クラス爆散女と行く実力至上主義の学校   作:櫛田ちゃんかわいいよ

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櫛田ちゃんかわいい(挨拶)

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やったぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!

人生初です。みなさん本当にありがとうございます。
誤字報告もとても助かってます。ありがとうございます。

……今回ギャグっぽさ少なめですがどうぞ!


頑張りを無に還されると怒りたくなるよね

 

 えー早速問題が発生致しました。

 

【悲報】三馬鹿勉強会に参加しないw w w w【オワタ】

 

 

 トリオが教室を出て行ってから、僕と綾小路と堀北さんの三人で僕の部屋に来て話し合っている。櫛田さんは平田くんの方に参加しなきゃいけないらしい。ぼっち組でなんとか解決案を出したいところである。

 

 そういう訳で終わりです終わり。僕ができることなんて無いのだ。やらないと言っている人間にやらせようとするのは大変なのだ。僕知ってる。

 

 はぁ………………………………どうにかしたいけど、これに関してはどうにもならないでしょ。もうあいつら退学でいいよ。むしろそっちの方が彼らのためだって。勉強しないのは退学でもいいって意思の表れだから。

 

 僕と綾小路は言うまでもなく座布団で、堀北さんがソファを陣取っている。僕ら紳士だから譲ってやったんだ。決して屈した訳じゃない。

 この部屋に来る女の人は、家主脅してソファに座らなきゃいけなかったりするの? 堀北、櫛田お前らのことだぞ。

 

 

「勉強が嫌で赤点退学だって言われてもやらないって言う人達を、助ける必要あるー? そんな事に時間使わないで遊んでかない?」

 

 おっ、綾小路は乗り気だな。堀北さんはどう? 今ならお菓子出すよ? 

 え? そんなのダメ? そーですか。そうですよね…………。

 じゃあ代替案出してみろよ鈴音ぇ! 僕は考えないぞ! 

 

 うんうんと唸っていたがいい案は出そうにない。

 ガチャリと鍵が開けられる音がして櫛田さんが来た。平田主催の勉強会に行くって話じゃなかったのか? 

 

 櫛田さんお疲れ様です。堀北さん苦しんでますよ。見にきたんですか? 違う? じゃあ何? 

 

「あれ? 今日は着替えてないの? ……ここに来たのは、藍葉くんにも須藤くん達を説得してもらいたいなって思って」

 

「さっきまで僕も死力を尽くして考えていたけど…………僕にも出来ないことはあるんだ。諦めてくれ」

 

 櫛田さんが言うならなんとかしてやらなくもないが、彼らに関しては難しいと言わざるを得ない。

 

「さっきこの部屋で遊ぼうって言ってたのは誰だったかしら」

 

「綾小路言われてるぞ」

 

「いや、オレの事じゃないぞ櫛田。藍葉が言ったんだ」

 

 なんで背後から刺そうとするの? 

 今の僕の背中はボロボロだと思うな。綾小路も遊びたい雰囲気出してただろうが! 

 

「……それはそれは。あとでお話ししよっか。藍葉くん。…………それは置いておいて、君には須藤くん達を説得する以外の選択肢はないの。もしかして、私の()()()聞いてくれないの?」

 

「聞いてあげたいけど、不可能だって話だよ…………。あいつらじゃなかったら、先生に補講頼んだりテスト作ってもらったりしてどうにか出来たかもしれないけど、やらないって言ってるんだ。本人がやらないって決めてるなら無理だよ」

 

 櫛田さんもこうは言ってるが、内心荒れているだろう。

 僕でさえこうなんだ。彼女の荒れ具合はもはや想像もつかない。これは今夜も愚痴コースかなぁ。

 

「でも、この先須藤君たちの力が必要になるかもしれないわ」

 

「そうは言ってもねぇ…………綾小路は何か思いつかない?」

 

 そうかもしれないけど、本人たちが力になる気がないのだ。厳しいのでは? 

 さっきから僕らの話を聞いているだけだった綾小路にも意見を聞いてみる。僕ら三人の視線に居た堪れなくなったような雰囲気で「いや、オレも特には思いつかないな」と一言。

 

「だよなぁ。というか僕は頑張ろうとしない人間を助けようとは思わないよ。残念ながらね……」

 

 肩をすくめてやれやれしてみる。ひぇっ睨まれた。

 やる気ないの三人を退学させないように頑張ろうとしてる堀北櫛田ペアは、普通に聖人では? 理由はどうであれ。

 その証拠に、僕は考えてないし、綾小路はさっきからずっとキョロキョロして部屋を見てる。

 さてはお前、友達の家に初めて来たな? 遊びたいんだろ? わかる。せっかくだし僕も遊びたい。でも雰囲気が許してくれないんだよね? 

