上げていた。

「…眠れないの?」

「符玄か…お前も眠れないの?」

「ええ…疲れてるはずだけど…目が冴えたのかしら…」

「…隣来る?」

「ええ。じゃ、遠慮無く。」

符玄は翡翠の隣に座る。

「……開拓者というのは、いつも面倒ごとに巻き込まれてるらしいわね。」

「ん?まあな。ま、冒険は何が起こるかわかんねぇから楽しいんだよ。」

翡翠はニカっと笑う。それに対して符玄は微笑する。

「…あ、そうだ。符玄。ちょっと寄ってくれよ。」

「え…?一体何を…」

翡翠は符玄の肩を掴んで、隣に寄せた。

「はい、チーズ!」

 

パシャりという音と共に翡翠は写真を撮った。

「……………!?」

符玄はいきなりの出来事に頭が混乱していた。

「あ、いきなりごめんな。俺、有名人と写真を撮るのが夢でさ…」

「……いいい…いきなり何をするのよ…!びっくりするじゃない!」

「あ…ごめん…」

符玄は頬を赤らめながら、翡翠の方を向く。

「写真…見せなさいよ。」

「え?うん。」

翡翠は先程撮った写真を符玄に見せた。

 

「こいつ…かっこいいわね…」

「ん?なんか言った?」

「なんでもないわ!」

そう言って符玄はそっぽ向いた。

「……翡翠って言ったわね?」

「ん?ああ…」

「連絡先…交換しないかしら。」

それを聞いた翡翠は一瞬驚いた表情をしたが、すぐに頷いた。

「分かった。」

そして、二人がお互い連絡先を交換し合っている。

 

それを遠目から見つめている影があった。

 

「翡翠…あの女と…一体何を…」

なのかが翡翠と符玄の様子を見ていた。

それを見たなのかは胸の辺りがズキっと痛んだ。

(痛い…)

自身の胸を抑えるなのか。

(なんなんだろう…この気持ち…)

初めての気持ちに戸惑うなのか。

 

そんな三人を置いていくかのように、夜は過ぎ、日差しが差してきた。




符玄
CV:伊藤美来
太卜司。ワープロイドに飛ばされて、翡翠達の元に召喚された。翡翠と連絡先を交換した。

朱雀
CV:内山昂輝
若くして雲騎軍になった少年。純粋な性格。童顔細身、中性的で幼い。剣の才能は彦卿以上とされている。実は15歳。

青雀
CV:伊達朱里紗
仙舟「羅浮」の太卜司の卜者兼書庫の管理員。サボり魔。身長はかなり低いが朱雀より二歳年上。

景元
CV:小野大輔
将軍。雲騎軍を率いている。こう見えても結構長生き。青雀にだけ、何かを伝えたらしいが…
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