クラス爆散女と行く実力至上主義の学校   作:櫛田ちゃんかわいいよ

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感想評価誤字報告ありがとうございます!

これに感化されて書き始めてくださった方がいてめちゃくちゃ嬉しいです。
書き始めてくれてうれしいなぁ(ニヤニヤ)
いやー私もちょっとは有名になってるじゃないか!
と思ってたら、
日間一位になってましたねその方………!
久しぶりによう実二次が日間一位になってるの見ました。
すごい!!!(某田舎者感)
いやめちゃくちゃすごい!!尊敬します!!
一話目にして既に私超えてるよ(白目)


う、ウチの櫛×藍も負けてないはずなので!!!
今後ともクラス爆散女をよろしくお願いします!!!


キャラクターの名前間違えるやらかししてました。申し訳ありません。



ギャンブルして勝ってポイント残ってよかった。

 月が明けた。

 我々にはポイントが振り込まれなかった。

 

 

 ??? なんでー??? 

 

 なるほど笑笑Dクラスは0ポイントから逃れられぬ宿命というわけですかそうですか。

 

 …………ボドゲ部襲っといてよかったぁぁぁぃぁあ!!!!!! 

 

 これいくらか勝っておかなかったら危なかったな。今月も0ポイント生活になる所だった。流石にそれはきつい。十万円で三ヶ月食費やら何やらのやり繰りするのは無料の物があるとはいえ厳しい。

 急に学校から「お前気に食わないから退学ね^ ^」とか言われかねない学校だからポイントはあったほうがいい。

 退学取り消しには2000万ポイント必要らしいけど。十万ちょっとしかない(感覚麻痺)僕のポイントじゃどうにもならないけど。この学校においてはポイントが正義なのでいくらあっても足りないのだ。

 やっぱり金銭感覚くるっちゃーう。

 

 まだホームルーム前だと言うのに、すでにクラスの雰囲気は悪い。先月の始めを思い出すぜ。要するに辛いってこと。

 今月乗り切れるかー? 僕はもうクラス崩壊とか嫌だぜ。みんな仲良くとは言わないけれど、ある程度の協調性を持ってこの窮地を乗り越えようじゃないか。

 

 なになに? ポイントの振り込みが遅れているのはいざこざがあるから? 

 マジかよ。我々Dクラスは、問題が一つも起きない月とか今後できるのかな。謎である。

 先生の話によればCクラスの何某と、ウチの狂犬須藤くんがどんぱちやったらしい。向こうのクラスの何某は怪我をして、僕たちのクラスを訴えてきている様だ。

 ほえー。なんか怖いね(小並感)なんで痛いのがわかってるのに殴ったりするんだろうか? 喧嘩早い人とか喧嘩好きな人はMなんだろうか? 痛いのが気持ちいいと思っちゃう人なんだろうか。謎である。

 

 須藤くんによると、レギュラーになったことへの僻みから呼び出しを受けて、教室へ向かったら囲まれて詰められて喧嘩になったらしい。先に仕掛けてきたのもあちら側の様だ。

 

 来週に沙汰が下されるらしいので、それまでにどうにかしなければいけない様だ。

 

 …………この学校なら普通に監視カメラあるのでは? 

 

 いや、あったらとっくに解決してるか? 

 でもなぁ、ポイントでなんでもできるっぽいからなぁ。

 今回の喧嘩に関して「監視カメラの情報を使えない様にする権利」とか買われたらどうにもならなくない? 僕たちがまたポイント払えば買い取れるのか? 

 うーん、僕にはちょっとわからないなぁ。

 派閥争いに暴力、ポイントがあればなんでもできる。

 …………辞めたい。切実に辞めたい。でも櫛田さんが辞めないしなぁ。僕が辞めたいからって一緒に辞めてもらうのもなぁ。僕だけで辞めるのもなぁ…………。

 はー、なんでこんな学校きたんだろうか。僕の学力ならもっといい学校(普通の学校)にいけたはずなんだけどなぁ。

 

 日本一を謳う名門校で暴力沙汰が起きてるとかどう考えてもマスゴミ案件だろ。お前ら芸能人の不倫とか熱愛とかくだらないこと取材して追っかけ回すんじゃなくて、こう言う学校を徹底的に調べ上げて世間に晒しあげろよ。絶対こっちの方が視聴率上がるぞ。

『非人道的?! 日本一の学校に潜入取材!! いじめ暴力も独自通貨の取引で隠蔽か?! 名門校の闇に迫る!!!』

 って感じのタイトルで放送しない? 

 絶対くだらない理由で退学させられた人いるから、その人たちへのインタビューもしてさ。そう言う人なら嬉々として語ってくれるだろ。この学校の教師とか上の人間訴えようぜ。いじめとか暴力とかもあるだけ並べてみたら結構戦えるんじゃない? 

 知らんけど。

 

「綾小路、これどうなると思う?」

 

 とりあえず困った時の綾小路だ。聞くだけならタダだからね。頼らせてもらうよ! いい案を出してね! 多分君にかかってる! 

 

「オレにもわからないが、無実を証明するのは難しいんじゃないか?」

 

「だよねぇ。この学校の事だから監視カメラがあると思うんだけどなかったのかな? Cクラスの何某が知らないだけで超小型のカメラとかあってもおかしくなくない?」

 

「その可能性がないとは言わないが、可能性の話をしたらキリがないと思うぞ」

 

「まあ、そうなんだけどさ。何を以て100%ここでなら問題ないって思ったんかね? この学校の異常さを思えば、教室にある様な目に見えるカメラが回ってなければここにはないな! って発想にはならなくない?」

 

 ま、可能性の話を始めたらキリがないと言われてしまったので辞めておくけどね。

 割とマジで見えてない気がついてないだけで、カメラあると思うんだよなあ。ないと確信できる何かがあったから実行したんだと思うんだけど、僕には思いつかない。なんだろ、盗聴器発見機でも売ってるのかな? 

