狩人は呪術廻戦で何を見る?   作:YY:10-0-1-2

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【キークエスト】懐玉-肆-

 

 「チッ……しぶとい…なッ!」

 

 そう言って五条は花御に向かって蹴りを入れる。花御は少し吹っ飛んだだけで耐えた。

 

 澄み渡った青空。

 一面に色とりどりのお花畑が広がっていて、そこに点々と螺旋状に伸びた樹が聳え立っているその領域内。

 

 五条悟は謎の特級呪霊、花御と戦っていた。

 花御は無下限呪術を食らってもなお、ピンピンしていた。

 

 それを見て五条がチッと舌打ちをする。

 

 (早いところコイツを祓って(殺して)狩人の所に加勢しなきゃな……!)

 

 五条が手をぱっと開く。

 −1の虚構という矛盾を作ることで「収束」を現実に発生させる。

 

 「術式順転『蒼』ッッ!!」

 「ッ!不味いですね!」

 

 花御が地面から大木を出し、それに飛び移って『蒼』を避ける。

 だが、大木の根元の部分が『蒼』によって削られ、大木が力無く倒れた。

 

 「遅せぇっ!」

 

 再び蹴りを入れ込む五条。花御は大きくぶっ飛ばされ、螺旋状に伸びた樹に思いっきりぶつかる。

 

 さらに逃がす五条ではない。無限を「発散」させることで、対象物を弾き飛ばす衝撃波のようなものを発生させる…。

 

 「術式反転『赫』!!」

 

 衝撃波を飛ばす。が、花御は既に移動していて、横から大木をぶつける。

 

 五条はそれを『蒼』で破壊し、花御に近づく。瞬間、何か違和感を感じる。

 

 「近づきましたね?五条悟」

 

 呪いの種子が五条の目の前まで迫る。すぐに腕を振り、払うも。

 

 「チッ!」

 

 呪いの種子は腕に引っ付いた。

 そんなことお構い無しに呪力を使おうとする五条。

 

 「呪力を使うのはあまり、得策じゃないですよ?」

 「知るか!!」

 

 瞬間、腕に痛みが走る。

 呪いの種子を見れば、ほんの少しだが成長していた。

 

 

 

 

 五条は、戦いのセンスで言えば……狩人や夏油よりも優れている。

 

 

 

 今目の前で打ち込まれた呪いの種子。

 相手は呪霊。ならばなにか裏があるはず。何であろうか?

 

 呪い、呪力、成長した種子。先程の花御の言葉。呪いの種子は呪力を吸うのではないか?

 

 

 この間0.01秒。五条は呪力を解き、花御から距離をとる。

 

 「呪力吸うのか…」

 

 そう呟きながらブチッと呪いの種子を抜く。

 花御は逃がさない。とんでもない量の大木を五条に向けて放つ。

 

 五条は大木の上に乗り、そのまま押されていく。

 

 「でけぇだけかよ!」

 「どうでしょう…ね!」

 

 後ろからでてきた花御に驚きながらも、近づいてきた花御に向かって拳を突き出す。

 

 (しかし威力が重たい!領域展開しているのに、私一人を祓えるだけの重さはある!)

 「いいかげん潰れろ!!」

 

 五条が脚に力込め、蹴ろうとした瞬間。足場がパッと消える。

 

 油断。

 これだけの質量を一気に消せるはずなかろうと思っていた五条は、重力に逆らえずに落ちる。

 

 花御は、木の鞠を作り、落下中の五条に向かって攻撃を放つ。

 だが、五条は手を開く。

 

 無下限のダイソン(蒼)は木の鞠を粉々に破壊する。

 

 「相変わらず、おかしい力ですね」

 「いらねぇ褒め言葉どうも!」

 

 空中で出した大木。五条はそれを体を捻って避け、大木の上を走り、花御の頭に生えた木を掴む。

 

 そして、『蒼』で強化した手でそれをぶち抜く。

 

 「〜〜〜っ!?!?」

 「もういっちょっ!」

 

 さらに2回、3回花御の顔面を殴り、蹴り飛ばす。

 だがそれでもなお、花御は耐えた。しかし負ったダメージは大きく、致命的である。

 

 さらに追撃をかけようと、再び拳を握りしめた瞬間。

 

 

 「領域展開!蓋棺鉄囲山!!」

 

 

 先程の平和な青空と花畑とはうってかわり…。焼けた岩や溶岩で四方八方を囲まれた火山の内部のような灼熱の領域が展開される。

 

 五条はそれを見て、はぁ。とため息をついた。

 

