【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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「タイムスリップを経験したが…どうしても実感が湧かない…」

「キアナは居るけど…やっぱり仲間が恋しいな…」

「…はあ……」

「あ、34話始まるぞ。」

「更新ちょっと遅れてごめんな。」


episode.34:優しさという名の夜

 

○○○○○

 

その頃、デクターのアジトでは、タイマーロイドとデクターが話し合っていた。

「ほう、強大なエネルギーで過去にタイムスリップですか。」

「そうです。翡翠と呼ばれる男がその影響でその場から消えたのです!」

「ほうほう…俺は興味深い…」

デクターは光円激化剣を取り出し、光円錐を装填して、タイマーロイドに向けた。

「タイムスリップして翡翠を消しなさい。それがあなたに託された任務です。」

「御意!」

そしてデクターが切り掛かると同時にタイマーロイドはボタンを押して過去にタイムスリップした。

 

 

………………

 

○○○○○

 

「はあっ!」

「でやっ!!」

 

アクセルと御影の二人は、列車のトレーニングルームで模擬戦を行っていた。

御影の素早い斬撃とアクセルの豪快な一撃がぶつかり合い、御影の木刀が折れた。

「!」

「っしゃ!」

アクセルは静かにガッツポーズをして喜んだ。

 

「へー…二人とも頑張ってるね。」

そこに少女の声が聞こえてきた。

二人が声の方を見ると、なのかがやってきていた。

しかも、何か言いたそうな表情だった。

「どうした?何か言いたいことでもあるのか?」

「うん…実は…」

 

「ウチに剣を教えて欲しいの。……頼めない?」

二人は一瞬唖然とするが、すぐに聞いてみた。

「どうしたんだよ急に。」

「……正直に言うと…ウチ…この列車で一番弱いと思うんだ…」

 

「御影と星は元軍人で強いし、アクセルは一撃が凄いし…翡翠とゼーレは素早い攻撃するし…ヨウおじちゃんや丹恒はなんか強い力秘めてるし…姫子は頭いい…」

「けど…ウチが持ってるのは…何もない…」

そう言ってなのかは静かに拳を握りしめた。

 

「だから、ウチに剣のこと教えて欲しいの!ウチも…翡翠の隣に立つぐらい強くなりたいもん!」

それを聞いた二人は静かに頷いた。

「分かった。でも、俺たちは翡翠と違って優しくないぞ。」

「そうだな…ま、使いたい武器を使ってみたらいいんじゃないかな?」

御影がそう言うと、なのかは木刀を二つ取った。

 

「ウチも、翡翠と同じ二刀流やってみようかな!」

そうして、アクセルと御影によるなのか特訓が開始された。

 

……………………

 

一方、翡翠は何やら悪寒を感じていた。

「なんだ…?」

「どうしたの翡翠?」

キアナが翡翠に聞くと、向こうから何かがワープしてきた。

「ふっふっふっ…ついに見つけたぞ!」

「タイマーロイド…!」

「何こいつ!?」

キアナも驚くが、すぐさま武器を構えた。

「翡翠…とか言ったな…お前に会いたいとデクター様がうるさいのでね。大人しくその首を貰い受ける!」

そして翡翠に向かってくるが、二人のキックで宇宙に吹き飛ばした。

壁を貫通してそのまま月面に転げて行った。

 

「俺たちも行くぞ!」

二人も月面に降りて、剣を構える。

「チッ!こんなところでやられるわけには…!」

「…キアナ!奴の能力にはタイムリバースの効果がある!それのせいで俺はここにきた!」

「じゃあ、あいつをどうにかすれば、翡翠は帰れるって事?」

「そゆこと。恐らく、高出力のエネルギーのぶつかり合いで発動する筈だ!」

翡翠は武器を納刀して、そのまま全速力で疾走した。

「くっ…やらせるか!タイムリバ…」

「させない!」

キアナが手を翳すと、辺りの時間が止まった。

翡翠は一瞬の出来事で戸惑った。

 

「…これは…?」

「翡翠!今だよ!」

「…!お、おう!」

翡翠はキアナに呼びかけられて、そのままタイマーロイドの背後に回った。

時間が戻ると、翡翠はタイマーロイドの背後から腕を拘束した。

「今だ!キアナ!」

「分かった!」

キアナは剣を投げ、そのまま胸部のボタンに衝突した。

その瞬間、辺りは光に包まれて、そのまま二人を飲み込んだ。

 

