「叢雨達とホタルからの意志も継いだ俺達に、勝てない敵はいない筈だ。」
「だが、奴が何をするかは分からない。用心しよう。」
「ああ、必ず勝利し…奇跡を起こしてやろうじゃねぇか!」
「ああ、俺達6人…いや…7人の力があればな…」
「その通りだ!42話、始まるぜ!」
☆☆☆☆☆
「いくら来たところで同じ事!」
そう言ってデクターは剣で斬撃を飛ばしてくる。それを回避しながら、ゼーレとアクセルが借りた剣から光弾を飛ばして援護する。
「はあっ!」
俺はデクターに飛びかかり、そのまま殺陣を繰り広げる。
衝撃波で辺りの建物が消し飛ばす程の勢いだった。
「やりますねぇ。」
「…そりゃどうも…!」
デクターは余裕そうに笑う。
「だが…!」
俺はデクターの腹部分に切り裂いて、そのままバックフリップで後ろに下がる。
「よっしゃ、行くぞ星!」
「うん!」
「ウチらの連携、見せたげるから!」
三人が斬撃でデクターは少し剣の動きが鈍くなる。
「そりゃ!」
その後に再び剣で切りながら下がるとゼーレとアクセルが走り込んでくる。
デクターは先程と打って変わって両手でクロスしてガードの態勢を取る。
「何!?」
しかし、ゼーレがバク転で背後から攻撃を仕掛け、油断したデクターに正面にアクセルが大剣を叩き込んでやった。
その一撃で、デクターは思いっきり吹き飛ばされた。
「…くっ…流石に強くなっていますね…」
「…ふっふっふっ…しかし…それでは私には勝てませんよ。」
不敵に笑うデクター。すると、先程アクセルが入れた傷が徐々に回復しているのが見えた。
「何!?」
「自己修復か。」
御影が冷静に観察する。
「多分、奴の体には自己修復機能がある。しかも、その再生力はかなり早いと見た。」
「じゃあ、奴には勝てないの!?」と星が焦って言う。
「…奴の修復能力を上回る攻撃をすればいい!」とアクセルは言った。
……簡単に言うのはいいが、俺たちの体力は底を尽きてしまいそうだ。
そんな事を考えているうちにデクターの傷は完全に回復してしまった。
「あなた達では私には勝てませんよ!…ふんっ!」
デクターは衝撃波を放ち、俺達に向けて放った。
その一撃で吹き飛ばされる。
「チッ…!」
俺はすぐにシルバーペンタクトをフェニックスサモナーに連結し、そのままエネルギーをチャージし始めた。
「くらえ!」
そしてその一撃をデクターに向けて放った。
……………………………
☆☆☆☆
「……………」
「ホタルちゃん…大丈夫なのかしら?」
「命に別状は無いわ。ただ、体力の消耗が激しいわね。」
微かだけど姫子さんとカフカの声が聞こえてきた。
………翡翠…あなた達なら…きっと…
………………………
○○○○○
「くっ…!」
デクターは衝撃で吹き飛ばされる。
「…今までの俺たちだと思うなよ!?」
「ホタルの思いを受け取ったウチらは…アンタなんかには負けないよ!」
「…ふん、不合理な…レギラー!」
デクターが指パッチンすると、何処からともなく多数のレギラーが現れた。
「小癪な…」「蹴散らすぞ!」
翡翠と御影が剣を構えて、突撃していく。
「援護するよ!」
「うん!」
なのかと星の援護射撃でレギラーは数を減らしていった。
「…チィ…役立たず共め…やはりロースペックのようですね。」
「…ふん。今までたくさんのレギオロイドを作ってきましたが…サム以外は失敗作でしたねぇ…」
「…何…今まで仕えた奴に…なんの感情も持ってないのか!?」
アクセルが驚くようにそう叫ぶ。しかしデクターは驚くこともせずにヘラヘラとする。
