誤字報告・及び評価、感想ありがとうございます。
今回の内容は、独自解釈を多量に含みます。
……私は、一体どこで道を間違えたのだろうか?
「……鳥遊…………おい、小鳥遊! ……大丈夫か……!」
「……私が」
「小鳥遊……?」
「……私が、ユメ先輩を殺したんだ……」
「…………は?」
……何を間違えた?
……何故、共に行動しなかった?
……何故、あの時突き放した?
……何故、彼女を見殺しにした……?
「……そう。……君のせいで私は死んじゃったんだよ。……ホシノちゃん」
★★★★★
――何も見えない
――暗い暗い暗い
――意識が……落ちていく……
ここは何処?
――何も見たくない
――何も考えたくない
「……それはダメだよ、ホシノちゃん」
「…………えっ?」
……ユメ先輩?
「逃げるの? ……ホシノちゃんのせいで、私は死んじゃったのに」
(……ちがっ)
「……ホシノ先輩☆。……ユメ先輩じゃなくて、ホシノ先輩が死ねば良かったのに」
……ノノミちゃん。
「最低……。……ホシノ先輩、死んだ方が良いですよ」
……セリカちゃん。
「……ん、先輩。先輩は罪を償うべき」
……シロコちゃん。
――私は……
「ホシノ先輩……。……なんで、平然としていられたんですか?」
……アヤネちゃん。
――そんな、平然としていたわけじゃ……!
「私の真似までして、……後輩達と過ごす学校生活は、楽しかった?」
――違う
「大人の事は信じるんだ? ……私のことは、最後まで信じてくれなかったのに」
――違う違う違う
「ホシノちゃん。……どうして、私の事を見殺しにしたの?」
――私は、ただ……
「どうして私を、助けてくれなかったの?」
――あぁ、そっか……
――あの時、本当に死ぬべきだったのは、
――私だったんだ
★★★★★
「……ククッ。……お前の予想は正しかったみたいだな」
「……ゼホン」
「――やはりこの世界にも、崇高な光は蒔かれていたか。
……喜べ、ローラン。
……
――小鳥遊ホシノは、ねじれるぞ」
「…………は? ……何を言って」
「……どうやら、賭けは私の勝ちのようだな!
――小鳥遊ホシノ
……完全な肉体を受け入れろ」
「……まさか」
「う……あ……っ」
「……小鳥遊!」
「……代理人…………頭の中に、声が……。
……私を……導いてくれる…………暖かくて、綺麗な声が……」
……それは、
「……ダメだ」
……図書館で散々聞かされた、その声に
「……」
――身を委ねてはいけない
「……その声に魅入られるな!
……小鳥遊! その声はお前を導く声なんかじゃない!」
「……」
「……ククッ。 ……ハハハハハッ。
……どうやら、お前の声はもう届かないみたいだな。……ローラン」
「……ホシノ先輩」
★★★★★
――暗い暗い暗い
水の中に落ちていくみたいだ
「……もういいんじゃない?」
「……ユメ先輩」
「今まで散々頑張ってきたんだしさ、投げ出してもいいんじゃない?」
……
「どうせホシノちゃんが頑張ったところで、現状は何一つ改善しないよ」
……そっか
「また誰かが犠牲になるだけだよ」
…………そうだよね
「ホシノちゃん」
「また誰かを殺すの?」
…………
「もう、休んでいいんだよ?」
「どうせ何も変えられない」
「子供一人で出来る事なんて、限界があったんだよ」
……ユメ先輩
★★★★★
「……そうだよね」
「……小鳥遊?」
「……私は頑張ったよね」
「……何を、言って」
「休んでもいいよね」
「私が何かしたところで」
「……どうせ何も良くならない」
「私が頑張ったところで」
「どれだけ努力したって」
「子供の私じゃ、どうにも出来ないよね」
「……あぁ、そっか」
「私が居たのが原因だったんだ」
「私が居たから」
「私のせいで」
「ユメ先輩は死んじゃったんだ」
「……最初からこうしておけばよかった」
「私が償えばよかった」
「私が死ねば良か……った……」
(パンッ!)
