評価、感想ありがとうございます!
年末から書き始めたこの作品ですが、
気づけばお気に入り数が1,000件以上、評価に至っては100人もの方に投票頂けまして、
これもひとえに、ご拝読頂いてる皆様のおかげです!
ありがとうございます! 引き続きお楽しみいただけると幸いです!
――正義実現委員会・教室
歌住サクラコとの電話を終えたローランは、一先ず先生の元へ戻ることにした。……指定された時間や内容について、色々考えたくはあったが、直接会った時に問いただそうと決めたのであった。
(ガチャ)
「悪い、待たせた……な。…………なんか人が増えていないか?」
"あ、代理人おかえり~。……さっきの電話はもしかして"
「あぁ。……予想通り、アレ関係だったよ」
"そっか。……大丈夫?"
「……問題ない。……それで? ここにいるこいつ等が、補習授業部のメンバーか?」
"あ、いや、ハスミちゃんは違うよ?"
「あなたが連邦捜査部シャーレの代理人ですね。初めまして、正義実現委員会副委員長の羽川ハスミです」
「あー、よろしく。……悪いな、補習授業部と勘違いして」
「いえ、構いませんよ。……お恥ずかしながら、正義実現委員会からも一人、補習授業部に参加する方が居ますので」
「うぅ……」
「……なるほどな」
改めて教室内を見回したローランは、個性豊かな生徒たちの姿に唖然としていた。
室内なのに水着姿の変態、ガスマスクを装着した変質者、顔を赤くして涙ぐむ少女……。
――浦和ハナコ
――白洲アズサ
――下江コハル
「……ヒフミ、まさかとは思うが……こいつ等3人が補習授業部のメンバーなのか?」
「あ、あはは……。……はい、そうです」
"と、取り合えず、補習授業部の教室に移動しようか"
★★★★★
――補習授業部・教室
「ではでは、ここに揃っているのが補習授業部のメンバーということですね?」
「(シューッ、シューッ……)」
「……」
「……そうらしいな。リスト通りだよな、先生?」
"……うん。ここにいる皆が、補習授業部のメンバーだね"
「あ、あはは……。……とりあえず、集まったのは良いのですが、ここからが問題でして……」
「ふふ、何をすればいいのでしょうか? 阿慈谷部長? 放課後にひと気のない教室で、素行の悪い女子高生と大人二人が集まって……ふふ、始まってしまいそうですね」
「始まる……? まぁ、何だって構わない。ちなみに私は本気を出せば、この教室で1か月は立てこもれる」
「補給もないのに1か月は無理だろ」
「死にたい……本当に死にたい……」
「えっと……先生……代理人……その、よろしくお願いします……」
"……うん、頑張ってみるね"
「……まぁ、やれるだけのことはやる」
「ありがとうございます……私も、出来るだけ頑張りますので……」
その後、簡単な自己紹介と補習授業部の紹介を行ったローランと先生。
「えっと、そういうことですので……短い間ですが、これからよろしくお願いします」
"よろしくね"
「……」「……」「……」
「え、えっと、何か分からない点とか気になる点がありましたら……」
「大丈夫。これからは普通の授業に加えて、毎日放課後に特殊訓練があるってだけでしょ」
「特殊訓練……まぁ、強ち間違ってはいないか?」
「了解した」
「えっと、く、訓練と言って良いのか分かりませんが、……私たちが目指すのは、これから行われる特別学力試験で、全員同時に合格すること。
シャーレのお二人も手伝ってくれますし、みんなで頑張って落第を免れましょう……!」
「このリストによると、テストは全部で3回行われる。そのうち1回でも全員同時に合格? ……すれば、そこで終わりらしいぞ」
「そうですね。先生と代理人には、スケジュールの調整や色んな補修を行っていただければと」
このリスト……全員同時に合格って書いてあるが……、どうして全員同時なんだ? 合格した奴から外していけば済む話だと思うんだが……。
「なるほど、理解した。聞いた限りでは、そこまで難しい任務じゃなさそうだ」
「そ、そうですね、頑張りましょう! えっと、アズサちゃんは、転校してからあまり時間も経ってないんですよね?」
「そうなのか?」
「……あぁ」
「トリニティに転校だなんて、珍しいですね」
「……あ、……も、もしかして私、余計なことを……?」
「いや、別に隠すことじゃないから気にしないで良い。れっきとした事実だ」
「……まぁ、よろしくな白洲」
「アズサで良い。……うん、よろしく頼む」
「それでは、私もアズサちゃんって呼んでもいいですか?」
「……? 別に構わないが」
「では、アズサちゃん、ヒフミちゃん、それからコハルちゃん。うふふふ、何だか良い響きですね。私たちはこれから補習授業部の仲間ということで」
「……」
「あら、そんな憎悪に満ちた目で、どうしたんですかコハルちゃん?」
「言っておくけど、私は認めないから……!」
「えっと……?」
「あら、何のことですか?」
「わ、私は、正義実現委員会のエリートだし! 私の方が年下だからって、あんたたちを先輩だなんて呼ぶつもりは無いから!」
「別に呼び方はお前らで決めればいいと思うが……」
"成績が向上するまで、正義実現委員会には戻れないよ?"