 

「「「「……………………」」」」

 

 沈黙が場を支配する。気まずい。

 誰も何も喋らないなら僕が何か話すしかないじゃないか! だから早く話せみたいな目でこっち見ないで桔梗ちゃん。

 

「とりあえず、僕達が勉強会を開くにせよしないにせよ、彼らを集めない事にはどうにもならないと思うよ」

 

「そうね」

 

「どうしよっか」

 

 そんな中綾小路が少し言いづらそうに案を出す。

 

「あー、櫛田があいつらを誘えば少なくとも一回目は来るんじゃないか?」

 

「僕も櫛田さんが誘えば来るとは思うけど…………ね?」

 

 それは僕も考えたが、櫛田さんの負担が大きい。

 普段からあいつらのことをうざいと言ってる事を僕は知ってるので、できる事なら避けたいのだ。

 この部屋と自室以外でブラック桔梗を表に出すとは思えないが、リスクは少なければ少ない程いい。

 僕からしたら、彼らが退学になる事よりも櫛田さんがバレたくないと思っている秘密が、万が一にでも暴かれてしまう事の方がよっぽど嫌だ。

 

「わかった。私から誘ってみるね」

 

 マジか。どうしたんだお前。

 僕がちょっとかっこよく心の中でキメていたと言うのに。真面目にそう考えてたから恥ずかしいじゃん。

 

「その代わりに、綾小路くんと藍葉くんの二人にはしっかり教えてもらうからね!」

 

 ん? 堀北さんは? 堀北さんを含めないの? 

 

「わかった任せてくれ」

 

「はーい、やれるだけやりまーす」

 

「藍葉くん聞こえなかったかな? ()()()()教えるんだからね? よろしくね」

 

「任せてください。僕が完璧にしてやりましょう」

 

 ちょっと適当に返事しただけじゃないですかやだー。そんなに詰め寄らないで。

 あと、堀北さんにも何か言ってあげないの? 

 あげないんですねわかりました。

 

 はー仕方ないにゃあご主人様は。

 櫛田さんが言わないなら僕が代わりに応援してやるよ。

 

「鈴音」

 

「気安く名前で呼ばないでくれる? 不快だわ。貴方とそんなに仲良くなった覚えはないもの」

 

 多分癒えない傷を負ったわ。名前呼んだだけじゃん? そんな事言わなくてもいいじゃん? 

 僕達協力してAクラス目指すんだよね? 内部崩壊しない? 

 内部崩壊…………うっ頭が。

 いいよ。僕は綾小路を清隆って呼ぶから。やっぱり一番は清隆くんだよね! 

 

「堀北さんも一緒に頑張ろうね!」

 

 お前は僕が失敗してから言うのやめろ。

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 櫛田さんが三人を呼び出して僕と綾小路堀北さんで囲む作戦となった。

 呼び出しは成功するだろう。あとは堀北さん達がうまくやってくれる事を願う。

 僕は何するのかって? 

 

 僕は先生方にどんな感じにテストを出すのか聞きに行って、テストまでにどの問題を進めていくべきか聞きにいくところだ。

 囲む役やってみたかったけど、櫛田さんに却下された。

 僕がいるとややこしくなるらしい。なんだコイツがいるんだ的な。

 …………そんなので怒るか? 怒るか。怒るな。トリオだもんね仕方ないよね。

 

 コンコンコン。

 

「失礼します。茶柱先生いらっしゃいますか?」

 

 職員室の扉を叩いて茶柱先生を呼ぶ。

 何気に初めてこの学校の職員室に入る。前というか、昨日は堀北さんが呼び出して僕が便乗した感じだから実質ノーカン。

 

「ん? サエちゃんに何か用かな〜?」

 

 甘ったるい声と共に、人差し指を口元に当て小首を傾げた女性が出てきた。誰? 

 

「はい。ちょっと先生に助けてもらおうと思いまして」

 

「そっかそっか〜」

 

 うんうんと頷き笑う推定先生。どうしよう。誰だか本当にわからない。

 やっぱり櫛田さんと一緒にくればよかったか? 綾小路はどうせ知らないだろうし、堀北さんは囲い込み作戦の主役。でも、櫛田さんも呼び出した本人だし…………僕だけで解決しなければ。

 

「君。なんて名前なのかな?」

 

 私におしえてくれな〜い? と続ける童顔ぶりっこ教師。

 そのいい歳した大人がやるとイタイ仕草やめたら考えてやるよ。

 と、思っても口には出さない。大人しく名乗る。

 

「藍葉です。よろしくお願いします」

 

「藍葉くんかーよろしくね」

 

 あっはい。

 

「Dクラスってクラスポイント0なんでしょう? 大変じゃない?」

 

 はぁ? 大変だが? つーか馴れ馴れしいし、いきなりそんなこと聞くのは失礼だろ。初対面だろ。僕はお前の名前知らねーんだよ。こっちが名乗ったんだから名乗れや。常識的に考えろよ。なんで自分のこと知られてると思ってんだよ。知ってる訳ねーだろ。自惚れんな。せめて櫛田さんくらいコミュ力上げてから出直してこい。

 

 あ、そっか。この学校の教師に常識とか求めちゃダメだったよね。

 

 親が親なら子は子。学校が学校なら教師も教師なのだ。

 

 中学時代の先生を見習ってくれ。クラス爆散した僕と櫛田さんにも優しく接してくれたんだぞ。なんなら気がつかなくてごめんって謝ってくれたぞ。なんだあの人聖人か? 

 

「そうですね。大変ですが無料の物が結構あるので生きてられてますよ」

 

 正直面倒だが、教師に変な態度をとってクラスポイントを減らしたくない。

 0ポイントだから減らなかったわ。

 つまり適当な態度でも許される? 

