「思ってみると、長い旅だったね。」
「そうだな。この先何があるか分からないが、頑張ってこうぜ!」
「うん。61話、スタート!」
episode.61:閃光の刻
〜翡翠視点.
「「うわぁ〜!」」
「よっと。」
俺は列車に無事に着地する。しかし、アクセルと御影は頭から直撃した。
「いてて…なんだよ…今日は転送装置の調子が悪いのか…?」
「くっそっ!痛い!」
「大丈夫か?」
俺は平然と話すが、二人は納得いってない様子だった。
「翡翠だけ!」
「華麗に着地しやがって!」
怒ってたが、俺は気にせずに姫子さんの元に歩く。すると、隣に長身の男性が姫子さんと話しているのが見えた。
「おーい、戻ったぜー。」
「あら、おかえりなさい。」
「お、姫子さん。隣の男は誰だ?彼氏?」
「違うわよ。彼はサンデー。今日から列車に乗る事になった人よ。」
「話は姫子さんから聞いております。私はサンデー。よろしくお願いします。」
サンデーと名乗った男性は律儀にお辞儀をし、俺も思わずお辞儀してしまった。
「三月ちゃん達は?」
「すぐ帰ってくる……ほら、ちょうど来たぜ。」
なのか達が手を振りながら駆け寄って来る。
「翡翠!姫子!」
「お帰りなさい。」
「うん、ただいま!」
俺はなのかとハイタッチする。星とゼーレが姫子さんに質問した。
「姫子、彼は?」
「ああ、この人はサンデー。今日から列車に乗る事になったの。」
「初めまして、サンデーと申します。」
「よろしく。」
………
「…結局、いい情報無かったな。」
「うん…」
俺となのかは通路でそう呟いた。
「何かいい情報とかあれば良かったね…」
「考えてもしょうがないぜ。」
「うん…」
なのかは普段より少し元気なさそうな声で返した。
「不安になるな。お前が不安になったら、みんな不安になる。」
俺はなのかの肩をポンッと叩く。
「…そうだね…。こんなのいつものウチじゃないよね!」
「ああ、いつものなのだ。」
俺はなのかの頭を撫でた。
「えへへ。ありがとう!翡翠ってやっぱりウチに優しいね!」
「はいはい、そうだよ。」
なのかは笑いながら俺にくっつく。可愛すぎて昇天しそうになった。
「…翡翠?」
「!…な、なんだ?」
「えっとねー……また用事が無かったらさ、ウチとデートしてほしいの。」
「……」
……俺は少し考えてみる。
いや、考えるまでもないか。答えは一つだ。
「勿論いいぞ。今度の水曜日にするか?」
するとなのかはパーっと笑顔になって俺に抱きついた。しかも全力で。
「やったー!」
「おい!やめろ!怪我する!」
「えへへっ♪」
「……全く、可愛い奴め……」
そんな会話をしていると、突然大きな音と振動が列車を襲った。俺達は思わず体勢を崩すが、なんとか立ち直る。
急いで、ラウンジに戻る。
「な、なんですか今の揺れは…」
サンデーは驚いて、椅子に倒れかけている。
「姫子さん!今の揺れは!?」
「分からないわ…突然攻撃を受けたの。場所は…ここからだいぶ離れた正暦の地球よ。」
「……ん?ちょっと待ってください。姫子さん、何か感じませんでしたか?」
「ええ、貴方も感じたのね。私もよ。」
二人は難しい顔をして何か話している。俺達には理解できない話だった。御影達も何が何やらという顔で聞いていた。
「地球いっぱいあるんだね。」
「実は3つもあるんだよなぁ…」
よく分かっていない星に御影が答えた。
「急いで正暦の地球に向かおうぜ!絶対何があるに違いない。」
アクセルの言葉に俺たちは頷き、星穹列車は急いで地球に向かった。
……しかし、正暦の地球についた途端、それは絶望に塗り替わったのだった。
「これは……」
俺達は言葉が出なかった。地獄絵図とはこういう事を言うのだろうか……?
