誤字報告・及び評価、感想ありがとうございます。
今回から時計じかけの花のパヴァーヌ編スタートです!
箸休めをお楽しみ頂き、ありがとうございました!
~冒険~ ありきたりな王道ファンタジー
…………
私の声が、聞こえますか……?
そこにいますか? この世界を救う――
――勇者よ
あなたのことを、ずっと待っていました
今こそ、全てを話しましょう。太古、天族と魔族が……
「カットカット、カッーーート! これじゃありきたりすぎるよ!」
「お姉ちゃん……。これを書いたのお姉ちゃんじゃん」
「ありきたりなのか?」
"まぁ、よくあるゲームの導入だね~"
「これだと発売と同時にこけそうな感じがする!! 私がユーザーだったら、このプロローグの時点でコントローラー投げ出してるよ!」
「……それ、超大企業の某有名ゲームに喧嘩売ってない?」
「ありきたりってことは、もうすでに似たようなものがあるってことか?」
"あるね~。しかも超有名! うわぁ、懐かしいな~"
「もう一回やり直そう! うーんと、そうだなぁ……」
……勇者よ、あなたを待っていました
私は女神「モモリア」
私たちの世界「ミレニアムランド」は今、過去に類を見ない危機に瀕しています
この危機を乗り越え、生徒会の廃部命令からゲーム開発部を…………いえ、ミレニアムランドを救えるのは、あなただけです
過酷な道のりになるかもしれません……それでも、どうかお願いいたします
これから始まる、あなたの冒険のその先に……
どんな試練が待ち受けているのか、今はまだわかりません
ですが……どうか最後まで、勇気だけは失わないでください
勇者様のそばには、旅路を共にする少女たちもいるはずです
困ったときには手を貸してくれる大人だって、……いるはずですから
新しい世界で、あなたはその少女たちから「勇者」ではなく……
もっと特別な、ふさわしい名で呼ばれることになるでしょう
その名前は――
「先生! 起きてください! 先生!!」
聞き覚えのある声によって、目を覚ます。
瞼を開け、ぼやけた視界を治すために目を擦った先生は、
――今いる場所が、シャーレではないことに気が付いた
"見慣れない天井だなぁ"
「おっ、起きたか?」
"……代理人?"
おかしいなぁ。さっき聞こえた声は、代理人の声じゃなかった気がするんだけど……
「気が付いたか? 君は運がいいな!」
「急に変な喋り方しないで、先生が戸惑ってるでしょ」
「あはは! 嬉しくってつい……先生、大丈夫? このまま目を覚まさないのかと思ったよ」
"えぇ……?"
「本当に良かったです。……お姉ちゃんが窓の外に投げたプライステーションが、偶然とはいえ先生の頭に命中しかけた時は……
――殺されるかと思いました……」
「……まぁ、俺も斬り飛ばし方が悪かったな」
"……思い出した"
……そうだった。
生徒からのお手紙に呼ばれてミレニアムに来たけれど、偶々廊下を歩いていたらプライステーションが飛んできて……。
……代理人が咄嗟に斬ってくれたけど、その破片が頭に当たっちゃったんだっけ……。
「お姉ちゃんの代わりに謝ります。ごめんなさい、先生。代理人さんもごめんなさい……」
「いや、俺の方こそ……殺そうとして悪かった」
「ふーんだ。……そう言うミドリだって、私が先生に当たっちゃったかも!?って叫んだ時、
……第一声は、プライステーションは無事!? だったじゃん」
「そ、それは、私たちゲーム開発部の財産リスト第1号だし……。……結局、真っ二つにされちゃったけど」
「悪かったって。……ほら、金ならやるから、機嫌直してくれ」
"ちょっと聞き捨てならないことが聞こえたんだけど……。……殺そうとしたってどういうこと!?"
「あー、それはだな……」
「そうだよ! 代理人が暴れるせいで、壁が粉々になっちゃったじゃん! 後でユウカに怒られるの私なんだけど!?」
「いや、アレはお前も悪いだろ」
「……気にしないでください。全部、お姉ちゃんが悪いですから。……でも、お金は頂きます」
「……ちゃっかりしてるな」
あっ、代理人……。またあの時のお金使ってる……。……それまだ残ってたんだ。
「ごほん……。先生は、あのシャーレから来たんですよね?」
"うん、そうだよ?"
