「全く人騒がせな奴だ。心配するこっちの身にもなれってんだ。」
「しかし、生きているだろう。」
「ああ、羅浮の時も奴は生きて帰って来た。なら、今回も無事に帰ってくるだろうさ。」
「ピノコニーでの戦いももうすぐ終了だ。気合い入れるぞ。」
「と言う訳で38話、よろしく。」
☆☆☆☆☆
カンパニーでしばらく療養し、俺達は停車してきた星穹列車に乗り込んだ。
「………なあ三人とも?」
「何?」
「なんで着いてくるんだ?」
「…それは…私達も戦闘に参加するから…」
俺はそれを聞いて少し冷や汗をかく。
「大丈夫なのか?お前達で対処できる相手ではないと思うけど…」
「大丈夫、私たちは翡翠が思ってるより強いから。」
「そか…」
それを聞いて少し安心する俺、俺はなのか部屋の前で一旦立ち止まった。
(折角だから、なのかにイタズラしてやろう…)
「三人とも、先行っててくれ。」
「え?」
「いや、先に他のみんなに挨拶しててくれ。」
俺はブローニャ達を先に行かせた。
俺は急いで壁に隠れて、なのかが出てくるのを待った。
なのかが出て来たのを確認すると、俺はすぐさま背後に立って剣の柄頭をなのの背中に当てた。
「動くな。」
「!?」
なのが一瞬驚いてビクッとした。
「手を上げて…ゆっくりこっちを見ろ。」
「………」
なのかは俺の言う通りにこっちを向いた。
目を閉じてプルプルと震えながら、こっちに振り向いた。
「ふふふ…」
俺は笑った次の瞬間、手を掴まれて、そのまま背負い投げされた。
「ええ!?」
俺は勢いよく地面に叩きつけられ、なのかに剣を向けられた。
「うわあっ!なの!俺だよ!俺!」
「……!翡翠…?」
「……いつつ…あれ?」
俺がなのかの方を見ると、なのかは泣きそうな顔をして俺に抱きついて来た。
「翡翠ッ!!」「……」
その後、何度かビンタされた。
「バカ!バカ!死んだかと思ったじゃん!」
「…ごめん……」
俺に抱きついたなのかは凄く泣いていた。
「…みんなに会いに行こう。お前も一緒にな。」
「………うん!」
なのかは涙を拭いて、俺と共に立ってラウンジに向かった。
○○○○○
「………」
「……えっと…なんですか?」
ヴェルトはブローニャの事をじっと見つめていた。
「いや…友人によく似ていたのでな…」
翡翠達は丁度その時に入って来た。
「翡翠!」
御影とアクセルが翡翠に近づいて肩をポンポンと叩いた。
「生きてたな。」「ああ。」
二人はニカっと笑い、翡翠も釣られて微笑を浮かべた。
「メンバーは集まったようだな。」
叢雨が教鞭片手に待っていた。
「…翡翠も揃ったところだ。作戦会議をする。」
「作戦会議?」
「今から行う作戦名は…『ピノコニー奪還作戦』だ。」
すると叢雨はモニターの電源を起動した。
「現在ピノコニーはライモン集団、及びにデクターによって占領されている。今回の作戦はそれを取り戻す作戦だ。」
「…奴…デクターがこの星で何をするかは分からんが、絶体碌でも無いことになる。」
その場にいた全員が頷き、叢雨は微笑して教鞭を叩く。
「そこでだ。列車から一気に突撃し、ドリームプールに潜入、そして夢境に居るあいつらをボコボコにしてやるって戦法さ。」
叢雨は眼鏡をクイっとして指を鳴らした。
「作戦決行は午後1時30分。それまで飯食って準備だ!」
それで翡翠達は頷いた。
そして翡翠達は腹ごしらえを行い、そのままピノコニーの星までやってきた。
……………
翡翠、叢雨が並んでピノコニーのホテルに立つ。
周りは泡や瓦礫に溢れ、多数の量産型レギオロイド『レギラー』で溢れていた。
「…うじゃうじゃ居るぜ……。」
「ふっ、行くぞ!」
叢雨は両手足にアーマーを装備し、レギラー達を薙ぎ倒して行った。
翡翠も二本の剣を持って、どんどん切り裂いていく。
「ドリームプールはこの先だ!」
叢雨と翡翠が先導して向かおうとするが、その先にダンベルのような見た目をしたレギオロイドが現れた。
「レギオロイド…!こんな時に…」
「叢雨さん!」
叢雨を呼ぶ声と共に、後ろからレーザーが飛んできて、それがレギオロイドに命中した。
「グゥゥゥ…コノダンベルロイドニアテルトハ…」
二人が後ろを振り向くと、ロビンとヒビキ達が走って来た。
「…ここは任せろ!」
「他の方々は先に…!」
「まかせる!」
叢雨は一言残してドリームプールに走って行った。
ダンベルロイドは叢雨達を追おうとする。
