【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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「犠獄集会の奴らは神出鬼没だな…」

「そうだね。でも、私たちなら大丈夫だよね?」

「……そうっすね。さて、今回翡翠さんや俺達はとあるところに招待されました。」

「どうやら、この船でも陰謀が渦巻いてるらしいよ…」

「そうっすね。でも、俺が居るから安心してください!」

「頼りにしてるよ。36話!始まり始まり!」



episode.36:トランプ対決

 

○○○○○

 

「おお…でけぇ…」

翡翠は巨大な船を見てそう言った。

「そうだよねぇ。ファミリーの面々が色々やって作られたこの暉長石号(きちょうせきごう)。私乗ってみたかったんだよねぇ…」

 

翡翠と再開したトパーズはそう呟いた。

「そういえば、今日はロビンもこの船に乗ってるらしいよ!」

「ロビン?」

「え、翡翠知らないの?『傷つく誰かの心を守ることができたなら』や『翼の生えた希望』を歌ってるピノコニーを代表する歌手だよ!」

トパーズにそう言われて、少し後ずさる翡翠。

「そ、そうなのか…ま、会ったら挨拶しとくか。」

「翡翠ー、行くぞー。」

 

御影にそう言われて、翡翠は御影達の元に向かう。

「…星がダメ元で送ったハガキが当選してたとはな。」

「そりゃそうだよ。私は銀河打者なんだから!」

星がふふんと自慢げに言う。

「その割には、最近バットを使ってないじゃないか。」

「え?バットじゃ効率悪いでしょ?」

 

「「「………」」」

 

御影達は確かにと思いつつ黙ってしまった。

「ほら、油売ってないで、行くわよ。」

ゼーレの言葉と共に。翡翠達は暉長石号に乗り込んだ。

 

 

……………

 

翡翠は暉長石号に入るや否や、すぐに辺りを見回した。

「…人が多いし…なんか居心地悪いな…」

翡翠はあくびをしながらそう呟く。

「お、翡翠ちゃ〜ん。」

前から花火の声が聞こえてきた。

「おー花火ー……と……誰?」

翡翠の目に飛び込んできたのは、紫のかかった白髪…頭から生えた純白の翼…白と紫のコントラストドレス…をした少女だった。

「あなたが翡翠さんなんですね。私はロビン。」

「ロビン……あー、あんたがロビンなんだな。」

「…ところで、誰から俺の名前を?」

「あ、叢雨さんから『ちょっとアホそうな馬鹿面の男』とおっしゃっていたので…」

それを聞いた翡翠は怒りに震えた。

「あいつッッ!」

「まあまあ…叢雨ちゃんは悪気無く言ったから。」

「もっと良くない!」

翡翠は二人に宥められながら、落ち込む。

「…相変わらずっすね。」

「そうだねー。」

「ん…」

その声は…」

 

☆☆☆☆☆

 

聞き慣れた声を耳にして、俺は振り向く。

そこには羅浮で出会った朱雀と青雀がいた。

「朱雀!青雀!久しぶりだな!」

「はい、久しぶりです。」

「うん、翡翠は元気そうだね。」

「おや、三人はお知り合いなのですか?」

後ろからロビンが聞いてくると、俺達は揃って頷いた。

「ま、ちょっと長くなるんすけど…」

朱雀は羅浮での出来事を全て話した。

「そうですか…朱雀さん大変でしたね。」

「…まあ…」

朱雀はグラスの中に入っていたジュースを飲み干した。

すると、向こうから何者かの声が聞こえてきた。

 

「…?なんだ?」

「あれは…」

ロビンがスマホを取り出して調べ出した。

「…出ました…『ライモン集団』です。」

「ライモン集団〜?」

花火がロビンにそう聞く。

「…ライモン集団…銀河各地を放浪し、惑星に存在するカジノを制覇し…その後滅ぼしたと言われています。」

「主な構成員は…リーダー『ライモン・レオファング』、『ギーファ・ガブティラス』、『ゴームス・ストーンマン』で構成されております。」

「…ということは…今回はこのピノコニーを滅ぼそうとしてるってことッスか?」

「だろうね。行ってみようぜ。」

俺は朱雀達を引き連れて、そのライモン集団とか名乗る者たちの元に向かった。

 

……………

 

「ハハッ、ここの連中も弱いなぁ。」

席に座ってヘラヘラと笑いながら、チップを全取りした。

「くっ…この僕が負けるとはね…」

特徴的な目をした青年が汗を流しながら、その場に佇んでいた。

 

「さぁて…次の挑戦者は居るかい?」

「なら、その勝負俺たちが受けるぜ!」

すると、その男は笑って席に座った。

「おもしれぇ…甘ちゃん共の為に大富豪でもやろうじゃねぇか。」

そして俺と朱雀は席に座り、先程負けた青年も座った。

「…僕はアベンチュリン。トパーズが世話になったね。」

「あんたがアベンチュリンか…なんか胡散臭そうだな…」

俺はそう呟いている間に、カードが配られた。

「ルールは分かるよな?」

「ああ、強いカードを自分の手札から出していき、手札が早く無くなった人から順番に、順位が決められる…そうですよね?」

「おお、小僧の癖によく分かってるじゃねぇか。」

 

