下剋上 ~勝利へのストレート~(凍結)   作:桜葉黎明

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遅くなりましたが10話です。
基本日曜日更新です。もし日曜日に更新がなかったら火曜日に更新します(多少ずれる可能性も有)。
文才が無いのが否めません。
アンケートの締め切りを12月8日(月)にします。現在篠岡1票、夏川さん2票です。どしどし募集しています。


第10球 VS青道 後篇

雷鴉視点......

 

あ~あ、俺も焦って投げちゃったよ。俺も人のこと言えないなぁ。猛省猛省。

結城さんはさっきの打撃で二塁か.......次は増子さんだけど繋がれちゃうとチャンスに強い御幸さんだからねぇ。ここで切らなきゃね。

 

スパンッ!!

 

審判:「ストライク!!バッターアウト!!」

 

その後、増子さんは6球で仕留めた。しかし6年間甲子園に出ていないとはいえ西東京優勝候補の一角だ。そのクリーンナップを相手にするのは精神使うから疲れるな。つか高校初失点か......別に完封ねらってたわけじゃねぇしいつかは打たれる。それに大橋が悪いわけじゃない。強豪の四番が打席に立てばいくらすごい投手がマウンドにいても誰だって長打を警戒する。まぁ無理に取りに行く必要はなかったと思うがな。あいつ、緊張して判断ミスったな。だが切り替えが大事だ。まだ5回......これくらいしてもらわないと面白くないだろ?

 

大橋:「すまん、俺が飛び込んじまったせいで失点させちまって.....」

 

大橋が落ち込みながら謝ってきた。滅多にミスをしないから謝ってくる大橋はなんというか........気持ち悪い。

すげぇムズムズする。

 

雷鴉:「緊張してんのか?あそこで飛び込むなんてお前らしくないぞ。切り替えろよ。まだ試合は終わってないんだからな」

 

大橋:「もちろんだ。今ので頭が冷えた。このまま逃げ切るぞ」

 

大橋が気合いを入れなおした。まぁ逃げ切れるかわからねぇがねじ伏せてやるよ。

それでも青道が意地を見せてくる。

投げては栄純がムービングで翻弄し、打撃では甘い球を逃さないように食らいついてくる。海皇もそれに真っ向から応戦する。ちょいちょい聞こえる記者たちの会話を聞いてみるとどうやら前評判は「青道の圧勝」だったらしい。だがそんな予想をよそにいい試合をしているため記者たちがいたるところに電話をし始める始末にもなっていた。

まぁそんなことはどうでもいいんだけどな。しかし栄純の奴、ずいぶんいい球投げるようになったじゃねぇか。青道に行ってより高い技術を身につけたようだな。だからもっと楽しませろよ........

 

 

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

沢村視点........

 

やっぱ大橋と桐島が嫌な奴だな。俺のムービングはあいつらにしたらカモだからな。ここはあの球を使うべきなのか........

 

御幸:「どうした?ビビってんのか?」

 

これからの投球のことを考えていたら御幸先輩がやって来た。つかビビってねぇよ!!

 

栄純:「そういう御幸先輩こそビビってんじゃねぇの?」

 

御幸:「あぁ、ビビってるよ........」

 

ほら、やっぱりビビって........は?

あの御幸先輩がビビってるだと?

 

御幸:「俺だけじゃない。おそらくメンバー全員あいつらに恐怖を感じてるはずだ。1、2番の瞬足好打コンビに3番から6番までの重量打線、下位も高打率........打撃だけじゃねぇ、守備も異常なくらい広範囲で堅い。そしてあの投手力........練習試合とはいえ群馬の中堅校相手に26-0の圧勝。更にドタバタしてたとはいえ俺ら相手に1年だけでこの実力........ビビらねぇ方がおかしいだろ」

 

確かにそうだ。小さい頃から雷鴉と三橋と一緒に先生にくっついてたし中学の時も修峰と何度も練習試合したり合同練習したりしてたから忘れてた。強豪だと1年でレギュラー入りするやつは稀にいるけど精々数人だ。青道も例外ではない。それなのにあいつらは全員が1年なのに臆するどころか逆にリードすらしてる。そんな化け物が相手ならビビらないはずがない。先輩たちも怖いんだ。特に御幸先輩は雷鴉のプレッシャーを一番近くで受けたんだ。あの御幸先輩をビビらせるほどの力が海皇にはある..........面白いじゃねぇか。

 

栄純:「上等じゃねぇか。青道があるのは西東京だぜ?強ぇとこなんかいくらでもあるんだろ?なら今のうちから強ぇとことできてラッキーじゃねぇかよ」

 