人々は惨殺になり、建物も瓦礫の山となっている。さらには辺り一面焼け野原になっていて何も残っていなかった。とても人が住めるような環境では無かった。そんな光景を見てなのかは泣きそうになっていたがなんとか持ちこたえている様子だった。
……明らかに何者かによる仕業だ。
「ん?」
俺たちが空を見上げると、白い神秘的なレギオロイドが現れた。
『出たな開拓者…待っていたぞ…』
翼を羽ばたかせてレギオロイドは降りてきた。
『俺はナスカロイド…この世に顕現した最後のレギオロイドである…』
奴は剣を召喚して突撃してきた。
「くっ…!」
俺は双剣を抜いて、奴の攻撃を受け止める。
「おい!俺もいるぜ!」
アクセルもナスカロイドに蹴りを喰らわせる。ナスカロイドは直撃を受けつつも耐えていた。
「アクセル、御影。同時攻撃だ。」
「おう!」
「分かった。」
アクセルは銃を構え、御影は刀を抜く。ナスカロイドが剣でガードする隙に俺は双剣で奴を斬りつけた。しかし……
『無駄だ……この装甲には傷一つも付けれんぞ……』
ナスカロイドの鎧には傷が付いていなかったのだ。そして奴は俺の腹を蹴り飛ばした。
「ぐっ…」
「「翡翠!」」
ホタルとなのかが駆け寄ってくる。
「大丈夫だ……次は三人で攻撃だ。」
俺はなんとか立ち上がる。しかし、奴の装甲は硬すぎる。ナスカロイドは嘲笑うかの様に高笑いした。
『どうした?もう終わりか?』
奴は俺達に近付いてくる。左右からアクセルと御影は剣を振りかざすが、アクセルと御影も同時に攻めた為、当たってしまった。二人はバラバラになってしまう。
『滑稽だな……』
「それはどうかな!?」
アクセルは巨大砲塔を大剣に連結させて、極太の熱線を発射する。
『フンっ!』
奴は両手でガードするも、熱線の威力に耐え切れずに吹き飛んだ。
吹き飛んできたナスカロイドに居合の構えを御影は取った。
「チェェェェェスト!!」
ナスカロイドを一刀両断にしようと御影は剣を振りかざした。
凄まじい威力の斬撃はナスカロイドの装甲を壊して、壁に叩きつけた。『くっ……中々やるな……』
奴は辛そうに立ち上がる。すると、後ろから星とゼーレが槍と鎌で攻撃した。
「はあっ!」
「やぁっ!」
二人の攻撃はナスカロイドの鎧を貫通し、奴に大ダメージを与えた。しかし、まだ致命傷にはなっていないようだ。
『小癪な!』
ナスカロイドは剣を振りかざすが、俺は双剣で受け止める。
「なの!」
「うん!」
『!?』
俺達はナスカロイドの攻撃をもろともせず、奴を押し倒したのだ。そのまま俺達三人は剣を上から叩きつける様にして斬りつけた。
「終わりだっ!」
アクセルは熱線を放つ。その威力は凄まじく、辺り一面吹き飛んだ。
『ぐおおお!』
ナスカロイドは戦闘不能になり、爆散した。
「「イェーイ!」」
星となのかは嬉しさでハイタッチした。
〜三人称視点.
しかし、ビルの上にディペクト達が立っていた。
「ディペクト!」
「最後のピースは揃った…復活の時だ!」
ディペクトは不適な笑みを浮かべ、端末を取り出して宙に投げ込んだ。
それと同時にサムが手に持っていたレギオウィルスを放り投げて、端末の周りを回り始めた。
「復活しろ!デクターッ!!!」
そうディウェンゴが叫ぶと、端末がブラックホールに変換され、辺りが爆発すると共に光に包まれた。
…………………
「……!?」
翡翠達は爆煙と共に誰かが近づくのが見えた。
「お前は…」
翡翠はその顔に目を疑った。
「
それはかつて倒した宿敵のデクターだった。
「おいおい冗談だろ。」「復活したなんて…」
それぞれ驚きを隠せなかった。
「何故復活したか…疑問でしょうね…私から直々に説明してあげましょう…」
「ピノコニーで倒されたのち、私は自我データを端末に移しました。しかし、復活のためのエネルギーは足りず…ディペクトとディウェンゴを使ってレギオロイドのデータを回収していたのです。」
「そのデータをレギオウィルスに移し、その全てのデータと端末の力で、私は復活したのです。」
それを聞いた翡翠達は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「この力は素晴らしい……今まで感じたことのない力です。」
デクターは自慢げに話した。
「…復活したんなら…何度でも倒すまでだ。」
翡翠は双剣を向けて睨みつけた。
「面白い…ならばこの力…」
デクターは姿を戦闘形態の『デクター・ユナイト』の姿に変えた。
しかし、頭部に血走ったかのような赤いラインが入っていた。
「試させてもらいましょう…!」
現実に滲み出す悪意。