黒い沈黙の行先   作:シロネム

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評価・感想ありがとうございます。



対策委員会編に関してですが、第三章に関しては一旦飛ばさせていただきます。

いや、まさか3章が実装されるなんて思わないじゃないですか!?

びっくりですよ、ほんと……


嬉しすぎて、この世の者とは思えない声が聞こえてきましたね……







~葬送~ 夢を見送る星

 

「うへぇ~。……色々と聞きたいことはあるけど、……お疲れ様、代理人」

 

「……あぁ」

 

 

アンジェラの保険が役に立って良かった……。

 

……やっぱり、頭数を揃えられると対処法が限られるな……。

 

 

「……悪いな、……ホシノ」

 

「うへ?」

 

「……キヴォトスの生徒を、都市の問題に巻き込むつもりはなかった……」

 

「……気にしなくていいよ、代理人。……アイツに関しては、私も無関係とは言ってられないからね」

 

「……そうか」

 

 

……可能性の世界か。…………情報が少なすぎる。

 

……()()()()()()。……E.G.Oの使い方についても教えないといけないしな……

 

 

 

「……よし。……帰ろうか、ホシノ。……この子も、連れて帰ってやらないとな」

 

 

「……そうだね。……一緒に帰ろう?

 

 

 

――ユメ先輩……」

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

……二度と生き返らないよう、ゼホンの死骸を手袋に収納し、……ユメ先輩の遺体を連れ帰ったアビドス一行。

 

 

……数年間アビドスの為に働き続けた生徒会長を……対策委員会のメンバー全員で見送り、花を添えてから……、

 

 

――三日後。

 

 

 

対策委員会はいつもの日常を送っていた。

 

 

 

 

「……起きてください! ホシノ先輩! 定例会議を始めますよ!」

 

「……うへぇ~。……先生と代理人は~?」

 

「もう来てるぞ、ホシノ」

 

"おはよ~、ホシノちゃん"

 

「うへぇ~、おはよー先生。二人とも早いね~」

 

「……いや、お前が寝過ぎなだけだろ。……ホシノ、借金に関する大事な話があるから起きてくれ」

 

「……大事な話~?」

 

"私も詳しくは聞いてないんだよね。……何か良い解決方法でも思いついたの?"

 

「……まぁ、そんな所だ」

 

 

銀行強盗を提案してくれたシロコには、感謝しないとな。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

「うへぇ~、みんなおはよー」

 

「……いや、もうお昼なんですけど」

 

「ん、結構待った」

 

()()()()()()はお寝坊さんですね~☆」

 

「……それでは、ホシノ先輩も起きられましたので、アビドス対策委員会の定例会議を始めます」

 

「今回は、代理人が持ち掛けたんだって?」

 

「あぁ。俺の方から少し提案があってな」

 

「提案?」

 

「どんな意見ですか~☆」

 

 

 

……そう聞かれたローランは、手袋から大量のクレジットを取り出し、机の上に並べた。

 

 

 

――山のように積まれた、10億クレジット

 

 

突然取り出された大金に、対策委員会の面々は……何も言えずに固まってしまった。

 

 

 

「ここに10億ある。……これでホシノ、お前を買いたい

 

 

 

……

 

 

…………

 

 

 

 

「「「「……!?!?」」」」

 

 

「うへ? …………えっ?」

 

 

"だ、代理人……? ……な、何を言ってるの?"

 

 

「……何って、言葉通りの意味だが……。……あー、いや、シャーレに所属させるって意味じゃないぞ?

 

……俺にそんな権限はないしな。ただ個人的に買っておきたいだけだ」

 

 

 

……他にもイカレ共がキヴォトスに来ているかもしれないからな。……有益な戦力は今のうちに確保しておいた方がいいだろう。

 

 

 

"……いや、……あの、……シャーレ所属って言ってくれた方が、まだ良かったんだけど"

 

 

「……?」

 

 

 

 

……まぁ、先生が良いって言うなら、その方が助かるけど……。

 

……普段使いする訳でもないし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という関係で、シャーレに加入させるのも悪いと思ったんだが……。

 

 

 

 

「な、ななな何を言ってるんですか!?」

 

「……ん、代理人、大胆だね」

 

「いやいやいや……、え? そういう意味なの!? ……本当にそういう意味なの!?」

 

「だ、代理人~☆? それって……」

 

「…………ほぇ」

 

 

 

 

――流石に、アビドスから勝手に引き抜くのは不味かったか……?

 

 

 

 

「……そんな頻繁にって訳でもないんだが……。……駄目か? ホシノ」

 

「…………あの、……駄目かって……言われても……。…………それに、10億って……私にそんな魅力は……な、ないと思うんだけどな~……」

 

「……? ……俺としては、E.G.Oを発現させたお前には、それ以上の価値があると思ってるんだが……」

 

 

金で雇えるなら十分安い。……金以外の物を要求されても困るが……。

 

 

 

 

……

 

 

 

…………

 

 

 

「…………は? ……エゴ?」

 

 

「……正直、都市の事に巻き込みたくは無いが、俺一人じゃ出来ることが限られるんだ」

 

 

本当なら、ホシノも巻き込みたくはないが……。

 

 

「……他にもイカレ共がこの世界に来ているかもしれない以上、

 

……E.G.Oを発現させたお前の力は、是が非でも借りたいんだ」

 

 

 

下手なフィクサーよりも腕が経つ以上、……ここでホシノと関係を持っておかないと、

 

 

――後々後悔する気がしてならないんだよな。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

……び、びっくりした。急に変なこと言い出すんだから……。

 

 

「…………はぁ。……ねぇ、代理人」

 

「……なんだ?」

 

 

……私だって、他の生徒がアイツみたいなのに利用されるのは……我慢ならないけど、

 

 

「……協力するのは良いんだけどさ」

 

「……取引成立だな」

 

 

 

 

――言い方ってモノがあるじゃん。

 

 

 

 

「それはそれとして……、1発殴らせて」

 

「…………は?」

 

 

 

 

(ドゴッ!)

