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「正面衝突を避けて、鏡だけを奪って逃げる……うーん……」
「……。……やってみよう、お姉ちゃん」
「えぇっ!? でもネル先輩がいないからって、相手はあのメイドと代理人だよ!?」
「分かってる、でも……このままゲーム開発部をなくすわけにはいかない」
「……ミドリ」
「……あの部室は、みんなで一緒にいるための、大切な場所だから……」
「……」
「もしも、メイド部や代理人さんと対峙することになっても、それがどれだけ危険だとしても……、
――守りたいの」
……
"……そっか。……それじゃあ、私も手伝ってあげる"
「……先生。私に作戦がある。……けど、このままじゃ作戦が成立しない」
"……?"
「だから……、先生には彼女たちを説得して欲しい」
――エンジニア部――
「……なるほど、それは確かに的確な判断だ。先生の言う通り、もしその作戦を実行するなら、私たちがいないと難しいだろうね」
"うん。……だから、手を貸して欲しいの、ウタハ"
「……分かった、協力しようじゃないか」
「ほ、本当に良いんですか? エンジニア部は実績もたくさんありますし、こんな危ない橋を渡る必要は……」
「それは、確かにそうだね。……けどね、ミドリ」
「……私たちが参加する理由なんて単純。
――その方が、面白そうだから」
「そうです! それに私たちも、もっと先生と仲良くなりたいですから!」
"私と? ……それは、嬉しいなぁ"
「それじゃあ、君たち。よろしく」
「あ、はい。こちらこそ、よろしくお願いします……!」
――ヴェリタス部室――
エンジニア部を説得し、仲間に引き入れたゲーム開発部一行。
「これで、メンバーは揃ったよね?」
「うん、準備もできてる」
「よしっ! ……あ、そういえば、作戦はいつ始まるの?」
「いつ……?」
"……"
「……もう、始まってるよ」
★★★★★
「あ、一つだけ質問をしたいのですが」
「……?」
「代理人は今回、私たちに協力してくださるのですよね?」
「……あぁ。
"シャーレとして、特定の生徒だけに肩入れするわけにはいかない"
……って言うのが、先生の方針らしくてな」
「なるほど……」
「"ゲーム開発部には自分が就くから、シャーレの代表として、代理人は生徒会に就いてあげて"
……なんて言われたら、断れないだろ?」
「先生……」
「確かに、それは断れませんね」
「戦闘能力を危惧しているなら安心してくれ。……邪魔をする気はないし、裏切る可能性を考えているなら、俺一人で相手をしてもいい」
「あ、いえ。それについては全く疑ってません」
「……そうか? だいぶ怪しいと思うんだが……」
「自分で言います? それ……。…………スーツではなくその制服を着ているってことは、代理としてではなく、連邦捜査部シャーレの代表として動くってことで、……良いんですよね?」
「……あぁ。その解釈で大丈夫だ。……まぁ、いつもの服より、多少動きづらいってのが問題だが……」
白い制服に、白いコート。……まるでハナ協会を思わせるような、
「あらあら……、残念ですわ。……新しいメイド仲間が増えると思いましたのに」
「……着ないからな? ……メイド仲間を増やしたいなら、ゲーム開発部や先生でも捕まえて、着替えさせたら良いんじゃないか?」
「あら、それはいい考えですわね」
「あの子たちのメイド姿……」
「……早瀬?」
「……あ、いえ、なんでもありません」
「そう……か。……二人とも、早速来たみたいだぞ」
「「え?」」
この足音は、……アリスか。
「二人とも、扉から離れろ!」
「「……ッ」」
「……光よ!!!」
(ドガアアァァン!)
三人が扉から距離を取った2秒後……。
――爆音を立てながら、生徒会の扉が吹き飛ばされた。
「くっ、気づかれてましたか。流石は裏ボスです……!」
「裏ボス……?」
「一人で来たってことは、……先生の指示か。
…………取り合えず、寝てろ」
高速で接近し、渾身の力で蹴り飛ばすローラン。
その移動速度は銃弾よりも速く、加速によって生み出された力と、体重を乗せた
……アリスの華奢な身体を壁へと吹き飛ばし、衝撃を持って意識を刈り取った。
「まず一人」
「……き、聞いてはいたけれど、ここまで強かったなんて……」
「代理人、本当に人間ですか? うちの部長よりも戦闘技術が高そうなのですが……」
「人間だぞ? ……やっぱり、他の奴らの気配はないか」
「この子がアリスちゃんですか」
「まさか強行突破してくるなんて……」
「……」
アロナのサポートを受けている先生が、手駒を無駄に減らすような真似はしないはずだが……。
「とっても可愛いですねー、6番目のエージェントメイドとして育てたくなってしまいます。……連れて帰ってもいいですか?」
「……いいんじゃないか?」
「……い、今はダメ。生徒会を襲撃した犯人の一人なんだから……とりあえず一旦、生徒会の反省部屋にでも閉じ込めておくわ」
「まぁ、妥当だな」
「それにしても……まさかエレベーターの指紋認識システムを突破するためとはいえ、無理やり扉を打ち破るだなんて……」
「報告します! エレベーターのセキュリティロックが大破。対処としては、丸ごと取り換えるしかないかと……」
「そう、じゃあ新しいのに交換を……、……そうね、一番強力そうなセキュリティを購入して取り換えて。ただし、エンジニア部製じゃないもので」
★★★★★
「ううっ! アリスが連れていかれちゃった!」
「落ち着いてモモイ、計画通りだよ」
「アリスちゃん……待ってて、すぐに助けてあげるから」
「まさか一撃とは……。……でもまぁ、これで一つ目の仕掛けは、上手く行った感じかな」
"そうだね。ここまでは計画通りだよ"
「ちょうど、エンジニア部からも連絡が来たよ。
『トロイの木馬を侵入させることに成功した』
だって」
「ひゅーっ、それは一安心。もし失敗してたら、アリスが意味もなく監禁されただけ……ってことになるところだった」
「じゃあ、次のステップに移ろうか」
「…………はぁ、緊張するなぁ」
「あれ、ヒビキとウタハ先輩は?」
「もうお客さんを出迎える準備はできてるって」
「良いね、さすが」
「やってるのは決して良いことじゃないけどね……」
"……それを理解できているなら、私としては何も言うことはないかな"
「マキとコトリの方は?」
「こっちも準備OK、待機中だよ~」
「お任せください! 私の理論上、この作戦が成功する確率は2%です!」
「ええっ、ダメじゃん! なんで自信満々なの!?」
「えへへ、場を和ませる冗談ですよ! 逆です、98%成功するでしょう!」
「コトリちゃんとマキちゃんの準備も終わったなら……」
「第2段階、だね」
「それでは……先生!」
"うん……。……みんな、行くよ"
"――作戦開始!"
先生陣営対代理人陣営は、複数話に分けて投稿いたします。
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