黒い沈黙の行先   作:シロネム

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~再演~ 廃墟の光

 

「うーん、結果的に、まだゲーム開発部は存続の危機……ってことだよね」

 

「でもこんなの、どう考えても詐欺だよ! 謀略だよ!!」

 

「……ごめん。私が、部長会議に参加できなかったせいで……」

 

「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ! そもそも、こういう場合は、お姉ちゃんが代わりに参加することにしてたはずでしょ!」

 

「……」

 

 

……正直、俺としては都市が関わっていないなら、これ以上付き合う必要もないんだが。

 

 

"ねぇ、代理人……"

 

「……言いたいことは分かるぞ」

 

 

シャーレとして、どうするか……だよな……。

 

 

「……どこまで付き合うかは先生が決めてくれ。……俺は、あくまで代理だからな……」

 

 

可哀想だとは思うが、どう聞いても自業自得としか思えないし……。

 

 

"……分かった"

 

 

なんか言い合いまで始めてるし、……本当に大丈夫か?

 

 

「ってことは、結局G.Bibleが必要なんじゃん! またあの廃墟に行くの!? やだぁ!!」

 

……責任、取らないと

 

「え、ユズちゃん?」

 

「G.Bibleを探しに、また廃墟に行くなら……私も、一緒に行く」

 

「え、え!? 嘘!?」

 

「ユズちゃん、もう半年間近く校舎の外に出てないのに……」

 

「……元々は、わたしのせい……だから。それに、この部室は……もうわたしだけのものじゃない。

 

……一緒に、守りたいの」

 

「ユズちゃん……」

 

「パンパカパーン、ユズがパーティに参加しました」

 

"…………仕方ないかぁ。…………代理人、ごめんね。もう少しだけ付き合って……"

 

「はいよ。……別に嫌という訳でもないし、先生がそうした方が良いと思ったのなら、付き合うよ」

 

「……うん、よし! やるしかない、行こう!」

 

 

まぁ、アリスの正体を探れる良い機会だと考えるか……。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

――廃墟

 

 

一度侵入されているからか、以前よりも増えている警備の数に、ゲーム開発部は苦戦していた……。

 

 

「やっば、……先生っ! 伏せて!!」

 

"……っ、代理人"

 

「おっと……。指揮者を狙うだけの知能はあるのか……」

 

 

先生目掛けて飛んできた砲撃を、取り出したマシンガンで迎撃するローラン。

 

 

「やっぱ、アロナに量産しておいてもらって正解だったな」

 

"そうでしょそうでしょ? このスーパーアロナちゃんを、もっと褒め称えるべきです!"

 

「はいはい。助かってるよ、アロナ。……こんなに銃弾をばら蒔けるのも、今だけだろうしな」

 

「うぅ……みんな、大丈夫?」

 

「私は平気……だけど、先生大丈夫ですか!?」

 

"うん、こっちは大丈夫"

 

「……よし、誘導できたな。……アリス」

 

「……お任せください! …………光よ!!」

 

 

(ドガアアァァァン!!)

 

 

スーパーノヴァから放たれた、圧倒的な光がロボットたちを飲み込む。

 

 

「よし、成功!」

 

「アリスちゃん、すごい!」

 

「ま、まだ! 敵の第2陣が接近中!」

 

「ここで立て続けはちょっと……流石に不利だよ、……撤退しよう!」

 

「……アリス、再装填までどれぐらいだ?」

 

「えっと……、あと50秒ほどです!」

 

「ほぼ1分か。……モモミド、先生を任せた」

 

「モモミド!?」

 

「お姉ちゃんと纏めないでください!」

 

 

前線へと飛び出し、手袋の拡張空間から複数の武器を取り出すローラン。

 

 

直剣(デュランダル) ・ (ムク工房) ・ 大槌(老いた少年工房) ・ 大槍(アラス工房)

 

 

4種類の武器を取り出し、戦況に応じて使い分ける。

 