「分かってるわよ! こんな部活、さっさと抜けてやるんだからっ!」
「……その意気で頑張ってくれ」
「……確かに補習授業部の中でまで、先輩後輩なんて扱いにする必要はないと思います。私としては何も問題ありません」
「私も別に。そもそもそういう文化は不慣れだし。
……そもそも仲良くするために集まってる会じゃない。あくまでお互いの利益のためなんだから、親しい振りをする必要もないはず。……違う?」
「あ、あうぅ……」
「いや、……アズサ。考え方を柔軟にした方が良いぞ」
「……?」
「親しい振りをして、自分の利益のために周りを利用した方が得だろ?」
「……なるほど……その発想はなかったな」
"いやいや、それはそれで……どうなのかなぁ?"
「とにかく! 仲良しごっこをするつもりはないから! それに、私が試験に落ちたのはあくまで……飛び級のために、一つ上の2年生用のテストを受けたせいだから!」
「あら、飛び級? どうしてそんなことを……?」
「ど、どうしても何も……! 私はこれから、正義実現委員会を背負う立場になるわけだし……!」
「いや、一度落ちたのなら、飛び級は諦めて地道にやった方が良くないか?」
「代理人の言う通りですね」
「う、うるさいうるさい! 私が言いたいのはそういうことじゃなくて!
――つまり私は今まで、本当の力を隠してたってこと!!」
「?」「?」
「今度のテストはちゃんと、1年生用のテストを受けるから! そうすればちゃんと優秀な成績を収めてはい終わりってわけ。分かる?」
「……まぁ、そうなると良いな」
誰か一人が合格したところで、……この補習授業部はなくならないみたいだがな。
★★★★★
その後、補習授業部は毎日放課後、教室に集まって特別な補習授業を受けることになった。自習だけに留まらず、ローランと先生が用意した過去問を解いたりなど……
各々が成績の向上を目指して、勉学に勤めていた。
その夜。
補習授業部が結成された日の翌日、
――早朝午前4時20分
トリニティ総合学園をもう一度訪れたローランは、大聖堂へ向けて足を進めていた。
「……なんだ? なんで中から銃声が……」
校門を抜け、トリニティ総合学園へと足を一歩踏み入れた瞬間、
(バンッ!)
――銃弾が発砲された
「……チッ、どうなってるんだ」
咄嗟に
「あははははは! 死ね死ね死ね死ね! みんな死んじゃえーーーー!!!」
ローランの向かった先に立つ一人の少女。両手に1丁ずつアサルトライフルを構えた少女は、気でも狂ったのか周囲一面に銃弾をばら撒いていた。
……かと思えば、火炎放射器で花壇を燃やす少女や、殴り合いをしている少女、銃を撃ち合う少女や大量の手榴弾をばら撒く少女など
――まるで地獄絵図のような様相を呈していた。
「……どうなってやがる」
……目に付いた異常者を次々と気絶させ、大聖堂へと足を進めるローランだったが、……大聖堂が視界に入った瞬間、言葉を失った。
「ぎゃははははは! 何が優雅で気品のある振る舞いだ! そんなものッ! 私が焼却してやる!!」
「うふふふふふ、……あぁっ、榴弾のなんと美しいフォルム……。……私を導いてくれる、圧倒的な破壊ッ!」
「お前この間、私にちょっかいかけてきたよなぁ!? 死ね! 死にやがれ!!」
「はぁ!? てめぇが死ね! 気色悪いんだよアバズレが!」
「なんですって!? 貴方達、全員死になさいよおおおおお!!!」
「てめぇよぉ、この間珈琲は泥水とかほざきやがったヨなぁ!? 紅茶の方が泥水じゃねぇか!」
「はぁ!? 頭だけじゃなくて味覚までイかれてるのかしら!? 一回死んで来なさい!」
「次のティーパーティーは私だぁぁぁぁぁぁぁl! お前ら全員死ね!」
周囲に飛び散る大量の血液、刻み込まれた大小多数の銃痕、地面に転がる無数の空薬莢。血を流しながら、相手が誰だろうと構わず銃を乱射する気狂い。
……まるで裏路地の夜を彷彿とさせるような地獄絵図に言葉を失いながらも、大聖堂へと着実に足を進めていた。
「トリニティの夜終了まで、あと5分です!」
「了解! 皆さん、それまで持ちこたえてください!」
「こちらAチーム! 周囲の暴動を鎮圧!」
「殺してはいけません! あくまで気絶させるだけに留めてください!」
「「「了解!」」」
「……! シスターサクラコ様の待ち人の接近を確認!」
「全員、鎮圧の手を速めてください!」
「了解!」
そんな地獄の中で、……周囲の影響を受けず、周りの異常者を鎮圧する、修道服に身を包んだ一団。
――シスターフッド
彼女たちは狙撃銃や連射銃に留まらず、キヴォトスでは滅多に見かけることのない……爪や刀、大剣や大斧などで武装し、大聖堂への道を作るように暴れていた。
「……サクラコってことは、あいつ等は味方か」
(ダンッ!)