 

 櫛田さんの下位互換を見せられ続けるのは酷いストレスだ。が、仕方ないから茶柱先生が来るまで適当に相手してやろう。

 

 この女よりも完璧な擬態。人に好感を抱かせる雰囲気。

 やっぱりウチの櫛田桔梗はすごいやつなんだ。

 

 それを今まで一番近くで見ていたのは間違いなく僕だ。誰だか知らない教師だが、僕がお前程度にデレると思うなよ! 

 

「サエちゃんに用があったんだよね? サエちゃんさっき出て行ったばっかりだから、私でよければ聞くよ? 話してみない?」

 

「そうですか? …………失礼ですが、先生はなんの教科を担当されてますか? 僕は担当してくださっている先生に用事があるので正直に言ってしまうと、先生にお願いできることがないんですよね」

 

「私? 私は保険室の先生だよ〜! 藍葉くんイケメンだから、保健室に来たら特別なお手当してあげる⭐︎」

 

 黙れ。

 何が⭐︎だよ。いい歳した大人が気持ち悪いんだよ。

 

「ははは、お世話になったらお願いしますね」

 

 僕は絶対に保健室に行かないぞ。僕は怪我の手当は一通りできるのだ。伊達に色々できる訳じゃない。

 茶柱先生……まだかなぁ? 

 

「教科の先生に何をお願いするのかな? 私も一緒に行ってあげるよ!」

 

「いえ、先生はお忙しいでしょうから。心配なさらず。お願いする時は茶柱先生と一緒に行きますよ。Dクラス担任の先生ですから」

 

「え〜遠慮しなくていいよ〜。ほら他の先生のところ行こう?」

 

 僕の腕を抱いて、ゴーゴーとか言いながら引っ張ってくる。

 ちっ、やめろ。お前見てると中学の浮気女と不倫女を思い出す。

 トラウマだって言ってんだろうが! 

 振り払ってもいいが、それで暴力行為だのなんだの言われる可能性がある。

 こここの学校のクソなところね。監視カメラがあるから行動が酷く制限される事。それっぽい言い掛かりとカメラ映像で責められそう。

 やってられねぇよ。

 

「いや、本当に大丈夫なんで離してもらってもいいですか?」

 

「えーいいじゃん。仲良くしようよ。ほら藍葉くんも私とくっつけて嬉しいでしょ〜? ほれほれうりうり」

 

 身体をすり寄せてくるビッチ。死ね。キモい。その薄汚い身体を僕に近づけるな。体臭をつけるな。下位互換がしゃしゃってくんじゃねえよ。どうせ誰にでもそうやって気持ち悪いことしてんだろ。どうせ彼氏も取っ替え引っ替えしてんだろ。こっちはベタベタされんの好きじゃないんだよ。近づいてくんな。

 だからそもそもお前誰だよ。僕はまだお前の名前知らねーよ。自分が誰にでも知られてると思うなよ自意識過剰かよ。大人が恥ずかしいぞ死ね。

 

 …………ふぅ。落ち着こう。

 内心これだけ荒ぶっていても、おそらく崩れてないであろう僕の表情筋。流石だ。それがなかったら嫌悪感に塗れた表情になっていたこと間違いなしだ。

 ありがとう表情筋。これからもよろしく表情筋。

 

「恥ずかしいのでやめてもらえませんか? その、他の先生方の視線も集まってますし……」

 

「恥ずかしいの? ふふふ、かわいいなぁ藍葉くん」

 

 あぁぁぁぁぁああああ?! 

 なんでコミュニケーション間違えちゃうかなぁ?! 

 恥ずかしいの? じゃねえんだよ。恥ずかしいことしてんのはお前だつーの! 

 自覚してどうぞ!! 

 

「さぁ! 私と一緒にい─────イダッ?!」

 

「藍葉どうした。私に用か?」

 

「茶柱先生っ! 僕は先生を待ってたんですよ! ささ! 僕の用事を聞いてください! お願いします! 本当に! 切実に!」

 

「サエちゃんひどーい。藍葉くんもそんなに言わなくてもいいじゃない」

 

 茶柱先生がこの女の頭を叩いて現れる。

 茶柱先生が女神だったか。僕の女神は二人いた? 

 僕の腕を取っていた女は痛みで頭を押さえている。その隙に僕は茶柱先生の方は移動し、後ろに隠れる。

 女がぶーと口を尖らせているが、いい歳した大人が恥ずかしいと思わないのかな? それが許されるのは小学生までだ。自分の年齢自覚してどうぞ。

 

「チエ生徒に手を出すのはやめろ」

 

「そんなことしてないって〜。私はただ藍葉くんと仲良くなりたかっただけだよ」

 

 ちえ? ……ちえ。

 ああ、この人の名前か。

「チエ」ねぇ? 漢字で書くと知恵かな? 

 

 …………今の貴女の姿を見たら親はどう思うか考えてみたら? 