 「困るんだよね。特級呪霊(こういうの)がゴロゴロと集まるのは」

 「灰すら残さんぞ!!五条悟ッ!!!」

 

 五条(悪餓鬼)と漏瑚(富士山)がぶつかりあった。

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 高専最下層、薨星宮 参道。

 

 そこに降り立った天内と黒井、そして夏油傑。

 夏油は脳裏に狩人、そして五条のことを思い浮かべ、すぐに消す。

 

 目指すは本殿。

 

 そこで、天内は天元と同化する。

 しばらく歩いた後に、黒井がふと、足を止めた。

 

 天内はそれに気づき、振り向いた。

 

 「理子様。私はここまでです」

 

 そう言って黒井は潤った目を隠すかのように深くお辞儀をする。

 

 「理子様…どうか…!」

 

 そういった黒井の後ろに手をやり、泣きながら抱きつく天内。

 

 「黒井、大好きだよ!」

 

 黒井はその言葉で涙腺を崩壊させてしまった。

 

 「ずっと…!これからもずっと…!」

 「私も…!大好きです…」

 

 夏油はそれを微笑んで見ていた。

 

 

 暫くした後、夏油が呟く。

 

 「君はこれから天元様と同化する…。同化まで、天元様が守ってくれる」

 

 天内が深刻そうな顔をする。その時に夏油が発した言葉に固まった。

 

 「それか、引き返して黒井さんと一緒に家へ帰ろう」

 「…………え?」

 

 夏油は、担任の話をして、そして五条と話したことも、全て天内に伝える。

 

 「私達は、最強なんだ。理子ちゃんがどんな選択をしようと、君の未来は私達が保証する」

 

 天内が静かに口を開く。

 

 「私は、生まれた時から星奬体(とくべつ)で、みんなとは違うって言われ続けて、私にとっては星奬体(とくべつ)は普通で、危ないことはなるべく避けてこの日のために生きてきた」

 

 ひと呼吸おき、もう一度口を開く。

 

 「お母さんとお父さんがいなくなった時のことは覚えてないの。もう悲しくも寂しくもない。だから同化で、皆と離れ離れになっても、大丈夫だって思ってた」

 

 目が段々と潤ってきた天内。

 

 「どんなに、辛くたって、いつか、悲しくも寂しくも、なくなるって……でもっ、でもやっぱり……」

 

 大粒の涙をこぼす天内。

 

 「もっと皆と一緒にいたい…!もっと皆と色んな所へ行って、色んな物を見て…………もっと!」

 

 夏油はフッ、と笑みを浮かべる。

 

 「帰ろう。理子ちゃん」

 

 手を伸ばす夏油。それをつかもうとする天内。

 

 

 瞬間に大きな揺れが発生する。

 

 

 先程乗ってきたエレベーターがドドドッと音を立てて壊れる。天内も夏油も固まる。

 

 「ん?あれ?殺していいんだっけあいつは?」

 

 白い髪に牙がギザギザと生えた口。そしてなにより、腹部や頬、腕に脚などにある、口が異質感を目立たせていた。

 

 「まぁいいか、星奬体はどいつだ?殺す」

 

 突如現れた呪霊に虹龍が噛み付く。

 夏油が黒井の方へに駆け寄って呪霊から離れた場所に移動する。

 

 「黒井さん!!」

 「黒井!!」

 

 夏油は瞬間、虹龍が祓われたことに気づく。

 

 (嘘だろ!最高硬度の虹龍だぞ!?)

 「なんだ、術師も居たのか…しかもガキか!」

 

 白髪の呪霊は頭をポリポリと掻きながら歩いてくる。腕の口は何かをクチャクチャと食っていた。

 

 夏油が天内の前に立ち、臨戦態勢を取る。

 

 「なんだ…お前?」

 「おれ?おれは…」

 

 白髪の呪霊は、ニヤッと笑って顎に手を当てて口を開けた。

 

 「人が貪ることを恐れ、怖がった呪い…饕餮(とうてつ)とでも言っておこう」

 「そうか…死ねッ!」

 

 そう言って呪霊を出そうとした瞬間、饕餮に大きな傷が走る。

 

 「はい、おしまいだな」

 「…面白いやつもいるじゃん」

 

 そこには、黒髪に、口に傷の入った男が立っていた。





饕は財貨を貪ること,餮は飲食を貪ることを意味する。

どこまでやろうか…

  • 京都姉妹交流会
  • 起首雷同
  • 渋谷事変
  • 死滅回游
  • おいでガッツ。全部だ
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