「キアナ!短い間ありがとな!」

翡翠はキアナとの別れを告げ、そのまま現世へと帰って行った。

 

………

一人取り残されたキアナはしばらくその場に止まった。

 

「不思議な子だったな…」

キアナは浮かぶ地球を見てそう言った。

 

 

 

………………

 

☆☆☆☆☆

 

俺はタイマーロイドと共にピノコニーへと帰ってきた。

俺がタイマーロイドと離れると同時に胸のボタンがそのまま壊された。

 

「よ、よくも!」

「それはこっちのセリフだぜ!」

俺は龍狼形態に変化し、そのまま連続キックやパンチで攻撃していく。

「まだだ!」

蒼激狼形態になり、素早い斬撃でタイマーロイドを翻弄していく。

 

「クソッ…このままでは…!」

俺が再び走り出そうとすると、何処からか声が聞こえてきた。

 

 

「焦土作戦、実行!」

 

「!?」

空から降ってきたロボによる勢いのあるキックがタイマーロイドを襲い、タイマーロイドは吹き飛ばされそのまま爆散してしまった。

辺りが爆風と爆炎に包まれ、微かに鼻に硝煙の匂いがする。

その煙が払われると、そこには白い謎のロボが立っていた。

すぐさま剣を向けるが、敵を感じられなかったのですぐさま剣を鞘に納めた。

 

「お前は…?」

俺はそう聞く…しかし、ロボットは何も言わず、その場を去って行った。

 

「…………」

俺はそのロボをただ見送ることしかできなかった。

 

………

俺は路地から出ると、ホタルを探し始めた。

ああ見えても一般人だ。巻き込まれてしまっていても仕方ないだろう。

「ホタルー!?」

俺がホタルを呼ぶと、遠くから声がしてきた。

 

「翡翠ー!」

俺を見るなり、いきなり抱きついてくるホタル。

「あ…ごめん…大丈夫だった?」

すると、ホタルはハッとして俺から離れた。

「ああ。平気だよ。」

「…他のみんなは?」

「列車に戻ったって言ってたよ。」

「そっか…連絡を…」

俺がスマホを取り出す。

しかし、既に0%だった……。

「どうしよ…ここがどっかなのかもわかんねぇし…」

すると、ホタルが何か思いついた顔をした。

「…そうだ。折角なら、アタシの秘密基地に行かない?」

「秘密基地?」

「うん。そこで気持ちを落ち着かせよ?」

俺はしばらく悩んだ末に頷いた。

「そうかもな… それに気になるし、行ってみるか…」

 

そして俺は、ホタルに案内されてホタルの秘密基地にやってきた。

 

 

「うわぁ…」

「いい眺めでしょ?ここは夢の中で一番空に近い場所なの。喧騒からも離れてて…言い争いも無い…誰にも邪魔されること無く…この景色、そして夢を感じられるの…」

ホタルが景色を見て、そう呟く。

「…凄いな…辺りを一望できるじゃん。」

「うん。本当に綺麗だよね…時間が永遠に黄金の刻に留まって、金色の夢になってる。仮面の愚者やメモキーパー、放浪する巡海レンジャー、カンパニーの使者に、星穹列車のナナシビト…それから……アタシ…」

(ナナシビトってなんだ…?)

俺はちょっと頭を悩ませた。

仮面の愚者ってなんだ?メモキーパーってなんだ?巡海レンジャーってなんだ?カンパニー…はトパーズか。

 

「ここでは理由に関係無く、誰もが眠りにつく。それぞれの目的はあるだろうけど…。」

そういえば俺達がピノコニーに来たのは元々疲れを癒す為に来たんだった。デクター達が来ていて忘れていたが。

しかし、ホタルは自分も他のメンツに入っていると言うような言い方をした。

 

「……」

そしてホタルは俺を見て、口を開いた。

「ごめんなさい…本当は…アタシは『密航者』なの。」

「…………なんやかんや…そうかなとは思ってたよ。」

「…!…やっぱり翡翠は騙せないね。」

「…アタシの故郷は既に滅びてるの。スウォームにやられて…アタシはピノコニーの多くの現地人と同じ、星間難民なんだ。」

俺はホタルの話を何も言わずに聞いた。

 

