黒い沈黙の行先   作:シロネム

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~浸食~ ミーム汚染

 

「あらためまして、……ゲーム開発部の部長、ユズです。この部に来てくれてありがとう、アリスちゃん

 

……これからよろしくね」

 

「よろ、しく……? ……理解、

 

……ユズが仲間になりました、パンパカパーン! ……で合ってますか?」

 

「あ、うん。大体そんな感じ、かな。」

 

「だいぶ染まったな」

 

"良い傾向だねぇ~"

 

「ふふっ、その様子だと、本当に私たちのゲームを楽しんでくれたんだね。

 

RPGを面白いって思ってくれたなら、私がおすすめのゲームを教えてあげる」

 

「ちょっと待ったぁ! アリスにおすすめするのは私が先!

 

良質なゲームをやればやるほど話し方も自然になって、私たちの計画の成功率も上がるんだし!」

 

「へぇ、色んな種類があるのか」

 

「うん! 英雄神話とかファイナル・ファンタジアとか、アイズ・エターナルとか……」

 

「何言ってるの、アリスちゃんはゲーム初心者なんだよ!? まずはゼルナの伝説から始めるのが一番だって!」

 

「これだけは譲れない、次にやるべきはロマンシング物語だよ。……あ、でも、第3弾だけはちょっと、個人的には、やらなくても良いかなって……」

 

「……?? ……期待。……再び、ゲームを始めます」

 

 

 

(2時間後)

 

 

 

(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……)

 

 

「うわっ、アリス、読むスピード早くない……? 会話が出力されるとほぼ同時に読み終わってるみたいな……」

 

「アリスちゃん、次は伝説のオークバトルやろう! ターン性バトルの面白さを教えてあげる!」

 

 

(こくり)

 

(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……)

 

 

「……長丁場になりそうだし、俺らは一旦帰るか」

 

"そうだね。……もうこんな時間だし、一度シャーレに戻ろっか"

 

 

 

(2時間後)

 

 

「……ふにゃ」

 

「……Zzz」

 

 

(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……)

 

 

 

 

 

(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……)

 

 

「……クリア」

 

 

 

(3時間後)

 

 

 

(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……)

 

 

「……クリア」

 

 

 

 

――AM.9:00

 

 

ローランと先生がシャーレに戻ってから、

 

 

……7時間が経過。

 

 

寝落ちするゲーム部の面々を他所に、アリスはゲームをプレイし続けていた。

 

 

「うーーーん……。……えっ、もう朝!? しまった、準備しなきゃ……!」

 

「……ようやく気が付いたか。無事に目を覚ましたようで何よりだ、君は運がいいな」

 

「え!? あ、アリスちゃんか……調子はどう? 色々と覚えられた?」

 

「君の言葉を肯定しよう、必滅者よ」

 

「な、何か偏った台詞ばっかり覚えてない……!?」

 

「ふぁ……みんな、おはよう……」

 

 

(ガチャ)

 

 

「おはよう! アリス、これ」

 

「……? アリスは正体不明の書類を獲得した」

 

「おっ、また更に口調が洗練されてるね。これは、学生証だよ」

 

「洗練っていうか、レトロゲームの会話調そのものだけどね……」

 

「学生証……?」

 

「この学生証は、私たちの学校の生徒だっていう証明書。生徒名簿にもヴェリタスがハッキ……いや、登録してくれたから、もうアリスも正式に私たちの仲間だよ」

 

「……今、ハッキングって言いかけたか? モモイ……」

 

"聞かなかったことにしてあげるね"

 

「あ、先生と代理人さん。おはようございます」

 

「あぁ、おはようミドリ」

 

"みんなおはよー"

 

「仲間……なるほど、理解しました。

 

パンパカパーン、アリスが仲間として合流しました!」

 

「話し方はもう大丈夫そうだね! ……あとは、武器かな」

 

「武器?」

 

「よし。アリス、せっかくだから案内するよ」

 

「案内……?」

 

「そう! 私たちの学校、ミレニアムを!」

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「キヴォトスの生徒は、みんなそれぞれ自分の武器を持ってるの。だから、アリスにも武器を見繕って貰わないとね」

 

「武器か……」

 

「調達する方法は色々あるけど、手っ取り早く手に入れるなら、……やっぱりエンジニア部かな」

 

「エンジニア部……?」

 

「機械を作ったり、修理したりする専門家たちのことを、ミレニアムではマイスターって呼んでるんだけど」

 

「エンジニア部はその人たちの集まりなの!」

 

"ねぇ、代理人……"

 

「あぁ、丁度いいな。……シャーレの権限を使って、エンジニア部を調べ上げるぞ」

 

「調べ上げる……って、エンジニア部が何かしたんですか!?」

 

「少し……な。良くない取引をした形跡が残ってるんだ」

 

 

万が一、T社と関係があるようだったら……、

 

 

"代理人、……生徒を殺すのはダメだよ"

 

「……状況次第だ」

 

 

何も無ければ良いが……。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

――エンジニア部

 

 

