懐玉・玉折編はそろそろ終わりに近いな…。
(なんだ……コイツは?!)
饕餮は汗を垂らす。
先程の天逆鉾が効くと分かってからは早かった。いや、物理的に速かった。
饕餮が後ろへ跳び退けば、それに追いつくようなスピードで走ってくるどうなってんだってくらい最強の人間……人間どころかゴリラ。
天逆鉾ブンブンと振るって、それを避けるしかない饕餮は、汗ダラダラであった。
先程、上での呪力が凪いだ瞬間、仲間である檮杌の呪力も見えた。
(檮杌も来てる……それほどまでヤバいのか戦況が?!)
「遅せぇ!」
饕餮に迫る天逆鉾。
饕餮の中に溢れる『死』という文字。
だが、それが届くことは無かった。
「チッ!」
五感が研ぎ澄まされている甚爾は、何か違和感に気づき、跳び退ける。
瞬間、甚爾のいた所が歪み、地面にクレーターができる。
「…!」
「やぁ、饕餮」
そこには、血だらけになっている女の姿が。
饕餮がそれを見て、目を見開く。
「おめ、その傷……いや、考えてる暇ないな…」
「残念ながら、私たちの負けだ。撤退するよ」
「! させるか!」
夏油が動く。
夏油の後ろに大きな
その技は所持する呪霊を圧縮し、高密度の呪力の塊を放つというシンプルかつ強力な技。
「極の番『うずまき』!」
夏油が辿り着いた、呪霊操術の極致。
だが、饕餮はそれを喰らう。
「クソっ!」
「また会おうな……
饕餮はそう言って、自身の手のひらに大きな口を開き、地面に手をつけて…
バコンッと、地面を粉砕する。
その衝撃でまわりに煙が漂い、視線が塞がれる。
「……ちっ、逃がしたか」
甚爾がそう言って悪態をつく。
そして、ふと後ろを振り返る。
「…後は好きにやれ」
「…お前は……どっちだ?」
夏油が汗を垂らしながら甚爾に問う。
甚爾はフッと少しにこやかな笑顔を浮かべた後に、夏油の方を振り向く。
「ただの…親だ」
■
「ゲバッ?!」
ゴロゴロと吹っ飛ばされるのは富士山こと漏瑚。
五条は走り出し、トドメを誘うと近づく。が、火礫蟲が邪魔をする。
五条は火礫蟲を全て『蒼』で潰し、目の前を見る。
「お前、よく考えろよ」
「……!舐めるなよ……舐めるなよ小童ァァ!!!」
再び岩やマグマを操り五条に攻撃しようとする漏瑚。五条はそれを避け、再び漏瑚に蹴りを入れこみ、地面に叩き付ける。
「今際の際……だっ!」
踏み潰そうとした瞬間に、領域が解ける。
瞬間、大きな木が目の前に出てきて五条をどかす。
「帰ります。漏瑚」
「儂はまだ……!」
逃がすかと五条は近づくも、再び木の根に邪魔されてしまう。
目を開けた五条は、その目の前の光景を見てため息をつく。
「………どう言えばいいんだよ…ったく」
既にそこには呪霊の姿は無く、ただの花畑が拡がっていた。
五条は頭をポリポリと掻きながら高専最下層の薨星宮に向かうために移動し始めた。
■
ーーーどうしても行くの?
「うん。だって私は天元様だもん」
ーーー別に行かなくてもいいんじゃない?夏油も言ってたじゃん。
「でも、行かなくちゃ。皆のために」
ーーーいいの?帰るんじゃなかったの?
「皆が戦ってるなら、それを無駄にしたくないもん…」
理子ちゃんは立ち止まり、まだ考える。
ほんとに、ほんとにいいのか?これで良いのか?
ほんとは……ほんとは……。
「や、理子ちゃん……よっと」
目の前に現れた、血だらけになっている狩人の姿に、私は驚いた。
「なんで、ここに?」
「なんでって……そりゃあ、お前……別れの言葉もなしにいなくなるつもりだったのか?」
「私は!!」
大声を張り上げてしまった。だけど、止められなかった。
「私のせいで、誰かが傷つくのはもう嫌なの!!」
「……」
狩人は黙ったままであった。
「これ以上、皆が傷つくのは見たくない……」
私がそう呟くと、狩人は私のことを掴んで抱きしめた。
なんで……。なんで……?
「なんで……優しくするの?」
「理子ちゃんのことが…好きだからさ」
…………。
「キモ……なのじゃ」
「はは、言われても仕方がないね……でもさ」
狩人は抱きしめたまま言う。
「天元様だって、きっと…………許してくれるさ」
「……!」
「だって、色んなもの見たいんだろ?」
狩人の体に私は手を回した。
そして、弱々しくも、力強く頷いた。
「……てなわけだ。天元…頑張ってくれ」
そう呟いたように聞こえたが、すぐに狩人は私と一緒に、そこから離れた。
コイツは……
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特級呪術師だ
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1級呪術師じゃない……?
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それ以下やろ