 

 いや…………目に見えないカメラがあったとしても、それは情報として使えないと踏んだって事だったりする? 

 そしたらCクラスマジでやばいな。頭の回転早すぎだろ。どんな生き方してたんだ? 

 もし、超小型のカメラが喧嘩の一部始終を捉えていたとして、これを証拠として扱ってしまったら、学校側と生徒側の暗黙の了解ともいえる(あるかどうかは知らないが)プライベートな空間──例えばシャワー室や個人の部屋──の監視はしてないというか体が崩れてしまうって考えたってことか? 

 

 これどうにもならなくないか? こんな事考えて実行できる様な奴がヘマするとは思えないわ。

 

 …………さて、どうしようかなあ? 

 

 ひとまずは授業を聞かなければ、ポイントが下がる事間違いない事だからね。

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

 放課後になった。

 堀北さんは須藤くんに詳しい話を聞くらしい。

 うん。それはいいんだけどさ。なんであまり惚気を聞かせないでとか言うの? 僕何もしてなくない? 惚気たっけ? 

 

 まあいいとも。とりあえず僕は件の教室でも見に行こうかな? 

 現場検証よろしく白い手袋でもつけてみようかな。いや、部屋に取りに戻ったら100%帰ってこれない。大人しくこのまま行くか。

 

 

 

 

 事件現場に一人で向かいながら、どうやったら我々のポイントを減らさないようにできるか、少し考えてみる。

 

 まず須藤くんの言い分として、バカにして言いがかりをつけてきた上で先に殴ってきたのはCクラス。

 Cクラスの言い分としては簡単に言って仕舞えば、なんでかわからないけど殴られた。我々は悪くない。

 みたいな感じだろう。

 

 僕は須藤くんが正しい事を言っている前提で考えよう。そうじゃなかったら……もう終わりだ。学校辞めたくなる。

 一応これから僕も探してみるが、カメラは見つからないだろう。あったら流石にこの学校でも対応してるはずだ。

 そもそもこんだけカメラあるんだから設置してないってことは、つまり()()()()事なんだろう。

 だからと言って、よし! 暴力振るったろ! ってなるのはシンプルに社会不適合者でサイコパスだ。考えたやつお前一生この学校(監獄)にいろよ。社会に出てくるな。性犯罪者と同レベルでゴミだぞ。

 

 …………こんなするかもしれないって発想が出てきた時点で、僕も相当この学校に毒されてきてる。一応こういう事件が起きたのは初なんだけどなぁ。

 

 Cクラスは先月の時点で顔に青あざ作ってるやつが何人もいた。

 一般的に考えて、青あざ作るほどの喧嘩が、授業態度の悪さよりもポイントが引かれる原因にならないとは考えられない。なのにクラスポイントがゼロになってないということは、喧嘩をしても「カメラに映っていないなら問題ない」ことの証明だろう。

 ここの教師もしかして、暴力行為の記録がないから私たち悪くありません的な態度で乗り切ろうって思ってるのか? 

 無理だろ普通に問題だと思うけど? 

 指導しろよ。話を聞けよ。原因をなくす努力をしろよ。

 どう考えても停学やら退学やら措置をするべきだろ。なんで放置してるんだよ。対処しろよ教師の頭おかしんじゃないのか? 

 

 

 まあ、事件現場に着いたことだしこれくらいにしておこうか。

 見た目はふつーに教室である。そうそう普通の教室でいいんだよ。監視カメラとか普通じゃないから。監視カメラがないと(あったとしても)しっかり調べない学校とかおかしいから。

 見回してみてもカメラはついてなさそうだ。ここまでくるのにいくつかあったが、残念ながらこの教室内を撮っているカメラはありそうにない。

 全く、肝心な時に使えない監視カメラとか意味なくね? なんで普通(の普通じゃない)場所には気持ち悪いほどあるのに、ここにはないの? 

 

 カメラの台はあるって言うのに、なんでカメラ置いてないんだ…………? ポイントを払ってカメラを撤去させたのかな? 

 ダメだ。ポイントでどんな行為も容認されてしまうせいで、元からなかったのかポイントを払ってわざわざ撤去してもらったのかわからない。どちらにせよ計画立てたやつはゴミ。社会に出てこないでください。

 ポイントを事前に払って撤去した、または事が起きた後にポイントを払って撤去したとかなら、その辺りを「計画性がある」とでも言ってどうにか出来なくはなさそう。

 

 今はとにかくポイントを減らされたくないから、訴えを退ける方法を考えなくては……。

 

 とりあえず、訴えられなければなんの問題もないし、相手の主張のおかしな所を指摘したりすればいいのだ。

 そもそも今回の論点は、須藤くんが殴ったかどうかではなくて、どちらが先に仕掛けたのかと言う所……なはず。僕が勘違いしてなければだけど。

 須藤くんは挑発されて殴られたから、殴り返したと言っているのだ。それに対して、Cクラスの人間は須藤くんに一方的に殴られたと主張している。

 ここの主張の違いが今回の争点なはずだ。

 なんとも面倒臭い。なんで争うことしかできないんだ? この学年全員でAクラスになって卒業しようぜ! 的なことしてくれればいいのに。どう考えてもできるならそれが一番いいと思うんだけど。最初から争おうとする必要あるか? 

