「ああ…景元の奴が…勝手にやったらしい。」
「あー…期待してるんじゃないかな?」
「うーん…そうかもな。俺、あんまり知らないけど。」
「でも、翡翠は勝てるって信じてるからね!」
「ああ!第46話、始まるぜ。」
「ウチも出るからね!」
○○○○○
「今日は演舞典礼の日ね。」
「うん。御影さん…残念だったね…」
数週間前、御影はレギオロイドのせいで最終的に腹痛となり、そのまま列車のトイレに篭りっきりなのだ。
御影は「心で応援してるぞ」と言い残して再びトイレに消えて行った。
「…ところで、翡翠も参加するんだっけ?」
「そうらしいわね、あと三月も参加するらしいわよ?」
「うん。翡翠にしごかれて大変だったって愚痴ってたよ。」
星がドーナツを食べて近寄ってきた。
「でも、なのも強くなってるからね。もしかしたらアクセルには勝つかもしれないよ?」
「…そうねぇ…ま、アクセルは脳筋みたいに見えて、キレるから、三月が勝つのは大変かもね。」
「でも、好きな人と鍛えた三月ちゃんなら、行けるんじゃないかな?」
ホタルはそう呟いて舞台を見る。
「噂をすれば、来たよ。」
なのかが団子を食べて近寄ってきた。
羅浮の格好に身を包み、腰まで届く髪を纏めて剣を鞘に収めてあった。
「どう?ウチの巡狩モード!」
「いいんじゃない?てか、何処行ってたの?」
「ああ、さっき彦卿と戦って勝ったんだよね。」
それを聞いた三人は少し驚く。
「彦卿って…一応羅浮で一番強いんだよね?」
「……ちなみになの…彦と戦った時…何分かかったの?」
「あ、翡翠にストップウォッチで測ってもらったんだ!0分53秒!どう?凄いでしょ?」
それを聞いた三人はお互い見合った。
「本当にアクセルに勝てるんじゃない?」
「多分、運が良かったら翡翠にも勝てると思う。」
「御影が見たらきっと驚いたろうね。」
「三人とも?なんの話してるの?」
「いや、なのには関係ない話だよ。演舞典礼、頑張ってね。」
「うん!翡翠と当たったら…流石に運がなかった…って事になるかな…」
「大丈夫大丈夫。翡翠は三月が相手なら油断してまともに戦えなくなると思うから。」
「そうなのかなぁ?」
そして、アナウンスと共になのかは急いで歩き出して行った。
「あーあー…今回司会をやらせてもらう事になった秋作です。演舞典礼…最後まで見てってください。」
「あー…ルール説明をさせていただきます。」
「ルールは簡単。相手が倒れるか、気絶するか、降参するまで続きます。剣以外の使用は禁止…そして特殊な力を使うのは試合ごとに一度きりとさせていただきます。」
カンペを読みながら、秋作は棒読みで応える。
「実況はこの俺、秋作」
「解説はこの俺、秋俊が担当させていただきます。」
「さて、出場者前へ!」
景元がそう言い、出場者が前に出る。
秋俊が第一回戦の選手を確認する。
「右コーナー!星穹列車のムードメーカー兼トラブルメーカー!三月ィなのかぁぁ!」
「左コーナー!ベロブルグからやってきた破壊神!アクセル・フォン・シックザァァァル!」
「ちょっとぉ!誰紹介文作ったの!?」
「誰だ?紹介文作ったの。」
二人は文句を言いながらも、剣を構える。
「お、始まったな。」
翡翠が二人の試合を観戦しにきた。
「どうするの翡翠?なの負けちゃうかもよ?」
星が翡翠を見ながら言う。
「いや、どうかな?」
「?」
「あいつは強いぜ。なのは。」
……………
「三月…こうして戦うのは初めてかもな。」
アクセルは大剣を地面に刺して指を鳴らす。
「アクセルが相手でも、ウチは負けないからね!」
「両者、見合って…」
景元の合図と共に剣を構える。
「始めッ!」
「行くぜぇ!」
アクセルは大剣を振り下ろして振動を起こす。
「…!」
それをなのかは軽々と回避した。
「そこっ!」
なのかは剣を一本投げ、すぐさま瞬間移動する。
「!?」「やっ!」
そして投げた剣でアクセルにぶつけた。
「くっ…」
『三月なのか選手、アクセル選手にかなり肉薄してますね。』
『攻撃力のアクセル選手と俊敏力の三月なのか選手では…相性が悪いでしょうか?」
「お前…強く…なってんな!」
「そりゃあね!」
息が上がるアクセルと、汗を少しだけ流すなのか。
「うおおお!」
そして再び走り出してくるアクセルに、なのかは刀身にエネルギーをチャージし始めた。
「これでとどめ!魔神剣!」
地面を這う衝撃波を飛ばし、アクセルは吹き飛ばされた。
「うわあ!」
そしてアクセルは場外に出た。
そのアクセルに翡翠は近寄る。
「大丈夫か?」
「…いや…完敗だ。強くなってるよ…アイツ…」
「やったぁ!翡翠!ウチ勝ったよ!」
なのかは翡翠に近寄って抱きついた。
……………
その頃、叢雨達は歩離人達の元に向かっていた。
「全く…何故俺たちに任せるんだ…」
「ま、いいんじゃない?花火達どうせ暇なんだし。」
