「花火もその様子見たかったなぁ〜」
「まあそういうな。詮索するのは駄目だぞ花火。」
「何さ。叢雨ちゃんも気になってる癖に。」
「………53話に行くぞ。」
「あ、ちょっと話逸らし(ry
〜翡翠視点.
「ん?」
俺は朝になったのを感じて目を開ける。
違和感が無いか、体の隅々を触る。
「すぅ…すぅ…」
ベッドの隣から寝息が聞こえ、さっと隣を見ると、気持ちよさそうに寝ているなのかがいた。
………あ、そうだ。
昨日、俺たちは漸く付き合い、その後お赤飯を食べた後に二人で寝たんだった…
ほっぺをつねって痛いから確認。……うん、痛い。
あの時を思い出すと、思わず赤面してしまう。我ながら臭いセリフを吐いたもんだなと思うと恥ずかしい。
うん、若気の至りというやつか、これが。
「ん…んん…」
すると、なのかが大きなあくびをして起き上がった。
「おはよう、翡翠。」
「おはようなのか。」
そして、俺がいたのかな?と気づくと、ぱあっと笑顔になって俺に抱きついてきた。
「えへへーあったかーい。」
「…お、おい。ベッドでやるな。」
「いいじゃん。もうウチら付き合ったんだし。」
「いや、そうだけど。」
可愛い笑顔で俺を見つめるなの。俺は小っ恥ずかしくなって目を逸らす。
すると、なのかは俺から離れ、俺の両手を掴んだ。
「えへへ……翡翠の彼氏……」
とろんとした目でそう言ってきた。
……なんなんだこの可愛い生き物は? 俺は我慢できなくなってしまい、なのかを押し倒した。
「ふぇ!?ふぃ、翡翠?どうしたの急に?」
「いや、その……可愛すぎてつい。」
「かわっ!?な、何言ってるの!」
「いや、その……なんだ。」
俺が言いかけた時、なのかはそれが分かったのか、思わず赤面していた。
「ひ、翡翠がしたいなら…いいよ?」
「……いいのか?」
「う、うん……翡翠なら……いいし。」
俺はなのかの唇に自分の唇を近づける。
そして、二人の唇が触れようとした時。
「おはよう!」「今日もいい天気だな!」
「「………」」
最悪のタイミングでアクセルと御影が起こしに来た。
「朝からお熱いな!」
「これが若さ故の過ちかぁ…」
「お前らー!!」
俺はそのまま二人を追いかけて行った。
…こうして初体験は失敗したのだった。
「あ!行っちゃった…」
〜なのか視点.
ウチはパジャマから服に着替えて、翡翠の部屋を出る。
「…あ、翡翠の匂い…」
ウチはパジャマの匂いを嗅ぐ。翡翠の匂いがして思わずいい気分になった。
「ハッ!駄目駄目…平常心平常心…」
ウチはすぐに落ち着いて、ラウンジに向かった。
「あ、翡翠!」
ラウンジに着くと、そこにはアクセルと御影をボコボコにし終えた翡翠が立っていた。
「あー…聞かない事にするよ。」
「…そうしてくれ。」
ウチはさっきのからかいで怒った翡翠が二人をボコボコにした事は確信した。
「…全くバカね。」
「もう…翡翠にそういうからかい通じないって知ってる筈なのに。」
星とゼーレも呆れたようにアクセルと御影を見つめていた。
「…この二人どうする?」
「ほっとけば治るわよ。」
ゼーレが冗談混じりでウチにそう言う。
「あはは、そうだね。」
ウチも思わず笑ってしまう。
そして、翡翠が二人に近づき声をかける。
「はあ…こんなの俺のキャラじゃないのに…」
「あ、翡翠。もう大丈夫なの?」
「ああ。……まあ、こいつらが馬鹿なのは今に始まった事じゃないしな。」
翡翠はそう言うと、ウチらの方に戻ってきた。
「にしても暇だな。」
「翡翠、二人ボコボコにしただけだよ。」
「そうだ。ベロブルグに行こうよ。最近、新しい娯楽施設ができたそうじゃない。」
「お、いいね。ゼーレにとっては里帰りになるのか。」
「最近帰ってないし…いいかもね。」
「それじゃ、再びベロブルグにー出発ー!」
そうしてウチらはベロブルグに向かうのだった。
「お、置いてかないでくれー!」
後ろからアクセルたちの声が聞こえてきたけど気にしない気にしない。
〜三人称視点.