 やれやれ、これが今の日本の若者の姿か。なんと嘆かわしいことか。

 

 この教室を外から見れる場所は中庭くらいだが、人はいそうにない。

 中庭ってもっと人がいるイメージあるけど、あれって創作の中だけなのかな? 学校の開放されている屋上的な? そういえばこの学校も屋上開放されてる気がする。

 今度綾小路を誘ってお昼食べに行こうかな。

 多分「屋上で友達とお昼ご飯を食べる」は青春ポイント高いと思います。

 これが()()だとなお高い。

 個人的には恋人同士よりも、()()()()()()()()的な関係の男女が二人並んで食べてるのが、一番ポイント高い。

 

 おっと話がズレてる。

 すぐに脱線するのは僕の悪い癖。なかなか話が進まないからね。

 

 とは言っても、もうここで何かできることはないように感じる。

 うーん、これどうにかなるのかなぁ? 

 須藤くんの主張通りなら、彼はCクラスの何某にハメられたのは間違いない。須藤くんを狙ったのは……まああんな感じだからだろう。周りからあいつならやりかねない的な事を思われてるから。他のクラスに頼んでも、そう言う目で見られているから、そこまで協力的になってくれるとは思えない。

 これが平田くんとか僕、綾小路ならまた違ったかもしれないけどね。

 オオカミ少年的なアレになってると言うわけだ。

 つらい。

 収穫はなかったなとため息をついて、僕は教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

「あ、葵。お邪魔してるぞ」

 

「お邪魔してるわ」

 

「お邪魔してるよ」

 

「なんでいるの???」

 

 綾小路、堀北さん、櫛田さんの三人が僕の部屋にいた。

 なんでいるのだろうか。僕は今帰ってきたばっかりなはずだったんだけどな。

 僕の部屋ってもしかして溜まり場になってるの??? 

 …………まあ、櫛田さんがそれでいいならいいか。

 

「お茶は……あ、出てるみたいですね」

 

「私が出しといたよ。もう少なくなってるから買ってきたらどうかな? 私も一緒に行くよ」

 

「そうなの? まあ後で買いに行くよ」

 

 あれー? 割と最近買ったと思ってたんだけどな。君たちがよく来るからそのせいで減りが早いんじゃないかな。楽しいから来てくれて嬉しいんだけどね。

 

「綾小路くん、この二人はいつも()()なのかしら?」

 

「ああ。これくらい高校生なら普通だぞ。俺は詳しいんだ。もしかして堀北は知らないのか? 仕方のないやつめ」

 

「…………いや、普通ではないと思うのだけど」

 

 とりあえず手洗いうがいをして荷物を片付け、用意してくれたお茶をもらって一気に仰ぐ。外暑かったからね。

 

「熱っっ?!」

 

「いれたてだよ。私がされた事…………何一つ忘れてないから」

 

「ご、こめんなしゃい」

 

 火傷した。

 ……傷物にされちゃった。

 これはもう責任とってもらわないといけないのでは? 

 

「櫛田さん、その辺にしておいてちょうだい。本題に入りましょう」

 

「そうだね。……葵くん」

 

 なに? また熱いの飲ませる気か? その手にはならないぞ。

 呼ばれたので、冷たい水をコップに入れて飲みながらそちらを向く。

 

「葵くんのせいで私が堀北さんに怒られちゃったから、後でお話しね?」

 

「理不尽だ」

 

「ごめんね? 葵くんからの苦情は受け付けてないんだ」

 

「僕限定だったかーうれしいなぁ!」

 

「藍葉くん」

 

「あっ、ごめんなさい。ささ、本題に入りましょうよ堀北の姐さん」

 

 お前が絡んでくるから僕が怒られたじゃないか! そのせいで悪役三下ムーブしなきゃいけなくなったじゃないか! 訴訟! 

 

「哀れ葵……」

 

 見てないで助けてくれても良かったんだよ清隆くん? 

 自分の座布団を持ってきて綾小路の隣に座る。つまり床に座るって事。もはやこれが我が家のルールである。僕はこんなルールを作った覚えなんてないのに! 

 男は床。女はソファ。こうやってコツコツと上下関係を刷り込んでいくんですね。

 そうやっていった集大成が僕です。

 要するに僕は、桔梗の犬の最高傑作である。不名誉だ。永久欠番ならぬ永久ペットだ。

 哀れ僕。

 

「はぁ、まったく調子のいい事ね……始めるわよ」

 

 結構綾小路も調子のいいこと言ってるぞ。

 

「遅れてきた葵に説明すると、須藤の件をどうにかしようって話だ」

 

「なるほど理解した」

 

 まあ、そんなところだろうと思っていた。我々の生活費がかかってるからね。一生懸命になるのは当然のことだろう。僕も精一杯やれる事をやろうじゃないか。

 

「で、どうする予定なの? 僕らが何かできることはなさそうに思えるけど」

 

「藍葉くんは、さっきまで件の教室を見に行っていたんでしょう? 何かわかったことがあれば、言ってもらいたいわ」

 

 なんで知ってるの? まあいいけどさ。

 

「ん、承知。……そうだなぁ。監視カメラなんだけど、教室に向かう途中にはたくさんあったけど、教室内を撮影してるものはなさそうだったよ。教室内を見れそうな場所は中庭ってことくらいだね。あんまり力になれそうにないや」