結城:「沢村の言う通りだ。市大三高、稲実に勝たなければ甲子園なんていけない。海皇はそれに匹敵.....いや、それ以上の実力の学校だ。この試合の結果によっては甲子園に行けるか決まるぞ」

 

流石リーダー。この試合がこれから戦い抜くのに必要だということが分かっているみたいだ。

 

結城:「沢村、十六夜の投げる球の特徴を教えてくれ。お前が気に入らないのはわかるがあいつらの言葉を借りるなら『これは勝負なんだからな』」

 

.......勝負か。先生も勝負事にはかなり厳しかったな。三橋も雷鴉も勝つためには調べに調べ相手の苦手なとこに投げていた。先生も弱点を突けって言ってた.......時には非情になれと......

ならやるしかない。

 

栄純:「......あいつの攻略方法はただ一つだけ.......重いバットを使うこと」

 

結城:「どういうことだ?」

 

片岡:「沢村、全員に説明しろ」

 

リーダーとボスに説明を求められた。

 

栄純:「雷鴉の投げる球は『低回転ボール』と『高回転ボール』といわれる球でボール一個分沈んだり浮き上がったりします。一見ただのストレートに見えるから皆はあいつに翻弄されてるんです。なら重いバットを使えばいつもより軌道がずれます。それがあいつの攻略法です」

 

倉持:「だけどそれは低回転だけに使えることだろ?高回転が来たらどうするんだ?」

 

伊佐敷:「それに重いバットを使う分スイングスピードが遅くなるぞ?」

 

栄純:「昔と変わらなければあいつはそこまで多くは高回転は投げませんよ?それに重いバットを使っても先輩達ならできますよね?」

 

無茶を言ってるようだけど先輩達ならできるはずだ。俺は先輩たちを信じてる。

 

結城:「.......お前がそう言うなら俺らはそれに答えるしかないな」

 

伊佐敷:「仕方ねぇな。後輩からの無茶振りはこれっきりだからな」

 

倉持:「本当だぜ!!感謝しろよ!!」

 

御幸:「これだけのことを言ったんだ。お前は思いっきり投げてこい」

 

小湊:「負けたらどうなるか.......わかるよね?」

 

増子:「ウガッ!!」

 

先輩たちが気持ちを楽にさせようとしてるのがわかる。お兄さんのはちょっとあれだけど......

雷鴉、俺たちはまだ負けないからな.......

 

 

 

 

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雷鴉視点.......

 

 

4回の得点以降、7回ウラまで両チーム膠着状態が続いた。そこはやはり強豪、簡単には崩れてはくれないみたね。ほんと気が抜けない試合になったよ。

この回先頭は小湊さん。この回の前に青道は何かみんなで集まって何か話していたけど関係ないかな。

俺は小湊さんに第一球.......スラーブを投げた。

 

審判:「ストライク!!」

 

際どいとこに投げたけどまだ1球目だから見逃された。じゃ次は低回転を投げるかな。

 

カキンッ!!

 

え?

打たれたボールは一二塁間を抜けるヒットになった。

驚いたね。まさか栄純君に廉君以外に打ってくる人がいたなんてね。それよりなんで打てたんだろう?まぐれ.......かな?

俺は気にしないで次の伊佐敷さんにも低回転を投げた。しかし、またヒットにされてしまった。この人たちまぐれじゃない?!

俺はベンチにいる栄純君を見た。その顔は廉君が俺の球を打った時と同じ顔をしていた。そういう事ね.......

多分青道には見破られたね。組み方変えなきゃなぁ。

次は結城さんか。さっき打たれてるからあんまりいい印象ないんだよね。

それでも結城さんには粘られたけど何とか三振にした。

次は増子さんだ。低回転を2人に打たれてる以上投げられない。ジャイロを交えながら高回転に切り替えよう。

俺は慎重に投げた。

1球目チェンジアップをボール、2球目ジャイロをストライク、3球目チェンジアップをボール、4球目スラーブをストライクとなった。

次で決める.....

俺は高回転を投げた........しかし増子さんは俺の予想を越えていた。

 

カキンッ!!

