「…………」
「こういう時って、何を話せばいいのかな。」
「さあ、今はそういう場合じゃないだろ。」
「だね。三十九話始まるよ。」
☆☆☆☆☆
「…………」
爆炎と共に現れる少女が俺に振り返って来た。
「……あっ…えっと…翡翠…」
「ホタル。」
俺が名前を呼ぶと、ホタルは少しビクッとした。
「大体分かってたよ。ホタルがサムだって。」
「……え?」
俺がそう言うと、ホタルは少しキョトンとした顔をする。
「最初会った時は違和感があった。あの時、路地裏で現れた後、すぐに俺に会いに来ただろ。」
「UMAロイドの件で、お前は俺が来たからサムに変身しなかった。そうだよな?」
俺はそう言うと、ホタルは静かに頷いた。
「暉長石号の時もそうだった。俺達はサムに名前を教えてなかったのに、サムはそれを知っていた。この時点で確信はあったんだ。」
「翡翠……」
俺はホタルの側に来る。
………すると…
パチパチパチ……
「「!?」」
俺たちが後ろを振り向くと、そこにはデクターが存在していた。
「デクター…!」
「……」
俺はホタルを守るように前に立つ。
「……翡翠。今のあなたに用はありません。私の用があるのは…ホタルさん…あなたのロストエントロピーですよ。」
「え…!?」
すると、デクターはケーブルを飛ばして来た。
「危ないッ」
「きゃっ」
俺はホタルを庇うように抱きついて倒れ込む。
しかし、ホタルの変身デバイスがケーブルに刺さってしまった。
「さぁて…ここからですよ…!」
ホタルの変身デバイスは、ケーブルから流し込まれるエネルギーに反応し、そのまま人の形を形成していき、その場に立った。
「え…」「マジか……」
そこには…ホタルの外装である…サムが立っていた。
サムはホタルを認識すると同時に手を出して、何かエネルギーを吸収し始めた。
「!?ぐううっ…!ぐうっ…!」
「ホタル!?」
俺は苦しみ出したホタルの側に寄る。
力を吸い取り尽くしたようなのか、サムの目が緑から赤く染まり、デクターの元に歩いて行った。
「…ラーニング完了。デクター様。ご指示を…」
「…ホタルに何をした!?」
俺はホタルを支えながら怒る。
「ホタルさんとサムの力を乖離させ…そしてホタルさんの力の"源"であるロストエントロピーを吸い上げ…我が眷属にする…これが私の考えた脚本ですよ。」
「どう言うこと…?エリオの脚本通りに動いてたんじゃ…」
「エリオ…?ああ…エリオですか…彼なら死にましたよ。」
「「!?」」
俺達は驚いて、びっくりした。
「…ふん。サム、ここは引きますよ。あなたはエネルギーの充電が必要です。」
「ハッ!了解です、デクター様。」
そう言ってデクターはサムを連れてその場から消えた。
「ホタル…大丈夫か?」
「……アタシは平気…でも…サムの力が…」
そうして、俺はホタルを支えながら共に歩き始め、その場を去った。
……………
「!翡翠!」
なのか達の元に向かい、ホタルを一旦近くの瓦礫に座らせた。
「…ホタル。何かあったんだな。話してくれ。」
「分かった。みんなには話しておきたいの。」
そうしてホタルは今までの事を全て話してくれた。
「…………そっか…」
なのかはふーんとしてそっぽ向いた。
「デクターめ…こんな可愛い子にまで手を出すなんて…」
「到底許される行為じゃないよね。」
「ごめん…みんなを騙そうとしたつもりは無かったの…これだけは信じてほしい…」
「うん。信じるよ。」
なのかが振り返ってホタルの手を取った。
「ウチは確かに星核ハンターは嫌い。でも、今のホタルはただの一人の女の子のホタルでしょ?」
「三月ちゃん…」
「それに…こんな事をしてるデクターが悪いんだよ。幼気な美少女に何かするなんて…許せない!」
「そう言う事だ。ホタル。そう悲しむな。」
「みんな……ありがとう…おり言ってはなんだけど…アタシも一緒に戦わせて欲しいの。」
それを聞いた俺は少し疑問を浮かべる。
「サム無しで戦えるのか?」
「こう見ても星核ハンターだよ?生身での戦いだって一応できるんだから。」
ホタルはニーっと笑った。
「そろそろいいか?」
「待たされてるんッスけど。」
朱雀と叢雨達が行きたそうにこっちを見ていた。
「分かった。行くぞ!」
俺を先頭にホタルとなのかが両隣にいる形でデクターの元に向かっていった。
〇〇〇〇〇
翡翠たちはさらに走って奥に向かう。すると、奥から剣が飛んできた。
「この先に行かせはせんぞ。」
残像と共にライモン集団の二人目である『ギーファ・ガブティラス』が現れた。
「こいつは…」
「ふん!」
ギーファは姿を消し、辺りが煙に包まれた。
「全員、背を合わせろ!」
翡翠の声と共にホタル達は背中を合わせる。
「一体何処に…」
ホタルがそう言うと、奥からレイピアが迫って来た。ホタルは急いで緊急回避する。
「ホタル!」
「余所見をしている場合か!?」
翡翠がホタルの方を向くと同時にギーファのレイピアの連続突きが命中して壁に吹き飛ばされた。
