【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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「……」

「今回はウチのメイン回だよ!」

「今は翡翠達居ないから、ウチ一人で喋ってるんだ!」

「…やっぱり一人じゃやりずらいなぁ…」

「もういいや!二十七話始まるよ!」


episode.27:廻る記憶

……翌日

 

☆☆☆☆☆

 

「おはよう符玄。仕事は順調?」

ウチらはある事を頼みに符玄の元に向かった。

「…あいにく私は忙しいの。要件があるなら早くしなさい。」

「……」

「『どうして分かったの』って表情ね。私の肩書きを思い出して納得して口に出せなかったのよね?」

「流石符玄。」

翡翠はウチの考えを理解した符玄に感謝を述べた。

それと同時にウチは頼み事を言うことにした。

「…で?頼み事は何?できる範囲ならやるけど。」

 

「…あ、えっと…青雀から聞いたんだけど符玄は記憶を覗ける陣が使えるから、ウチにもお願いできないかなって…」

「…そういう事ね。分かったわ。」

符玄はなんとなく納得してくれた。

「…俺何すればいい?」

蚊帳の外だった翡翠が何をしたらいいか尋ねてきた。符玄は『過去を占い終えた時のために料理を作って頂戴。』と答え、翡翠は『合点!』と言って厨房に走り出していった。

 

「じゃ、行くわよ。」

「うん…」

ウチは符玄の言う通りに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

「…ここが…」

ウチが目を開ける。

すると、そこは羅浮の市街地だった。

「陣でお前の記憶を読み取って再構築した空間よ。三月、気分はどう?」

「今のところ平気だよ。」

「丈夫なのね。だいだいの人間は膨大な情報量に耐えきれず眩暈を起こすからね。」

ウチは少し目を擦る。しかし、何故か符玄が二人に増えていた。

「符玄が二人に増えてる…!?」

「これね。これは私の投影よ。これでいつでも会話ができるでしょう?右のはお前の過去の私よ。」

「…はあ…なんだ…安心した…でも、今は何処ら辺なのかな?」

ウチと符玄は辺りを見回す。

「多分…翡翠があの赤い形態で幽霊モドキを倒した時じゃ無いかしら。」

「あー!あれだね。初めてウチがテンクウジンに乗った時だ!」

「…でも、あの時は雲騎軍がいっぱい居たよね。」

「確かにそうね…陣に不具合でもあるのかしら…いやでも起きるとしてもこんなに大雑把には…」

符玄が悩んでいて、ウチにはよく分からなかったが顰めっ面をした符玄に尋ねた。

「考えても仕方ないよ。ほら、行こ?」

「…ふっ、そうね。」

鼻で笑い符玄と共に歩みを進めた。

 

…………………

 

「…あれ、ここは…」

ウチが羅浮の街を歩いていると、突然その場が宇宙ステーションになっていた。

「ここは…翡翠達と初めて会った場所…でも居ない…」

ウチが辺りを見回す、するとそこに見知らぬ人が居た。

そいつはウチに気づいたと共にこっちに歩いてきた。

 

「私は『ガーデンオブリコレクション』のメッセンジャー。三月、どうか過去を巡るのをやめて欲しい。」

 

いきなり出会って言われたセリフはそれだった。

「過去には君が執着するようなものはない。むしろ君を傷つけるだけだ。」

「さあ、早く陣から離れて。」

ウチは黙ってメッセンジャーから離れた。

「嫌だ、ウチは諦めないから。」

「…何故そこまで…やはりあの"男"が原因か…」

「あの"男“…?」

「翡翠とか言ったね。」

「!」

ウチは驚いた。翡翠が原因?何を言っているの、この女は。

 

「あの男は危険だ…君の心を壊しかねない。」

ウチにはこいつが嘘を言っているようにしか聞こえなかった。

確かに翡翠は鈍感でキザでちょっとカッコつけだけど、誰にだって優しく接して…そんな翡翠が危険だなんて有り得るはずがない。

 

「あんた…翡翠の事悪く言わないでよ!」

「これは君のためでもあるんだ。星核を持つ君になら、分かるはずなのに…」

「無駄よ。」

すると、扉から符玄が歩いてきた。

居ないと思ってたら、そんなとこにいたんだ。

「私の観察を邪魔した挙句…翡翠の悪口も言うなんてね。」

符玄はメッセンジャーに手を翳して光弾を向けた。

うちも弓を持ってメッセンジャーに構えた。

 

「…はあ…まあいいさ。後悔しても知らないからね。」

そう言ってメッセンジャーは消えてしまった。

メッセンジャーが消えると同時にウチらは攻撃の手を止めた。

 

「…三月行きましょう。」

「うん。」

 

ウチらは歩みを進める。すると、次に着いたのはウチの部屋だった。

「あれ、なんだろこれ…」

中央部にウチの知らない氷が置かれてあった。

「三月の知らないものがあるなんて…」

ウチらはひとまずそれに近づいた。

「…触っても大丈夫だよね?」

「さあ…ひとまず触ってみたら?」

符玄にそう後押しされて、私は氷に触る。

 

