評価、感想ありがとうございます!
(ダダダダッ!!!)
「……銃か。……ずっと使っていただけあって、悪くは無いな」
……即座に持ち替えられるならだが
1歩の踏み込み。
初速の時点で最高速を叩き出したローランは、アサルトライフルを構える生徒に急接近し、
――隙だらけの胴体を蹴り飛ばした
「ごふッ……っ! ……ゴホッ……っ…………おェ……」
びちゃびちゃびちゃ
逆流した血液が口から零れる。咄嗟に両手で抑えるも、その勢いを殺すことはできず、
……自身が吐き出した大量の血の上で崩れ落ちた。
「……まずは一人」
「ひっ……ぅ……ぁ……あ、あぁぁぁぁああああ!」
(ダダダダダダダダッ!!!)
容赦なく仕留められた仲間の様子を見たAチームのメンバーは、自身に襲い掛かる恐怖心を搔き消すかのように、……構えていたアサルトライフルをローランへと乱射した。
(ダダダダダダダダッ!!!)
「……戦闘中に動揺するな。……怯えた奴から死ぬことになるぞ」
銃口の向きから予測し、弾丸を躱す。
躱す躱す躱す
必要最低限の動作で避け、時には刀で弾き、……錯乱した生徒との距離をゼロにした。
乱射し続けるアサルトライフルの銃身を蹴り上げ、体勢を崩す。その流れに身を任せるように顔面を掴み……
――地面へと殴り付けた
(グチャッ!)
「……っ……ぉ……ぇ…っ………」
「これで二人」
「……ッ……この野郎ッ!」
(ザンッ!)
続けざまに二人も潰されたAチーム。辺りに飛び散る血液と、悲鳴のような嗚咽に動かされたのか、……抜刀した2本の刀でローランへと斬りかかった。
「……さっきの奴の刀を拾ってきたか」
「殺すッ! お前は殺す!」
「……そう言えば、隊長だったな」
(キンッ!)
工房で作られた3本の刀が交差する。月光石で造られた黄金色の刀は、刀身と同じ色の軌跡を空中に刻み込む。
光の残滓を撒きながら、連続で繰り出される斬撃は……まるで一種の芸術のように美しかった。
「……いい動きだ。即興かと思ったが……悪くない。……が、怒りに支配されているのが減点だな。これは俺のセリフじゃないが……」
――感情とは流されるものではなく、使役するもの
「らしいぞ」
(ザシュッ!)
手元から刀を弾き、一瞬の隙をついて
……血を垂れ流しながら痙攣し、両手の刀を取り落としたことを確認したローランだったが、
……刀を引き抜こうとした瞬間
「……ハッ」
「……?」
「全部……けい……ざん…っ……通りだ」
「……何?」
「……づかっ……ま゛えだっ……!」
火事場の馬鹿力と言うべきだろうか?
感情による神秘の増幅
今ある全ての恩恵を両手に籠め、恐ろしいほど強靭な握力を発揮した隊長は、
――自身と引き換えに、ローランの右腕を捕まえた
「……や…れ……ッ!」
「「「……ッ!」」」
(ダダダダッ!!!)(ダダダダッ!!!)(ダダダダッ!!!)
いつの間に回り込んでいたのか、ローランを囲む様に移動していたAチームの3人は、
――ローランに貫かれている隊長ごと、銃弾の雨を浴びせ続けた
(ダダダダッ!!!)(ダダダダッ!!!)(ダダダダッ!!!)
(ピンッ!)
止む事のない銃弾の雨。
姿を確認できない程の硝煙と弾丸に包まれたローラン。……隊長の覚悟を無駄にしない為にも銃弾を浴びせ続ける3人は、
……用意していた手榴弾をも投擲した。
(ドカアアァァン!)
爆炎に飲み込まれた戦場。
綺麗に整備されていた地面は跡形もなく、飛び散った鮮血が赤く照らしている。
……数秒、本当に長く感じた数秒が経ち、爆炎が晴れた先に残っていたのは、
――血まみれの隊長と、千切れた右腕を抱えるローランだった
「……油断していたとは言え……ここまで計算通りだとしたら、相当だな……ッ」
血を流しながら、苦痛に顔を歪めたローラン。……銃弾の雨に晒される瞬間、隊長に右腕を掴まれていたローランは、
……咄嗟に取り出した工房武器で、自身の右腕を斬り落としていた。
(バンッ!)