二人がそう話をしていると、奥から物が崩れる音と共に何かが現れた。
「ハッハッハッ!ようやく出られたでござる!」
「…なっ…アイツは………」
「何…アヤカシ?」
「ん?お前ら…我の同胞を傷つけた者でござるな?我はヌエのエルガイ無!」
「いや、もはやアヤカシすら超えた究極の存在!咆哮超剣ヌエでごさる!」
ヌエのエルガイ無改めて、そう高らかに宣言した。
奥の方を見ると、カンパニーの機体と魔剣の一部がヌエに取り込まれているのが見えた。
「なるほどな…吸収してパワーアップしたと言うわけか。」
「…それって…随分厄介だよね。」
「ふふふ…貴様らに構っている暇は無いでござるからな!退散!」
「なっ、待て!」
ヌエはそのまま地上に向かって飛び去って行った。
「まずい、演舞典礼の真っ最中に…」
二人は急いで、地上に飛び出していくのだった。
………………
その頃、地上では突然の振動で困惑していた。
「な、なんだ?」
「ハーハッハッ!漸く地上に出られたゾォ!」
「!?」
ヌエは地上に出て、観客を困惑させた。
「くっ…こいつは…」
景元が薙刀を持ってヌエに切り掛かる。
しかし、その薙刀を掴まれ、腹部に三発殴りを入れられ、吹き飛ばされた。
「あの怪物…魔剣の力を感じる…」
雲璃は大剣を取り出し、秋織も剣を抜く。
「なんかヤバそうなんじゃない?」
二人がヌエに向かって剣を振るうが、硬くて弾かれる。
それと同時に花火と叢雨が出てきた。
「…一気に行かせてもらうか。」「だね。行くよー。」
叢雨は懐から『超絶武装チェンジャー』を左腕に取り付ける。
「超絶変化!」
『超絶!ファイヤー!』
叢雨は全身に城のような装飾の鎧を纏った。
「クールに熱いぜッ!」
花火は手を伸ばすと剣が何処からか飛んできて、掴む。
「ソウルを解き放て、ゴセイカリバー!」
竜の頭部を模した形状のスロットのトリガーを引くと、胸に金色の鎧と背中に紺色のマントが装着された。
「何!?」
ヌエは変化した二人に驚きつつも、右腕から魔剣を生やして走り出して行った。
「ふん!」「それっ!」
それに対して叢雨達は巧みな攻撃でヌエを追い込んだ。
そして、二人は変身を解いて、自身の持っていたアイテムを雲璃と秋織に渡した。
雲璃と秋織は見合って頷く。
「ありがたく使わせてもらうぜ。」
秋織は超絶武装チェンジャーを取り付け、ギアを回した。
「超絶変化!」
雲璃も受け取ったゴセイカリバーを持ち、トリガーを引いた。
「ソウルを解き放て、ゴセイカリバー!」
秋織には城のような鎧が、雲璃には金色の鎧が装着された。
「二人とも!」
蒼激狼になった翡翠が近寄ってきた。
「…三人とも、同時攻撃だ!」
「「おう!」」
秋織は全身を燃やして突撃していき、雲璃も剣を向けて走り出していく。
翡翠も、バックフリップして足にエネルギーを貯めて撃ち込んだ。
「ぐおおお!」
ヌエはその3回攻撃に耐えられず、爆散してしまった。
しかし、それを遠くから見ていたディペクトが指パッチンしてビービ虫を呼び出した。
呼び出されたビービ虫はヌエに噛み付いて巨大化して行った。
「御影無しだけど…いくぜ!」
スーペリアフェニックスに乗り込み、巨大化したヌエに対応し始めた。
「…そらっ!」
グランドランサーをぶつけて攻撃が続いていく。
「フェニックスバインド!」
翼の願力でヌエは固まる。
「終わりだ!フォニックスグランドストライク!」
振動を起こして、ヌエを巻き込んだまま爆散して行った。
「ぐわあああ!」
……………………
☆☆☆☆☆
「…ふう…」
俺達は列車に戻り、部屋で漫画を読んでいた。
『翡翠ー?』
「なのか、入っていいぞ。」
「えへへ、お邪魔しまーす。」
なのかはベッドの上に座る。
「…なんのよう?」
「いやさ…最近髪伸びたんだけどね…」
「うん。」
確かになのかの髪はだいぶ伸びていた。
最初に会った時よりもだいぶ伸びている。
「…翡翠はさ、どっちの方が好き?」
「…俺は、長い方が好きかな。」
「そう?じゃあ、切るのやめる!」
「え?」
なのかはベッドから立ち上がった。
「実はね、翡翠の好みに合わせようと思ってたからさ、相談しにきたんだ。」
「そうなんだ。」
「翡翠のおかげで決心ついたよ!ありがと!」
そう言い残してなのかは部屋から出て行った。
出て行ったのを確認すると、俺はベッドに寝転がった。
「わざわざ聞きに来るなよ恥ずかしい…」
顔を赤くして、俺は眠りについた。
原作だとまだ演舞典礼始まってないらしいですね。
ルール分からないのでとりあえず考えておきました。
【今日の強化フォーム】
・超絶装甲
本来は朱雀の物だが、一時的に叢雨が所持している。超絶武装チェンジャーのギアを回して変身する形態。
・ゴセイカリバー
花火が持ってきたピノコニーの底にあった剣。