 

........打たれてしまった。それもレフト線への長打コース。二塁ランナーの小湊さんはすでに三塁を回っていた。

 

雷鴉:「ニック!!三塁だよ!!」

 

ボールをつかんだニックはすかさず三塁へ投げた。伊佐敷さんも思いのほか速い。

 

審判:「セーフ!!」

 

タッチの差でセーフになってしまった。つかもう体力的に限界だ。

逢坂先生もそれに気付いていたらしく早見と交代、捕手に入った。

 

 

 

それからの展開は早見が御幸さん、栄純の代打で入った小湊さんの弟を覚えたてのスプリットで抑え、1失点で抑えてくれた。青道も8回に川上さんが登板、不安な立ち上がりも1失点に抑えた。早見も青道打線にいいピッチングをしたのだが8回・9回に1点ずつ失点し引き分けに終わった。

 

 

 

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結局引き分けか.........西浦戦といい今回といいどっちかいいとどっちか悪いな。そこを修正していかないとこれからは厳しい。やっぱ両立は難しいな。

 

栄純:「雷鴉」

 

栄純がやってきた。こいつは今回5回を投げて無失点なんだよな。まぁ立ち上がりが不安定なのは昔から変わってないが。

 

雷鴉:「7回のあの打線、お前が攻略法を教えたのか?」

 

あの回の攻略、こいつしか攻略方法は知らないはずだからな。

 

栄純:「勝負事ならときには非情にならなきゃな。先生も言ってただろ」

 

そういえばそうだ。攻略法があるのならそれを突くのは悪いことじゃない。勝負なら尚更だ。

 

雷鴉:「ふっ、そうだったな。それにしてもよくわかったな?栄純にしては意外だったぞ?」

 

栄純:「俺だって低回転を練習したんだ。それに先生にも教えてもらったことだったし」

 

雷鴉:「まぁ次やるときはやらせないがな」

 

栄純:「すぐに打ち崩してやるよ」

 

そう言うと俺と栄純はお互いに拳を合わせた。

 

雷鴉:「降谷君も制球の乱れと焦りを無くせばもっといいピッチングできると思う。それともっと仲間を信じろ。お前みたいな投手がなんで無名なのかは聞かない。だけど野球は一人でできるほど甘くないしすぐに潰れるだけだ」

 

俺は栄純の後ろにいたこっちを羨ましそうに見ていた降谷にも声をかけた。降谷は驚いていたがすぐに頷いてくれた。

こうやって試合が終わってみると青道の人たちも結構いい人ばかりだな。みんな気軽に話かけてくれるからな。

 

霜山:「ねぇ雷鴉」

 

青道の先輩たちと話をしていたら颯人が来た。どうしたんだ?

 

霜山:「小湊君にアドレス交換しようって言われたんだけどどうすればいい?」

 

雷鴉:「知らねぇよ。交換ぐらいいいだろ。てか西浦の時も同じこと聞いてきたけどそのコミュ症どうにかしろ」

 

ほんと颯人の社交性の無さには困る。

颯人はただ聞いてみただけとかいって小湊君と交換していた。なら聞くなよ。

 

 

 

 

なんだかんだいってすぐに帰りの時間になった。

 

結城:「お前らと夏にできないのは残念だがいつかまたできることを祈る」

 

榊:「哲さんたちも甲子園に行けることを祈ってますよ」

 

結城さんと大輝がお互いのこれからの健闘を祈った。青道に俺らが今年の夏に出れないことを伝えたら残念そうな顔をされた。俺らもこんないいチームと甲子園でできないのは残念だけどこればかりはどうしようもない。青道とはセンバツで戦うことを期待しよう。

 

春乃:「これ、おにぎりです。帰りに食べていってください」

 

マネージャーからおにぎりがはいった袋をもらった。青道は本当にいい人たちばかりだな。

 

それから皆がバスに乗りこんだ。俺も乗らなきゃな。けどその前に.......

 

雷鴉:「栄純、夏の試合はお前と降谷君の力が絶対に必要だ。西東京は強豪ばっかだけど頑張れよ」

 

栄純にそういうと栄純は笑った。

 

栄純:「当たり前だろ。お前に勝つために青道に来たんだからな」

 

その言葉を聞いて安心した。

 

雷鴉:「それとあんまり先輩たちに迷惑かけるなよ。ただでさえバカなんだから。蒼月さんも心配してるんだからな」

 

栄純:「うるせぇ!!若菜は関係ないだろ!!早く帰れ!!」

 

栄純がうるさいし帰るかな。厳しい戦いになるけど頑張れよ、栄純.......

 

 

 

怪物と名門の一足早い熱い戦いは引き分けに終わった。海皇の甲子園の道はまだだいぶ先だがもうすぐ高校球児たちの熱く長いようで短い夏が始まる......

 

 

 

海皇学園(静岡) 4―4 青道(西東京)

------海皇学園、引き分け




いかがでしょうか?
どうやったらうまく書けるのでしょうか.......
感想をたくさんもらって励みになっています。文才の無い私ですがこれからもよろしくお願いします。

活動報告にあるアンケートもよろしくお願いします。
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