妖精國の経済担当   作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ

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思いついたから書いた(二度目)
いたる所がクソガバなの許して…許して…


始まり

 目が覚めたら目の前にものすごい美人が居た。

 なんこれぇ(ゴロリ)

 

「貴様、名を名乗れ」

 

「えぇ……望月と言いますが………あのぉー、状況を説明してもらってもよろしいですか…………?」

 

「戯言を―――!」

 

 自分のそばにいたデカい獣人が何やら激高しているが、それを目の前の美人が――多分女王とかだろう――手で制する。

 

「いい。ここは妖精國――お前は汎人類史からきた、流れ者だ」

 

「はぁ、流れ者」

 

「そうだ! 女王陛下が直々に貴様に命令を下してくださる!」

 

 となりのワンちゃんがめちゃめちゃ吠えてて怖い。汎人類史? 妖精國? さっぱり分からないことだらけだが、一つ確かなのは、自分は元居た場所とは違う世界に迷い込んでしまったのだろう。でなければ、こんな犬がぎゃあぎゃあ騒ぎ立てることはあるまい。そして、自分が縛られている事や、目の前の偉そうな美人が手で犬っころを制した当たり、恐らく眼前にいるあの女が女王、なのだろう。

 

「えぇと、取り敢えず基本的にこの世界で人間がどういう風に扱われているのか、お聞きしてもよろしいですか?」

 

 そう言って態度を改めると、傍の犬――犬でいいのか? 獣人がム、といった顔でこちらを見てきた。なんだお前! 態度改めただけやぞコラァ!

 

「ふむ………基本的に人間は牧場へ送られる。貴様も例外ではない」

 

 ファー! 牧場て。何? 食われるの俺? 

 いずれにしろ碌なものではあるまい。牧場と呼ぶくらいなのだから、家畜と同等かそれ以下の扱いをされるはずだ。そしてこれで幾らか確定したことがあるはずだ。妖精『國』というくらいだからここは国である。そして、女王

陛下が居ることからこの国は王政だ。また、この国には人間を主な食糧源、ないしはそれに値する位置付けを強要する生き物がいる。

 

「ええと、女王陛下。すみません、僭越ながらもう少し詳しく、この國にまつわる事を教えていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「貴様―――」

 

「良い。ウッドワス………貴様が聞きたいのは、この國の成り立ちなどではなく、この國の『今』だろう。違うか」

 

「ご明察です。特に私はこの國において、人間を捕食――あるいは、使う。そう言った位置付けを強要させる者達の特徴、そして、女王陛下がどういった(まつりごと)を行われるかを聞きたい」

 

「この國において、人間は妖精の栄養源です。人間の感情を喰い生命力たる魔力を回復する、というのはおかしな表現ですが、いずれにしろ人間は栄養剤のような扱いであると言える。次に、政ですが、基本的に年に一度、存在税という形で魔力を吸収します」

 

「税金は無いのですか?」

 

「金を税として取る、という意味での税金ならばある訳がありません。所詮妖精どもの文化は人間の真似事。取り立てたところで効果は薄い」

 

「僭越ながら、ひとつ言わせていただくと、近いうちにこの國は滅びます。確実に」

 

「……貴様! たかが人間風情が言わせておけば! その不敬は万死に値する!」

 

「ウッドワス!」

 

 女王陛下からの 責を受けて、傍にいる獣人、ウッドワスが口を閉じる。だが、その眼には殺意が宿っていた。

 

「まず、貴女はどうやってその支配を維持しているのかということです。聞いてみれば、妖精は人間の文化を模倣する……であれば、貨幣もあるはずです。しかし貨幣を税として取り立てるのではなく、貴女は魔力を取り立てている。妖精にとって生命力に近い魔力とやらを取り立てられるならば、それは人間で言うなれば己の寿命差し出すと同義。これに納得する者はそうおりますまい。人間側にとっても、家畜と同じか、それ以下の扱いをされるのを是とする者はそういない。この二つの問題は少なく見えて、それぞれが非常に大きな問題です。これはつまり、反対勢力が出れば、妖精と人間たちはすぐにそちら側につく。そして、人間が家畜のような扱いを受けているというのならば、少なくとも数年数十年はこの体制が築かれ維持されているとみても良いはずだ。それほど長い時間、彼らは不満に耐えているのならば、今すぐにでも反乱が起きると愚考いたします」

 

「ふっ……まるで私の家臣になったような言いぶりだが、それならば貴様はこの問題を解決できるのか?」

 

「一つ、存在税の徴収をやめるか、取り立てる割合を大きく減らす。二つ、福祉政策という形で、税金を取り立てる体制を整え、民心を掴む。ぱっと頭に思い浮かぶのはこの二つですがね」

 

「やれるのか?」

 

 げぇ、と望月は言いたくなるのを堪える。この女王は己に問うているのだ。民心を掴み取り、支配体制を強固なものにできるのか。女王たる己の手足となって働く気はあるのか、と。

 選択肢を間違えれば死ぬ。生きるか死ぬかの瀬戸際だ。だというのに、何故だか知らないが、自分は酷く気分が高揚していた。

 

「やりますとも」

 

 その日、妖精國に経済大臣という役職が誕生した。




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