 

「Cクラスもカメラがある場所でやるほど頭が悪いわけではないようね」

 

「須藤くんは殴ったって言ってるし、解決するのは難しくないかな?」

 

 やっぱりそう思うよね。殴り返すなとは言わないけど、殴られたならとっとと教師に告げ口してほしいよね。なんで言わないのかな? 喧嘩したのがバレて停学になるのが嫌だったのかな? それならそもそも喧嘩するなよって話だけど。

 囲まれて挑発されて殴られたって教師に伝えておけば、多少は違っただろうに。

 

「そうね。けれど、須藤くんは先に暴力を振るったわけではないと言ってるわ」

 

「Cクラスは注意に逆上した須藤が、一方的に殴りつけてきて怪我を負ったと言う主張だな」

 

「…………つまりどういうことかいな?」

 

「私たちがするべきなのは、Cクラスの訴えの矛盾を突いて訴訟を取り下げるようにすることよ」

 

「なるほどー」

 

 僕が考えてたのと大体同じだ。訴えを取り下げさせることができればポイント減らないし、もらえないこともないからね。

 

「須藤が正しい事を言っていて、Cクラスが嘘の証言をしてこちらを訴えてきてるって前提で、ここからどうやって解決するかを考えるぞ」

 

「私もその考えはいいと思うんだけど、やっぱり取り下げてもらう方法ってあるのかな? 申し訳ないけど難しいと思うな」

 

 僕もそこで行き詰まった。こんな計画立てる奴が、取り下げる事になるくらいの穴を残してるとは思えない。

 あるとしたら実行役のガバくらいだよね。でも、それも挑発して殴られるだけだからなぁ。そこまでたくさん行動してないはず。

 

「須藤が正しい証言だと言う前提で、向こうが嘘の証言をでっち上げてこちらを陥れようとしてるなら、オレたちも嘘をついて解決すればいい」

 

「つまりどう言う事?」

 

「裁判の直前に須藤と喧嘩をした三人に言うんだ。『お前たちの行動は把握されているがこのまま裁判に出ていいのか?』ってな」

 

「うん? ………………なるほどそういうことか。よくそんなの思いつくねぇ君たち」

 

 性格悪いってよく言われない? 

 要するに、指示役の人間が出てこないであろう裁判の直前に実行犯を脅すことで、現場の独断で訴えを取り消させるってことね。

 指示した人間がその場にいればうまくはいかないが、今回出てくるのは頭の回転が早いとは言えないであろう三人。カメラを用意するなり、学校側は把握してるんだぞって事を言えば、訴え取り消しをさせることも不可能ではないと言う感じだろう。

 いささか希望的観測が多いなと思うし、こちらの嘘がバレた時のリスクがデカい気もしなくはないが、他に案を出せと言われても出せないので一旦大人しくしておく。

 

「全部綾小路君が考えてくれたんだよ」

 

「ええ。だから私達は性格が悪いなんてことはないの。悪いのはそこの男だけよ」

 

「え? オレたち協力して考えてみたんじゃ……?」

 

「裏切られてるじゃん」

 

 哀れ綾小路。僕のことを助けないからこうなるんだぞ。人が困っているときには助けるのが基本である。これに懲りたら今後はしっかりしてくれたまえよ。

 

「まて、オレだけじゃないぞ。葵もあれだけの説明でこの発想が出ると言うことは、性格が悪いって事にならないか?」

 

「急に刺してくるじゃん」

 

 だが悪いな綾小路。僕の性格が悪いなんて事あるわ───

 

「確かにそうかも。たまに意地悪してくるし」

 

 お前には性格悪いとか言われたくない。

 

「あなた人の名前を覚えてないんでしょう? それは人としてどうなのかしら?」

 

 お前にも人としてとか言われたくない。

 

「やっぱり葵は性格が悪いんじゃないか」

 

「まるで僕だけ性格が悪いみたいに言うのはやめろ!」

 

 何をしたり顔で頷いているんだ綾小路ぃぃぃぃ?! 

 ここにいる奴ら大体性格なんて終わってるだろうが! 

 

「よく考えてみるんだみんな。この中に一之瀬さんを知らない奴はいるか? …………いないな。じゃあ一之瀬さんの性格を思い浮かべてみよう。…………はい。ではこの中で一之瀬さんレベルで性格がいいと言える人はいますか?」

 

「「「………………」」」

 

「ほら、いないでしょう? つまりみんな性格悪いって事。どうぞ皆様自覚なさって?」

 

 完璧だ。

 一之瀬さんよりも薄汚れていると思ってしまった時点で性格は良くないんだよ! 

 比較対象に最高値持ってくるのはどうかと思うけど、性格良いならあれくらい普通だよなぁ? 

 じゃれあいはこれくらいにしようかと思ったところで、櫛田さんが一言。

 

「そう言う事いうから葵くんは性格が悪いっていわれるんだよ」

 

 ふーん。そういうこと言っちゃうんだ。よりにもよって君が言っちゃうのか。いいだろう。今日という今日は徹底抗戦だ! 

 

「はぁ? そんなわけないんですけどー? もしかしてぇ? 桔梗ちゃんはぁ図星突かれてぇ怒っちゃったのカナ?」

 

「ほら、そうやってすぐ煽ってくる。やっぱり性格悪いと思うな。葵くんこそ性格が悪いの自覚した方がいいんじゃない?」

 

 言ってくれるじゃないの。こっちはお前がクラス崩壊させたの知ってるんだからな? 立場わかってる? 