俺は、自分の手札を確認した。

 

A、1、1、2、5、5、5、8、9、10、12、13、ジョーカー…

 

 

「まずは俺からだ。」

ライモンが二枚の"5"を出した。

 

そして、トランプ勝負が始まった。

 

○○○○○

 

「…………」

叢雨は一人通路を歩いていた。

「……そこにいるんだろう?」

「ほう…いつから気付いていた?」

叢雨の後ろから謎の怪人が現れた。

「…ふう…最初から感応レーダーでいる事は分かっていた。他の奴もいるんだろう?『ギーファ・ガブティラス』?」

「ほう…やりますね…だが…」

ギーファはすぐさま手の甲に隠していたレイピアを取り出して刺そうとするが、叢雨はすぐさま回避してスタイルを切り替える。

「『エクリプス・スタイル』。射撃戦を得意とした叢雨に最も合った形態。しかし、この狭い広場では貴方の攻撃も当てづらいのでは?」

「よく研究しているな。しかし!」

叢雨はヴァリアブル・サイコ・ライフルを撃ち、それをギーファはすぐさま回避した。

「遅い!」

「どうかな!?」

すると、頭上からアクセルの大剣の一撃が落ちてきた。

「くっ!」

地面に激突した大剣は地面を砕き、そのまま通路は揺れた。

「…流石に部が悪いようだ…」

ギーファがそう言ってその場を立ち去った。

 

二人は武器をしまい、見つめ合った。

「よくここが分かったな。」

「ジェイドって女に出逢ってさ、そいつに『ここに敵が来たらすぐ察知できるようになりたい』と伝えて、そしたら代価を払えと言ったから『俺と出逢ったあんたの記憶』と伝えておいたんだ。」

「…ふん、賢い選択だ。」

そして再び二人は見合って、叢雨から口を開いた。

「あんた名前は?」

 

 

「アクセル。アクセル・フォン・シックザールだ。」

そして二人はお互いに握手を交わした。

 

 

 

…………………………

 

「……俺の勝ちだな。ベイビー。」

「…………」

翡翠は顰めっ面でライモンを見つめていた。

 

「さぁて…それじゃあ代価は払ってもらうぜ?」

そしてライモンはすぐさま銃を構えて、翡翠に向かって撃った。

翡翠はそれを易々と回避し、その場を離れて武器を構えた。

朱雀も離れて斬艦刀を手に取った。

 

「俺たちの目的はあんたの命だ…デクターのおっさんに雇われてるからなぁ。」

「雇われ兵って訳ね…なら、容赦はしないぜ!」

翡翠は走り出して、ライモンはすぐに懐のナイフを抜いて、鍔迫り合いが起きた。

「援護します!」

朱雀もライモンと翡翠に割り込もうとすると、何処からともなくゴームスが飛び出して朱雀に殴りかかってきた。

その場に転げる朱雀に近寄る青雀達。

 

「…おお、ゴームス!」

「…ライモン…ギーファの奴、もう帰った…」

それを聞いたライモンは少し驚いた声を上げた。

「ああ!?あの野郎先に帰りやがって…チッ…ハナビロイド!あとは任せるぞ!」

そう言ってライモン達が消えたと同時に、ハナビロイドが飛び出してきた。

「ヒャッハー!全部バチバチにしてやるぜ!」

 

バチバチと火花を飛ばしながらこちらに突撃してくるハナビロイド。

「うわっ!」

翡翠と朱雀はその攻撃に命中して吹き飛ばされた。

「翡翠!」

なのかが心配そうに近寄ってきた。

「大丈夫!?」

「これぐらい平気だっての…」

「朱雀も平気?」

「うっす…」

二人は立ち上がって、剣を構える。

 

「………翡翠をこんな目に遭わせるなんて…!」

「…ちょっと許せないかな……」

青雀となのかが武器を構えて、敵に突撃して行った。

「やっ!」

なのかは剣を一本投げつけ、残った剣も空中に投げつけて、ハナビロイドに格闘術で吹き飛ばす。

青雀も背後から攻撃を続けていく。

 

「…でやっ!」

「そりゃあ!」

そして二人の一撃が炸裂し、ハナビロイドはそのまま爆散した。

 

「やったぁ!」

なのかは倒せた事に喜んだ。

 

 

………………

 

○○○○○

 

「…はあ…」

翡翠は外に出て空気を吸っていた。

「…スラーダうめー」

「翡翠、いっつもそれ飲んでない?」

すると、なのかが後ろから歩いてきて隣に立った。

「…ん?飲む?」

「え?いいの?」

なのかはオロオロとしながらスラーダを受け取り、スラーダを飲み干した。

 

「……ん…翡翠の味がする。」

「…ハハっ、なんだよそれ。」

そうして二人は笑い合って、景色を見つめていた。




暉長石号がもう出てきた。

アクセルの名字判明。
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