様々な機材が並べられた、マイスターが集う部活動。部室として与えられている部屋は、ゲーム開発部とは比べ物にならない程広く、ミレニアムプライスでも優秀な結果を多く残している。

 

 

「……なるほど、だいたい把握できたよ。新しい仲間に、より良い武器をプレゼントしたい……と。そういうことであれば、エンジニア部に来たのは素晴らしい選択だね」

 

「それだけじゃないがな。……ウタハ。

 

……お前らにはT社と接触した形跡があるんだ。……奴らと何を取引した?」

 

「ちょっと、代理人……!」

 

「……あぁ、彼らか。活動費と引き換えに、専用の武器を作って貰うよう依頼されたよ。……最も、それ以降一切連絡が取れないんだが……」

 

「……それだけか?」

 

「……それだけだとも」

 

 

T社が武器の依頼?

 

……翼が特異点の情報を流布するとも思えないし、何より信用できない子供相手に、依頼するとも思えないが……。

 

 

「その武器は完成したのか?」

 

「勿論だとも。渡された機械を組み込んだ特注の拳銃さ。……私たちとしても、依頼金を振り込んで貰いたいんだけどねぇ」

 

「……悪いな、ウタハ。……T社の社員は、

 

 

――先日、全員殺した。

 

 

……あいつ等と連絡が取れることは一生ないぞ」

 

 

「「「……は?」」」

 

 

"だ、代理人……。それ言っちゃって良かったの? ……あと、生徒たちの前で殺したとか言わないで……"

 

「……悪い。……信じられないなら、T社ビルの跡地でも……」

 

 

(ピロン!)

 

 

……モモトーク? こんな時に、一体誰から……

 

 

『ご入用かと思われましたので、こちらを送信しておきますわ。口封じは完璧ですので、御安心を』

 

 

動画ファイル? ……というか、差出人は明星か……。

 

 

……

 

 

……なるほど、確かに丁度入り用だな。

 

誰がどうやって撮影してたのかは知らないが……

 

 

「……ウタハ。これが証拠の動画だ。

 

……T社は俺たちが、解体した」

 

 

ヒマリから送られてきた2本の動画ファイル。 

 

 

――武装した二人の大人に、小鳥遊ホシノ、銀鏡イオリがTime Track社に侵入する映像。

 

 

――赤い大剣を構えたローランが、T社ビルをを真っ二つに切り崩した映像。

 

 

「……これが証拠だ」

 

「……ちょっと待ってくれたまえ。……私としては、代理人が振るった大剣の方が気になるのだが」

 

「び、ビルを真っ二つにしてる……」

 

「えぇ……」

 

「……アリス知ってます! これは、ゲームで見た必殺技ですね!」

 

"こ、こんなことしてたの!? ……ビルって斬れるんだ……"

 

 

 

「……ウタハ。T社から受け取る筈だった金は、俺が払ってやる。……だから、翼とはもう関わるな」

 

「……あ、あぁ、……分かった。……代わりと言っては何だが、この映像にある大剣を見せてくれないか?」

 

「…………はぁ。……いいぞ、見せてやる。……代わりに、翼……

 

……あー、企業とは二度と関わらないと約束してくれ」

 

「……承知した。……そう言う訳だ。……すまないな、二人とも

 

「……大丈夫。代わりに私にも見せて」

 

「私も大丈夫です! それよりも、好奇心を刺激するこの武器を見せてください!」

 

「あー、……お前らは?」

 

「エンジニア部一年の、猫塚ヒビキ」

 

「同じくエンジニア部一年の、豊見コトリと申します!」

 

"二人とも、よろしくね"

 

「猫塚に豊見か。……見せるのは構わないが、絶対に触らないでくれ。

 

 

――命の保証が出来ないからな」

 

 

「「「…………え?」」」

 

 

「……借りるぞ、カーリー」

 

 

そう言うと、ローランは手袋から本を出し、ページを破り取った。

 

 

「……本? 今どこから……」

 

「おー、アイテムボックスだぁ」

 

「アリス知ってます! これは、インベントリですね!」

 

「ほんとに色々入ってますね」

 

「なにそれ……」

 

"確か異空間に繋がる鍵……だっけ?"

 

「異空間!? え、ちょっと、その手袋も見せて欲しいです!!」

 

「……後でな」

 

 

破り取ったページは光り輝き、一つの武器へと姿を変えた。

 

 

――目玉と牙の生えた、赤い大剣

 

 

 

―― ミミクリ―(何もない) ――

 

 

 

映像に映っていた物と同じ大剣。

唯一違う点は、……一度扱っているからか、前回よりも声に抗いやすかったことだろうか?

 

 

 

「……ほら、触らなければ見ていいぞ」

 

 

その後……、

 

……数十分もの間、様々な形に変形させ続けたローラン。

 

……サイズを変えたり、鎌の形に変化させたりなど、……カーリーが見たら呆れる様なことをし続けるのであった。

 

 

 

だ、だいりにん?  

 

 

だいり……にん?

 

 

 

 

 






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