 でも、クラス崩壊は残当だと思います。だってあいつらクズすぎたから。多分ここの人間とどっこいどっこい。なんなら裏でやってることは、奴らの方がヤバい可能性ある。

 

「………………綾小路君」

 

「…………なんだ」

 

「いつもこんな感じなのかしら?」

 

「いつもこんな感じだ。普段通りだから気にすることはない。眺めておけばいつのまにか終わってる。ただじゃれあってるだけだ」

 

 強情な奴め。今回はこれくらいにしておいてやろう。

 

「それで、本当はなんの話してたんだっけ? 続きの話しようよ」

 

「そうだね。続きしよっか」

 

 やれやれ的な感じでこちらを見るな。

 他二人が呆れた目でこっちみてるぞ。

 

「はぁ……こうなった原因は誰だったのかしら?」

 

「「綾小路(くん)」」

 

「ここでオレに戻ってくるのか?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあさっき言った通りの作戦でいくわよ」

 

「見た人がいないか聞き込みは続けてみるね。見つかるかはわからないけど」

 

「承知した」「おーけい」

 

「じゃあ解散!」

 

 櫛田さんがそういうと、皆部屋を出て自室に戻って行った。今日は完全に一人の日である。めんどくさいからご飯はサラダとインスタント味噌汁だけでいいや。

 シャワー浴びて着替えたらベッドに飛び込んで横になる。

 

 結局、直前に脅して取り下げさせよう作戦をする事に決まった。

 主演女優 堀北鈴音 

 助演男優 綾小路清隆

 でお送りします。

 櫛田さんが三人を呼び出して綾小路と堀北さんが脅すらしい。

 櫛田さんなんでそいつらの連絡先持ってるの? 

 肝心の僕はというと、またもややることがないのだ。

 二人に混ざってもいいけど、人は少ない方がいいと綾小路が言っていたので今回も待機だ。そろそろ活躍したいのだが、恵まれない。

 四人の方針として堀北さんを表に立てて、櫛田さんが人脈、綾小路が頭脳を使って行動するという形になってるので、実際僕がいなくても問題ないのだ。

 いわゆる組織の潤滑油的な存在が僕である。

 全く情けない。

 今回の作戦についても、残念ながら僕の頭では他に出てこなかった。

 正直その作戦でうまくいく気はしないけどなぁ。何もしないよりはマシ……か? と、思っても代替案が出せないため本当にお荷物感が半端ない。

 いや、正直負けるであろう裁判のために嘘でっち上げるとか、余罪増やしてるだけにしか感じないけどどうなんだろうかこれ。

 負けたとしてもポイントがゼロになる事は…………あるだろうけど。

 まあ須藤が退学になる事はないだろうから大丈夫だろう。Cクラス内であんだけ喧嘩しても退学者出てないんだし。

 

 今回マジで須藤何してくれてんだよ。そういうのは黙ってないで早く教師に相談すればいいだろうが。なんでそれができないんだよ。お前が伝えてればすぐに教師交えて話し合いできたよね? 

 

 あー、成功率の低い作戦で挑まなきゃいけなくなったせいでイライラしてるなぁ。

 何より何にもできてない自分にムカつく。

 このイライラはクラスに貢献してない僕が、持っていいもんじゃないとはわかってるんだけどね。どうしてもね……。

 

 というか、本当にあの作戦で行くのか? 綾小路のことだからもっといいのが思いついてると思うんだけど。これは期待しすぎか。綾小路頼りはよくない。

 

 とは言えって感じなんだよなぁ。本当にどうしよう。

 何もしなかったら0ポイントはほぼ確定。作戦通りCクラスの実行役がバカだったら8700ポイント。嘘がバレても0ポイント。

 博打がすぎる気がするが、まあ何もしないよりは多少マシ? だよね…………? くらいの期待値だな。

 

 櫛田さんに頼んで、特別棟には小型のカメラがあるとか噂を流してもらっておけば、多少なりとも作戦が成功する確率は上がるか? 

 しないよりはマシかな。

 ポイントで教師を黙らせることくらいはできるはずだ。

 でも、Cクラスもポイントを払って確認してきたらどうにもならない気がする。

 口止めしておいた教師が話すならそのまま訴訟だし。話さないなら話さないで、ポイントを払ったのに話せない→ポイントで口止め→やっぱり嘘かってことを推測できる。

 やっぱりこれ詰みじゃないかな? 

 本当にあの博打に賭けなきゃいけないレベルの事態じゃない? 

 …………普通の学校ならただの生徒同士の喧嘩で済ませられるんだけど、この学校はSシステムとかいうクソギミックがあるからなあ。生活費がかかっているから、必死にならざるを得ない。

 マジでロクでもないシステムだと思う。

 辞めたい。

 

 うーん。綾小路の作戦にわかりやすい穴があるとは思えないんだけどな。ゲームと現実は違うと言ってしまったらそれまでなんだけどさ。

 

 いくらか考えてみたが、この作戦は本当にギャンブルみたいなものっぽい。賭けに出ないとどうにもならないと思ったのは間違いではなさそう。

 天才ならこの作戦は実はこういう裏があって、こんな駆け引きをしててってわかるのかもしれないけれど、凡人の僕にはわからない。だから、失敗しても元から0だったクラスポイントが、0のままってだけだからいいかと思おう。成功すれば儲け物的な感じであれば気が楽だ。

 