七人はベロブルグにやってきた。
「それじゃ、私とアクセルは下層部に行ってくるわ。」
「分かった。」
ゼーレは翡翠たちにそう伝えて、アクセルを連れて下層部に向かった。
「… さて、俺となのかはどうする?」
「うーん……ウチは翡翠に着いてくよ。」
「そうか。よし、じゃあ久しぶりにブローニャに会いに行くか!」
翡翠はそう言ってブローニャの元に向かうのだった。
………
「おーすブローニャ。」
「翡翠!」
「あれ、翡翠!久しぶり!」
翡翠達が城に訪れると、ブローニャの他にトパーズも来ていた。
「…トパーズどうしたんだ?ベロブルグまで来て。」
「実はね。ブローニャさんと会議中でね。」
「なんの?」
「このヤリーロⅥにマスドライバーが設置できないかの会議!」
「マスドライバー?」
マスドライバーは大気圏外や他の惑星へと貨物や船などを撃ち上げる施設のこと。トパーズはそれをヤリーロⅥに設置しようと言うのだった。
「ヤリーロⅥは人口も少ないし、この吹雪を耐え凌ぐのは大変でしょう?だから、外でも寒波を凌げる施設を作ろうかなって。」
「星核が無くなったとはいえ、今だにベロブルグの外は吹雪が凄いから…トパーズさんとその事で話し合ってたの。」
考え事をしていた御影がトパーズ達に疑問を述べた。
「ん?でも、そうするにはいっぱいお金掛かるんじゃ?」
「そうなの〜、それで今悩んでてね。」
二人はとても悩んでいる顔をして、再び暗い顔になった。
「…翡翠。邪魔しちゃ悪そうだし、もう行こうぜ。」
「ああ。二人とも、会議頑張れよな。」
そうして翡翠達は城から出ていった。
〜御影視点.
「おやおや、ようやく来たようだな。」
城から出ると、レギオロイドが立っていた。
「うおっ、出たな。」
翡翠が少し嫌そうな顔をして、剣を持つ。
「俺はキグナスロイド、さて…その星核をいただ…」
「ふん!」
ホタルが近くの柵を投げつけてキグナスロイドにぶつけた。
「………?」
困惑で固まる俺と星。
「おい!俺が名乗ってる間に攻撃するな!」
「いや…敵の前で名乗るのは油断してるとしか思えないよ。」
ホタルは冷静な口調でそう言った。
「くっ…お約束を守れないなど…笑止千万!ここで倒して…」
キグナスロイドが何かを喋ろうとして突撃してくるが、星はランチャーを持って散弾を放った。
三月も続くように弓を引いて、矢を連続で当てた。
「よし、御影!トドメを刺すぞ!」
「お、おう…」
ノリに乗れない俺は翡翠に続いて剣を投擲し、キグナスロイドに突き刺さった。
「ぐっ…こんな…こんな扱いなぞぉ…!」
そしてそのまま逃げようとした時、地下から巨大な熱線と共に空に打ち上がった…
「……?」
恐らく下層部からだろうが、俺たちはその光景に面食らった…
……………
〜アクセル視点.
「ぐぶぉ…」
「……」
俺が久しぶりに下層部の仲間と談笑し終えて、ゼーレの元に向かうと、レギオロイドをしばきあげていた。
「なぁゼーレ?どういう状況だ?」
「このレギオロイドが居たからしばいたわ。
いや妥当な理由だな!しかし、なんでレギオロイドが下層部に?
「あのーすみません…あっしってなんかしましたか?」
「レギオロイドだからよ!」
そう言ってゼーレはそのレギオロイドを空中に浮かばせた。
「アクセル!例の新武装。テストにいいんじゃない?」
「あ、あれか!」
すっかり忘れていたが、レイジアン工業からプロミネンスキャノンを貰ったんだった。
俺はすぐに大剣を展開してプロミネンスキャノンを装備する。
「………」
銃身を展開して狙いを定めた。
「くらえぇぇ!!」
そう言って引き金を引くと。砲塔から極太の熱線が放たれた。
「うぎゃあ〜!!」
そのまま頭上を貫いてそのまま消えてしまった……
「……ん?」
プロミネンスキャノンが電気を帯びて何かやばい音を立ててきた。
俺は嫌な予感と共にキャノンを外して空中に投げ捨てた。
……予想は当たり、キャノンは大きな爆発をして砕け散った。
「…威力高いけど一発限りかぁ…」
俺はこの一長一短な武器を使いこなせるのかと不安になってしまった。
〜なのか視点.
「ベロブルグ久しぶりだったから寒かったねー。」
「でも、ブローニャ達も頑張ってるし、これからだよ。」
翡翠はそう言って本を読み始めた。
ウチは気になって隣に座る。
「……なあ。」
「ん?」
「髪長くなったな。」
ウチは自分の髪を見つめる。確かに腰まで届くぐらいのロングヘアーになっていた。
「翡翠はどっちが好きなの?」
ウチがそう聞いてみると、翡翠は頬を赤くして口を手で押さえた。
「ま、前にも聞いただろ…」
「もー、なにそれー。」
ウチは自分の髪を触って笑う。釣られて翡翠も笑った。
他の人にとってはどうでもいい話かもしれないが、ウチにとっては翡翠との時間が幸せだ。
「…あ、今日何食べたい?」
「ウチ、マーボーカレー食べたいな!」
「よし!作るかマーボーカレー。なの、手伝ってくれ。」
「ラジャー!」
ウチらは手を繋ぎながらキッチンに向かって行くのだった。
今回からキャラ視点をわかりやすくしました。
たまに視点がわかりづらくなるので、今後からこの感じでやっていきます。