【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

81 / 120
「ピノコニー脱!」

「遂に他の星の物語が始まるね!」

「ああ。だが、俺たちに迫る脅威が増えたということに…」

「大丈夫だよ!ウチと翡翠達にかかれば、こんなの屁でもないよ!」

「……それなら安心だな。」

「でしょ?44話、始まるよ!」



幕章:交錯する道標
episode.44:温泉行こう!


 

☆☆☆☆☆

 

列車の中はとてつもなく暑い。

現在、猛暑日。39.7度…俺達開拓者は…

 

「あー…」

「あっちぃ…」

 

夏の暑さにゲッソリとなっていた。

 

「ほんとに暑いな…ベロブルグは寒かったからな…」

御影は黙りながら水を飲み、パソコンを閉じた。

「…駄目だ…100%まで充電したのに…もう充電無い…」

「暑いとバッテリーが減るからな…」

「…ていうか?ホタルは?なのかは?星は?ゼーレは?みんなこんな暑い中何してんだか…」

「てか…エアコンは?こういう時こそ着けるだろ。」

アクセルが立ち上がって、姫子に連絡した。

 

「姫子さん。エアコンは?」

『姫子なら今熱中症で倒れている。』

ヴェルトのおっさんの声がしてきた。

姫子さんは現在倒れてるとのことだった。

「てか…ゼーレ達知らないか?」

『ああ…四人なら…』

すると、ラウンジになのか達が入ってきた。

 

「「翡翠!羅浮に行こッ!」」

「え?急に何?」

ホタルとなのかが至近距離で俺に話しかけてきた。

「…さっきパンフレットで最近羅浮で温泉できたって!」

「その温泉のチケットがさっき当たったんだ!」

「当たったんだ。」

俺はそっけない感じで話す。温泉はあまり行かないから興味は無かった。

「…大丈夫!七人分のチケットあるから!」

「おお!翡翠!行こうぜ!」「おう!待ってないと行けないぜ!?」

「お、おう…」

御影とアクセルのハイテンションで俺に温泉行こうと言ってきた。二人に若干引きながらも、俺は頷く。

しかし、温泉か。どんな場所なんだろう。若干楽しみにしてる自分がいる。

「それじゃあ…羅浮にしゅっぱーつ!」

 

そうして俺達は羅浮の温泉に向かった。

 

…………

 

「おお…ここが羅浮の温泉か…」

俺は目をでかくして呟いた。

デカい、デカすぎる。ブローニャんとこの城よりちょっと小さいぐらいだ。

温泉ってこんなにもんなのか?俺はよく分からなかったが、とりあえず入ることにした。

 

「こちらが鍵となりまーす。」

「翡翠!さっさと行こうぜ!」

「あ、ああ…」

受付の人から鍵を受け取り、御影に率先されて部屋に向かう。

 

部屋は広く、後7人ぐらいは寝られる程のスペースはあった。

「アクセル!翡翠!作戦会議だ、荷物置いて集合しろ。」

御影が真剣な顔をしていたので俺は荷物を置いて座る。

 

「で、なんの会議だよ。飯のことか?」

「そんなんじゃねぇよ。簡単な事だ。」

飯では無かった、他に思いつくこともないが、卓球でもするのか?

「…だから俺にも詳しく教えてくれって。」

「そうそう…それは…」

 

「「覗きだッ!!」」

「ごめん俺パス。」

俺は二人の提案を即座に却下した。

「なんだよノリ悪いなぁ、翡翠だったら真っ先に食いつくと思ったのに。」

「俺の事なんだと思ってんの!?そもそも覗きなんでできんのかよ。」

「簡単だ。この『トラップショート機』を使えばセキュリティなんで無いようなもんだ。」

こいつら半年前に俺は宇宙ステーションで拾ったトラップショート機をいつの間に…

 

「よーし…朱雀達も誘って覗きだ!行くぞぉ!」

御影とアクセルは元気に飛び出していき、俺は呆れて溜息を吐いた。

「…俺も入りに行くか…」

俺も風呂に入りたかったので、二人の後を追って温泉に向かった。

そして暫く歩くと卓球台が置いてあった。

 