 …………脅して失敗してそれをCクラスが他のクラスに喧伝したら、Dクラスは()()()()()()をするクラスだと思われてキツイ気もするけど、それは考えないでおくか。

 ギャンブルなんて勝てばいいんだよ勝てば。勝ちor負けの50%だから。どんなにこちらが不利な賭けでも、確率は50%あるから。二分の一引けばいいだけだから問題ないな(白目)

 

 とりあえず裁判まで情報集めかな。

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

 

「おはよう。佐倉さん」

 

「お、おはようございます。藍葉くん」

 

 へ、返事を返してくれた?! マジかよ! 今月幸先悪いなとか思ってたけど、いいことありそうというかあったわ。

 

「……しっかり挨拶返してくれて僕は嬉しいよ本当に」

 

「えっ、あ、……ごめんなさい」

 

「いやいやいや、謝らないで! 僕は佐倉さんと話したいと思ってたんだよ」

 

 せっかく隣になったんだしね! 一月くらい名前覚えてなかったけどね! 

 でも、やっぱり学校で話すのが綾小路と堀北さんだけっていうのは味気ないじゃん? 佐倉さんはいい人そうだし、ぜひ仲良くなりたいと思ってたんだよ。

 

「でも、なんで急に挨拶返そうって思ってくれたの?」

 

 やっぱり僕のコミュニケーション力が上がったってことかな? さすがは僕だ。一月で人見知りっぽい佐倉さんと仲良くなれる(自惚れ)なんて。

 

「えっと、藍葉くんは私を変な目で見ないので」

 

「なるほどー」

 

 わからん。変な目でって言われても、別に人見知りなだけでおかしなところはないし。中学の同級生と教師に比べたら大体の人はおかしくないし。

 

「まあこれからもよろしくね」

 

「よろしくお願いします」

 

 今月友達一人目。やはり幸先いいかもしれない。

 

「あの、藍葉くんってテストの点数よかった……よね?」

 

 急に距離が詰まった感がある。向こうから話を繋げてくれるなんてなんていい子なんだ……! 

 

「うん、自慢じゃないけどそれなりに点は取れてるよ」

 

「じゃ、じゃあ時々わからないところ聞いてもいいかな?」

 

「僕が答えられるところならいいよ。どんどん聞いて!」

 

 任せてくれ! 次のテストで佐倉さんの点数を全部80点以上にしてあげるくらい頑張るよ! 

 

 だから、ひとまず須藤くんの件から目を逸らしておくか。

 

 

 

 

 

 楽しかった。

 隣の席の人と話す事がこんなに楽しいなんて忘れていた。中学一年の後半ぶりだよ。

 あ、もちろん無駄口叩いてたわけじゃない。しっかり授業に関することを話してただけだから。

 

「そう言えば佐倉さんは、須藤くんの喧嘩で知ってることあったりしない?」

 

「えっ? …………ごめんなさい! 用事があるので私は帰ります」

 

「そう? また明日」

 

 …………なんか知ってんのか? 

 何もなかったらあんな反応しないよなぁ。

 

「綾小路、堀北さん」

 

「何か知ってそうだな」

 

「話を聞きたいけれど、難しそうね」

 

「聞けたら聞くって感じでいいんじゃない? 動画とか写真とかあっても最初からないと意味ないし」

 

 意味なくはないか? まあ決定打にはならないだろうと言った感じかな。

 それなら無理に聞く必要はない。

 

 今日は二人とも部屋に来ないらしいので、ゆっくりしようかな。

 あの作戦で行くならやる事はないし。

 帰って早く寝ようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お邪魔してるよ葵くん」

 

「なんで僕より早く僕の部屋にいるんだ」

 

 昨日と言い今日と言い、ここは僕の部屋なんだけれど。

 

「佐倉さんと仲良くなったの?」

 

「うん。今月一人目の友達だと思ってる。多分もう一人くらい今月増えると思うよ」

 

 これまでの流れ的にね。

 

「なんで仲良くなってるの?」

 

「何かあった? 僕が見てる限り何もなかったと思うんだけど」

 

「別に何もないよ。ただ葵くんに変なのが寄ってきてないか確認してるだけ」

 

「過保護だ」

 

「忘れたの? 葵くんは先生に襲われかけたんだよ? 心配するのは普通の事」

 

 まあ、確かにあれは悲しい出来事だった。

 ボランティア活動の時先生に襲われるっていうね。なんでそんなところで襲おうとしたんだろうか。学校の二者面談の時とか二人だけになるタイミングは色々あっただろうに。

 

「佐倉さんはそんなのじゃないと思うよ。僕と話そうと思った理由が『変な目で見ないから』だって言ってたし」

 

 その辺りは櫛田さんの方がよくわかるんじゃないかな? 僕はあんまりというか、全く気にしないから。

 女の先生の時も櫛田さん曰く「あの女教師(泥棒ババア)はいつも情欲に塗れた視線を送ってた」らしい。

 もちろん僕は気にせず、ホイホイついて行って襲われそうになった。優しい先生だったんだけどなぁ。言われてみれば、確かにボディタッチが多かった気がした。それからボディタッチが不快になったんだよなぁ。

 だから星之宮先生、文句は僕を襲った先生に言ってください。

 

「ふーん。ならいいかな」

 

 でしょ? だから言ったじゃないか。佐倉さんはそういうのじゃないって。

 

「佐倉さんにやらしい目を向けなかった事は褒めてあげるよ」

 

「何様目線なんだ」

 

「飼い主目線」

 

 ひどい。

 

「私の言いつけ守れて偉いね葵くん(ワンちゃん)

 

「おい、読み方がおかしいぞ」

 

「躾が行き届いてるようで私は嬉しいな」

 

「僕の知らないところで僕の行動に制限がかかってるらしい事に、驚きを隠せないよ」

 

 え? 何を確認したの? 僕変なことしてないよね? 不安になるから仄めかすのやめてくれない? 