「……ロストエントロピー症候群…この言葉を聞いたことはある?」

ホタルにそう言われ、頭を回転させる。

しかし、そんな言葉は聞いたことがなかった。

「いや、聞いた事ないな。」

「奇妙な現象なの。この病期になると、体がゆっくりと消えていって…それて、その事を他の人には気づかれない。」

「他の人のように走ったり、ジャンプできたり…会話だってできる。全部正常に見えるの。でも、いつもより遅いだけ。」

 

「それが更に遅くなって。いつか自分と世界の境界が曖昧になって。いつの間にか…消えていく。」

「現実の私は…冷たい『医療カプセル』に居る。でも、夢の中なら、そんなとこにも居なくていいんだよ……。」

 

どうやら、現実のホタルは相当なものを抱えているようだった。

「ごめん…まだ全部は打ち解けられない。でも、翡翠には正直には伝えたいの。」

 

 

「アタシ…翡翠の事が…好き…なの。」

「!」

「もちろん、翡翠はなのかちゃんの事が好きなのは分かってる。でも、そう簡単に…翡翠を諦めたくもない。」

「…だから、その…アタシは翡翠を振り向かせてみせる。絶対にね。」

ホタルからそう言われ、俺は少し黙った。

ホタルは再び風景を見て。呟いた。

 

「『焦土の夢を見た。一本の新芽が土を突き破り、朝日に向かって咲き誇る。』そして、アタシに囁くの。」

「……『生命体はなぜ眠るのか?』……アタシはね…夢から覚めるのが怖いからだと思う。」

「…本当にそうかな。」

「翡翠も…何か答えを持ってるの?」

「いや?単純に思っただけだよ。」

俺も風景を見て、口を開いた。

「それは…いつの日か…夢から覚める為だと思う。」

 

……………

○○○○○

 

「あはは…なんだか重苦しい雰囲気になったね。ごめん。うーん…どうすれば雰囲気変えられるかな。」

「翡翠はこういう時どうするの?」

翡翠は考えた。そして、一つ閃いた。

 

「写真かな…こういう時はなのかが写真を撮るんだよ。」

「写真…いいかも。ていうか、ここには何回も来たのに、どうして写真を撮ろうと思いつかなかったんだろう。」

「一人で撮るのは苦手だな…一緒に撮らない?」

「いいよ。」

翡翠は真顔で了承した。

「アタシ、カメラを向けられるのが怖くて…はい、君が持って。」

「りょーかい。」

翡翠はカメラを持って、二人がフレームに入るように調節した。

「よし、撮ろう。」

 

 

「うん、1…」

 

「2……」

 

「チーズ!」

 

 

………………

「ありがとう、翡翠。」

「うん。あ、でも充電出来てねぇや……」

「あ、モバイルバッテリーあるよ。使う?」

「おお、ありが……ってもしかして最初から持ってた?」

「あはは……ここに案内したくて黙ってちゃった……ごめんね?」

「……まあいいけどさ。」

 

翡翠達はその場を去りながらモバイルバッテリーをスマホに刺して、そのまま黄金の刻に戻った。

 

しかし、様子がおかしかった。

 

「……静かだ……」

「うん……なんだか……不気味…」

すると、向こうから誰かがよろよろ近づいてきた。

「サンポ……!?」

「ひ、翡翠さん……」

 

「翡翠さん……逃げてください……ここ…は…」

サンポが何かを言おうとすると、その場に倒れ伏し、そのまま泡のようなものになり消えた。

「!?」

「これは……」

「翡翠、夢だと死なずにそのままホテルに行くんだよ?」

「そっか……良かった……やな奴でも死ぬのは辛いからな…」

翡翠はそう呟いて、広場に進んで行った。

 

「誰もいねぇ…」

すると、突如として奥の壁から爆発音と共に破片が飛んできた。

「ホタルッ」

翡翠はホタルを庇うようにしゃがみ込んだ。

 

「大丈夫か?」

「うん……ありがと…」

すると、穴の空いた壁から何かが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「げっへっへっへっへっ…」

 

 




ジェイドとウチのオリキャラ名前被りしてる…ままええわ。

なのかの新運命!?

…これは書かなきゃ…

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