黒い沈黙の行先   作:シロネム

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クロス作品なのに、ローラン入ってねぇじゃん!!!!(某CM)

えーーーー、本っ当に申し訳ない。今話からは出番もしっかりと増えますので……お許しください……!



それと評価、感想ありがとうございます!





~継承~ ウベルトの遺産

 

「――こっち。着いてきて」

 

 

 

ミカ*テラーの相手を先生達に任せ、旧市街を走り続けるローラン。ミサキの案内を受け、ベアトリーチェの元へと急ぐのだが……

 

 

 

「流石に静か過ぎないか……?」

 

「えっ? そ、そう、ですね……?」

 

 

 

ミカ*テラーと別れて以降、アニマルチームどころかユスティナ聖徒会とも遭遇せず、順調に足を進められて居ることに違和感を感じたローラン。

 

 

 

「……確かに、変かも。何かしらの妨害があると思ったのに……」

 

「さ、鮫さんや骸骨さんも居ないみたい……です」

 

「……気配は無いな」

 

 

 

 

 

 

――旧校舎地下回廊

 

ここを抜ければ目的地であるバシリカへと辿り着くのだが、旧市街所か地下回廊に入ってからも、気配は感じられなかった。

 

 

 

(ピコン)

 

 

 

「……先生の方は、無事に片付いたみたいだな」

 

 

 

シッテムの箱からの連絡。ローランの持つ携帯端末が鳴り、モモトークを開いてみると、

 

 

 

「鎮圧完了っす! シスターフッドのみんなも来てくれたみたいなんで、今からそっちに向かうっすよ!」

 

 

 

との連絡が入っていた。ミレニアムを訪れた際、明星に応援の要請はしていたが……アマノの死亡後、一切連絡を取れずにいたシスターフッドまで動かせるとは思って居なかったローランにとって……正に寝耳に水であった。

 

 

 

「……便利だね。その手袋」

 

「い、色々な物が入るんですね」

 

「……まぁ、便利だな。……先生もこっちに向かってるみたいだが、合流するか?」

 

「…………いや、先を急ごう。リーダー達が何かしらの妨害を受けて足止めでもされたら……時間切れになる恐れがある」

 

「そ、そうですね。リーダーも心配ですが、い、今は姫ちゃんの元に急がないと……!」

 

「分かった。先を急――」

 

 

 

 

 

 

(パチンッ)

 

 

 

 

 

 

地下回廊に鳴り響くフィンガースナップ。その音が合図となったのか、ローラン達を取り囲むかのように現れる、無数のユスティナ聖徒会。

 

旧L社のE.G.Oを構えるユスティナ聖徒会だったが、

 

 

 

 

 

 

――突如、道を開けるかのように別れた

 

 

 

 

 

 

「待っていましたよ、ローラン」

 

「カッカッカッ! いい加減、あんたともお別れしないとねぇ!」

 

 

 

 

 

 

開かれた道の先に立つ2体の化物の姿に、ミサキとヒヨリは言葉を失っていた。今まで見てきた鮫や骸骨とは異なる姿。ヌォーヴォ生地で作られた残響楽団特有の制服姿では無く、正真正銘の化物として……ねじれた姿として現れた2体の化物。

 

 

 

 

 

 

全身に口を生やし、舌舐りをするグレタ

漆黒の翼を生やし、悪魔の様な形相をしたプルート

 

 

 

 

 

 

「――カルメン。……いや、色彩の影響か。……余計なことをしてくれたな」

 

「な、何アレ」

 

「ひぃぃぃ……な、なんですかあれ……?」

 

 

 

アニマルチームやユスティナ聖徒会ならまだ耐えられた。ゴミ以下の扱いをされていたり、存在そのものが不明瞭な亡霊の様な存在だとしても……

 

 

 

――人型であったからこそ、見ていられたのだ

 

 

 

「前言撤回だ。時間切れになる恐れもあるが……お前ら、引き返して先生と合流しろ」

 

「えっ……えぇ!? それじゃあ姫ちゃんが……」

 

「どの道、お前らを引き連れながらアイツらの相手をするのは無理だ。……あまり言いたくは無いが――」

 

「――足手まとい、でしょ。言われなくても、戦力差ぐらい分かってる」

 

 

 

アリウススクワッドとしてマダムの下にいた頃から感じていた戦力差。逆らえば無事では済まないと本能で理解していたミサキにとって……あの頃よりも格段に恐ろしく感じる二体の存在は、恐怖の象徴そのものであった。

 

 

 

「行こう、ヒヨリ。リーダー達と合流して、迂回路を探す」

 

「で、でも……」

 

「良いから行くよっ!」

 

「あっ、ま、待ってください!」

 

 

 

後方へと走り出したミサキに、慌てながらも置いていかれないようにと走り出すヒヨリ。

 

 

 

「おや? そう素直に離脱出来るとでも思ったのですか?」

 

「キャハハハハ! この数を相手に、逃げられると思ったのかい!?」

 

 

 

――動き出す数十体のユスティナ聖徒会。

 

各々がE.G.Oを構え、走り出したミサキ達へと襲い掛か過労とした瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――無粋だな。私の作品で成すことが、よもや同士討ちとは……誠、遺憾である」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユスティナ聖徒会の身体にノイズが走り、消えていく。――ローランの背後、ミサキ達が走り出した方角から聞こえた、聞き覚えのある声。

 

 

 

――そう、格ゲー大会の会場で聞いたその声は……

 

 

 

「お前は確か……マエストロ、だったか?」

 

「如何にも。黒い沈黙…………失敬。連邦捜査部シャーレの代理人に覚えられているとは、恐悦至極」

 

 

 

そう言って一礼をする木の人形(マエストロ)