「卓球か…」

「お、卓球興味あんの?」

呼ばれて後ろを振り向くと、そこには少し生意気そうな少年と小柄な少女が居た。

「あんたが翡翠?兄貴から話は聞いてるぜ。」

「え?なんで知ってんだ?」

「ほら、秋作ってやつ知ってるだろ?」

「あ…」

すっかり忘れてた。羅浮での騒動の際に少し世話になった青年の秋作。彼はそんな彼の弟らしい。

「…俺は秋織で、こっちのチビは雲璃だ。」

「…チビはやめてよ。全く…心はガキなんだから…」

「なんだと!?」

喧嘩をしようとする秋織と雲璃を止める。しかし、あまり収まらない様子だった。

「…はあ…ちょっと風呂入ってくる。」

秋織は呆れたのか、風呂に向かった。

「ごめん。あいついつもあんな感じなの。」

「いや、前にアイツみたいな性格の奴と会った事があるからな。」

…羅浮騒動での朱雀みたいな奴だった。アイツより話は聞けなさそうだが。

 

「卓球…やってみようかな。」

俺はラケットは持って、壁に向かってピンポン玉を撃つ練習をし始めた。

 

………

 

☆☆☆☆

 

「…よっし!覗き頑張るぞ!」

「「「「「おー!!」」」」」

 

さて、ようやく俺たちは温泉にやってきた。何故覗きをしようかって?

いつもは濡れ場でしか裸を見ないが…こういうところだと背徳感が凄まじいらしい…!(ヴェルトさん情報)

 

「…ところで、なんでみんなは羅浮に?」

叢雨にそう聞く。眼鏡が曇って目が見えない。

「俺たちの戦いは終わったからな。それに『演舞典礼』という羅浮のイベントがあるらしくてな…朱雀に誘われたから来たんだ。」

「それにしては、ピノコニーの歌姫にその護衛…眼鏡に愚者と雲騎軍と雀士で行くのかよ。」

「しょうがないだろう。ロビンもヒビキもずっと暇なんだからさ。」「そうなんだよ。サンデーの義理兄がやらかさなきゃ…」

ヒビキから失念と後悔の声が聞こえてきた。

 

「…暗い話は無し!覗くぞぉ!」

秋作の弟の秋織が空気を壊すように壁の方に歩いて行った。

「よぉし…最初はどうすんだ?」

「まずは…ドローンを使う!」

アクセルが端末とドローンを用意した。

「姫子さんに「偵察用のドローン作ってください。」って言って作ってもらったぜ!」「酷いなお前」

「よし!行け!ドローン!」

アクセルがドローンで女湯に向かおうとする。

 

バンッ!

 

「!?」

ドローンを破壊されて困惑。

そして気になって壁に耳を傾ける。

 

「あーびっくりしたわ…」「きっと破廉恥な変態がやったのね。」

 

「くそっ!失敗だ!」

「チッ!次はどうする!」

「たくさん種類は考えてある!どんどん実行していくぞ!」

そして俺たちはいろんな方法で覗きをすることにした。

 

……………………………

 

☆☆☆☆☆

 

「はあ…結局温泉入るの遅れたな…」

…でもあの馬鹿共(御影とアクセル)がいると考えると…なんだか面倒ごとに巻き込まれそうだからやめよう…

 

「そういえば別の銭湯もあるんだっけか。」

俺は別の銭湯に向かっていくのだった。

 

…………………

 

○○○○○

 

「よぉし!こうなったら壁をぶっ壊してやるぜ!」

「いい考えだな!」

御影は剣を構えて壁に向かって切り始めた。

アクセルも続いて大剣の放熱機能を利用して壁を溶かし始めた。

 

この頃、ロビン達は少しイライラしながら武器の用意を始めていた。

「全く…これはヒビキにお説教ですね。」

「そうね。アクセル達にはしっかりお仕置きね。」

そして、アクセル達は無事に壁を破壊した。

「よぉし!行くぞぉ!」

「へー?何処に行くのかしら?」

「!?!?」

「ちょっと…お話聞かせていただけますか?」

そして叢雨達は追い詰められた。

 

 

………………

 

☆☆☆☆☆

 

「はあ…ここならゆっくり入れそ…」

俺は無事に温泉を見つけた。

「ふう…」

始めて俺は温泉に入って行った。

温泉は暖かく、そして気持ちよかった。

「…はあ…今までの疲れが癒やされる…」

俺は温泉に潜りながら泳ぎ始めた。

こういう事するのは駄目だと思うが、温泉に来てみたら一度してみたかった事だ。

 

そして暫く泳ぎ続けていると…

 

ムニッ

 

(ムニッ?)