 

「藍葉行くぞ。また指導室で聞いてやる。…………お前はついてくるな」

 

「えー藍葉くんも私についてきて欲しいよね?」

 

 だるいなぁ。僕君のこと好きじゃないんだよね。

 

「今回は茶柱先生と二人の方が嬉しいですね。……チエ先生にはまた今度頼らせてくれませんか?」

 

「むー仕方ないなぁ。今日はやめておいてあげるよ。また今度ね! サエちゃん」

 

 まだなんかあんの? そろそろ僕も限界なんだけど。早く離れよう茶柱先生。

 

「なんだ?」

 

()()()狙っちゃダメだよ?」

 

「そんなつもりはない。不良品の集まりには無理だ」

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

 

「で、今日はどうした? また編入か?」

 

 違います。やめてください。

 

「中間テストについてですよ」

 

「ほう。なんだ、内容は教えられないぞ」

 

「聞きませんよそんなこと……」

 

 流石にね? 

 

「僕が聞きたいのは、先生の科目はどういう方式で問題を出すのかです。あとは、テスト範囲内の単語テストを作ってもらいたいんですよね」

 

 マーク式ならわざわざ漢字を覚えさせる必要がないし、記述の練習をさせる必要はない。記述式ならそれらをやらなきゃいけないから面倒だ。

 どんな風に出るのかわからないテストなんてやってられないのだ。

 単語テスト作ってくれっていうのは、単純に僕らが作るより先生が作った方が完成度が高い。

 何より作る時間を取りたくない。仕事だやれ。

 

「マーク式だ。コンピュータで読み込むから採点ミスはほぼないと言っていいだろう」

 

「そうですか。他の教科もマーク式ですかね? わかったりします?」

 

「さぁ? 私に聞いたように他の先生方にも聞いてみたらいいんじゃないか?」

 

 それくらい把握しとけよ(理不尽)。

 まあ、他教科がどんな問題出すかなんて知らないのは当然だな。聞けたらラッキー程度だったからいい。

 

「テスト範囲の単語テストを作ってもらえたりしませんか?」

 

「ポイント次第だな」

 

 は? 作れや仕事だろ? 

 

「…………そうですか。中学の頃の先生は作ってくださったんですが、ダメですかね? これもしっかり僕が中学までに教わった勉強の仕方ですよ」

 

「ポイントを払えば作れるぞ。社会に出たらお願いする時は対価が必要だ」

 

 はぁ? 社会人として必要な教育してる? ここ。

 

「ちなみにいくらですか?」

 

「そうだな……」

 

 は? 今考えんのかよ。ふざけんな。元から設定してたんなら納得するけど、今思いつきでやられちゃ困るんだが? 

 

「一回一万ポイントで作ってやろう」

 

「高くないですか? 今考えた値段ですよね? おかしくないですか?」

 

「なら私は作らないだけだ。自分たちで作ればいいだろう? 成績が全員悪い訳じゃないんだ。出来ないことはないだろう」

 

「…………そうですね。わかりました。僕達でやってみます」

 

 いいよ別に。作るのが面倒くさいからやらなかっただけだし。

 

「私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。しっかり頼むぞ」

 

「はい。あ、小テスト作成のアドバイスはもらってもいいですよね? 僕達素人が作った物よりも、先生監修の方が安心できますし。……それに先生もDクラスの仲間ですから。一緒にAクラス目指すんですよ」

 

 わかってるよね? 

 教師が非協力的だと、どうにかなる事もならない事があるから。頼むよ本当。

 

「アドバイスくらいならしてやる…………私が仲間ね」

 

 アドバイスくらいしてもらわないと困るから。

 あと、()()になんかあるんですか? やめてね変な過去があるとか。ウチ闇深展開とか、シリアス受け付けてないんですよ。

 友達に裏切りとかされたんか? 

 なんかあっても僕には話さないでね? 堀北さんと貴女似てるからそっちに話してね? 僕は恨みとか無いけど、面倒事はとりあえず堀北さんにお願いね? 

 逃げ時と見たね。

 

「じゃあ僕は他の先生にも同じ事をお願いしてみるので、失礼します」

 

「藍葉」

 

 僕が扉に手をかけて出ようとした時、背中から声をかけられる。

 

「どうかしましたか?」

 

 いきなり過去回想始まります? やめてね。

 

「さっきお前はチエの事を知恵先生と言っていたな?」

 

 ん? 急に話がとんでる。

 

「はい。そう呼びましたけど……?」

 

「いや、無理やり言わされてたりしないか? 嫌そうだったからな」

 

 そんなことかい。僕が身構えてたのがバカみたいじゃん。

 

「ああ、知恵先生って呼んだのはさっき名前を知ったからですね。正直名前も知らない先生に絡まれて困ってたんですよ」

 

 一瞬ポカンとした顔を茶柱先生はすると、僕の言葉を理解したのか笑い始めた。

 

「そうか、あいつはBクラスの担任の星之宮知恵。気をつけろよ。あんなのでもかなり頭は切れる」

 

「そうなんですか。Bクラスは一之瀬さんくらいしかわかりませんが、あそこのクラスの担任の先生でしたか。先生がそういうなら気をつけておきましょう」

 

 Bクラスかぁ。いいクラスだよなあ。仲が良さそうで。僕もあそこが良かった。

 

「せっかくだ。お前がチエの事を知らなかったと伝えておいてやろう。あいつがどんな顔するのか楽しみだな」

 

「え?! いやいややめてくださいよ!」

 

「わかったわかった。伝えないから安心しておけ。ほら他の先生方のところにも行くんだろ? 早く出ろ」

 

「ちょっと?! 本当に伝えちゃダメですよ? お願いしますね?!」

 

 そのまま僕は追い出されてしまった。

 めちゃくちゃニヤニヤしてたんだけど。大丈夫だよね? これから星之宮先生にダル絡みされないよね? 伝えないでね? 

