陰陽姉妹が家だと陽陰姉妹になるんですがどちらが素ですか? 作:橘田 露草
友達からVtuberさんのオススメをされて色々見てみたのですが面白いねっ!割とハマってて普通にこれ書きながら耳だけ動画聴いてましたw
世の中には僕が知らないだけで楽しいものがある、そう学びました。そんな壮大なテーマかこの話。
いよよい12話、投稿します。
もうすぐゴールデンウィークだと浮かれる学生たちのテンションを高低差あり過ぎて耳キーンレベルで落とすイベント、それが新入生テストだ。中等部で習った全部という頭がおかしい範囲に苦しみながらテストを迎えた僕らは、満たされない達成感とサボった罪悪感、そして午前中で学校が終わるわずかな喜びを手に家へと帰宅した。
「疲れたぁ…ちょっと夕方まで休憩…」
これだけ疲れているのには訳があるんすよ。ヤマを張りながら何とか勉強を進める僕に、茎太郎が泣きついてきたのは昨日の夜10時。赤点を取ったらバスケ部の先輩にぶっ倒されると半泣きの義兄へ仕方なく勉強を教えてようやく寝れたのが朝5時。朝食は芽衣叶が代わってくれたけどそれでも2時間ぐらいしか寝れなくて僕はフラフラだった。
必死に部屋へと辿り着いた僕はそのままベッドに倒れ込む。
「ふみゃ!?」
ん?なんだこの声?
「芽衣叶?」
「め、芽衣叶じゃな、ないにゃん。た、だの猫にゃん……」
「可愛い」
あまりの可愛さに毛布をめくると、そこには制服姿の芽衣叶が居た。ご丁寧に顔の横で猫ポーズしている。
「そっか、今日は中等部も早いんだっけ。日種は?」
「ひ、ひーちゃんは友達とあ、遊んでくるって……」
「そかぁ」
さて、芽衣叶には悪いが今の僕は頭が回っていない。だから、なぜ僕のベッドに居たのかとか聞く余裕もなかった。
「ちょっとごめんね芽衣叶。僕疲れたから少し寝るよ」
「う、うん……」
そう言う芽衣叶だが毛布からは出ようとしない。仕方ないから僕も横に寝っ転がる。
「毛布はいいよ、芽衣叶が使いな」
「え、で、でも、お、お兄ちゃん風邪、引いちゃう……」
「大丈夫大丈夫」
春とはいえ今日はそこまであったかくないから毛布欲しいみはあるが正直クローゼットまで取りに行く体力もない。だからこのまま寝てしまおうと思ったのだが。
「じゃ、じゃあ……か、代わりにわたしをだ、抱き締める……?」
恥ずかしそうな顔でそう言う芽衣叶。いつもなら冗談だと笑って流す僕だが、今日は疲れていた。そう、疲れていたんだっ!
「マジで?じゃあ、ぎゅー」
「ふぁ!?ふ、ふぇ?ふぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「芽衣叶、うるさい」
「ふぇぇぇ!?あ、う、うん。ご、ごめん……」
まあうん、ご察しの通り抱き締めましたね僕。抱き寄せてぎゅーっと。0距離で僕の胸元に芽衣叶の顔がくる感じで抱き締めましたねぇ。
「芽衣叶あったけぇ」
「あ、ありがとう……?」
僕がうるさいと言ったからか、小さい声でそう呟く芽衣叶。スカートだから毛布の中はワチャワチャ天国状態だろうが幸いにも見えてなかった。あ、嘘、何か一瞬白い布が見えた。
「そ、そんなに疲れてたの?お、お兄ちゃん……」
「んー?まあうんちょっとねー」
「ご、ごめんね?にぃにが、め、迷惑かけて」
申し訳なさそうに言う芽衣叶に、僕は眠い頭を回転させること無く思ったことを言う。
「いいさ、大事な幼馴染で今は大事な家族だからね。いっぱい迷惑を掛けて欲しいよ」
「わ、わたしもお兄ちゃんの、だ、大事な家族?」
「もちろん。芽衣叶は世界で1番大事な存在だよ」
「はぁう……」
ん?何か芽衣叶がさらにあったかくなったような。温度と、甘い芽衣叶の匂いがアロマ感すごくて一気に眠気が誘発される。
「悪い芽衣叶…、5時頃起こしてくれる?」
「う、うんっ!だ、大丈夫だよ……」
「助かる」
芽衣叶に目覚ましを頼むと、僕は目を瞑る。一瞬で眠気は僕を夢の中へと誘っていった。
だから───。
「わたしも…お兄ちゃんのこと……」
小さな呟きは途中までしか僕の耳には届かなかった。
「お兄ちゃん?」
「……はい、日種様」
「反省してる?」
「はい…私は今日の料理担当だったにも関わらずサボりました…」
「じゃあルールに従ってお兄ちゃんは、おにぃの作ったご飯ね」
「それだけはぁ……」
「ん?」
「……なんでもないです」
起床時間を大幅に超えて起きた僕は正座で日種に怒られた挙句、茎太郎の作った地獄みたいな料理を食べる羽目になったのだった。
どうでもいいけど、なんで芽衣叶まで茎太郎の料理を食べていたんだろう。それも全然余裕そうなボーっとした顔で。