「うん。翡翠や私たちの戦いも苛烈になってくんだよね。」
「さて、今回はとある星に行くことになるぞ。」
「第60話、始まるよー。」
〜なのか視点.
「………」
ウチは目を覚まして、大きな欠伸をした。
「おはよ、なの。」
「翡翠。」
ウチが目を覚ますと、翡翠が起こしてくれた。
「こんな朝っぱらから寝るなんて、なの…大丈夫か?」
「ううん。ちょっと昨日は徹夜したからかな…?」
「そうか?ラウンジ来いよ。次の星、何処行くか決めるってさ。」
「わかった。」
ウチは翡翠に連れられて、ラウンジに向かう。
「おはよう、三月。」
御影や星がウチに挨拶する。
「おはよ。」
ウチも皆に挨拶を返して、席に座る。
「…次の星って、何処行く予定なんだ?」
「実はだな…今の宙域の近くに、とある惑星があるのが確認された。」
ヨウおじちゃんがモニターを見ながら、説明してくれている。
「惑星……って、ここ?」
「あぁ。ここは遠い昔に廃棄された惑星らしいがな……」
モニターには『生命反応無し』と表示されている。
「今回の戦いでわかったことだが……どうやら、何かあるようだ。」
「じゃあ、そこに行くの……?」
「今向かうところも無い。ここに向かう以外に無いだろう。」
ヨウおじちゃんが皆に確認すると、全員が頷いた。
「よし、新しい惑星に出発だ!行くぜ!!」
ウチ達は行き先をそのままに、惑星に向かって出発した。
…………
「……」
ウチらは目的地の惑星に辿り着いた。
「ひでぇな…これ。」
ウチらの目の前には、荒廃した街のような場所が広がっている。
「惑星が廃棄される程の出来事って……一体、何があったんだ…?」
「…よし、ここから別行動しよう。三月は翡翠と、アクセルはゼーレと、俺は星とホタルと行ってくれ。」
そしてウチは翡翠と行動する事になり、二人で行動する事に。
「……」
翡翠は何か考え事をしている様だ。
「翡翠、大丈夫か?」
「ん、あぁ。すまないな。」
ウチが声を掛けると、翡翠はいつも通りの表情に戻る。
「いや、いいんだが……何か考え事か?」
「……少し、気になることがあってな。」
「気になること……?」
ウチは気になって聞いてみた。
すると、翡翠はこう答えたんだ。
「……この惑星に生命反応は無いはずなのに、何か…嫌な感じがする…」
「……嫌な感じ?」
「何がとはいえないけど…本能がそう訴えてるみたいで…」
確かにウチも少し悪寒がする。まるで……何かが怨念が渦巻いている様な感じだった。
「……とにかく、調べてみようぜ。何かわかるかもしれない。」
「あぁ、そうだな。行こう。」
ウチらは街の調査を開始した。
……
「……」
「……」
調査を始めてから数時間が経っているが、特に何も見つからない。
「本当に何も無いな……なのか、大丈夫か?」
「え?あ、あぁ…うん…大丈夫。」
翡翠の様子がおかしい気がする。さっきからずっと考え事をしているみたいだ。
「一体何があったんだろうな?反物質レギオンか?」
「反物質レギオンなら惑星そのものを滅ぼしてると思うけど。」
「そうか……そうだよな。」
ウチはふと、周りを見回してみる。
「車とか…お店とか…いっぱいあるけど、人がいる気配無いね。」
「…人骨はあるけどな。」
翡翠はそこら辺から拾った骨を見せてきた。
「うひゃあ!!翡翠ー!やめてよビックリしたじゃん!」
「悪りぃな。」
「……骨があるって事は…大分ここは放置されてるって事になるな。」
「どういう事?」
ウチはふと、翡翠に聞いてみた。
「宇宙船とかで逃げられる筈なのに、逃げられなかった。つまり、誰かがこの惑星で事件を起こしたって事じゃないのか?」
「ベロブルグみたいに…星核が影響してるって事?」
「いや…星核の気配が感じられないな。」
「じゃあ、どういう……」
ウチはまた辺りを見回してみた。
すると……ウチらは街の奥にある、大きな廃墟のような建物を発見した。
「……ここに何かありそうな気がするな。行ってみるか?」
「うん……」
ウチは翡翠の提案に賛成し、二人でその廃墟に向かった。
……
「ここが……廃墟?」
「あぁ。これは……教会か……?」
そこに建っていたのは、十字架が掲げられた教会だった。
「……入ってみる?」
「……そうだな。」翡翠は少し顔を引き攣らせながら言った。
そしてウチらは教会の扉を開ける。
するとそこには……沢山並べられた棺があったんだ。
「なんだこれ……」
ウチらは思わず恐怖心を抱いてしまう。だが、気になる事もあった。
「……これ……血が付いてない?」
「え……?」
教会の床には、血らしきものが付着していた。それも一つや二つじゃない。床全体に付いていたんだ。
「不気味だな…ん?」
翡翠がチャーチベンチに古びた日記が置いてあるのが見えた。ウチは気になって、日記を手に取った。
「……翡翠。これ、ちょっと見ていい?」
「……あぁ。」
ウチは恐る恐る、その日記を開いてみた。すると……そこには衝撃的な内容が書かれてあったんだ。
この日記に書かれていた内容はこうだ。
『○月×日 ある研究者が命を落としたそうだ。彼はどうやら全知全能の量子コンピュータ『ディーヴァ』を開発したそうだが……恐らくその研究が関係しているだろう。』
「…ねえ…ディーヴァって…」「デクター…」
翡翠の口からデクターの名前が零れた。
デクター…ウチらがピノコニーで倒した強敵…どうやら、アイツの故郷はここのようだ。
「…デクターはこの惑星を滅ぼして、星核ハンターになってって事かな?」
「……ああ。」
ウチは日記を読み進める。
『○月×日 奴は言っていた。「人類の弱点。それは身を脅かす恐怖である。」と。確かにそうだ。私はその恐怖に屈した……奴の言う事には正しかった様だ……』
「人間の弱点……」翡翠はボソッと呟く。
そして次のページを開くが、埃や砂でほぼ何も見えなかった。
「もう見れそうに無いな。」
「うん……次のページは破れてたみたい。」
翡翠は日記を投げ捨てた。そして何も無いと考え、外に出た。
「もうここには何も無いな。次行こうぜ。」
「うん……そうだね……」ウチらはまた別行動を取り、調査を再開した。
……
「何も見つからなかったね……」
「そうだな……」
ウチと翡翠は結局、何も見つけられず、ヨウおじちゃん達の所に戻る事にした。
……
「戻ったぜ。」
「おう!どうだった?」
「何も見つからなかったよ……」とウチは答える。
「でも、ひとつ分かったことがある。この星、デクターが滅ぼした惑星らしい。」
「!…まじか。」
「うん。この日記に書いてあったの。デクターの故郷の星って……」
「そうか……なら、デクターはここに……」
「いるよ。」ウチが答えると、みんなは驚いた。
「この日記に書いてあってさ。デクターはここで命を落として、星核ハンターになったって……」
「そうか…じゃあ人が誰も居ないのも…」
「多分、デクターに全員やられたんだろうね……」
ウチがそう言い切った。
空は濁っていて、ウチにとっては凄く嫌な景色だった。
…………
次回から最終章