 

 追い出された後、先生を回ったがやはり小テストを作るにはポイントを払えと言われた。まあ、テストの出題方式はわかったからいいだろう。

 小テスト欲しかったなぁ。あればどんな問題出すか予想が立てやすかった。

 あの三人はある程度山張らないと厳しそうだからなぁ。

 

 いいや、とりあえず綾小路達と合流しようか。

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

「───という感じだった。それで、そっちはどうだった? 三人は勉強するって?」

 

 いろいろまわって、僕の部屋に戻ってきた。

 ソファには櫛田さんと堀北さんが二人並んで座っている。レアな光景だ。二人用だからそれなりに狭く、二人はくっついている。

 仲良いね♡

 僕と綾小路は無論座布団。

 これがカーストです。学びが増えたねやった。

 

「一応、明日から私たちも勉強会を開く予定よ」

 

 堀北さんが櫛田さんの隣で話す。

 なるほど。囲んで逃げられなくする作戦は成功したらしい。明日から勉強始められるとは思ってなかった。正直断られるかと思ったよ。

 …………ダメだ。二人並んでるのが面白すぎる。

 美少女二人が並んでるのは絵になるんだけどなぁ。両方とも内面がなぁ。

 

「櫛田のおかげだな。オレと堀北だけだったらあいつらは参加しなかっただろう。助かった」

 

「えへへ、そんなことないよ。私も教えるのに協力するから綾小路くんも頑張ろうね」

 

 おお、いいぞ綾小路。その調子で煽ててやれ。これから彼女にとって地獄のひと月が始まるからな。

 今のうちに承認欲求満たしとけよ。

 

「じゃあ手分けして問題作ろうか。とりあえず出来上がったら僕達で一回解いてみて手直し。そこから教科の先生にメールで送ってアドバイスをもらう。こんな感じで行こうか」

 

 自分で言っておいて何だが、僕らの負担が大きすぎる。

 他に方法はないものか? 流石に一万ポイント払って一回小テストを作ってもらうのは高すぎる。

 それなら参考書のコピーでいい。

 

「作ってもいいんだが、オレたちの負担が大きくないか?」

 

「私もそう思うな。教える事を考えると、そんなに余裕あるかな?」

 

「そうね。私もそれをやるのは厳しいと思うわ」

 

「…………まぁそうだよね」

 

 やっぱりそうなるよね。僕もそれは思ってた。

 どうしようかと考えようとしたところ、櫛田さんが提案する。

 

「数学とか理科は教科書の問題があるから、その問題を解いて貰えばいいんじゃないかな? 私たちが作るのは、暗記科目のテストだけに絞るって言うのはどうかな?」

 

「それくらいがいいだろう。オレたちも勉強しなきゃいけないしな」

 

「確かに」

 

「私たちは須藤くん達が解いた問題の解説を教えましょう。それに加えて、暗記物の小テストを作ればいいわね」

 

 まとまった。

 やっぱり僕だけじゃいいアイデアなんて浮かばないよな。人がいた方がこう言う時はいいな。すごく助かる。

 

 小テストを作らない先生に、アドバイスはいらない事を伝えておこう。ひとまずメールで送って明日直接言いに行けばいいかな。

 

「いい時間になっちゃったね。夕飯もあるし、今日はこれで終わりにしよっか」

 

「そうしましょう。明日の準備もあるもの」

 

 じゃあ解散! 

 と、言おうと思ったが、綾小路の顔が……しょぼんとしてる。

 ………………そんな顔でこっちみないで。僕が出したカップをちょっと握って帰りたくないみたいな顔しないで。

 何でそんなあざといんだよ。

 そんな顔しても今日は解散なの! 早く出て! 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………夕飯みんなで食べない? 実は僕、自炊してるんだ。人に振る舞ってみたかったんだよね! 嫌だったらいいんだけど、どうかな?」

「オレは食べていく」

 

 めちゃくちゃ反応が早かったな。

 瞳がキラキラしてる。何だこいつ。めっちゃかわいいな。

 すごい期待されてる感じが嬉しい。

 

「二人はどう? せっかくだし食べてもらいたいなあ〜?」

 

「なら私もご馳走になろうかな。美味しく作ってね!」

 

「堀北はどうだ?」

 

 櫛田さんはたまに作ってるから僕の料理知ってるだろ。

 綾小路が堀北さんを誘うとは……友達判定が出たのかな? 

 間違いなく僕は友達。

 

「…………わかったわ。私もお邪魔するわ」

 

「わかった。じゃあ準備するから待っててね。一回部屋に戻って荷物置いてきたら? それくらいの時間はあるよ」

 

 三人は一度部屋に戻っていった。

 去り際に綾小路が「すぐに戻ってくるからな」とか言ってた。束縛激しい彼女かな? 

 二人目はいいかなぁ……。

 鍵は開けたままにしておこう。綾小路が戻ってきた時しまってたら、絶望しそうだし。

 

 僕も普段の着流しに着替えてキッチンに立つ。

 さて、何作ろうかな? 