 

 

 

「なんで、ここに……」

 

「ひ、姫ちゃんは、ここにはいませんよ……!」

 

 

 

「聊か勘違いをしているようだが、私は別に聖母に手を出しに来た訳ではない」

 

 

 

――契約の更新に来たまでだ

 

 

 

「契約?」

 

「然り。故に、そなたらの手を煩わせることは無いと約束しよう。……尤も聖母が居ないのであれば話は別であるが――」

 

 

 

 

 

 

「……聞いていた話と異なるようですが」

 

「カッカッカッ! あの女はさっさと調理しておくべきだったねぇ!」

 

 

 

 

 

 

「……まぁ、なんにせよ助かった。ユスティナ聖徒会を消したのはお前だろ?」

 

「否、その解釈は適切では無いな。私はただ、貸し出していた複製の権能を回収したに過ぎない。契約期間はとうに過ぎていると言うのに、連絡の一つも無い故、私自ら足を運んだまでだとも」

 

「……ちょっと待って。一度接続すればユスティナ聖徒会を統制できるって、マダムが――」

 

「……誠、無礼である。そも、私が契約を結んだのは聖母であってベアトリーチェでは無い。……何を勘違いしたのかは知らぬが、契約者本人が更新を行わない以上、複製(ミメシス)の所有権は私に帰属する」

 

 

 

――故に、回収させて貰う

 

 

 

「ベアトリーチェがそのように理解していたとするならば、聖母の演技力は驚嘆に値する。光を見出し、E.G.Oを発現させた彼女であれば、ベアトリーチェを相手にする事など造作もないと言うのに…………大人に対する恐怖心までは拭えなかったという事か」

 

 

 

1度周囲を見渡し、ユスティナ聖徒会が全滅した事を確認したマエストロは、つまらなそうに来た道を戻って行った。

 

 

 

「……今しかない。行くよ! ヒヨリ!」

 

「え!? えっ、あ、はっはい!」

 

 

 

去っていたマエストロの後を追うように、全速力で走り出したミサキとヒヨリ。

 

 

 

 

 

 

「……少々予定とは異なりますが、まぁいいでしょう」

 

「キャハハ! 動物達! しっかり働きな!」

 

 

 

 

 

 

気配が増える。気配や実態を持たないユスティナ聖徒会とは異なり、意思を持つ存在。

 

 

 

――アリウス自治区の子供達(アニマルチーム)

 

 

 

計120匹。それぞれがR社の装備に身を包み、銃口をローランへと向ける。

 

 

 

「――数は多いが……それだけだな。この程度であれば問題ない」

 

 

 

1匹1匹はさほど強くもない。

 

R社の装備は脅威だが……神秘を失っている以上、並の生徒よりも身体能力は劣る。

 

ーー特殊な力を持たない、ただの子供。

 

無論、そんな子供程度で殺せる程、裏路地のフィクサーは甘くない。

 

例えローランで無かったとしても……それこそ、この世界の生徒ですら、アニマルチームを相手とるのに苦戦はしないだろう。

 

 

 

「キャハハッ! 威勢が良いじゃないか! ローラン!」

 

「問題ない? ……この戦力差が目に入らないのですか?」

 

 

 

身体能力が未熟だろうと、指が動かせて引鉄を引ければ十分だ。120匹の子供と考えるよりも、120丁の銃火器と考えれば――

 

 

 

――それがどれ程の脅威なのかなど、馬鹿でも分かる筈……

 

 

 

 

 

 

「使いたくはなかったが、現状を打開するのに――お前らを相手取るのに最適な手札があるからな」

 

 

 

 

 

 

黒い沈黙の手袋を起動し、拡張空間を展開する。蒼白の書を取り出し、図書館の力を行使すると読んだプルートは警戒心を高め、アニマルチームに発砲命令を出そうとしたが――

 

 

 

 

 

 

――ローランが取りだしたのは、全く予想だにしないものだった

 

 

 

 

 

 

「それは……まさか――」

 

 

 

ローランが愛用していたデュランダルでも無ければ、黒い沈黙の工房武器でも無いもの。黒一色に染め上げられたアンジェリカの遺品とは

 

 

 

――見た目から異なる、至高の一振り

 

 

 

「使わせて貰うぞ――クソ義兄」

 

 

 

青色を基調とした大型の鎌。図書館での接待後、置き土産として放棄されていた

 

 

 

――青い残響の遺品

 

 

 

図書館での接待を思い出し、模倣し、再現する。使い慣れない形状だが、特別重量がある訳でもない以上、扱えない事は無い。

 

 

 

 

 

 

――耳鳴りのような音が、戦場に鳴り響く

 

 

 

 

 

 

 

記憶 - 青い残響

 

――共鳴調節――

 

 

 

 

 

 

本来は指揮棒にて行う動作、行動を大鎌にて再現……代用し、黒い沈黙の手袋と合わさる事によって生まれた不協和音を響かせ、空気を振動させる。

 

 

音を消す手袋と、音を生み出す大鎌

 

 

相反する2つの道具によって奏でられる旋律が、残響楽団、及びアニマルチームの脳に響き渡る。

 

 

 

「団長の武器ですか……相変わらず、死者の冒涜がお好きなようで」

 

「カッカッカッ! ローラン! 団長の武器を手に入れた程度で、付け上がるんじゃないよ!!」

 

 

 

周囲に目を配り、臨戦態勢を取る。()()()()()()()()()()2()()()()()()を身に付けたローランは、最高速度で傍にいるアニマルチームへと接近し――

 

 

 

 

 

 

――振動する大鎌を振るった

 

 

 

 





大変長らくお待たせいたしました! 評価、感想お待ちしております。





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