【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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今回は総集編という事なので、前書きのやつは無しです。

ご了承。




episode.43:夢にまで見た日々

 

「…」

サムは、ある洞穴で自身のパーツの修復を行っていた。

 

ピノコニーでの騒動から約半年。スチームバード新聞によれば『夢境崩落事件』として語られていた開拓者とデクター達の戦いは、デクター達の敗北に終わり、サムは命からがら脱出し、現在は多数の機械が置いてあるこの洞穴に隠れていた。

 

「…デクター様…」

サムはそう呟く。

 

すると、何処からか次元が開かれ、そこから誰かが出てきた。

「何者ですか?」

サムは撃滅バルカンを起動して、構える。

「まあ待て、私は敵では無い。」

「本当ですか?」

「…ふっ、デクターの仲間…言えば満足か?」

「ッ!」

それを聞いたサムは腕を下ろす。

そうしてその男はデクターのパーツの修復を始めた。

「…やってくれるのですか?」

「気にするな。」

そうして、暫く修復を続け、二人は見合った。

 

「私は"ディペクト"。裏の世界では名が通っている『闇の行商人』とも呼ばれている。」

「そんなディペクトは、私に何のようですか?」

サムは疑惑の目をディペクトに向ける。

「まあ待て。少し、話そうじゃないか。」

 

………………………

 

「はあ〜…」

その頃、翡翠はラウンジのソファに座ってくつろいでいた。

「翡翠〜。隣いい?」

「なのか、いいぞ。」

翡翠の隣になのかが座る。二人とも少し顔が赤くなっていた。

 

「…あれからもう半年が経つんだ。」

「ああ…信じらんねぇなぁ…」

二人は思い出に耽っていた。

「そう言えば、こうして二人っきりになるの…久々じゃない?」

「ん?そうだな。トパーズはピノコニーの一件で滞在する事になったし…」

「あの時のトパーズの顔、凄かったよねぇ…」

「ああ…凄い顔してた。」

二人は少し笑い合う。

その後に少しの静寂が流れ、次に口を開いたのはなのかだった。

「ねえ翡翠。久しぶりに昔の写真見ない?」

「唐突だな。」

「ウチらが出会って…半年以上経ってるし…だから…」

「ああ。久々に見ようぜ。」

それを聞いたなのかは写真機を取り出して、翡翠と共に過去の記録を振り返る事にした。

 

「最初出会った頃は、宇宙ステーションでぶつかったのが最初の出会いだったな。」

「うん。最初の頃、反物質レギオンから逃げてるとこを出逢ったよね。」

 

………

『うえっ!?』

『え!?』

『いったぁ…もう!何するの!?』

………

 

「その後、なんやかんやで終末獣を倒して…その後、ヤリーロⅥに向かったんだよな。」

「今思うと寒かったなぁ〜」

 

………

『さ、寒い…ここがヤリーロⅥか…』

『ぜーんぶ雪だね…』

『全部雪景色だ…』

「星は大丈夫か?』

『うん。私は平気。』

………

 

「その後、ブローニャにゼーレ…それとアクセルにも出会ったんだよね。」

「金的されたりしたりしたのが懐かしいな。」

「え」

 

………

『〜〜〜ッ!!』

『あっ…ごめん…』

『だ、大丈夫か…?』

『あああああああ!!!』

『お返しだこの野郎!』

『なんだとッ!?」』

………

 

 

 

その頃、ディペクトによってデクターの記録を見せられるサム。

「デクターは元々、別世界からやってきた科学者だ。」

「デクターは天賦の才能を発揮し…世界で初となる全知全能の量子コンピュータ『ディーヴァ』を開発した。」

「しかし、そんな彼を妬んだ者達により、闇に葬られたと聞きますが…。」

サムはそう言うが、ディペクトは否定する。

「…本来は違う。人々は恐れたのだ。デクターの頭脳により、自身が支配される恐怖をな。」

「!」

「…そして、数千年の時を経てデクターは体を得て、星核ハンターになった。」

しかし、サムは考える。

「しかし、彼は私たちの間でもあまり好まれてはいませんでした。」

「貴様はレギオロイドのサムとしての"記憶"と星核ハンターのサムとしての"記憶"を持っていたな。デクターはどんな感じだった?」

「…ええ。」

「その当時のデクターは世界の破滅を望み星核ハンターに加入した。結局は星核ハンターも利用されていたに過ぎないと言うわけだ。」

「そしてエリオを殺害し、奴は計画を進める為に暗躍していたな。」

サムは再び考え込む。

「…しかし、そこまでデクター様の動きを把握している…あなたは何者なのですか?」

「…言っただろう?私は闇の行商人だと。彼のレギオロイド製作のために必要な端末は我々が製作したのだ。」

「そうだったのですか…」

 