 

 

 

 

先ほどまで赤面していたホシノは、左手に出現させた薄緑色の散弾銃を逆手に持ち、

 

 

 

 

――グリップでローランの頬を殴り抜いた

 

 

 

「~~~ッ! お前、急に何しやがる……!」

 

 

 

 

 

「……いや、代理人が悪いでしょ」

 

「ん、代理人が悪い」

 

「今のは流石に擁護できませんよ……」

 

「代理人~☆?」

 

"うん、代理人が悪いね"

 

 

「……い、言い方には気をつけてよ。……代理人」

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

その後、誤解を解いたローランは、……正式に小鳥遊ホシノと取引した。

 

報酬については、「こんなにあっても使い切れないから」とアビドスの借金返済に使い、残ったクレジットだけを懐に仕舞い込んだホシノ。

 

 

 

――アビドスが長年抱え込んでいた借金問題は、

 

 

……ローランが提供した10億クレジット(銀行強盗で得た大金)によって、解決へと導かれたのだった。

 

 

 

「……ホシノ、これは取引の内容に直接関係がある訳じゃないんだが……」

 

「……?」

 

「お前には一度、図書館に来てもらいたい」

 

「うへ? 図書館?」

 

「あぁ。……俺がこの世界に来る前に居た場所だ」

 

「……うへぇ~。それって、代理人の居た世界に行くってこと~?」

 

「……まぁ、そうなるな」

 

 

――俺の予想が間違ってなければ、そろそろ招待状が届く筈なんだが……。

 

 

「ホシノが発現させたE.G.Oは不安定な物なんだ。……最悪の場合、ねじれという化け物になる可能性すらある」

 

「……ねじれ? ……それって、アイツが言ってた……」

 

「……例を挙げるとすると、……あの夜に話したピアニストも、ねじれと呼ばれる化け物だ」

 

「ピアニスト……」

 

 

……ゼホンについて、アンジェラに伝えておいたほうが良いよな。

 

 

「うへぇ~。化け物になるのは、おじさん嫌だなぁ……。…………うん、分かった。……図書館に行くよ」

 

「……悪いな。……一応言っておくと、何日も掛かるって訳じゃ…………ないとは言い切れないが、キヴォトスにはちゃんと帰って来れるから大丈夫だ」

 

 

……多分、そんなに掛からないとは思うが……。

 

 

「……一気に不安になったんだけど~。……行くのは良いんだけどさ、どうやって代理人の世界に行くの?」

 

「あー、……方法については、そろそろ届くと思うんだが……」

 

「方法が届く……?」

 

「んー、……ホシノ。お前のポケットに何か入ってたりしないか?」

 

「ポケット? 何かって…………なにコレ……」

 

 

――届いたか。

 

 

……ということは、図書館はこの世界を認識してるんだな。

 

 

「予想通り届いたか。……それが図書館に行く方法。

 

 

――招待状だ」

 

 

「招待状……」

 

 

……ん? ちょっと待てよ……。

 

招待状がホシノの元に届くってことは……、

 

 

 

……俺のことも、アンジェラに盗み見されていないか?

 

 

 

……まぁ、説明が省けるだけマシだと考えておくか。……それにサインすれば、図書館に繋がる扉が現れるんだ」

 

「うへぇ~、……凄い技術だねぇ」

 

「……ほんとにな」

 

 

……盗み見については、教えなくていいか。

 

 

「……先生、暫くの間ホシノを借りるから、……その間、生徒達のことを頼む」

 

"……うん、こっちのことは任せて"

 

「できれば、俺が戻ってくるまでシャーレで大人しくしててくれ。……戻ってきたときに、あんたが死んでたら最悪すぎる」

 

"し、死なないよ!? ……でも、……書類も溜まってるし、戻ってくるまでシャーレで書類仕事をしておくね"

 

「……まぁ、昨日のうちに便利屋にも連絡を入れておいたから、よほどのことがない限り大丈夫だとは思うが……」

 

 

……あの社長は、どことなくポンコツの香りがするが……

 

……見た感じ戦闘技術に関しては、……ホシノにも劣らないんだよな。

 

 

「……お前らも、暫く先生の様子を見守ってくれると助かる」

 

「ん、任せて」

 

「まぁ、借金の問題も解決したわけだし……それぐらい構わないわよ」

 

「危なっかしいですからね~☆」

 

「そ、そうですね……」

 

"……私って、そんなに危なっかしいかな……?"

 

 

 

戦闘能力がない時点で、心配になるんだよ……。

 

 

 

「……それじゃあ、行ってくる」

 

「うへぇ~。……みんな、行ってくるね」

 

 

ホシノが招待状にサインすると、

 

 

――先ほどまで何もなかった空間に、図書館へと繋がる扉が現れた。

 

 

 

 

「「「「行ってらっしゃい」」」」

 

 

 

"二人とも、行ってらっしゃい"

 

 

 





次回、『赤い霧と暁のホルス』



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