 冷蔵庫を見る。葉っぱに味噌汁の残り。野菜もそれなりに残ってるし、調味料は一通りある。冷凍庫には余った米と、肉類。冷凍食品もいくらか。

 こう言う時は雑にハンバーグか? なんかそんなイメージあるわ。

 ハンバーグでいこう。

 米を研いで炊飯器にセット。四合あれば足りるよね? 

 

 準備を始めて少しすると、誰かが入ってきた。綾小路かな? 

 

「お邪魔するわ」

 

「どうぞ。その辺に座って待っててよ」

 

 堀北さんだったわ。綾小路すぐ戻るとか言ってたのに遅くない? 

 

「貴方、部屋だといつもそんな格好なの?」

 

「そんな格好とはなんだ。日本人だからいいじゃないか。堀北さんこそなかなかかわいい服着てるじゃん。もしかしてちょっと気合い入ってる?」

 

「そんなわけないじゃない。これが普通よ。でもあなた……和装なのね」

 

 何でそんなに着流しを気にするの? 僕は学校から帰ってきたらいつもこの格好だ。

 

「かっこいいでしょ? 小学生の頃からずっと和服着てたよ。中学も休日はいつもこれで出歩いてた。だからこれが普段の格好なの」

 

「そう、変わってるのね」

 

 …………まあいいさ。こう言うのは個人の自由。この学校に持ち込んだ物の大半はこれが占めてたけど。

 いいのだ。これが僕のアイデンティティ。

 

「お邪魔しまーす」「お邪魔する」

 

「どうぞー。遅かったね綾小路どうし…………どうした? そんな顔して」

 

 表情が沈んでる。前の櫛田さんの演技の比じゃない。割としっかり沈んでる。この少しの間で何があった? 

 

「あ、この部屋の前で絶望した顔でかたまってたんだ。だから私が鍵を開けてあげたの」

 

「僕は鍵開けたままにしたけど」

 

「あ、私が閉めたわ。開けたままは危ないじゃない?」

 

 ま、まあそうだけどね? 

 

「堀北……お前か」

 

 綾小路がしょんぼりしてる。

 あざとい。なのに何でかわいいと思ってしまうんだろうか? 

 やはり天然か、天然だからか? 計算され尽くされたあざとさもいいが、やはり天然は強い……! 

 

「まあまあ、そこらに座って待っててよ。ゲームとかはないけどね」

 

「藍葉、お前普段からその格好なのか?」

 

 あ、このくだりもう一回やる感じ? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

「できたよー。ご飯は自分で盛ってね」

 

 食器にハンバーグと野菜を盛り付けて、少量だが味噌汁を注ぐ。

 押入れの中から広めの机を引っ張り出して、今出ている机と変える。座布団も二枚追加だ。これでみんなで食べられるね! 

 

 食器を机に並べて三人がご飯をよそうの待つ。

 

「櫛田さん、あなた意外と食べるのね」

 

「確かに。そう言うのに気を遣ってるものかと思っていたがそんな事はなかったんだな」

 

「堀北さん? 綾小路くん? それ私に失礼じゃない?」

 

 …………僕はしーらね。

 

「藍葉くんの料理が美味しいのが悪いんだよ! 普段はこんなに食べないってば」

 

 えっ? それガバでは? 言っちゃっていいの? まだ食べてないよ今日。

 

「偶に食べに来てるのか?」

 

「あっ、…………そうだよ。中学校が同じだって話したでしょ? その頃からの付き合いだからね。たまーにお邪魔してたんだ」

 

 こっちを見るな。僕は何も悪くないからな。お前のガバです。教室でやらないでね? 

 

「そうか。…………オレも偶に来てもいいか? 材料費は出す」

 

 すごく羨ましそうに櫛田さんをみた後に、遠慮がちに綾小路が聞いてきた。

 

「いつでもおいでとは言えないけど、連絡してくれれば来てもいいよ。むしろ僕も来て欲しい。綾小路以外に男の友達がいないんだよね」

 

「いいのか?! ありがとう」

 

 めっちゃ嬉しそう。僕も友達が部屋に来るのは嬉しい。

 堀北さんはそんな綾小路を呆れた顔で見ていた。

 

 

「「「いただきます」」」

 

「召し上がれ。ご飯はまだ残ってるから好きな時にお代わりしてね」

 

 どんなもんよ。小学生の頃から磨き上げてきた僕のお料理技術は。

 櫛田さんが手作りのお菓子をくれて美味しかったから、僕も負けてられないと作り始めたんだっけなぁ。

 おかげで僕も櫛田さんも無駄に料理が上手くなった。

 

「美味しいわね」

 

「美味いな」

 

「でしょ? だから私の食べる量が増えるのも仕方ないんだよ」

 

 驚いたように目を見開いて言う堀北さんに、当然だとばかりに頷きならが僕を褒める綾小路。

 後方理解者面か? お前初めて僕の作ったもの食べたじゃん。

 櫛田さんは量が多い事の理解が得られたようで嬉しそうだ。

 

「それなら作った甲斐があるよ」

 

 うん。我ながらいつも通り美味しい。

 お昼ご飯を無料の料理を食べてる分、夕飯が豪華なのだ。残り物をタッパーに入れて山菜定食と食べれば完璧。

 