 

 

……………

「…翡翠。」

「ん?」

「ウチ今ね、幸せなんだ。こうやって好きな人と一緒に思い出を振り返るの。」

それを聞いた翡翠は少し顔を赤くする。

「…にしても符玄達、元気かな。」

「多分元気なんじゃないかな?ああ見えてもしっかりしてるし。」

「ホタルって今何してんだっけ…?」

「確か月でメディカルチェックしてる筈だぞ。」

ホタルは現在月でメディカルチェックを受けていた。

 

ロストエントロピー症候群が治ったとはいえ、まだまだ体調には不備があると考えられるからだ。

 

「…心配だなぁ。」

「大丈夫だよ。多分。」

なのかが翡翠の隣に引っ付く。

「…眠くなってきたね。」

「うん。今日は遅いし…もう寝るか…」

そうして、二人はお互い見合ったまま眠りについた。

 

………………

 

「ホタル。無事でよかったわね。」

ゼーレとアクセルが列車に戻るところ、話し合っていた。

「ああ、元気そうでよかった。」

そして、アクセルはしばらく考え込む。

「そういえば下層部から離れてもう半年か。時間の流れは早いな。」

「ええ。ナタやクラーラ達は元気かしら?」

「あの二人なら大丈夫だろ。二人とも心はとても成長してるからな。」とアクセルは笑いながら言う。

 

「元々はデクターを倒す為に着いてったけどさ。なんやかんやで列車での生活に馴染んでるよな。」

「…そうね。そろそろ恋しくなってきたわね。」

「…そういえば今日から暫くは開拓の旅も無いそうだ。久々に里帰りとかどうだ?」

「いいわね。オレグ達が多分心配してるだろうから。」

アクセルは伸びをする。

「ま、またベロブルグによる時に話すか。」

「そうね。」

二人は星空を見上げた。

 

……………

 

「……」

星はゴーグルとヘッドホン、そしてライフルを持って獲物を狙う。

 

バンッという衝撃音と共に獲物はグテっと倒れ込んだ。

星は急いでその獲物に近寄る。

「やった…御影ー!やったよー!」

「おお、凄いな。」

木陰に隠れた御影を呼び、大喜びする星。

「…デカいな。これだけあれば暫くは困らなさそうだ。」

御影と星は森で狩りを行っていた。

 

この星では『大猪』と呼ばれる猪を袋に入れて、列車に戻る二人。

 

「…にしても軍でもこういう事したっけな。」

「そうだっけ?」

「ほら、穹達と一緒に鹿を見つけて狩ったろ。覚えてないか?」

昔の記憶を思い出す星。

「そういえばそうだったね。あの時、お兄ちゃん『久々の食料だ!』って言っても大はしゃぎしてたね。」

穹の声真似をする星に少しツボる御影。それを見て少しむかっとする星。

「ちょっと、私渾身の声真似笑わないでよ。」

「悪い悪い。」

そうしてしんみりとした空気ができた。

「お兄ちゃん…私たちのこと見てるかなぁ。」

「見てるんじゃないか?」

二人揃って空を見上げる。

 

「穹ー。俺たちは元気でやってるからなー!」

「私達。大丈夫だからねー!」

大声を出して空に向かって叫ぶ二人。

声は風に流されるように聞こえなくなっていったが。二人は先程よりも嬉しい気持ちになった。

「さ、戻ろうぜ!」

「うん!」

そうして二人は列車に戻っていくのだった。

 

……………

 

 




やっぱ三月なのかって可愛いのでは?

いや可愛いな。









…………………そう言えばプロローグ以外で反物質レギオンが出てない…
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