玉に瑕・・・すばらしい人物や事物に、ほんのわずかな欠点があることのたとえ。
「『闇より出てて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え』」
全員がそこで固まる。
唐突に聞こえてきた言葉。それの意味は嫌という程習って、知っている。
簡単な結界術。だが、縛りなどの要素が出てくると複雑となる。
夏油は自身の最高硬度を誇る呪霊『虹龍』を天内の近くに配置、そして自身の出せる最高最適の呪霊を置く。
五条は自身が解いた無下限呪術をもう一度起こし、空を見る。
黒井は天内の近くへ走り、抱きつき、自分が身代わりになるようにする。
天内は訳が分からず、混乱してただ抱きついてきた黒井を抱きしめることしか出来ず。
狩人は痛みを忘れ、武器を手に呼び起こし、構える。
「やぁ、
「…テメェ、誰だ?」
先程まで歩いていた階段から、女が手を振りながらこちらへ来る。
その言葉に狩人は冷や汗を垂らしながら問いかける。
「忘れたのかい?悲しいね…」
「悪ぃな。コイツは物覚えが良くねぇんだよ!!」
術式反転『蒼』
男は全てを飲み込む虚無の渦、術式順転『蒼』を喰らい、『蒼』は地面を抉る。
「夏油!黒井さん!理子ちゃん優先!!速く中に連れていけ!!」
「ここは俺と狩人がやる!!」
五条と狩人が2人で振り向き、夏油にそう伝える。夏油は少し躊躇った後、頷いて天内と黒井を連れて中へと向かう。
後ろを振り返り、五条と狩人を見る夏油。
「2人とも、死ぬなよ!」
「誰に言ってんだ!」
「誰に言ってんだよ!」
2人はニヤッと笑い、前を向く。
煙が消え、前が見える。そこには既に、先程の男はいない。どこへ消えたのか?
五条と狩人が2人で探る。
そして、見える女の姿。森の奥へと、まるで誘うかのように消えていく。
その姿を見て狩人が走り出す。
「チッ!待て狩人!」
五条が慌てて追いかけようと足を前に出した瞬間だ。足に木のようなものが絡みつく。
五条はそれに気づき、再び無下限呪術を使い木を剥がそうとする。
狩人は五条の足に巻きついている木に気づくも、時すでに遅し。
「領域展開、朶頤光海」
無下限呪術を相殺し、生得術式を具現化し、現実へ持ってくる、まだ五条が行き着いていない呪術の極地。
森を忌み、妬み、畏怖した感情から生まれた特級呪霊は、五条を閉じ込めるため領域を展開する。
「…クソ。やられたな…」
「最強の術師。五条悟よ…ここで死んでください」
「ちっ、喋り方が気持ちわりぃんだよ!!」
具現化された無限の発散、術式反転『赫』。
それを放つが、木によって防がれてしまう。さらに、木は五条を仕留めるべく動く。
澄み渡った青空の下、一面に色とりどりのお花畑が広がっており、そこに点々と螺旋状に伸びた木がそびえ立っているこの領域で。
■
「待て!!」
「ふふ、待たないよ」
森の奥へと入った狩人は、その女、羂索を追うべく走っていた。
右目が使えない状況で戦えるのかと言われれば、
森の奥へ進むと、開けた場所へ出る。
そこに羂索は立っていた。
「少し昔の話をしようか?」
羂索は笑いながら狩人へ言う。
「平安時代、呪術全盛期の時、大勢の術師が宿儺敗れた。そこでとある男が一人、宿儺に立ち向かったんだ」
「?
狩人がそう言うと、羂索はまぁまぁ、待て待てと宥めるかのような手を動かす。
その仕草を見て頭を抑える狩人。
(なんだ?どこかで見たことある仕草だ…敵?いや、コイツは知らない顔だ。だが、どこで…?)
「その男は宿儺を楽しませたんだ。たった一人でね。私はまるで映画を見ている少年かのように目を輝かせたさ!」
羂索は目をキラキラさせながら大声を上げて、狩人を見る。
「分かるかい? 君が
「………………は?」
なんでコイツ平安時代からの転生のこと知ってるんだ?
いや、そもそも待て。こいつ宿儺の話をしたのか?立ち向かった?
なんだ?
違和感。
違和感。違和感。違和感。
戦った。確かに狩人は宿儺に立ち向かった。だがコイツのことは知らない。だが平安時代のことを知っている。
宿儺のように呪物になり、現代に生き返る奴もいる。
術式は沢山ある。その中に転生のようなものがあってもおかしくはない。
狩人は頭の中で弾けるそれを見つけた。
自身に課した縛り。
再び自分が生まれるための縛り。全てをかけた縛り。
それが達成されたが、無意識の内に縛りを解除しなかった。
それが狩人の誤算。
その縛りはいま、弾けた。
それが解除されたことにより、目の前にいる女の名前が今、ハッキリした。
「け…け…!!」
「ん、なんだい?」
怒りに身を包まれる。
確かに合点が行く。
キラ・ヤマトが狩人を狙ってきた理由。謎の懸賞金。いまここで天内を殺そうと仲間と共に来たこと。
計略を巡らせ、非常に慎重で用心深く計算高い狡猾な奴。
自身の探究心や欲を満たす為ならどんな手段も厭わず、何者をも犠牲にする事も一切気にしない極めて非情な人物。
血液が沸騰するかの感覚に陥る。
そして何より、生きていることが信じられない。
「羂索ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!」
「もっと腹から声出しなよ!狩人!!!」
狩る者の怒声が空に響いた。
縛りの内容
・自身の記憶を忘れされる。
・術式の一部を縛る。
・六眼が再び生まれた時のみに復活する。
・術式は変わらずそのまま(転生した時に術式が変わる可能性があるため)
記憶を封印することで、宿儺の術式を知らずに復活できる。
つまり、宿儺と戦う時、初見のようになってしまうため、大きい縛りとなった。
無理やり感凄いね。これは酷評ですわ。