「櫛田と藍葉は中学から仲が良かったのか?」

 

「そうだね。小学校からの仲だよ」

 

「じゃあ何でクラスだとほとんど話してないんだ? 偶にここに来て夕飯を食べてるなら、仲が悪くなったとかじゃないんだろ?」

 

 あーそれかぁ。

 

「ほら、櫛田さんはクラスのアイドル的存在だから。そんな中で中学が同じで同じクラスの男がいるって知られたら、山内とか絶対絡んでくるじゃん?」

 

「「ああ、そういう」」

 

 綾小路だけでなく堀北さんも納得したようだ。

 

「あなたたちが、クラスで話してないのを不思議に思ってたのよ。絡まれたくないって理由なら納得だわ」

 

「本当は私ももっと話したいんだけどね」

 

「お陰で綾小路とも友達になれたから悪いことじゃないよ。僕が櫛田さんとクラスで仲良くしてたら、多分話しかけづらかったでしょ?」

 

「そうだな。多分オレから話しかけることはなかっただろう」

 

 シャイボーイめ。僕も櫛田さんと話してたら、綾小路と話すことはなかっただろう。多分ずっと櫛田さんと話してた。

 

「堀北は中学のときどうだったんだ?」

 

「前にも言った気がするけど、今と変わらず勉強ができるぼっちだったよ」

 

「私はそれで良かったからいいのよ」

 

「お前……」

 

「あははは…………」

 

 おい、綾小路がこの話題振ったんだぞ。どうにかしろ。

 

「おかわりしてくる。これ本当に美味いな」

 

 あ、逃げた。

 

 

 

 

 

 

「「「ごちそうさまでした」」」

 

「お粗末さまでした。食器は重ねてシンクに置いておいて。後で洗っておくから」

 

「いや、これくらい洗わせてくれ。作ってもらったのに何もしないのは申し訳ないからな」

 

「私も手伝うわ。綾小路くんだけじゃ不安だもの」

 

「それならお願いしようかな? ありがとう。助かるよ」

 

 いい子達だ。気遣いができる。

 で、お前は何をしてるんだ櫛田。

 

「ん? 洗い終わったお皿を棚に戻す役をするよ。私が何もしないみたいな目で見ないでくれるかな?」

 

「わるうござんした。じゃあ食器は頼むよ」

 

 多分綾小路と堀北さんも同じことを思ってたと思うよ。

 

 

 片付けが終わった。

 

「私はもう帰るわ。夕食ありがとう。美味しかったわ」

 

「じゃあオレも帰ろう。今度は食材持ってくる」

 

「どういたしまして。材料があれば割と何でも作れるから任せて」

 

 流石にコース料理とか言われると面倒だけどね。ある程度の物は作れる。いろいろやらせてくれた親には感謝しかない。

 ささ櫛田さん、おかえりの時間だよ。

 

「私はもうちょっと残ってもいいかな? まだお腹いっぱいなんだ……」

 

「ああ、櫛田が一番食べてたもんな」

 

 玄関まで送るために立ち上がる。

 

「また明日。勉強会頑張ろうね。おやすみ」

 

「ええ、それじゃあ。おやすみなさい」

 

「ああ、頑張ろう。おやすみ」

 

 二人が出て行き、鍵を閉める。

 

 

 

「で、一人で残ってどうしたの?」

 

「私が残っちゃダメって言いたいの?」

 

 ここからはブラック桔梗ちゃんと二人っきりのパーティーだぁ! 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

「山内と池がキモい」

 

「私の身体ばっかみやがって死ね! 死ね! 死ね! 気持ち悪いんだよ!」

 

「バレないと思ってんの? バレバレだよバーカ! 死ね! 死ね! 本当に死ね!」

 

 さて、綾小路たちが帰って僕はブラック桔梗ちゃんの話を聞いている。

 

「あーうっざいなぁ。私が何も言わないからって調子乗ってんじゃねえよ」

 

 まあ、一方的に聞かされていると言ってていいだろう。

 

「須藤も何がバスケだよ。勉強やらない理由にならないんだよ! 死ね!」

 

 確かにそれはそうだ。

 櫛田さんは、さっきまで堀北さんと座っていたソファにうつ伏せになったり、仰向けになったり全身を動かして叫んでいる。あっクッションべしべしやるのやめて。

 髪の毛もボサボサで服も皺がよっている。

 荒ぶっているのをよそに、僕は熱々の緑茶を注ぎながら眺めている。

 

「うんうん。そうだね。お茶どうぞ」

 

「そうだよね?! あいつら気持ち悪いよね! はぁ、最っ悪…………あちっ」

 

「それいれたて」

 

「言うのが遅いよ……」

 

 ソファから立ち上がると、コップを取り出して水を飲んでいる。

 火傷したらしい。かわいそうに。

 

「そんなんでって言ったら悪いけど、明日から大丈夫?」

 

 多分鼻の下伸ばしながら近づいてくるし、説明してる時も視線がテキストに向かないぞ。

 

「大丈夫な訳ないじゃん。見てわからない?」

 

 わかるけどさ。

 

「あーヤダヤダ。今日は最悪だよ」

 

「明日からはもっとやばいよ」

 

「綾小路がこの部屋にくるのはいいけど、何で堀北もあげてるの? あんなやつ外に放っておけばいいじゃん」

 