しかし、それに立ちはだかるようにロビンとヒビキが立ちはだかった。
「行かせないと言いましたよ。」
「ここで潰してやるぜ!」
…………………
☆☆☆☆☆
俺と叢雨、そして花火となのかで夢境に潜入できた。
「酷い有様だなぁ。」
叢雨がそう呟く。
確かに……以前のUMAロイドの襲撃よりも破損が広がっていた。
「デクターめ…」
俺がそう呟くと、奥から何かが歩いて来た。
「…………ナナシビト…護醒者…ここで…止める…」
「ゴームス・ストーンマン…ライモン集団の鉄壁担当…」
「ウチと翡翠で先行くから、二人は援護お願い。」
「おっけ〜♪」「了解」
二人の声と同時に俺達は前進して走り出していく。
「アリスファンネル!」
叢雨の声と共にビットが俺達を通り過ぎていく。
「はあっ!」
俺たちの剣がぶつかるが、装甲が硬いのかそのまま弾かれてしまった。
「ふんっ!」
「うわっ!」
俺達はゴームスの攻撃で吹き飛ばされて、その場に尻餅をついた。
「…奴の装甲が硬すぎる…」
「俺の体は…砕けはしない…!」
そう言ってゴームスは連続で俺たちに殴りかかってくる。
「させるか!」
アクセルが空中から剣でガードする。
「…ぐっ…」
「アクセル!」
アクセルは少し押されながら、後ろに下がっていく。
「翡翠、奴の関節を狙えないか?」
「やってみる。」
俺はすぐに蒼激狼になってすぐに背後に立つ。
両足の関節に突き刺した。
「!?」
ゴームスは焦った様子で、その場に倒れてしまった。
「トドメと行くぜ!」
アクセルの大剣は炎の刃を展開し、そのままゴームスの頭部から切り裂いた。
「…ぐっ!?」
大きな爆発と共に、ゴームスはそのままその場に倒れ伏した。
「よし!」
俺達はガッツポーズを取る。
しかし、ビービ虫が飛んできてゴームスに噛みついた。
魔法陣のような物が展開し、そのままゴームスは巨大化して行った。
「お前達…ここで終わり…だ…!」
俺達はゴウリュウジンとカイタクオーを呼んでゴームスと交戦を開始した。
「…行くぞ!」
ゴウリュウジンを動かしてゴームスに攻撃を仕掛ける俺とアクセル。
「そこだぁ!」
カイタクオーが持つ剣で切り掛かるが、依然として強大な装甲になす術なくやられる。
「俺の装甲…誰にも…砕けない!」
ゴームスはそう叫んで、周囲に岩を飛ばして来た。
その攻撃に命中して、ゴウリュウジンとカイタクオーが倒れ伏した。
「…ゴウリュウカイタクオーだ。こいつで行く!」
ゴウリュウジンとカイタクオーが合体して、そのままゴームスと交戦する。
出力の上がったドリルの一撃に、ゴームスの装甲にヒビが入った。
「何!?」
「今だ!」
俺はドリルの回転を早めて、ゴームスの胸部にドリルを貫かせた。
「このまま砕け散れぇ!」
左腕のゴウリュウヘッドによる噛み砕きで、頭部をそのまま噛みちぎった。
そして残った体を足で蹴飛ばし、頭部も投げつけた。
「馬鹿…な…コノ…オデガッ…!!」
そう言い残してゴームスは爆散して行った。
……………
○○○○○
「………ふう…」
翡翠はカイタクオーから降りて、辺りを見回した。
「…ここは…」
辺りを見るが、先程のいた場所では無かった。
翡翠は何者かによる策略だと考えていた。
すると、前に見慣れた機械のロボットがいた。
『目が覚めましたか…』
「……お前は…」
『私は星核ハンターのサム。この前、会ったことがあるでしょう?』
サムはそのまま、翡翠の方を見ずに夢境を眺めていた。
翡翠はその横に立つ。
『本来であれば、もっと早くあなたの前に現れたかったのですが…予想以上の妨害で…630回も試しましたが…全て失敗しました。』
「なあ……」
翡翠はサムに問いかけた。
「そろそろさ、その"鎧越し"に話すのはやめてくれないか?」
☆☆☆☆
「そろそろさ、その"鎧越し"に話すのはやめてくれないか?」
彼の口はそう呟いた。
彼は恐らく、私の正体を理解した上で言っているのだろう。
……しかし、怖い。
ここで正体を明かしたら…この関係が壊れるのが…怖い…
でも、彼はそれでは満足はしないだろう。
「そう…君に見せるしかない。」
私は変身を解除し、爆炎と共に鎧を外していく。
彼の表情は見えなかったが、恐らくは失望か、驚きはしているのだろうか。
「……あたしのすべてを…」
……アタシは変身端末を手に握り、そのまま翡翠の方にゆっくりと振り返った。
次回から展開変わります。