 

「堀北と綾小路くんが佐倉さんと話してきてくれるらしいよ」

 

「あ、そうなの?」

 

 僕と話した時は必要ない感じだったけど。まあ別にいっか。ハブられて悲しくなってたりしないから。

 

「せっかく仲良くなったのにこれが原因で拗れたら可哀想だってさ。よかったね気を遣ってもらって」

 

 堀北さん、綾小路、僕は信じてたよ君たちのこと。

 

「私はそれを伝えにきただけだから。もう帰るね」

 

「え…………わかった」

 

 それだけ伝えると櫛田さんはさっさと帰ってしまった。

 

「……………………まあいいか」

 

 別に久しぶりに二人になれて喜んでいたなんて事はない。

 ないったらないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寂しがってると思って来てあげたよ。葵くん?」

 

「別に寂しがってないけどね。…………でも、いらっしゃい。来てくれて嬉しいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう佐倉さん」

 

「おはよう藍葉君」

 

 昨日よりもはっきり返ってきて嬉しい。朝からちょっとした喜びを感じられて気分がいい。我ながらちょろい。

 

「あの……私が実は、須藤くんが喧嘩してるところ見てた…………って言ったらどうする?」

 

「ん? えっと、特に何もしない? かな」

 

 する理由ないし。自演だろとか言われてもダルそうだし。それを言ったらその三人がグルになって自演して、こちらを嵌めようとしてる可能性もあるって言ってやりたいけどね。

 

「そっか」

 

「そうだよ。だから……まあ知ってたとしても無理にいう事はないよ。Dクラスから目撃者が出ても、でっち上げだって責められて辛いだろうし」

 

 あってもなくても、今月のポイントがゼロかちょっとあるかの差だけさ。

 ちょっと前までの僕なら、証言してくれたら嬉しいな的なことを言っていただろうが、今の僕はそんなこと言わない。今月0ポイントになるだけで、別に生きていけないわけじゃないし、須藤くんはどっちに転ぼうが退学にはならない。

 つまり大した問題じゃなかったのだ。

 

「だから、気にしなくていいよ」

 

 

 

 

 

 

 裁判の日まで、一之瀬さん達に協力を頼んだり情報を集めてみたりしたが、やはり訴訟を覆せるほどの証言は出なかった。訴訟。

 と思っていたら、佐倉さんが写真を撮っていたそうで須藤くんが殴られているところを撮っていた。しかし、名乗り出たタイミングが少し遅かったせいで証拠としてはあまり力を持たないようだ。

 まあ、最初から撮ってましたと言っても本当かどうかわからないから仕方ないな。それを言ったら三人の証言が正しいかもわからないけどね。なんなら素行不良が三人で一人を囲ったって時点で、そっちの方が怪しくないか? 

 佐倉さんが喧嘩を見つけた時にすぐ先生を呼んでくれれば、多分こんな事にはなってなかったけど、先生に報告することすら避けるほど目立ちたくない佐倉さんが勇気を出したのだ。

 それに免じて許してやろう(何様目線)

 

 でも、やっぱりそういうの見つけたら逃げながらでいいので、早く通報してもらっていいですか? 

 

 

 というわけで裁判の日になった。

 今頃綾小路と堀北さんが三人を脅している頃だろう。

 僕は裁判に出席する事なく、Cクラスの教室に来ていた。

 

「こんにちは」

 

「あ? なんだお前」

 

「僕はDクラスの藍葉って言います。どうぞよろしく」

 

 なるほど素行の良さそうな生徒はいない。

 黒人さん強そう(偏見)

 やっぱりこの学校の顔面偏差値高いなぁ。みんな美男美女だよ。

 

「暴力集団のDクラスがなんの用だ? おー怖い怖い。俺も殴られちまいそうだぜ」

 

「あはは、皆さんほどじゃないですよ。毎日青あざ作って大変そうでしたね。最近は怪我がないみたいでよかったですよ。なんとも原始的な方法でまとまったクラスのようで…………野蛮ですねぇ」

 

 怖い怖いと、肩をすくめて見せる。

 それと同時に各生徒の机と手元を確認する。携帯を持っているような人はいるかな? …………お、ロン毛くんっぽいね。

 

「なるほどなるほど、このクラスのリーダーは君かあ」

 

「おい、とっとと出てけよ。お前みたいな不良品が来ていい場所じゃねーんだよ」

 

「そうですか? それは失礼しました。でも申し訳ないんですが、もう少し居させてください。そうですねぇ……せっかくですから裁判が終わるまでここに居させください」

 

 無理やり放り出すなんて事はないだろうという読みで、結構大胆な事言ったつもり。こんなやつがクラスに来たらすごくやだよね。僕もやだ。だって変なやつだもん。

 

「おい、藍葉って言ったか?」

 

「なにかありましたか? ……えーと、名前教えてもらっても?」

 

 ロン毛くんが話しかけてきた。なんか偉そう。

 

「龍園だ。覚えとけ」

 

「龍園くん。しっかり覚えました…………あの、良ければそちらの方のお名前を聞いてもいいですか?」

 

