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今回の話では某鶏肉屋で得た情報を基にした、ねじれに関する独自解釈を含みます。
――図書館
招待状を持つものしか訪れることのできない特別な場所。以前は謎の霧に包まれており、外部から招待状を持たないものが訪れようとすると、迷子になって目的地に辿り着けなかったが、
……外郭に放逐された今は、
「こちら側に立つのは、久しぶりだな……」
「うへぇ~……ここが図書館なの?」
「あぁ……。もうすぐ案内人が……」
(パチンッ!)
図書館内に指を鳴らす音が鳴り響く。……聴き慣れたその音は、館長が現れることを意味していた。
「――歓迎いたします、ゲストの皆様。私はこの図書館の司書兼館長、アンジェラと申します」
「……そのセリフを、俺が聞かされることになるとは思わなかったよ」
「あなたに言った訳じゃないわよ。……お帰りなさい、ローラン」
「……あぁ。ただいま、アンジェラ」
「うへ? 館長って、じゃあこの人が……」
「あー、うん。俺の上司……みたいなものだ。……アンジェラ、ゲブラーはいるか?」
「いつもの場所に居ると思うわよ。……会いに行くなら、いい加減本の上でタバコを吸うのは辞めるよう伝えておいて頂戴」
「……あー、俺が言っても意味ないと思うぞ? ティファレト辺りに言わせたほうが聞くと思うが……」
「……そう」
(パチンッ!)
再び、図書館内に指を鳴らす音が鳴り響く。
「……は? …………いや、せめてゲストに挨拶ぐらいしていけよ」
「……うへぇ~。……なんか、色々と凄いところだねぇ」
「……悪いな、ホシノ」
「気にしなくていいよ~。……それにしても、図書館って言うだけあって本がいっぱいあるね~」
「読みたい本があったら、勝手に読んでいいぞ? ……今から会いに行く奴は例外だが、ほとんどの司書が案内してくれると思うからな」
「今から会いに行くやつ……? ……それって、さっき言ってたゲブラーって人~?」
「……あぁ、そうだ。…………案内するから、ついてきてくれ」
あのニコチン中毒者が相手してくれると良いんだが……
★★★★★
「……お、居た居た」
先ほどの入り口とは打って変わり、赤一色に染まった階層。……ガラス製の灰皿を満たす山のように積まれた吸い殻の前で、
――一人の女性がタバコを吸っていた。
「――戻ったのか、ローラン」
「……あぁ、今しがたな」
「……」
「――その子供は?」
「……あー、紹介するよ。……俺が送り込まれた先の世界で会った、小鳥遊ホシノだ」
「……えっと、よろしくね~」
「……。…………悪くないな」
「……流石でございます。……やっぱ赤い霧だと、ざっと見ただけで格付けが分かるのか?」
「……まぁ、大体は。……お前には前にも言ったが、目を付けとかないといけない奴かどうかは分かる」
「赤い霧……」
「……ローラン。私のことについて何か言ったのか?」
「いや? 特色の説明をしただけだが」
「……はぁ。……その様子だと、私に会いに来ることは伝えてなかったみたいだな」
「あー、うん。それは言ってなかったな」
「えっと……おじさんは何でここに連れて来られたかも、……実はよく分かってないんだよね~」
「訳も分からずコイツに着いてきたのか……?」
「まぁまぁ! 今からちゃんと話すから!」
「……そもそも、何故私に会いに来た?」
「……ゲブラー。……というか、カーリーに用があってな」
「……?」
「……ホシノが違う世界でE.G.Oを発現した。……まだ不安定だが、一度あの声も払い除けている」
「…………なるほどな。……それで、赤い霧にE.G.Oの使い方でも学びに来たのか?」
「……察しの通りだよ。ホシノがE.G.Oに喰われないようにして貰いたい」
「……やけに肩入れするな。……そんなに大事なのか?」
「……ねじれになったら困るってだけだよ。…………残響楽団が別の世界で生き返ってたんだ。……正直、俺一人だと相手にするのもな」
「……なるほどな。…………分かった、面倒を見てやる。……丁度本の整理にも飽きてた所だ」
「……助かるよ。……あと、アンジェラが禁煙しろだとさ」
「それは無理だな。ネツァクに禁酒させてから言えと、伝えといてくれ」
「はいはい。……ホシノ、俺は少し図書館をまわってくるから、……カーリーにE.G.Oの使い方を教えてもらってくれ」
「うへ? ……わ、分かった」
「……流石にそこまでやらないとは思うが、
――死ぬなよ、ホシノ」
「…………うへ?」
司書補達にも挨拶してこないとな。
★★★★★
な、何か凄い物騒なこと言われたんだけど……。
「……アイツは私のことを何だと思ってるんだ」
「……」
……え? これから何が起きるの……?
「……まぁいいか。……ホシノと言ったか」
「う、うん……」
「……生憎、私は頭が良く無くてな」
「そ、そうなの?」
「人に教えるのも得意じゃない。……だから、
――E.G.Oの使い方は、体で覚えろ」
「…………」
……ユメ先輩。……おじさんも、そっちに行くことになるかも……。
ホシノをゲブラーに預けてから五日後。ローランはアンジェラと共に、言語の階を訪れていた。
「……おっと、接待中だったか」
「ホシノ……。喋る暇があったら足を動かせ。感情を昂らせろ」
「……ッ!」
「動きが直線的過ぎる。フェイントを覚えろ。……生み出したソイツと、連携が取れないでどうする」
「ユメせんぱ……」
「殺されても動揺するな。……クソ、またねじれかけてるな」
「……#8*()@%&!)$&8%&*%#%#!」
「……落ち着け。……あー、ホシノチャン、ワタシハブジダヨ!」
「…………」
「……お前らも、声を掛け続けろ」
「ホシノチャン!」
「ホシノチャン! ホシノチャン!」
「…………」
「……クソッ。……なんで私がこんな事を」
「…………」
「ゲブラーさん! 対象に変化が……」
「……よし。…………とりあえず、ローランは後で殺す」
「……見なかったことにしよう」
「……そう言う訳にもいかないでしょ」
「……というか、なんでゲブラーはあんな事してるんだ?」
「……あなたが向こうに言ってる間に、色々分かった事があるのよ。……ねじれの戻し方とか」
「……は? ……ねじれの、戻し方?」
「……詳しいことは、後で説明するわ。……とりあえず、あの二人を止めてきなさい」
「……はいはい」
★★★★★
「はぁ……っはぁ……」
「……無事か? ホシノ」
「……これが……っ、……無事に……見えるの……?」
「…………」
「……もう十分だろ。……少なくとも、都市でも生きていけるぐらいの戦闘力は身に着けさせたぞ」
「……あぁ、ありがとうな」
「完全なねじれになる前なら、対象に根源となる声を掛け続けることで正気に戻せるというのは、…………本当だったみたいね」
「……知らずに私に教えたのか?」
「丁度試せる相手がいて良かったわ」
「…………おい、ローラン」
「……な、何でしょうか」
「――消化不良だ。お前も付き合え」
「…………はい」
……赤い霧との接待か……。……ホシノには悪いことをしたかもな……。
赤い霧に5日間付きっ切りで接待されるホシノ……。
……E.G.Oも使いこなせるようになったのかな?
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