……銃撃は大槍(アラス工房)で防ぎ、リロードの隙は(ムク工房)で潰す。囲まれそうになれば大槌(老いた少年工房)で薙ぎ払い、接近してきたロボットは、直剣(デュランダル)で斬り伏せる。

 

状況次第で使われる武器が異なる為、対抗策を練ることが叶わず、ロボットたちは戦場を暴れ回るローランに対処できずにいた。

 

 

「うわぁ……、代理人あんなに強かったんだ……」

 

「な、なんか無双ゲーとかRTAを見てる気分……」

 

「……あの武器たち、一体どこから……」

 

「……代理人! 充電完了です!」

 

 

「……了解」

 

 

付近にいたロボットを蹴り飛ばし、前線から撤退するローラン。想定外の戦力を相手にするあまり……、

 

 

――自分たちが1箇所に纏められていることに、気づけなかった。

 

 

「……っ光よ!!!」

 

 

 

(ドガアアァァァン!!)

 

 

 

★★★★★

 

 

 

工場内部。

 

 

電気も通っておらず、暗い道が広がる空間。

 

 

「はぁ、はぁ……何とか成功、かな?」

 

「侵入成功。ミッションをクリアしました」

 

「ふぅ……、私たちってもしかして最強かも?」

 

「そ、それはないと思う……」

 

「……大丈夫か、先生」

 

"うん、平気だよ"

 

「みんな、残弾数は尽きてない?」

 

「バッテリーがチカチカしてます……マナ不足でしょうか?」

 

「そうかも、あと1回ぐらいしか持たなそう……」

 

「じゃあ、出来るだけ戦闘は避けていこっか。代理人さんも……」

 

「どうした?」

 

「……ぜ、全然疲れてなさそうですね」

 

「まぁ、アレぐらいだったらな」

 

"……無理してない?"

 

「いや、ほんとに大丈夫だぞ?」

 

 

イカレ共を相手にするより、よっぽど楽だった訳だしな……。

 

 

「じゃ、じゃあ、……何かあったら代理人さんに助けてもらおうかな」

 

「……ここは……」

 

「アリス、どうしたの?」

 

「……。……分かりません。……ですが、どこか見慣れた景色です。…………こちらのほうに行かないと、いけないような……」

 

「えっ?」

 

「追いかけるぞ」

 

 

「……アリスの記憶にはありませんが、……まるでセーブデータを持っているような……」

 

「どういうこと……? 確かに、元々アリスがいたところと似たような場所だけど……」

 

「あっ、あそこにコンピューターが一台…………あれ?」

 

「あのコンピューター、電源が点いてる……?」

 

 

(ピピッ)

 

 

明かりすらなく、電源すら通って居ない筈のその場所、ポツンと存在するコンピューター。

 

 

 

【Divi:Sion Systemへ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください】

 

 

 

「おっ、まさかの親切設計。G.Bibleについて検索してみよっか?」

 

「いや、ちょっと怪しすぎない? それより、『ようこそお越しくださいました』ってことは、

 

……このディビジョンシステムっていうのが、この工場の名前……?」

 

 

(スッ)

 

 

「キーボードを発見……G.Bible、と入力してみます」

 

「あっ、何か出てきた!」

 

 

【……】

 

 

【……#$@#$$%#%^*&(#@】

 

 

「こ、壊れた!? アリス、一体何を入力したの!?」

 

「い、いえ、まだエンターは押していないはずですが……」

 

「……」

 

 

……もしかして、アリスが触ったからか……?