「だからなんですか?私が作ったものをどうしようが…私の勝手でしょう?」
「…なんて非道な…」「許せない…!」
御影となのかが怒りを見せるが、それを聞いたデクターは高笑いした。
「ハッハッハッハッハッ!!地に堕ちましたね、ナナシビト!まるで下等な人類のようですねぇ…」
「お前…言いやがったな!人類が下等だと!」
「そう!絆、心、情愛。そんな不合理なモノに価値を見出そうとするから、人類は愚かなのですよ!」
デクターは剣を地面に突き刺して、手を高く上げた。
「そんな人類を支配するには…強い恐怖心が必要なのです…」
「お前は人間を理解していない!」
翡翠がそう一喝する。
「分かっていますとも。…一つ教えてあげましょう。」
………………
「遥か昔、一人の科学者がいた。」
「その科学者は…天賦の才能を発揮し…世界で初となる全知全能の量子コンピュータ『ディーヴァ』を開発した。」
「…しかし!そんな彼を認めぬ者に…科学者は闇に葬られてしまった…。」
「だが…そんな彼を復活させたのは…人々の感情を分析し…憎悪と悪意を理解したディーヴァによって…科学者は永遠に朽ちぬ体を手に入れた。」
「彼を動かす"復讐心"により…科学者は知ることになりました。」
「下等な人類の最大の弱点…それは"身を脅かす恐怖"だと…」
…………………
「あなた達ナナシビトも…下等な人類と同レベルです。」
デクターにそう言われて、少し表情が曇る五人だが、翡翠は前に出て反論する。
「確かに…人や俺たちは恐怖を抱く…それで間違いだって犯す…」
「でも…その恐怖を乗り越えるものこそが!信頼や…情愛…絆なんだ!」
「ほざけ!もはやあなた達の研究サンプルはもう必要ない!」
デクターは一喝し、衝撃波を飛ばしてきた。
「お前の恐怖など…俺たちも…人類も屈しない!」
「!?」
そして、カイタクバスターとネクステンソードをデクターに向ける。
「カイタクバスター!」
強大な光弾と、5つの光弾が迫る。
「ふんっ!」
デクターは小さな光弾を剣で消し飛ばし、カイタクバスターの光弾も剣で弾き飛ばした。
「何!?」
「…まだだ!」
翡翠はシルバーペンタクトを取り出し、台座を描いてカイタクバスターに連結した。
「スーペリアカイタクバスター!!」
「!?」
「バニッシュ!」
先程よりも絶大な威力を誇る光弾がデクターに命中した。
「うおおおっ!」
体の隅々から火花を散らし、デクターはその場に倒れ込んだ。
「ふっふっふっ…」
しかし、デクターは不適な笑みを浮かべて立ち上がった。
「たかが人間…たかが人間如きに…この私を倒せると思っていたのですか…?」
「何…」
すると、翡翠達の後ろからビービ虫が飛んでくる。
そしてその周りを死骸を這う虫のようにデクターを中心に回っていた。
デクターはそのうちの一体を掴み、口を開いて貪った。
「た、食べた…」
ゼーレはその姿に呆気にとられた。
そしてビービ虫を捕喰したデクターはそのまま巨大化していった。
「サム!計画を最終段階へ!」
『イェッサー!』
サムに語りかけるデクター。
所変わり、サムは宇宙船にて台座に触れた。
「これで…この星は終わりです!」
「何をするつもりだ!?」
御影がそう言う。
すると、叢雨が空を見上げた。
「なんだあれは…何かが…堕ちてくる!」
「私の頭脳の全てを集め、我が船『インベーダー』を惑星爆弾とし…この星に叩きつける!」
それを聞いた御影はある事を考えついた。
「そう言うことか…」
「そんなことしたら……」
「この星は…燃え尽きる…」
「貴様ら雑魚を一掃し…我が計画の第一歩を踏み出すのです!」
