黒い沈黙の行先   作:シロネム

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残響楽団へのヘイトが高すぎて笑っちゃった。

……はよ、キヴォトスから出て行ってくれ。




~都市~ 対策会議

「あ、先生、代理人。おはようございます」

 

"おはよう、アヤネちゃん"

 

「おう、おはようアヤネ」

 

「そういえば、昨日の方々の情報なんですけど、後ほど学校で詳細をご確認いただけますか?」

 

「昨日の……、あー……」

 

「あ、昨日の方々といっても生徒の方ですよ。赤の便利屋については、……代理人の方から情報提供頂けると」

 

「……分かってる。アイツだけとも限らないし、都市について一通り説明するつもりだ」

 

「……助かります。……それで生徒なんですけど、どうやらゲヘナ学園の生徒のようでして」

 

「……っと、奥空。……噂をすれば本人が来たみたいだぞ」

 

「あっ、先生じゃん! おっはよー!」

 

「な、ななっ!?」

 

「……」

 

 

敵対……、はしてなさそうだな。昨日の今日でよく接触してこれるな……。

 

 

「お兄さんもおはよー! こんなところで会うなんて、偶然だね~!」

 

「……おう、おはよう」

 

「な、ど、どうしてここに!? 離れてください!」

 

「おっと、引っ張らないでよ~。……ん~? 誰かと思えばアビドスのメガネっ娘ちゃんじゃーん。おっはよー、昨日ラーメン屋であったよね?」

 

「その後の学校の襲撃でもお会いしました! どういうことですか? いきなりなれなれしく振舞って……。……それに、メガネっ娘じゃなくて、アヤネです!」

 

「ん? だって私たち、別にメガネっ娘ちゃんたちのことが嫌いな訳じゃないし。ただ、部活で請け負ってる仕事だからさ。仕事以外の時は仲良くしたっていいじゃん?」

 

「……分かる。休みの時ぐらい気楽にしたいよな」

 

ネツァクと楽しく酒を飲んでる時に、無理やり拉致して、本の整理を命令してくるアイツ(アンジェラ)は、どこか頭のネジが外れてるんだよな。

 

「代理人!?」

 

「おっ、話が分かるじゃーん」

 

「納得しないでください! いっ、今さら公私を区別しようということですか!?」

 

「別にいいじゃん。それに、シャーレの先生は、あんたたちだけのモンじゃないでしょ? だよね~先生?」

 

"二人とも仲良く、ね?"

 

「あはは、それはムリかなー。こっちも仕事だからね。アルちゃんがモチベ高くてさ、適当にやると怒られちゃうから」

 

「……」

 

「ま、いつかうちの便利屋に遊びにおいでよ、先生。アルちゃんもみんなも、きっと喜ぶからさ」

 

"それじゃあ、そのうちお邪魔しようかな"

 

「あ、お兄さんもね~。アルちゃん、昨日の戦闘を見てから、お兄さんに興味津々でさ」

 

「お、俺にか?」

 

 

あの殺し合いを見て興味を抱くって……、……マジか?

 

 

「そうそう。……今から話すことはオフレコでお願いしたいんだけど」

 

「うん?」

 

「昨日アルちゃんがね、依頼主にお兄さんのこと話しちゃったんだ」

 

「……まぁ、敵対していた訳だし、その程度は覚悟しているが」

 

「不思議なのはここからでさ~。赤の便利屋がお兄さんのことを『黒い沈黙』って呼んでたって伝えたら、報酬が倍額支払われたんだよね」

 

「……」

 

「……お兄さん、どこで何をしたのか分からないけど。気を付けたほうがいいかもよ~? ま、アレだけ強ければ問題ないと思うけどね~」

 

「……情報ありがとうな。……あー」

 

「ムツキだよ、お兄さん!」

 

「ありがとうな、ムツキ」

 

「いえいえ~。そんじゃバイバ~イ! アヤネちゃんもまた今度ね!」

 

「また今度なんてありません!! 今度会ったらその場で撃ちます!」

 

「はいはい~」

 

 

走り去っていくムツキの背中を見送りながら、アヤネは荒れた息を整えた。

 

 

「なんなんですか、あの人は……」

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「……お待たせしました。変動金利等を諸々適用し、利息は788万3250円です」

 

「さっさと持って行きなさい」

 

「……☆」

 

「……全て現金でのお支払いを確認しました。……カイザーローンとお取引いただき、毎度ありがとうございます」

 

 

(ブロロロ……)

 

 

「……なぁ、今更こんなことを言うのも野暮かもしれないんだが」

 

「どうしたの~?」

 

「お前ら、よく800万弱も用意できたな……。……黒見のバイトだけじゃ、どう考えても集まらないだろ」

 

「おじさんたちにも色々あるんだよ~」

 

「……」

 

「……☆」

 

「今月も何とか、乗り切れましたね」

 

「……ん、完済まであとどれぐらい?」

 

「309年返済なので……今までの分を入れると……」

 

「……は?」

 

 

……聞き間違いか? 309年返済とか聞こえた気がするんだが……。

 

 

「言わなくていいわよ。どうせ死ぬまで完済できないんだし、計算してもムダでしょ!」

 

「……」

 

「……ところで、カイザーローンはなぜ現金でしか受け付けないのでしょうか☆? わざわざ現金輸送車まで手配して……」

 

「……ん、代理人」

 

「……シロコ。……多分お前の考えてることは分かるが、その制服じゃまずい」

 

「……シロコ先輩。あの車は襲っちゃダメだよ」

 

「……うん、分かってる。まずは服装を変えてからだね」

 

