永い夢   作:基幹世界からの手紙

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世界観説明 part1 画期的なアイデア

リョウ「ねぇ、」

 

リョウ「ねぇって!」

 

知樹「なに。」

 

リョウ「もう疲れたよ!...やってらんないの。」

 

知樹「知らねーよそんなの、こうでもしなきゃ生きていけないんだから。」

 

リョウ「それは何?俺の倫理的"キホン"に語り掛けてるの?」

 

知樹「ちげえよ。」

 

リョウ「脅すか殺すか以外でお金を稼げないの?」

 

知樹「しょうがないだろ、それが俺らの武器なんだから。...文字通り。」

 

リョウ「いつまで続けるの?俺らより強いやつが来たら?旅行帰りの子連れ家族でもこうやって酷い目に遭わせるの?」

 

知樹「生きている間ずっと。俺らより強いやつが来ないことを願って、もし来たら全力で逃げる。子連れ家族でも襲う。はい解決。」

 

リョウ「なにそれ...。」

 

 

その後しばらく無言が続く。

 

 

リョウ「でもさー...。」

 

知樹「...。」

 

リョウ「知樹の能力を使えば、もっと良いお金の稼ぎ方があると思うんだよねー...。」

 

知樹「お前、頭悪い癖に一丁前に語るなよ。」

 

リョウ「あーそうですね偉い、じゃあバカにしゃべる権利はないんですかー?」

 

知樹「ねえよ。」

 

リョウ「...。」

 

 

その後もしばらく無言が続く。

 

 

リョウ「知樹って、目の前3メートルくらいならそこに居る人の体調を崩せるんだよね?」

 

知樹「...まあ。」

 

リョウ「それって体調を崩してるんじゃなくて、その人の体の細胞?かなんかを書き換えてて、結果的に体調が崩れてるだけなんじゃないかと思うんだ。」

 

知樹「...。」

 

リョウ「きっと俺らに適した仕事は無差別殺人じゃなくて、医療だよ!まったく逆のこと!知樹の能力を使えば...、」

 

知樹「何を書き換えてるんだ?」

 

リョウ「え、」

 

知樹「何をどう変化させてるんだ?」

 

知樹「俺らは医療に詳しくないし、知見があったとしてそれを実験するだけの設備が無い。社会的信用なんかねえし、この能力に需要がある保証もねえな。」

 

リョウ「...。」

 

知樹「今のライフスタイルを捨てて、この力を解明させるだけの動機が俺らにはねえ。」

 

リョウ「それはそうかも...しれないけど...、」

 

知樹「それはそうかも、じゃねえよ。そもそもこれは俺の能力であってお前のじゃねえだろ?勝手に使い道を決めてくんな。」

 

知樹「てかお前頭悪いんだから人の事気にしてねえで、仕事に集中しろ。あとだまれ、うるせえから。」

 

リョウ「...。」

 

 

その後、再び沈黙が訪れ、

 

リョウは、空間の構造上再現不能な身体の輪郭をもつ死体として発見される。

 

知樹は、未知の言語規則にカット&ペーストされて実質的に死亡。未発見。

 

二人の葬式は開かれなかった。




個人がどんな悩みを抱えていて、どんな生活を送っていようが、
そんなの現実にとっては心底どうでもいい事なのです。

ただ当然のごとく、そして無情に(喜ばせる意図も悲しませる意図もなく)、
与えられた初期状態から任意の規則に従ってシミュレーションを実行するだけです。

それが嫌ならば相応の観測能力と干渉能力と幸運が要ります。
彼らは不足していた、ただそれだけの事です。

中には、精神状態を保たせる目的の迷信や仮説もありますが、
それらに頼り切るのではなく、現実的な打開策を実行した方が、
生き残る確率は高まるかもしれません。

この世に絶対的な真実があると思い込まないでください。
登場人物も、ナレーターである私も、すべての作者でさえも
何も分かってなかったり、正しい表現をしていなかったりします。
けどそれがまた、永い夢のようで素敵です。
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