「なーんだ。何にもないんじゃ…」

ウチがそう言った瞬間。辺りが光に包まれ、ウチはそれに巻き込まれてしまった。

 

………………………

 

 

『あ、起きた?』

「…んえ?符玄?」

ウチが目を覚まして立ち上がる。

しかし、そこはウチの部屋では無く、光の空間だった。

『起きないと思ってヒヤヒヤしたよ…どう?体調の方は?』

「う、うん…いいけど…あんたは?」

『うーん…今は詳しく言えないかな。』

少女はそう言ってウチに近づいてきた。

『なのか。こうやって一度話をしてみたかったんだ。』

『ガーデンオブリコレクションが邪魔して阻害されてたけど…符玄のおかげだね』

「符玄を知ってるの!?」

『そりゃあね。』

少女はニッコリと笑った。

『なのか。これから先、あなたに様々な試練が訪れると思う。』

『でも、忘れないで。あなたはこれから沢山の仲間と出会って…別れて…そんな開拓の旅が待ってる。』

『この隣には…いつも"彼"が着いてるよ。』

「彼…?翡翠の事?」

少女は翡翠の事を知っているようだった。

 

「…え、待って!一体どう言う事?」

『いずれ分かるよ。』

「いずれ…?」

『うん。君が記憶を全部取り戻した時にね。』

『……この御守り。』

すると、少女はウチの手を引っ張って何を渡してきた。

 

ウチがそれを見てみると、それは鈴蘭の花だった。

『あげる。今のウチに出来る事は、これぐらいかな。』

すると、少女は振り向いて、手を振ってきた。

『同じ"可能性"に来てくれるのを、楽しみにしてるね。』

「ねえ待って!まだ話を…!」

その言葉も虚しく、ウチは再び光に包まれた。

 

 

…………………………

 

「なのか!」

「…!翡翠…」

ウチは一瞬、頭を抑える。

「大丈夫か?」

「…う、うん…ちょっと苦しいだけだから…」

「いったい何が…急に陣が動きを止めたわ。」

「なのか、何があったんだ?」

翡翠が心配そうに尋ねて来た。ウチは先程見た光景を二人に話した。

 

「…なのかに似た女の子に色々訳の分からない話を聞いた…か…」

「うーん…情報が少な過ぎるわ。他に何か無い?」

「えっと…」

ウチは何か無いかと調べる。すると、手元に何か握られているのを感じた。

 

「これは…」

それは、陣で少女から渡された鈴蘭の花だった。

「鈴蘭…?しかも、不思議な力で形成されてるわ…」

符玄は鈴蘭を受け取ると、じっくりと見つめた。

「……これは返すわ。確認したけど、不思議な力で形成されてるとしか…」

「そっか…でも、ありがと符玄。なんか、ウチの記憶の事、少しはハッキリした…のかな。」

「さあな。でも、手掛かりは手に入ったんじゃ無いのか?」

翡翠はそう言って、肩を叩いてくれた。

すると、スマホから姫子の声が聞こえてきた。

 

『三月ちゃん、翡翠。そろそろ出発よ。早めに戻ってきてね。』

「やべっ、符玄。何か分かったら連絡くれよ。」

「ええ。翡翠も元気で。」

翡翠は走り去って、手を振りながら星穹列車に戻って行った。

ウチも翡翠の後を追おうとすると、符玄に止められた。

 

「三月。」

「ん?」

「…元気でね。」

「…うん。そっちもね。」

ウチはそう言って振り返らず、星穹列車に戻って行った。

 

○○○○○

 

「さて…みんな、お疲れ様…」

姫子が振り返って言葉を言おうとするが、全員くたびれてその場にぐっすりと眠っていた。

「みんな、疲れてるみたいだな。」

「ヤリーロⅥに続いて羅浮まで行ったものね。」

「…そろそろ休息が必要か…」

「そうね…じゃあ、次の目的地はあそこにしましょう。」

それを聞いたヴェルトは納得した。

「元々はヤリーロⅥの次に向かうところだったからな。」

「ええ。たまには羽を伸ばさないとね。」

 

そう言って姫子は笑った。

 

…………………………

 

そして、とある場所にて…

 

「……運転免許持ってたんだね。」

「……ああ。」

銀髪の少女と大柄の青髪の男性が喋っていた。

 

「……もうすぐ目的地だ。」

「オッケー、ありがと。」

そう言って少女は車から降りた。

 

「さて、行こっか。」

「……はい。」

謎のロボットと少女はホテルらしき場所に向かっていくのだった……。

 

 

 




謎の少女
CV:小倉唯
なのかの過去の奥に居た謎の少女。神秘的な姿をしており、何処かなのかに似ている。なのかに鈴蘭を渡して消えた。

蒼鈴蘭
謎の少女から渡された鈴蘭。不思議な力で構成されており、決して枯れることは無い。
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