インフィニット・カウンターズ   作:夢現図書館

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 管理局はその広範な権限で様々な分野に影響を及ぼしている。軍事、文化、時には市民の日常まで。



招かれざる客

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クラス代表を決める。

 ある種のイベントみたいなモノなのだが、それはクラスによっては一悶着が起きる場合がある。『国家代表候補生』や『企業代表』と言った肩書があると、総じて選ばれやすい傾向にある。

 ズブの素人よりも早くISに触れているから実力は最低基準はクリアしている事になるだろう。

 4組は代表候補生が在籍していた為に自然と決まり、一般生徒ばかりのクラスはなんやかんやで決まる。1組は対立構図が出来ると言う異例の構図となり8組に至っては『管理局』の者が居たのだが、『管理局』側の上層部の圧力により除外され、一般生徒達の範疇で決まる事となった。

 そして、時間が流れ放課後……。

 

 

 

『で、初日は平穏無事に過ぎましたとさ、って言うのか?』

 

 夕方。日が沈み夜の時間帯。

 堅気の人間は鳴りを潜め、夜の住人、非合法問わず蠢き始める時間帯。かく言うリッカもその1人だ。

 夜の本校舎の屋上、芝生が植えられ昼間となれば弁当を持ち寄って昼食を嗜むであろう用途の場所に時間外れに立ち寄ったリッカは落下防止柵に凭れながらスマートフォンを片手にある人物と通話をしていた。

 

「その言い草ですと、何か一悶着起きて欲しかったみたいな言い方ですね」

 

『どうだろうな? 貴様に何か(・・)起こったとしてもさしたる問題はあるまい?』

 

「……賞賛か侮蔑か何方かにして頂きたいですね。そもそも、第2級管理者(シニア)様は三流タスクフォースの末端社員に声をお掛けになる程の暇なのですか?」

 

『クックク、つまらん冗談は止めろ。貴様の何処が三流末端だ? そんな奴が最高管理者の目に留まる筈が無い。無論、私もな』

 

 前者は兎も角、後者は本気で勘弁して欲しい限りである。『管理局』の権限は非常に強大だ。軍事は愚か文化、果てまで行けば市民の日常にも影響を及ぼして来る。……その気になれば1人1人の私生活なんて丸裸も同然だし、セキュリティもプライバシーも関係なくなる。

 

「それとも監視ですか? 監視衛星を何基寄越すつもりなんですか?」

 

『貴様如きに監視衛星を用意する馬鹿が何処にいる? 貴様が暴れれば衛星使わずともバレバレだ』

 

 それはそれで嬉しい様な悲しい様な……。

 

「割と真面目に雑談のつもりならそろそろ失礼したいのですが……」

 

『そう焦るな。我々は貴様が初日で大暴れするのを期待していたのだがな。

 だが、アカデミーの理事長は貴様にとっては先輩(・・)だ。小学生未満の学力しか無い貴様であろうとも上下関係がキッチリしているからな……釘は早々抜けん』

 

 つまり管理局としてはリッカの方から手を出す事は無いと断言されている。それでもトラブルが発生した場合は——。

 

「ドサクサ紛れに対立関係を余計に煽るつもりなんですか? 趣味悪いですね」

 

『何を言う。委員会の存在は管理局の効率的な平穏維持に対して亀裂を入れかねない存在だ』

 

 『管理局』は時として管理拒否区域に対して非情な対応を取る場合もある。北方合意体に対して良い打撃(・・・・)を喰らわす事も辞さなかった程だ。

 そして『委員会』側も当然ながら管理拒否区域と言える。

 

「……俺を餌に合法的かつ正論で委員会側を潰したいんですか」

 

 リッカにはカウンターと前提から追加で『男性操縦者』と言う肩書が出来ている。

 『委員会』及び女尊男卑は女性にしか使えない神聖なるISを男性が使うと言う現実を容認出来ない。激しい目の敵を向ける事だろう。

 そして、リッカは諸々の世情から『委員会』側の支配圏域であるIS学園に居る。

 これらの『事実』が揃えばある想定が成立する。

 

『実に人聞きが悪いな。『管理局』にとって将来有望で重要性が高いカウンター、ひいては我が管理局の最高管理者の子飼いで次期後継者に対してそんな低俗な真似(・・・・・)をされては、管理局としては黙っている訳にはいかないよな?』

 

 いや、そんな大層な身分じゃねぇよ。と、言いたいがどうやら管理局としてはそう言う筋書きのシナリオが都合が良いらしい。ひでえ。

 

「……捏ち上げにも程がある捏造をするのは止めてくれません? 普通に鳥肌モノなんですが」

 

『まぁ、さっさと貴様に女尊男卑でも女性権利団体でも何でも良いから突っかかてくれた方が、合法的にかつ正当に潰せるからな。其方の方が後処理が簡単なのだよ』

 

 リッカから手を出してしまうとこちら側が悪くなってしまう。如何に管理局と雖も大義名分が得られるならばそれこしたことは無い。

 

「遂に本音をぶっちゃけましたね。だったらさっきの三流シナリオはさっさと水に流してくれませんかね?」

 

『何だと?夜業して考えたシナリオに不服があるのか?あぁ?』

 

「……俺達ゃ深夜が仕事の時間帯なんでいつでも夜業ですよ」

 

『……まぁ良い。IS学園とやらは早々に騒動を起こす程、馬鹿の集まりでは無いようだな。私とてすぐに事態が動くとは思ってはいないさ』

 

「……其処まで能無しの集団じゃないでしょう。仮にもIS学園ってかなりのエリート校らしいですよ。倍率も4桁行っているとか」

 

小学生未満の学力しか無い貴様からすればどんなに馬鹿な集まりの学校でもエリート校だろう』

 

「ひでぇ……‼︎」

 

 その後、これ以上の通話は時間の無駄だとの事で通信は終了した。

 

 

 

「やれやれ……。理事長に釘刺されているのに無茶言ってくれるよ」

 

 スマートフォンを仕舞い、屋上を出て階段を降りる。夜の時間帯となれば裏社会の人間の時間。昼間は爆睡コース驀地であったが、夜になれば活動の時間帯だ。

 副社長に連絡を入れて『管理局』からの話を交えつつ仕事があるか聞くも、現在は小隊が出払っており、残っている仕事は無いとの事。

 ならば、今日は弾薬等の調達を済ませる事に決めた。

 幸い都合の良い装備がある、使わない手は無いだろう。

 

「あ……‼︎」

 

「ん?」

 

 校門へ向かう途中、本校舎の廊下にて、正面から新聞部とか言う黛 薫子と偶然にも遭遇した。

 

 

 

 

 

 

 

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