 堀北さんの何がそんなに気に食わないんだ。勉強はできるけど、お前も同じかそれ以上にできるし、運動は……まあ普通以上にできるじゃん。

 

「そうは言っても、僕は別に堀北さんのこと嫌いじゃないしな」

 

「はぁ?! あんな奴のどこが好きなの?! 言え!」

 

「好きじゃない。嫌いじゃないだけだよ」

 

 だから掴みかからないで。顔が、顔が近いよ。前もこのくだりしたよ。

 

「私と堀北どっちが好き? 答えて」

 

「櫛田さんの方が好きだよ」

 

 こ、怖い。今日はマジでどうしたんだ。

 そんなにストレスだったのか? 山内と池と須藤の説得。

 

 すると掴みかかってきた手を離し、その手を僕の頬に当て顔を上げさせられる。至近距離で見つめ合う形になった。

 

「堀北とか他の奴に入れ込んじゃダメだから。……わかった?」

 

「わかってるから。落ち着いて」

 

 僕の手を彼女の手に添えてゆっくりと、顔から離させる。

 

 本当にどうしたんだ。相当ストレスが溜まっている。前もちょこちょこあったが、まだ高校入って一ヶ月だぞ。

 やっぱり、この学校やめない? 辞める時は一緒に辞めるからさ。

 多分山内とか池とかの不愉快な視線とか態度とかが影響してるんだろうけど、僕がどうこうできる問題じゃなさそうなんだよな。

 どうにかしてあげたいけどね。

 

「深呼吸をしよう。まずは息を吐いて……吐いて……吐いて……吐いて…………」

 

「いつまで吐かせるの?!」

 

 スパァン。

 

「落ち着いたみたいだね!」

 

 頭を叩かれた。

 深呼吸って、まずは深く()くんだよ。だからそれを実践したと言うのに。やれやれだよ。

 

 

 あ、さっきの入れ込まないでって話だけど、綾小路はかなり仲良くなったよ! 

 

 もう一発叩かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 とても疲れていたようで、僕を叩くと櫛田さんはベッドの方に行き、倒れ込むようにして寝てしまった。

 そこ僕のベッドなんだよね。そこで寝られると僕の寝床がソファしかなくなっちゃうの。

 

 ………………。

 

「全く、仕方ないなぁ桔梗ちゃんは」

 

 僕はベッドを占領して寝ている女王様にタオルケットをかけてやる。うつ伏せで顔は見えないし、死んでるみたいだ。

 そんな様子を見て僕は、この部屋くらいは櫛田さんが自分のままでいられるようにしておきたいと思った。

 そしたら、綾小路と堀北さんに来ていいよって言ったのは失敗だったかもしれないなぁ。

 

 お風呂入ったら僕も寝よう。まだ明日も学校だ。

 

 

 風呂から上がり寝る前の支度を全て終わらせる。

 クローゼットから掛け布団を取り出しソファの上に横になる。

 

 やっぱり櫛田桔梗はすごいと思った一日だった。さっきは荒れてたけど、外では絶対にそんなの見せない。多分あれだけ嫌がっている池や山内と話しているときには、可愛い笑顔で内心なんてかけらも見せないのだろう。

 本当に君はすごいよ。それだけ頑張っているんだから、少しは報われてもいいんじゃないかな。

 櫛田さんがこれだけやってるんだ。今回のテストで赤点が出ない様に僕も全力で頑張ろう。

 

 ちょっと前まで櫛田さんがゴロゴロしてたせいで、ソファから櫛田さんの匂いがする。

 ……寝れるかな? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

 

 朝起きたら櫛田さんは既にいなかった。

 まあ、どっかのタイミングで起きて帰ったんだろう。

 見られない様に気をつけてくれればいいよ! 

 

 さて、僕も今日一日頑張るぞ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………僕がテスト作成のアドバイスいらないって言いに行ってる間に何があったの? 

 

 僕が戻ってきたときには、既に勉強会は崩壊していた。

 

 

 おいおいおい、流石の僕も笑えないぜ。

 櫛田さんがどれだけ頑張ってるとおもってるの? 

 彼女が言っていた不満を知っている僕からしたら、()()のやらかしは許せない。

 

 勉強会は一日も持たず既に崩壊している。

 ここから、赤点を取らせない様にしなきゃいけないのか? 

 勉強の意欲が下がった状態で? 

 

 僕は天を仰ぐことしか出来なかった。

 




藍葉くん
料理も得意。
櫛田ちゃんのメンタルが心配。フォローしてあげなきゃと思ってたら堀北さんがやらかして、怒ってる。
もはや櫛田ちゃんの厄介オタク。

櫛田ちゃん
料理もできる。
ストレス値高め。
藍葉くんとの関係がある分、男の視線が原作よりも不愉快に思っている。
ところで何でソファにもベットにも横になったんですか?


今回の話はどうでしたか?
シリアス風になってしまって自分としては皆さんがどうおもってるのか気になります。
よろしければ感想をお願いします!!!!

読みたい間話

  • 一之瀬さんニセコイ作戦(時期ずれ)
  • 綾小路くんTS(夢オチ)
  • もし高育に櫛藍が来てなかったら
  • 櫛田さんと藍葉くんの過ごし方(中学時代)
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