「…みんな!絶対止めるぞ!」
「おう!」
そしてカンゼンカイタクオーに乗り込み、デクターと直接対決となった。
「一気に決める!カイタクカイタクフィニッシュ!!」
胸部のエンブレムから極太の熱線が発射された。
「…くっ…」
その攻撃をデクターは受け止めるが、爆風に耐え切れずに吹き飛ばされた。
「…よくも…虫ケラ共め!」
爆風を振り払い、剣で切り掛かっていくデクター。
カンゼンカイタクオーもドリルで応戦するが、互角の攻撃ばかりが続く。
しかし、デクターが足蹴り後の突き刺してカンゼンカイタクオーの押し出された。
「クソッ、奴に有効打は無いのか!?」
「…一体どうすれば…」
すると、翡翠がホタルから預かっていたフェニックスサモナーが輝き出した。
「まさか…これは…」
翡翠はシルバーペンタクトをフェニックスサモナーに取り付け、弦を弾いた。
「…来い!フェニックス!」
そして光が解き放され、空から数体のメカが現れた。
「…あれは…」
翡翠達はカンゼンカイタクオーから降り、そのメカに乗り込んだ。
「…みんな…行くぞ!不死鳥合体!!」
そして不死鳥『レッドフェニックス』に中心とし、複数の動物を模したマシンが合体し、大空を羽ばたく翼と、決して諦めることのない開拓者たちの心が一つになる時、天空に舞う精霊の王が誕生した。
「名付けて!スーペリアフェニックス!」
翡翠は新たなメガゾードに名前を付けた。
「何!?」
「行くぞ!この一撃で沈める!」
巨大な武装『スーペリアランサー』を持つ。
「これで終わりだ…!受けろデクター!」
「…貴様ァ…!」
「フェニックス!グランド!ストライクッ!」
グランドランサーの振り上げで、デクターは吹き飛ばされた。
「…がっ…ば、馬鹿な…!この私が…うわぁぁぁぁ…」
……………
そしてインベーダーの内部にいたサムは爆風に巻き込まれる。
「…くっ…こんなところで死ぬわけにはいかない!」
サムは必死にインベーダーの中から脱出していった。
…………………………
☆☆☆☆
「……」
アタシは預かった松葉杖を持って、みんなの帰りを待った。
すると、扉が開いて翡翠達が帰ってきた。
「ただいま。」
「翡翠…!」
アタシは思わず松葉杖を手放して翡翠に近寄った。
「ホタル…」
倒れそうになるアタシを支える翡翠。優しい手がアタシを包んでくれた。
「やったな。」
「うん…これから大変になるな…」
「うん。」
翡翠の右にアタシ、そして左には三月ちゃんが立った。
そして、窓からピノコニーを見つめた。
「…夢境が…無くなってるな…」
「うん。何が起こったんだ?」
二人から質問されてアタシは答えた。
「恐らくだけど、アタシがシルバーペンタクトに溜め込んだエネルギーとサムの厄災デストラクションがぶつかり合って、夢境と現実のピノコニーの境目が壊れたんだと思う。」
「…だいぶ凄い事をしたんだな。」
翡翠が立ち上がって、あくびをする。
「それじゃ、二人ともゆっくり休めよ。」
そうして、その後三月ちゃんも去っていった。
アタシは一人、星を見つめていた。
今日から新しい日々が始まるのだと、アタシの中では期待と不安が混じっているのだった。
あと1話だけ続くんじゃい。
【デクター・ユナイト】
デクターの戦闘形態。刀剣による斬撃を得意とする。右肩にあるマントは防御性能が高い。
高い機動力と頭部のセンサーを用いて、的確に敵の弱点に命中させる。
【スーペリアフェニックス】
四号ロボ。最高の出力を持ち、スーペリアランサーによる攻撃を得意とする。
フェニックスバインドによる時間停止能力を持つ。