……その声に、一番早く反応したのは、
――十六夜ノノミだった。
崩れかけ、ねじれかけた小鳥遊ホシノの頬を全力で叩く。
「……しっかりしてください!!!!!!」
「…………ノノミ……ちゃん?」
頬が腫れあがる程に振りぬいた手は、とても冷たく、
小鳥遊ホシノの意識を現実に戻すには、
――十分すぎる冷たさだった。
「ホシノ先輩が死ねばよかった?
……そんなわけ、ないじゃないですか!」
「…………」
「誰のせいでもありません!!
アビドスがこうなったのも! ユメ先輩が居なくなってしまったのも!
ホシノ先輩一人の責任なんかじゃありません!!
……勝手に、勝手に私たちの責任を取らないでください!!」
「…………ぁ」
涙ぐみながらホシノへと掴み掛る。
……震えるその声は、言葉になっていなかったかもしれない。
……支離滅裂な言語になっていたかもしれない。
……だけど、その言葉は、
「ノノミ……ちゃん……」
――間違いなく、小鳥遊ホシノの心に届いていた。
★★★★★
――暗い暗い暗い、
辺りには何もない暗闇の世界
……そんな世界に、彼女は一人立っていた。
「……違うよ? ホシノちゃんのせいで、私は死んじゃったんだよ?」
……
「痛かったよ? 苦しかったよ?」
……黙れ
「どうして助けてくれなかったの? ホシノちゃ……」
「……黙れ」
……こいつは違う。
……ユメ先輩なんかじゃない。
「……ユメ先輩は、そんなこと言わない」
「……」
「私がどれだけ、ユメ先輩と一緒に居たと思っている」
「……」
「……あの人が、誰かのせいにする筈ない。
……無鉄砲で、どうしようも無いほど馬鹿だったけど」
「……」
「…………だけど、
……ユメ先輩は、一度として文句を言わなかった」
「……」
「……生徒会長として、誰よりも苦しんだはず
……嫌な性格だった私の相手だって、ウンザリしていたはず!
だけどあの人は!!
――誰かにその責任を、押し付けようとはしなかった」
「……」
視界が晴れてゆく。
……いつの間にか握りしめて、
「……私のユメ先輩を穢すな」
(ダンッ!)
★★★★★
目を開く。どうやら意識を失っていたらしい。
「ほ、ホシノ先輩……」
体が軽い。……まるで憑き物が落ちたような感じだ。
「……ありがとう、ノノミちゃん」
体が熱い。
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い
「……馬鹿な。……崇高な光を、拒絶した?
……有り得ない。有り得ない有り得ない。
どうして否定できる。……なぜ、完全な肉体を捨てられる!」
「……小鳥遊」
「……代理人。……アレは、あそこにいるユメ先輩は……」
「……もう死んでる。……アイツによって、無理やり動かされているだけだ」
「……そっか」
ユメ先輩。
……あなたは、死んでも休ませて貰えないんですね。
「小鳥遊ホシノ。
……何故、受け入れなかった。
……何故、拒絶した。
……何故、不完全な肉体を選んだ!」
ユメ先輩。
……あなたのやり残した仕事は、私が引き継ぎます。
……だから、
――ゆっくり休んでください
「……代理人、手伝って。
……働き者で、何時までも救われない、馬鹿な先輩を、
休ませてあげないと……」
「……あぁ。そうだな……」
自身の愛銃を握りしめたホシノだったが、
……違和感を感じた。
……ふと、左手に視線を向けると、
――そこには、夢の中で見た薄緑色の散弾銃が握られていた。
「……そうだね。一緒に行こうか」
小鳥遊ホシノは、持っていた盾を地面に置き、
右手で愛銃を構え、左手で新たに手に入れた散弾銃を構える。
「……E.G.Oか。……よく戻ってきたな、小鳥遊」
全く……。あの声を無視するどころか、E.G.Oまで発現させるとは……。
……大した精神力だよ。
「……ホシノでいいよ、代理人。
……これ、エゴって言うの?」
「……あぁ。……詳しいことは後で説明してやる。
……行くぞ、ホシノ」
「……うん。……今行くから、ユメ先輩」
――どうやら、賭けは私の勝ちみたいだね。……人形師さん。
相手が悪かった。
夢の中とは言え、ユメを再現するには知識が足りなかった。
ユメを演じ続けた少女に対し、夢の世界は魅力的に映らなかった。
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