 黒人さんの方を向いて言ってみる。失礼じゃないよね大丈夫なはず。

 

「アルベルトご指名だ。コイツは山田・アルベルト。俺の配下だ」

 

「hi」

 

「アルベルトさんですね。どうぞよろしく」

 

 うん。今の所電話がかかってくる様子はないな。

 実は僕がこの教室に入ってきてからずっとこの会話を録音している。今時の携帯って便利だね。

 裁判に出る三人が万が一電話をかけて相談しようとしたら僕が録音する。決定的なことを言わなくても、計画的なものだと判断できそうな証言が取れればいいのだ。

 向こうでは綾小路も録音しているはずである。

 

「で? この裁判をどうにかしようってあくせくしてるDクラスの奴はお前か?」

 

「そうですね。流石に二月連続で0ポイントは避けたいところです。十万ポイント初月にもらっているとはいえ、無料の物を使っても三ヶ月過ごすには辛いですから」

 

 フンと鼻で笑う龍園くん。僕も笑いたいけど笑えないぜ。

 

「クラス内で喧嘩しているクラスよりもポイントが低いと知った先月の絶望は、果てしなかったですよ」

 

「喧嘩? しらねぇな。勝手に転んで怪我しただけじゃねぇのか?」

 

「ははは、皆さんがそう言うならそうなんでしょうね」

 

 この反応からして、やっぱりカメラに映らなければいくらやってもいいらしい。

 どう考えても喧嘩でできた怪我でも、生徒が訴えなければ処置がないであろうこともわかった。

 やっぱりクソだわこの学校。

 何人か選んで退学させよう! とか始めたら(ないとは思うが)櫛田さんを誘ってマジでやめようかな? 

 

「暇ですし、トランプでもやりませんか? ババ抜き。たまにやると面白いんですよ」

 

「くく、俺に挑もうってか?」

 

 何言ってんだコイツ。ただトランプやろうって言っただけだろ。

 

 結局Cクラスのほとんどが一回以上遊ぶ事になった。楽しかったです。

 すまない綾小路。僕は他のクラスの人達とみんなでゲームするって青春を味わってしまった。

 主要メンバーっぽい人の名前と顔も覚えたし、けっこう仕事したはずだ。

 裁判も終わった頃だろうし、撤退しよう。

 

「いやー楽しかったです。いい時間なので僕はこれで。また遊びにきますね」

 

 ちなみにトランプの結果は、全部一抜けした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────

 

 

 

「で、どうだった?」

 

「成功したぞ」

 

「マジか?! 櫛田さんには伝えた?!」

 

「ええ。連絡しておいたわ」

 

 あんな作戦で正直うまくいくとは思っていなかったが、成功したようで良かった。

 

「運が良かったって感じかな? 綾小路には申し訳ないけど、正直成功するとは思ってなかった」

 

「運が良かったって言うのは間違いないな」

 

「あの三人があまり頭が良くなくて助かったわ」

 

 そんなこと言うもんじゃありません! 

 

「じゃあもう帰らない? 僕はトランプして疲れたよ」

 

「トランプ?」

 

 あ、やべ言っちゃった。

 でも大丈夫。綾小路はパーティーとかご飯とかそう言うのに弱いの知ってるから。

 

「なんでもないよ。ささ、今度みんなで勝訴パーティーでもしよう! 堀北さんもくるよね!」

 

「ええ。私もいくわ。……須藤くんも誘ってもいいかしら? 彼も今回の件で成長したのよ」

 

「いいね! それなら今度こそ外に食べに行こう。ね、綾小路?」

 

「そうだな。須藤も変わったようにオレも思うし、誘ってもいいんじゃないか? …………ところで葵、トランプってなんだ」

 

 やべ、誤魔化せないってことあるの?! 

 

「Cクラスに電話出れないように牽制っぽいことしに行った時に、暇だったからみんなでトランプしたんだよ」

 

「あなたはもう少し緊張感を持つべきだと思うわ」

 

 櫛田さんにも似たようなこと言われたよ。

 

「大勢でトランプとか楽しそうだな」

 

「今度Dクラスでできるか聞いてみたら?」

 

「そうする」

 

 ダラダラと話しながら歩いてたら寮に着いてしまった。適当にお互い挨拶をして別れる。

 鍵を開けて部屋に入る。靴がすでに一足ある。

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい。今日私は大した仕事してないからご飯作っておいたよ」

 

「ありがとう櫛田さん」

 

 無事に部屋に帰って来れて、櫛田さんの顔も見れた。

 僕としても今回の件は、かなり貢献することができたように思える。これでもう無能とは言わせないぜ。

 多分今回こそ僕の役割はあって良かったはずだ。一人なんの貢献もできないのはやっぱりカッコ悪い。

 男の子はいつだってカッコつけたくなるものなのだ。

 

 とりあえず、今はポイントがもらえることを喜びたいと思う。




原作と同じになってしまった………オリジナル要素入れて書いてる人たちって本当にすごいんだなって思いました。
皆さんなら『須藤暴力事件(仮)』で、オリ主を活躍させるならどうしますか?規約に引っかからないなら教えてください(土下座)


初アンケートです。よろしくお願いします。
匿名投稿してなければ、皆さんからアイディア募集できるんですけどね……。

読みたい間話

  • 一之瀬さんニセコイ作戦(時期ずれ)
  • 綾小路くんTS(夢オチ)
  • もし高育に櫛藍が来てなかったら
  • 櫛田さんと藍葉くんの過ごし方(中学時代)
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