「うわっ、本当に!? じゃあ私たちが送った手紙、読んでくれたんだ!
……もし読んでくれたとしても、本当に来てくれるなんて思ってなかった!」
"……? 手紙って、もしかしてあの……?"
★★★★★
――シャーレ執務室
アビドスで起こった一連の出来事を報告書にまとめた先生とローランは、この1週間の間に図書館であったことなどを話していた。
「先生、代理人! お話し中失礼します!」
"うん? どうしたのアロナちゃん"
「何かあったか?」
「実はですね、ミレニアムサイエンススクールから要請が届きまして!」
「要請?」
「送り主は……ミレニアムのゲーム開発部? みたいです。読んでみますね!」
――勇者よ
ゲーム開発部は今、存続の危機に陥ってます。
生徒会からの廃部命令により破滅が目前に迫っている今、助けを求められる相手はあなただけです。
……勇者よ、どうか私たちを助けてください!
「という内容なのですが…………なるほど。すごく面白いと言いますか……かなり切羽詰まっているということは、ひしひしと伝わってきますね……」
「いやまぁ、言いたいことは何となく分かるが……」
"なんというか、独特なお手紙だねぇ"
「あ、そういえば、お二人はミレニアムサイエンススクールについてご存じですか?」
「……いや、全く」
"私もそんなには知らないかなぁ"
「それでは良い機会ですので、この頼れるスーパーアロナちゃんが、説明してあげますね!」
ミレニアムサイエンススクール
トリニティ、ゲヘナと合わせてキヴォトス三大学園と呼ばれる大きな学校。
通称:ミレニアムと呼ばれるその学校は、他の学園よりも合理と技術に重きを置いている学校であるということ。
科学の研究に特化しており、理系の生徒さんたちが多く在籍している学校であり、
歴史は長くないものの、影響力という点では引けを取らない……
……らしい。
「なるほどな。……技術力の爆発的な促進でもあったのか?」
「そう言ったことはありませんが……、キヴォトスで最新鋭や最先端の名を冠するものは、そのほとんどがミレニアムで作られたものです!」
"頭の良い生徒が多い学校なのかな?"
「研究者や技術者か……。……嫌な思い出しかないな」
「嫌な思い出ですか?」
"あっ……。……だ、代理人。……都市のことだったら言わなくても"
「人間を燃料とする武器や、人を食べさせることで音楽を鳴らす機械みたいなのを、作ってる奴が居てな……」
「なんですかそれは!? ……そ、そんな物騒な物知りませんよ!?」
"代理人……。……言わなくて良いて言ったのに"
「そ、そんな危険な学校じゃないですからね!?」
「そ、そうか……。……まぁ、アロナがそれだけ言うなら大丈夫か」
"代理人……。……もしかして、アビドスの時の……"
「……まぁ、可能性としては十分あるだろうな」
"……そっか。それじゃあ、気を付けないとね"
「……あぁ。……どうやって来たのかは知らないが、都市の連中がこの世界にも来ているみたいだからな」
…………都市の人たちかぁ。……生徒たちに手を出してなければ良いけど……。
「こんにちは、エンジニア部の皆さん」
「我々と取引致しませんか?」
「我々はあなた方に、開発や研究に必要な資金を提供致します」
「対価としてあなた方には、この装置を組み込んだ武器を造って欲しいのです」
「勿論、製造だけであれば私たちでも可能ではありますが」
「この武器に関しては、あなた方
「……おっと、失礼。……自己紹介がまだでしたね」
「我々は……
――Time Track社という企業です。
……どうぞ、宜しくお願い致します」
Time Track社
ミレニアム自治区に存在する大企業。
いつ出来たのかも、誰が務めているのかも一切分からない謎の企業。
ミレニアム自治区のビルを所有しているが、所有者も所有時期も一切不明。
生徒達の証言によると、ハイランダー鉄道学園が所有する
「10秒で目的地に到着する列車」
の車体に、企業ロゴが刻まれていたとか……
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