「チッ…」「翡翠、奴の能力は煙の発生だと思う。何か霧を晴らす事はできないか!?」
「霧を晴らせるもの……」
ホタルが頭の中で考える。
すると、手のひらから光が溢れて来た。
「……何?」
「…な、なに!?」
ホタルが手を開くと、そこに謎の羽ペンらしい物が現れた。
「これは…」
「新しいマルチウェポン…」
「開拓の
アクセルがそう言うと、ホタルはその羽ペンを掴んだ。
「開拓の
「おいおい、星核ハンターを捨てると言うのか?お前は?」
「…………」
ギーファに指摘され、ホタルはギーファの方を向く。
「お前はもはやサムでもない、では…お前は誰だ?」
「あ、アタシは…」
ホタルは悩んだ。
☆☆☆☆
……確かにアタシはもうサムとは別の存在になった。サムと存在を乖離され、もはや誰なのかもすら分からない。
だったら…一体私は…
「だったら、俺達と来い!」
「翡翠…」
アタシは翡翠の方を振り向く。
「何をしたいのかが分からないから…黙って俺たちに着いて来い!」
「お前はホタルだ。ホタルという名の一人の人間だ!だから……」
グラモスの鉄騎でもなく、星核ハンターでもなく、アタシを一人の人間として見てくれた翡翠……
ロストエントロピーに苦しむ事無く、自由に生きることができる……
だったら…アタシは…
「翡翠!」
アタシは翡翠の元に近寄った。
「翡翠…アタシも星穹列車の仲間として迎えてくれないかな…?」
「ああ…来いホタル。」
「……翡翠が言うのなら…」
「歓迎するよ。」
他のみんなもアタシを仲間として認めてくれた。
「…だったら、それ相応の働きをするよ!」
アタシ達は武器をギーファに向けて走り出していく。
アタシは手に持った『シルバーペンタクト』を手に持ち、ミサイルを描く。
「はあっ!」
飛んできたミサイルがギーファの周りに落ちて、翡翠が爆炎を超えてギーファに連続して切り掛かった。
「まだよ!」
アタシはゼーレさんの鎌を描き、両手に持った。
「行くわよホタル!」
「はい!」
同時に高速移動で突撃し、ギーファに攻撃を浴びせていく。
「…よぉし、カイタクバスターだ!」
翡翠の呼び声が響いて、それぞれ武器を連結させていく。
「ホタル!」「うん!」
翡翠に呼ばれて、アタシはジョイントを描いて、それをカイタクバスターに取り付け、シルバーペンタクトをそこに置いた。
「「スーペリアカイタクバスター!!」」
新たな力、スーペリアカイタクバスターがギーファの前に立ちはだかった。
「くっ…そんな物…!」
ギーファが避けようとするが、すかさず両隣から叢雨さんと花火が羽交い締めにした。
「今だ!開拓者!」「早く撃ちなよ〜!」
「くっ…離せ…!」
「今だ!」
充填が完了し、強大な光弾が放たれた。
「う、うわぁぁ!」
光弾が命中するコンマ0.5秒の時に二人は横に回避して、ギーファに光弾が命中した。
断末魔すら上げることなく、そのまま蒸発していった。
「…よっしゃあ!」
「翡翠……」
「?」
アタシは翡翠の方を見つめた。
「ありがとう。」
感謝を述べると、翡翠はニカっと笑った。
「気にするな。これぐらい当然だよ。」
○○○○○
二人が笑い合っていると、ビービ虫が飛んできて、ギーファの残骸に噛みついた。
巨大化していくギーファ。
「貴様ら…必ず潰してやるぞ…」
「…ホタル…行けるか?」
「うん。」
「よぉし!ゴウリュウジンとテンクウジンだ!」
翡翠、なのか、ホタルの三人はゴウリュウジンに乗り、他はテンクウジンに乗り込んだ。
「行くぞぉ!」
ゴウリュウジンがドリルを回転させ、テンクウジンは両腕のテンクウサーベルを展開してギーファに歩いていく。
「小癪なぁ…!」
ギーファはレイピアを持って二体に刺して攻撃をしていく。
テンクウジンはサーベルでガードしながら、ゴウリュウジンはゴウリュウヘッドで攻撃していく。
「そらっ!」
「でやっ!」
二体の攻撃がギーファに命中して、ダメージを与えた。
「トドメだ!」
ドリルを高速回転してそのまま突撃するゴウリュウジンと背後からはテンクウジンのブレードが突き刺さり、ギーファから引き抜いた。
「ライモン…すまない…!」
ライモンの事を思いながら、ギーファは絶命した。
………………
「おいおい、ギーファもやられたじゃねぇか。」
ライモンはモニターで一部始終を監視していた。
「おいデクターさんよぉ。この落とし前どうすんだ。」
「そう怒らないでください。この機体を使ってください。」
デクターはライモンを格納庫に案内した。
「おいおい…こいつはすげぇな!」
ライモンは巨大機動兵器を見て歓喜した。
「面白くなりそうだなぁ。」
ライモンは不敵な笑みを浮かべた。
今回はオリジナル展開しかないです。
ホタルは助かりました。
(この先もオリジナル展開しかないです。)
・シルバーペンタクト
ホタルの固有武装。剣としての使用や、空間に文字や絵を書くことができ、その書いた事を実体化できる。