いつかその呪いを絶てるように   作:ジュジュ

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二次創作やってると、キャラのエミュって難しいと実感します。


第7話 呪力の味

2011年10月■日

 

 あれからもう1か月以上経つ。時間の流れは速いものだと、日記をつけていると実感をする。俺の周囲で特に目立ったことは起こっていない。いつも通り鍛錬と任務を繰り返している。

 

 あの一件で黒閃を経験して以降、俺の呪力操作の精度が格段に上がった。原作の東堂の言葉を借りるなら、呪力の味を理解したということなんだろう。以前よりも呪力強化のロスも少なくなったし、呪力感知も跳ね上がっている。体の中に循環する呪力を以前よりも実感できた。

 

 その影響もあってか、反転術式とアウトプットが使えるようになった。

 

 …これがあれば奏さんを救えたんだろうか、という考えが頭をよぎる。が、それを悔やんでも仕方がないことは分かっていた。

 

 父さんからはあまり反転術式のアウトプットは大っぴらに使うなと言われた。恐らく家入さんみたく、高専にこもりっきりにされる可能性もあるからだ。まぁ乙骨の例もあるので何とも言えないところだが。

 

 あと反転術式を使ってみて思ったが、正直馬鹿にならない消費だ。何とか効率を上げたいが、これはなんとかなるものなんだろうか。取り合えず、怪我をしたら積極的に使って慣らしていこうと思う。

 

 

 

 

 2011年11月〇日

 

 術式の訓練、反転の訓練ともに順調だ。『断』に関してもかなり向上している。手に纏わせて速射ができるようになったし、刃物に纏わせて呪力ごと飛ばす『断』の中にさらに『断』を内包させることができるようになった。

 

 一発飛ばして相手に命中すれば、中の『断』が炸裂して連続して相手を切り刻む。前よりも術式の連射ができるようになったし効率も上がっている。

 

 術式反転もできるようになった。初代が残した過去の文献を参照するなら『結(ゆい)』と呼ぶらしい。呪力で無理やり対象を結びつける効果だ。

 

 だが呪力消費に効果が見合ってない。というかこれはどうにも単体で使う物じゃない。恐らく理想的な使い方は『断』で断ったものを『結』で無理やり繋げ、相手の状態をさらに悪化させる、といった感じだろう。

 

 1発の中に『断』と『結』を合わせることができれば効果は絶大なんだろうが、まだまだ訓練が必要だ。術式反転自体もまだまだ練習が必要なので実用はもう少し後になる。だが目指すべきビジョンは見えているのでそう遠くないうちにたどり着けるだろう。

 

 というか今更なんだが、俺の家は文献が多い。各時代のことが大雑把に記録されているし、どういった術式の運用がされていたかなどの文献もたくさんある。

 

 恐らく、傘下の家に関する記録もある。ただ時代が古いのか、あまり状態が良くないものも沢山あるが。最近は時間を見つけて文献を漁っている。何か有用な情報があればいいんだが。

 

 

 

 

 2011年12月△〇日

 

 最近は術式以外にも手を出すようにした。シン陰流の簡易領域は門下生じゃないと縛りに抵触するので、凛さんから『盗む』ことにした。というか、割と見て盗まれることはあるらしい。父さんや祖父も門下生じゃないのに使えるし。

 

 父さんに関してはどっから盗んだのか分からないが、御三家秘伝の『落花の情』まで使える。今度盗ませてもらうことにした。…盗んでばっかりだな??

 

 あとは結界術や簡易的な式神術、符術についても少しずつ学んでいる。原作ではあんまり出てこないが、便利なものが多い。

 

 …戦闘で使えるかどうかはちょっと微妙なものが多いが。どちらかというと、呪物の封印だったり建物に結界を張ったり補助がメインだ。まあ覚えておくと便利らしいので時間があるときに勉強しよう。

 

 

 

 

 2012年1月〇〇日

 

 凛さんが1級へと昇格した。術式無しでここまで出来るのは中々無いらしく、父さんも素直に褒めていた。

 

 お祝いに凛さんの好きな場所へと一緒に出掛けた。カフェに行ったり、一緒に遊んだりした。意外とゲームとかする人なのは驚いた。

 

 てっきり鍛錬しか積んでません、みたいな印象があったが、こういう姿を見ると親近感がわいて個人的には嬉しい。

 

 今年で凛さんは呪術高専を卒業する。卒業すれば基本的には家で呪術の仕事に専念することになるだろうし、凛さんには残りの学生生活を満喫してほしい。こういうのができるのは今だけだ。

 

 

 

 

■─────■

 

 

 

 息が白い。冬の朝は寒いが、空気が澄んでいる感じがして好きだった。肺に新しい空気を取り込むと非常にスッキリとする。

 

 日課の朝のランニングを始める。呪力強化に頼らず、基礎体力を鍛えるために父さんから言われて始めたが、しっかり習慣になった。毎朝10㎞。ペースを崩さず、一定の間隔で走り続ける。

 

 再び家が見え始めた。坂道は少々きついがそれでもペースを崩さずに走り切る。すると、門の前に誰か人が立っているのが見えた。こんな早くから一体どうしたんだろうかという疑問があったが、それよりも。

 

「(なんかどこかで見た後ろ姿だな)」

 

 どこかで見たことがある。が直接見た感じではない。まるで作品の中の登場人物にデジャヴを覚えるような感じだ。

 

「きみ、今日は和久さんか桐谷さんは家にいるかな。」

 

 俺に気付いたのか彼女は振り返り、そう尋ねてきた。…彼女の顔を見た瞬間思い出した。髪型の印象がデカすぎてぱっと見違和感しかなかったが、確か彼女は──。

 

「祖父はいません。父さんならいます。…あの一応名前を聞いても良いですか?」

 

「ああ、失礼。自己紹介がまだだったね。

 

 

 私は冥冥、呪術師さ。」

 

 まだあの本当に前が見えてるか分からない髪型になる前の、髪を後ろでくくった彼女だった。

 




弥生の使用する短刀

 刀身部分が30㎝ほどある短刀。刃部分は日本刀、ではなく平たくマチェーテを連想させる。刃も少々厚い。ぶっちゃけ見た目は、伏黒パパが持っていた天逆鉾そっくり。



冥冥さんの髪型って前見えるんだろうか…?というか結ぶの大変では??
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