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今回は、都市に関する独自解釈を多量に含みます。
――Yostar
――明晰夢を知っているだろうか。
曰く、夢を見ている自分を、観測することのできる夢
曰く、夢であると自認し、時には思い通りに操ることのできる夢
一般的に広く知られる明晰夢とは、このような状態の夢を指すらしい
――だがもし、夢で体験した出来事に囚われたら……
――もしも、見る夢全てが、未知の出来事だったら
――もしも、
……味わった経験が、現実の肉体に反映されるとしたら
「……私は、便利屋68の社長なんかじゃない。
――裏路地のフィクサーよ」
何時からだろうか
私が、明晰夢を見るようになったのは
「今日の夢は……」
普通の明晰夢が、どういったものか分からないけれど……
――どうして、私の見る夢は……
ある時は、エネルギー会社の社員として、化け物の管理をさせられたり……
「リクハチマ、今日の作業は罰鳥に対する……」
「リクハチマ、今日の作業はT-04-06*1に対する……」
「リクハチマ、今日の作業はO-03-89*2に対する……」
喰われる痛み
全身の骨を砕かれる痛み
臓物を喰いちぎられる痛み
ある時は、列車の整理要因になったり……
「アル、その肉塊はこっちの席だ」
「化け物か……。アル、対処するぞ」
「アル! 早く降りろ! 狭間に取り残されるぞ……!」
気色の悪い肉の塊に触れる苦しみ
見てるだけで、正気を失いそうになるような化け物との戦闘
724,284日もの間、何もない列車に閉じ込められる苦痛
「はぁ……っ……は……はは……っ……おぇ…………ぅ……っ」
「あ、アルちゃん? ちょっと、大丈夫!?」
「げほっ…………え、えぇ……っ、……大丈夫……よ……っ」
アレ……?
「もう……。……ほら、背中擦ってあげるから全部出しちゃいな。…………こんなに吐いちゃって……そんなに怖い夢でも見たの?」
「……ごめ……なさい……。…………大丈夫、……私は……大丈夫よ……」
この子……
「……落ち着いたわ……ありがとう……」
「もう大丈夫そう?」
「えぇ、大丈夫よ……。……ところで、」
「うん?」
「……あなた、誰?」
「…………え?」
……名前、……何だっけ?
あれは夢だ
あくまで夢だ
現実なんかじゃない……
……またこの夢だ
……他の夢と違って、何度も見させられた夢
……私が、都市のフィクサーとして活動する夢
……そして、
――私が、処刑される夢
「ねじれだ! N社の巣にねじれが発生した!」
「すぐにフィクサーに連絡を!」
「一級は……、……いや、朱色の雷にも依頼を!」
「緊急連絡? それも、ハナ協会から……」
「……」
「……えぇ、分かったわ」
……あの日
……私は、ハナ協会からの依頼を断らなかった
……受けてしまった
……それが、N社の禁忌を犯しているとも知らずに
「朱色の雷。……特色と言えど、こんなものか」
「裏路地では名が知れているのかもしれないが……」
「……陸八魔アル。
――観測者の視点は、楽しいか?」
これは夢だ。
これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。
「――違う……」
「――私は……」
「――ゲヘナ学園の2年……」
「――便利屋68の社長……」
「朱色の雷……、――陸八魔アルよ!!!」
朱色の十字の死後、新たに色を与えられたフィクサー。
これで暫くは安泰かと思われたが……
新しい朱色は、N社の巣で消息を絶っていた
大量に転がる、経験缶詰の空き缶と共に……
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