俺は前を向く。すると綺麗な足と豊満な胸が見え、俺は口と鼻に湯が入ってきて思わず立ち上がってしまった。

 

「げほっ!ごへっ!」

「ひ、翡翠!?」

「な、なの!?ど、どうして!?」

俺は咳をしながら前を見る。すると、なのかはハッとなってジト目で見つめてきた。

「翡翠…まさかここが混浴だって知らなかったでしょ?」

「え"!?」

俺はびっくりする。

「も〜…やっぱ翡翠見てなかったんじゃん。」

「ご、ごめん…すぐ…出てくよ…」

「待って。」

なのかに止められ、俺は足を止める。そして隣に座り込んだ。

 

「……翡翠。こうして二人でいると、ドキドキするね。」「うん…」

なのの顔を見られない。

「…でさ…翡翠は…好きな人いるの?」

「…?」

「だーかーらー…好きな人、居るの?」

好きな人。今目の前にいる少女からそう言われて、顔を再び赤くする。

「はあ…ちょっと…恥ずかしいかな…」

「あはは…翡翠らしいね。」

俺らは壁にもたれると"雰囲気"が露わになった。

「ひ、すい…」

「なの……」

 

すると…

 

「うわああああ!!」

 

辺りに響き渡るアクセル達の悲鳴が聞こえてきた。

「「!?」」

雰囲気が消えて、俺たちはビクッとする。

「な、なんだ!?」

「下の方からかな?」

俺たちはベランダに出て望遠鏡で確認する。

 

 

 

『ごめんごめん!許してロビン!』

『私の裸体を見たのは許します。しかし、他の人の裸体を見るのは許しませんよ?』

『む・ら・さ・め ちゃ〜ん?許さないよ♪』

『ひぃ〜』

『朱雀…私はいつでも準備はできてるよ…?』

『え!?ちょ…青…雀……さん!?』

『アクセル?』

『はい…』

『みーかーげー?』

『わ、悪かったよ…』

 

俺は望遠鏡を地面に置いて絶句する。

「馬鹿かよ…」

「あはは!アクセル達、なんだかキャラ違うね。」

「…ああ…もしかしたら緊張でムッとなってただけなのかもな。」

あれが恐らくアクセルと御影の素の性格なのだろう。

 

はあ…雰囲気台無しだ。

「…なの…そろそろ出るか?」

「うん。手繋いでいい?」

「ああ。いいぞ。」

胸のタオルを抑えながらなのかは立ち上がる。

「じゃ、そろそろ戻るか。」

「うん!」

元気よく反応していつもの笑顔になる。

 

………

 

「…アクセルゥ…?あんた…性懲りも無くこんなことを…」

「ご、ごめんって…でも見たかったんだよ…」

「星…機嫌直してくんねぇか?」

「ふんっ!」

ロビーに戻るとボコボコにされたアクセル達が正座させられていた。

「…全く…お前ら何してんだよ。」

「うっせぇなぁ!お前なんで来なかったんだよ!」

「…お前らといると厄介ごとに巻き込まれそうだったからよ。」

「うがー!」

「それより…いつまで手を繋いでるつもりだ??」

 

「「え?」」

なのかと一緒に困惑する。

手をすぐに見ると、手を繋いでいるのが見えた。

二人は顔を赤くしてすぐに手を離した。

 

無意識だった…。

「ラブラブだねっ…いてててて!」

ゼーレがアクセルを鷲掴んだ。

「あんた、今日は寝かせないわよ。」

「はい」

「御影もね。」

「ぇ」

御影とアクセルは星とゼーレに連れて行かれた。

多分、搾り取られるだろうなと思いつつ、俺は手を振った。

 

「…あれじゃあ部屋入れなさそうだな。」

「ウチも…多分無理そう…」

二人で笑い合いながら、外に出た。

 

とりあえず、ゼーレ達の喘ぎ声が収まるまでずっと外にいた………





【本章の登場人物】
秋織
CV:土岐俊一
秋三兄弟の次男。仙舟「羅浮」の元雲騎軍。一度集中するとその事から抜け出せない熱血馬鹿。
雲璃とは腐れ縁。

雲璃
CV:若山詩音
仙舟「朱明」の猟剣士。素直な性格で「燭淵将軍」懐炎の孫娘。
秋織とは腐れ縁。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。