 

 

 

【あなたは、AL-1Sですか?】

 

 

 

「!?」

 

「!!」

 

「? いえ、アリスはアリスで……」

 

「ま、待って! ……何かおかしい。アリスちゃん、今はとりあえず入力しない方が……」

 

 

 

【音声を認識、資格が確認できました。おかえりなさいませ、AL-1S】

 

 

 

「音声認識付き!?」

 

「えっと……AL-1S、っていうのは、アリスちゃんのことなの?」

 

「あ、ごめん。そういえばユズちゃんには言ってなかったかも」

 

「……。……アリスの本当の名前……本当の、私……」

 

「……」

 

「……あなたは、AL-1Sについて知っているのですか?」

 

 

【……】

 

 

【…………】

 

 

「反応が遅い……?」

 

「何か画面もぼんやりしてきたけど、処理に詰まってるのかな?」

 

 

【そうで……@!#%#@!$%@!!!!】

 

 

「え、え? なにこれ、どういう意味!?」

 

 

【それは……】

 

 

【緊急事態発生。電力限界に達しました、電源が落ちると同時に消失します。残り時間51秒】

 

 

「ええっ!? だ、ダメ! せめてG.Bibleのことを教えてからにして!」

 

 

【あなたが求めているのは、G.Bibleですか?<Y/N>】

 

 

「!?」

 

「YES!」

 

 

【G.Bible……確認完了、コード:遊戯……人間、理解、リファレンス、ライブラリ登録ナンバー193、廃棄対象データ第1号。残り時間35秒】

 

 

「廃棄!? どうして!? それはゲーム開発者たちの、いやこの世界の宝物なのに!」

 

 

【G.Bibleが欲しいのであれば、提案します。データを転送するための保存媒体を接続してください】

 

 

「えっ……? G.Bibleの在り処を知ってるの?」

 

 

【あなたたちも知っています。……今、目の前に】

 

 

「ど、どういうこと!?」

 

 

【正確には、私の中にG.Bibleがあります。しかし現在私は消失寸前、新しい保存媒体への移行を希望します】

 

 

「そ、そうは言っても急に保存媒体なんて……あ、ゲームガールズアドバンスSPのメモリーカードでも大丈夫?」

 

 

【……………………まぁ、可能、ではあります】

 

 

「……なんか、凄い嫌そうだが」

 

「データケーブル……連結完了!」

 

 

【転送開始……保存領域が不足、既存データを削除します。残り時間9秒】

 

 

「え、嘘っ!? もしかして私のセーブデータ消してない!? ねぇ!?」

 

 

【容量が不足しているため、確保します】

 

 

「ダメ! お願いだからセーブデータは残し……」

 

 

【削除完了】

 

 

「ちょっとおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?」

 

"うわぁ……可哀想……"

 

 

【……】

 

 

【…………】

 

 

「あれ……電源落ちちゃった……?」

 

「ああぁぁぁ! 私のセーブデーターがぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あ、画面が……」

 

 

【転送完了】

 

 

「え?」

 

 

【新しいデータを転送しました】

 

 

<G.Bible.exe>

 

 

「こ、これって!?」

 

「これ今すぐ実行してみよう! 本物なのか確認しなきゃ! ……って、パスワードが必要!? 何それ!?」

 

「……大丈夫、パスワードぐらいならヴェリタスが解除できるはず」

 

「……これがあれば、本当に面白いゲームが……」

 

「うん、作れるはず!!」

 

「……」

 

 

Divi:Sion SystemにG.Bible……。……企業が絡んでる訳ではなさそうだが、

 

……嫌な予感がする。

 

 

「待っててねミレニアムプライス……いや、キヴォトスゲーム大賞!」

 

 

……AL-1S

 

アリスについては、もう少し警戒しておいた方が良さそうだな。

 

 

「……とりあえず、用が済んだならここを離れるぞ」

 

「そうだね!」

 

「……うん、ロボットに気づかれる前に帰ろう」

 

 

【……】

 

 

【…………】

 

 

【……AL-1S】

 

 

【……】

 

 

【……あなたは、一緒じゃないのですね】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……どうして、私を捨てたのですか】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【……】

 

 

【――――――アイン】

 

 







時計じかけの花のパヴァーヌについてですが、
2章に関しましては、エデン条約編を執筆した後に、執筆致します。


その方が、最終編に繋げやすいので……




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