リコチャ…リコチャ……!
『(なんだこれは……!? 黒い火花……!? クソっ、フリーダムの脚がやられた!)』
キラ・ヤマトは戦慄する。
狩人が繰り出した謎の黒い火花に。いや、その正体はわかっていた。
黒閃。
呪術廻戦における重要な現象のひとつ。これを繰り出せれば、ほかの術師と天と地ほどの差が生まれ、さらに呪力の核心へと迫れる。
その黒閃を、狩人は繰り出せたのだ。つまり……
「(これは……なんだ? すげぇ、世界が見える。いや、見えるって言うか、何もかもが見えるというかなんというか……呪力が程よく廻る……!)」
黒閃を繰り出せば、呪力の核心へと向かい、呪力の操作が上手くなる。
もう1回。もう1回繰り出せれば何かに近づけると狩人が確信する。
「! まだまだ!」
ハンマーを持ったまま再びフリーダムガンダムに近づく狩人。それを見てキラ・ヤマトは汗を垂らす。
『(もう一度喰らえばフリーダムが動かなくなる…!それは避けなくちゃな……!)』
フリーダムの後ろから小さい何かが飛んでくる。ファンネルだ。
ファンネルからビームが撃たれる。それを狩人は避けていくも、肩や頬などを掠める。
そこから血が吹き出すも、気にせず走る狩人。
『! 撃て!フリーダム!!』
頭部に2門固定装備されている機関砲を使い、大きいビームを放つキラ・ヤマト。
流石に耐えられないと感じた狩人はブシドースタイルのままビーム向かってジャスト回避する。
ビームはそのまま夜空……否、帳の端へと消えていった。
なんとか避けれた狩人はもう1回ハンマーを構え、振る。キラ・ヤマトは避けれないと察してガードの構えに入る。
ひとつ言っておこう。
「黒閃!!!」
『ぐあっっっ!!?』
フリーダムガンダムの腕が思いっきり弾かれ、後ろへ倒れ込む。
もう一度、ハンマーを振るおうと構える狩人……だが。
「あっ!?」
機関砲やファンネルを避けたとはいえ、まだ腹に残っている傷は痛む。それのせいで倒れ込む狩人。
(くそ!くそ!!くそっ!!動け、動けよ!!)
『うぉぉぉぉぉっ!!!』
キラ・ヤマトが再び拳を振るう。その拳には呪力は籠っている。黒閃は打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間に起きる。
その拳は既に、0.000001秒以内であった。
『黒閃!!!』
「うあああああああああっ!!?!」
海に吹き飛ばされる狩人。狩人はズキズキと痛む傷に耐えきれず、叫び声をあげる。
海に吹き飛ばされた狩人はそのまま沈んでいき、目を閉じかける。
その時だ。
「術式反転『赫』!!!」
フリーダムガンダムの視界が赤く染まり、吹き飛ばされる。
そして、狩人はその乱入者によって海の中から掬い上げられる。
「全く、無茶しやがって!アイツはなんだ!」
「ゴホッゴホッ……五条…!」
霞んでいる目で五条を見る。ゴホッともう一度咳き込んでから顔から流れている血を右腕で拭う。
そして、砂浜に脚をつき、五条の問に答えるべく口を開く。
「知らねぇ…ただ、俺狙いだ」
「はぁ?何やらかしたんだよ?」
「知らんわ。それより天内は?」
「遠くの方に避難させてある。それに七海たちも居るし大丈夫っしょ」
軽いな……と呟いた後に五条をチラ見すると驚いたような表情で狩人を見ていた。
「何?」
「いや、お前それ……どうした?」
「? いや、黒閃した…」
「…………」
五条は黙り込んだ後にキラ・ヤマトの方へ向き直る。
「2人で殺るぞ」
「理子ちゃんは?」
「傑と黒井さんが守ってる。大丈夫だろ」
狩人もへへへ、と笑う。反転術式が使えない狩人からすると痛みによって気絶、そもそも立っていられるのが奇跡と言っても過言では無いぐらいのダメージなのだ。
それでも立っている。
アドレナリンがドバドバ出ていて、それで痛みを感じていないのだろう。
「「行くぞ!!」」
『! 来い!!』
■
(悟……狩人……大丈夫なんだろうな!?)
「大丈夫だよ、天内ちゃん!先輩たちが何とかしてくれるさ!」
私は悟に言われた通り、ホテルで理子ちゃん、そして黒井さんと共に留まり…
七海達1年生3人は私と一緒にに天内の護衛に回る。
本当は護衛任務はついていないはずの1年生だが、私と悟、そして狩人の判断で、一時的にではあるものの護衛に回ってもらっている。
灰原は良い子だ。怖がっている理子ちゃんの頭を撫でて和まそうとしている。
七海も、武器を手に持ちながら周りを見張っているが、チラッと天内を見ていて、理子ちゃんの事を気にかけている。
承太郎は私の隣で遠くの方を見ている。
「帳が下ろされてる…ってことは……」
「あぁ、きっと帳が下ろせる奴がいる…」
承太郎はチッと舌打ちをした後に帽子を深く被り、「やれやれだぜ」と呟く。
「俺は近くに呪詛師がいないか見に行ってくるぜ」
「あぁ、頼んだよ承太郎」
承太郎はそう言って、地面に小さいながらもクレーターができるほどの脚の力を使って飛んで行ってしまった。
「…やっぱり、一年に務まる任務じゃない…」
「大丈夫だよ。五条さんも夏油さん、それに飛龍さんもいるじゃないか!」
その言葉に夏油は一瞬ながらも頬が緩む。
すぐに気を取り直し、前を向くと、帳を突き破り、恐ろしいという言葉も合っているのか分からない程の極太ビームが見えた。
次回、沖縄編最終回!!
オリジナル呪霊は?
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あり!
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なし!