「違うから! 服装の問題じゃないから!」

 

「……うん」

 

「ま、とりあえず先に解決するべきは、目の前の問題のほうでしょ~? とにかく教室に戻るよ~」

 

 

……借金額は聞いていたが、利息だけでこんな金額って。……普通の手段じゃ完済なんて無理だろ。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「全員揃ったようなので始めます。まずは、二つの事案についてお話ししたいと思います。……最初に、昨晩の襲撃の件です」

 

「赤の便利屋とムツキ達か……」

 

「……ムツキ?」

 

「代理人さん~☆?」

 

「ん、代理人。……裏切った?」

 

「は? ……違う違う! 朝遭遇したんだよ。奥空と先生と一緒に居る時にな」

 

「……ごほん。話を続けますが、昨日私たちを襲ったのは、便利屋68という部活です。……ゲヘナでは、かなり危険で素行の悪い生徒たちとして知られています」

 

 

便利屋68という組織、セリカを攫ったヘルメット団、先の戦闘で手に入れた戦車の破片についてなど、今ある情報を搔き集めた対策委員会は、……次の方針を決定した。

 

 

「ブラックマーケット……とっても危ない場所じゃないですか」

 

「そうですね。あそこは、様々な理由で学校を辞めた生徒たちが集団を形成しており、連邦生徒会の許可を得ていない非認可の部活もたくさん活動していると聞きました」

 

「便利屋68みたいに?」

 

「はい。……それから、赤の便利屋も……。……調べたところ、ブラックマーケットで殺傷事件を起こしていたようです」

 

「アイツ……」

 

「……ねぇ、気になってたんだけど。……代理人と赤の便利屋ってどういう関係なの?」

 

「ん、ただならぬ関係みたいだった」

 

「おじさんも気になるな~」

 

「……まぁ、説明するって言ったしな。……何でも聞いてくれ」

 

 

"じゃあ、最初に聞かせてもらうけど……。代理人が偶に言う()()()って何? ……聞いてる感じ、地名かな?って思ったけど"

 

 

「裏路地か。……俺の居た場所は、都市っていう場所なんだが、これは……言ってしまえばキヴォトスのような意味合いだ。……その街全体を指す言葉だと思ってくれ」

 

「都市……」

 

「あぁ。……都市はという26社の企業がそれぞれの自治区を管理しているんだが。……こっちで言うところの、学校みたいなものだ」

 

「ゲヘナやアビドスみたいな感じですか☆?」

 

「うへぇ~、26個の企業……。それって土地としては広いの~?」

 

「広い……かどうかは断定できないが、……まぁこの世界程では無いな。……このが管理する区画はと呼ばれて、資源も豊かで命の心配もない、安全な場所だ。翼で働く社員の多くが、巣で生活している……らしい」

 

「らしいって……、はっきりしないわね」

 

「まぁ、俺は巣で生活したことがないからな。……あの日、小鳥遊には話したが、俺は巣に移住しようとして断られたんだ。……翼戦争っていう翼同士の殺し合いに参加していたからって理由でな」

 

「……っ。…………ごめん代理人」

 

「いや、いい……。……気にするな、黒見。今でも巣に移住出来なかったことは後悔しているが、アンジェリカは移住したくなかったみたいだしな」

 

「代理人……」

 

"……それで、裏路地って言うのは?"

 

「裏路地って言うのは、巣と巣の間にある区画のことだ。この後行く予定の、ブラックマーケットみたいな意味合いの場所だと思ってくれ」

 

「無法地帯ということですか☆?」

 

「……そうだな。資源も枯渇していて、命の価値は金よりも軽い。……昨日まで楽しく話してた隣人が、翌日には死体となって道端に転がっているような場所だ」

 

「…………いや、あの。ブラックマーケットは、そこまで酷くはないのですが……」

 

「……ん、端的に言って地獄」

 

"そんな世界があるんだね……"

 

「あぁ。……赤の便利屋は、俺と同じ裏路地で活動するフィクサーの一人だ。……あの感じだと、戦闘力的には4級か3級フィクサーだろうな」

 

「うへぇ~、フィクサーねぇ~。……そう言えば、代理人は1級フィクサーだったって言ってたっけ~?」

 

「あー、まぁ……。正確には元1級な……。……フィクサーってのは9級から1級まであるんだが……」

 

「……結構、種類があるのね」

 

「……更にその上。1級の中でも限られた一握りの戦力は、協会から色を授けられて特色って呼ばれるんだ」

 

「特色?」

 

赤い霧や、紫の涙青い残響みたいに、色を付けた二つ名で呼ばれる奴らだな」

 

「うへぇ~、カッコいい名前だねぇ~」

 

「二つ名……。……あれ?」

 

「……ちょっと待ちなさい。もしかして、昨日赤の便利屋が言ってた、黒い沈黙って……」

 

「……察しの通り特色だよ」

 

「はぁ……。そりゃぁ、強いわけだよね~。代理人も、そんな地獄みたいな場所の一握りてことでしょ~?」

 

「いや、俺の場合は……。…………まぁ、そんな感じの認識でいてくれ」

 

 

 

正確にはアンジェリカの死因を探るために、認識阻害の仮面をつけて殺しまわってたら……

 

 

……特徴的な手袋以外、誰も姿を覚えられなかったから、結果的にそう呼ばれるようになっただけなんだが…………。

 

 

 

 

――向こうでアンジェリカに会ったら、殴られるだろうなぁ……

 

 

 




アンジェリカが都市の連中を殺し回った

……って勘違いされて、風評被害流されるの好き。
あの世で再開したら殴られそう


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