すれ違いムーブ連発の陰の実力者達を止めたくて!   作:星電輝

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第二十四話 捨てきれなかった希望

 授業も終わり、人が少なくなっていく校舎を夕日が染めていく。

 図書館での出来事の後、俺はシドと合流し、いつも通り授業をある程度真面目に受け、俺とシド、そしてなぜかいるその他一名を入れた計三人で帰り道を歩いていた。

 

「ねぇ、俺が言うのもなんだけどさ。もう少し離れて歩かないと地味目に変装してる意味ないんじゃない?」

 

 その人物は学術学園二年生の制服を纏い、ダークブラウンの髪を団子にまとめて、同色の瞳に野暮ったいメガネをかけていた。

 

「私はあくまで一般的な恋人として振る舞っているだけです。それにキラさんは公に恋人がいるって言ってないですよね? なら問題ないはずです」

 

 いや、そうなんだけどさ……腕を組むのは流石に目立つというか。というか、ニューってこんなぐいぐいくる子だっけ?

 

「そうは言われても……シド、なんか言ってやってよ」

「無理」

「おい、白状者。はぁ、とりあえずそこのベンチ座ろう。話はそこで聞くから」

「分かりました」

 

 そこは美しい庭園を一望できるベンチで人気は少なく、いかにも隠れスポットといった場所であった。

 

「それで、ニューはどうして学園に? 通うの?」

「いえ、借り物です。制服を着ていれば目立たないので。今回は昨日の件で分かったことをご報告するために参りました」

「昨日の件? 昨日の奴らは3rdだったから、情報を得られないって理由で俺が殺したはずだろ」

「ええ。ですが、それとは別に先日、王都でネームドのチルドレン1stが確認されました。叛逆遊戯のレックスです」

 

 ……誰? いや、実のところを言うとチルドレン1stって俺とシドからしてみればほとんど相手にならないから一人一人名前で覚えず、チルドレン1stって括りでしか覚えていないのだ。

 

「ふむ」

 

 ほら、シドも分からないからとりあえず相槌打ってるし。

 

「彼ら教団は我らを誘い出す目的とは別の何らかの目的をもって集結してると思われます」

「ふーん、まぁこっちでも探ってみるよ」

「お気を付けください。教団は何か企んでいます。我々も調査を続け、何かわかったら報告に参ります」

「ああ。頼んだぞ、ニュー」

 

 夕日が地平線の向こうに落ちていき、辺りがどんどん暗くなっていく。

 ふとニューの方を見てみると、ニューは少し悲しそうな表情をして学園の方を眺めていた。

 ニューは本来、ここの二年生として通っているはずだった。彼女は侯爵家の令嬢で、社交界では顔が広く、煌びやかな日々を送っていた。だが、彼女が悪魔憑きだと発覚してすぐ、彼女は侯爵家の歴史から抹消され、彼女の信じてやまなかった日常はすべて消え、彼女は捨てられた。

 ニューはシャドウガーデンに属してから捨てたはずの過去、だがそれは彼女には捨てきれない希望だったのかもしれない。

 

「ニュー」

「はい?」

「一緒に制服デートしよっか」

「えっ……えっ///!?」

「いいよな、シド」

「うん、行ってこれば? 僕はもう一度選抜大会のエントリーをキャンセルできないか直談判してくる」

 

 まだ諦めてなかったのか……

 

「よし、行こう。ニュー」

 

 そう言ってニューの方に自身の左腕を差し出す。差し出された俺の左腕に、ニューは腕を絡める。

 そのまま二人寄り添って歩き出した。

 

「ニュー?」

「なんでしょうか?」

 

 ニューから先程の悲しそうな表情はすっかり消え、今の彼女からは幸せそうな表情が見えた。

 

「寂しくなったり、現実にちょっと疲れたりしたら、前みたいに会いにきていいからな」

 

 それだけ言うと泣きそうな、それと嬉しそうな気持ちが混ざり合った複雑な表情で顔を赤らめ、ニューは俺の左腕をギュッと抱きしめた。

 

 

 今度、ニューにプライベート用の可愛らしい伊達メガネでも買ってあげようと思う。

 

 

 ニューにはよくメガネが似合うってことを今日、初めて知った。




まだ投稿してない貯めている作品の中に俺ガイルだったり、ブルアカの作品があるんですけど。このシリーズを見てる人でどちらかの作品のSSも見てるよっている人いるんですかね?
今回のお話の感想と一緒に書いてもらえると嬉しいです。
てことで、今回は少し短いですがニューが少し積極的な回でした。
今回のお話やアレクシアと付き合ったばかりの時、そしてクレアが王都に行った後のデルタの頭を撫でる約束のお話も○.5っていう感じでどっかのタイミングで投稿できたらなって思います。
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