(ダンッ!)
「代理人様! お待ちしておりました!」
「A、Bチーム、広域攻撃の準備を! 当てなくても構いません、時間を稼いでください!」
「「了解!!」」
「色々と聞きたいことはあるが……、……その前にこいつ等を片付けるか」
周囲で暴れる狂人たち。ざっと数えただけでも30は凌駕する程の人数を相手にするシスターたちを確認したローランは、
――手袋から一冊の本を取り出した
「巻き込まれたくなかったら……5秒後に飛んでくれ」
「「「「はい?」」」」
手袋から取り出した本を開き、ページを1枚破り取るローラン。
破り取られたページは光り輝き、ローランの姿を変化させた。
白と水色を基調としたドレスに、雪の結晶のような形をした両翼。
氷で造られた水色の剣を逆手に構えたローランは、
「飛べ!!」
「「「「……ッ!」」」」
――その剣を、地面に突き刺した。
突き刺された剣は氷の大地を生み出し、トリニティの地面を埋め尽くすようにその刃を広げていく。洪水のような勢いで凍り付く大地は、地面に触れていた者達の身体を凍り付かせ、
――その場に縫い付けていった。
「こ、これは……!」
「地面が……凍って……」
「……これってもしかして、……E.G.O?」
「…………綺麗……」
周囲で暴れていた人影が、一つ残らす凍り付いたことを確認したローランは、E.G.Oを解除し、シスターたちへと向き直った。
「……さっき聴いてた限りだと、後5分だけ凍らせておけば良いんだよな?」
「……は、はい! ありがとうございます!」
「トリニティの夜を……こうも簡単に終わらせるなんて……」
「……トリニティの夜? それって一体……」
「あ、えっと。トリニティの生徒ではない代理人はご存知ないですよね。……トリニティの夜とは、先代のティーパーティーが定めた、
……何をしても許される、自由な時間です」
午前3時13分から午前4時33分
トリニティ総合学園において、誰も邪魔することのできない神聖な80分。
唯一、校舎などの建物の破壊だけは禁止されているこの時間は、ストレスに悩まされるトリニティ生にとって天国のような時間であり、
――日頃の恨みを果たすのに、最適な時間だった。
「……嘘……だろ…………裏路地の夜と……同じ……」
「……はい? ……えっと、せ、説明されても理解出来ないですよね……すみません……」
「あ、いや。理解はできたが……。…………考えるのは後にするか」
「それにしても、凄い力ですね! まるで幻想体のE.G.Oを使った時みたいな……」
「……ちょっと待て。……今、幻想体って言ったか?」
「……え、は、はい。……い、言いましたけど」
「……っ、ホシノ達の様子的に予想はしてたが……キヴォトスにも幻想体が居るのか……」
「だ、代理人。幻想体をご存じなのですか……? ……シスターサクラコ様は、機密事項だから外部には絶対漏らさないようにと緘口令を敷いていた筈ですが……」
「……あぁ、知っている。外の世界にも、同じ様な奴が居たんだ……」
「そ、そうなのですか……」
(ピピピッ!)(ピピピッ!)(ピピピッ!)
すると突然、シスターフッドのポケットからアラームの様な音が鳴り響いた。
「……ッ! トリニティの夜、終了です! ……総員、武装の解除を!」
「「「了解!」」」
その掛け声と共に、一斉に動き出したシスターフッド。弾倉を抜きストックを畳む者や、刃を納刀し鞘袋に収納する者など、各々手持ちの装備を片付けるのであった。
(パンッ!)(パンッ!)(パンッ!)
……その様子を見ていたローランも、凍り付いたモノの時間を巻き戻していく……。
「……それでは、改めまして。……シスターサクラコ様が中でお待ちです。……どうぞ、こちらへ」
ロボトミーだけを見るなら、作者が一番愛用していた幻想体は間違いなく雪の女王ですね。
君のギフトには散々お世話になったよ……
評価、感想お待ちしております。