……千切れた右腕を地面に置き、その手袋から一丁の拳銃を取り出したローランは、銃口を自分自身へと構え……引き金を引いた。
「
巻き戻る時間
失った血液や斬り落とした右腕は元に戻り、辺りには隊長が流した血の香りだけが漂っている。
「……続けるぞ。……手加減するのはここまでだ」
突き刺したままの
★★★★★
――訓練開始から5時間が経過
(パンッ!)
(パンッ!)
(パンッ!)
(パンッ!)
(パンッ!)
(パンッ!)
全員が戦闘不能になる度に時間を巻き戻し、5分の休憩を挟んだ後に再戦。それを繰り返し続け、気がつけば……
大聖堂の時計は、午前3時を指していた
「……今日のところはこんなものか? ……あれを咄嗟の判断と計算で行えたのは、素直に称賛するよ」
「あ、ありがとうございます!」
「……戦闘中と性格が変わり過ぎじゃないか?」
「いやー、良く言われます!」
「「「「「……」」」」」
周囲に飛び散った大量の血液。
斬り飛ばされた腕や足が転がる戦場。
……先ほどまで満身創痍の状態で転がっていたシスターフッドAチームの面々は、ローランが撃ち込んだ弾丸のおかげで、
――訓練開始前の状態まで、時間を巻き戻されていた。
「……戦闘経験は記憶されているはずだから、前よりはマシになった筈だ。……と言っても、戦闘技術に関しては、鍛えなくてもかなりのものがあると思ったがな」
「……へ、下手な幻想体を鎮圧するときよりも……きつかった……」
「……ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「疲れた……」
「な、なんで……ヘイローもないのに……」
「死ぬ……殺される……」
黄金銃は肉体の損傷は戻せても、心までは戻せない。……身体の一部が千切れる痛みや苦しみは、記憶として残り続けるのだ。
「み、皆さん、大丈夫ですか……?」
「こ、これ……明日は私たちが……?」
「……お疲れさまでした、代理人様。……皆さんも、お疲れ様です」
「あぁ。……この後は、実戦でいいのか?」
「そうですね……時間的にあと10分もすればトリニティの夜が始まりますので、今夜はAチームだけで鎮圧にあたってもらいます」
「「「「「「……え?」」」」」」
「……なんか、初めて聴かされたみたいな反応してるんだが」
「……? 今初めて言いましたので、そのような反応にもなるかと」
「……」
「ま、待ってくださいシスターサクラコ様! トリニティの夜を、私たちだけでですか?」
「えぇ、その通りです。……ご安心ください、明日はマリーさんとヒナタさん、それから私の3人で担当しますので」
「……わ、私たち3人って……」
「さ、サクラコ様? じょ、冗談……ですよね……?」
「……? いえ、冗談を言ったつもりはないですよ? ……今までは全員で対処していたので、休息日を設けることができませんでしたが……」
――代理人様の訓練を積んだ今なら、対応人数を減らしても問題ないかと。
「……二日後はBチームに担当して頂くつもりです。……代理人様、暫くの間、夜間訓練をお願い致します。
……代わりと言っては何ですが、可能な限り要望は聞き入れますので、お申し付けください」
「別に、要望とかは……。…………いや、そうだな。
そしたら、Aチームが使ってる刀を俺にも用意してくれないか? ……都市でも珍しい素材だから気になるというのもあるが、訓練用の装備として用意しておきたい」
「畏まりました。工房の方へ鍛造をお願いしておきますね」
「……助かるよ。……あー、それからAチームだが」
「「「「「「「……?」」」」」」」
「……援護はするから、模擬戦闘だと思って頑張ってくれ……」
「「「「「「…………はい」」」」」」
「……」
…………まぁ、こうなるよな。
好き勝手暴れる生徒の始末なんて、やりたがる奴は居ないか……。
……
……仕方ない
「まぁ、報酬も無しに好き放題暴れる生徒の面倒を見ろとは言わないよ。……給料って訳じゃないが、働いた分の報酬金ぐらいは出してやる」
「「「「「「……え?」」」」」」
「……よろしいのですか? 代理人様」
「……あぁ。ただでさえ翼が持ち込んだ幻想体の相手なんて、面倒な事までやってくれてるんだ。……報酬でも無ければ、耐えられないだろ」
利益がないせいで、他の生徒たちのように暴れられても面倒だしな。
……どうせ翼がこの世界で稼いだ金なんだ。だったら生徒に還元してやった方がいいだろ。
「そう言う訳だから、……連邦捜査部シャーレとして、これからもイカれた生徒の鎮圧を頼む」
「「「「「「……はいっ!」」」」」」
月光石から作られた刀……?
……ブラックダメージ与えそう……
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