下剋上 ~勝利へのストレート~(凍結)   作:桜葉黎明

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どうも!!
早めにできると思っていたんですが思いのほか上手くいかなくて結局いつもと同じ週一になってしまいました。

今回は青道に気持ちを整理してもらいました。


第15球 気持ちの整理

雷鴉視点.......

 

コーチを始めて3日が経った。指導するのって結構大変だ。上手く伝えなきゃいけないから師匠や児島さんに教わった時のことを思い出して何とかやっている状態だ。

廉も結構頑張っていた。人見知りする奴なのにそれでも一生懸命指導していたし、川上さんが決勝のショックから立ち直れていないのを見て「俺も気持ちわかるから俺に任せてほしい」なんて言うんだもんな。西浦に行ってからだいぶ変わったんだな。今も川上さんと一緒に練習してるし。

 

前園:「十六夜!!ちょっとバッティング見てくれへんか?当たり損ねが多くてたまらんわ」

 

フリーバッティングをしていた前園さんが声をかけてきた。前園さんは初日からバッティングについて聞いてきて議論を交わしていくうちにお互い本音で言い合えるようになった。

 

雷鴉:「いいっすよ」

 

俺は近くまで行き前園さんのバッティングを見た。スイングは悪くない。典型的なプルヒッターだがパワーあるからHRも期待できる。しかし当たるときと当たらないときの差が大きいんだよな。

 

前園:「自分を見れないからどこが悪いんかさっぱりなんや」

 

雷鴉:「前園さんはいいバッティングセンスを持っていますよ。ただ大振りすぎるんですよ。恐らく片岡監督からも言われていることだと思うんですが前園さんは大振りすぎるせいでタイミングがずれてしまっているんです。それにバットのヘッドがぶれていてボールの真ん中を叩けていないんですよ。そこを修正できればある程度凡打が減ると思いますよ」

 

前園:「タイミングとヘッドか......わかった。ありがとうな」

 

雷鴉:「あ、それと前園さんって打席に立った時何を意識してるんですか?」

 

前園:「打席でか?とにかく繋ぐことを意識しとるが?」

 

繋ぐ.....か。

 

雷鴉:「これは俺の感覚なんで合わなかったらまた自分で考えてほしいんですけど多分繋ぐ意識が強すぎるんだと思います。自分は打席に立つとき自分の持ってる力を出すことに意識してます。これまでの前園さんのデータを見る限り繋ごうとする意識が逆に力を出し切れなくさせてるんだと思います」

 

実際見てるわけじゃないからどうなのかわからないが前園さんならパワーあるしいけると思うんだよな。

 

前園:「わかった。やってみるわ!!」

 

前園さんは注意されたことを思い返しながら打撃練習を再開した。

その後の前園さんは以前と比べてかなり凡打が減った。あとは実戦で使えるかどうかだな。

 

片岡:「十六夜」

 

片岡監督?どうしたんだ?

 

片岡:「今日の練習試合、金丸と東条を使おうと思う。それと狩場をお前のそばで指導しろ」

 

........へ~。

 

雷鴉:「自分と三橋で使えるようにしろと?」

 

片岡:「金丸と東条はレギュラー候補だ。それに狩場も二番捕手としてベンチに入れておきたい。やれるか?」

 

雷鴉:「わかりました。やれるだけやってみましょう」

 

もちろん成長できるかはあいつら次第だけどな。

 

 

 

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三橋視点........

 

今日の練習試合は埼玉堺とのダブルヘッダーだ。片岡監督から金丸君と東条君を指導するように言われた。俺、野手経験って練習の時しかないんだけど大丈夫なのかな......

 

雷鴉:「廉もある程度百枝監督から教わってるんだろ?なら大丈夫だ。俺も捕手しか野手は経験してないが学校で基本的なことは教わってきてるから」

 

確かに監督から複数守備できるようにって一塁とレフトは教わってるけど.......

 

雷鴉:「廉は感じたことを言ってくれればいいからどっちかというと川上さんのほう頼む。二試合目は川上さんが投げっからやばそうだったらフォローしておいてくれ。お前いつも一緒にいるだろ。俺だときつく言っちまうかもしんねぇから」

 

川上さんはまだ決勝のショックを引き摺ってる。あの決勝は俺も見た。自分で先輩たちの夏を終わらせてしまったんだ。俺も三星にいたとき俺がマウンド降りなかったからチームは3年間負け続きでチームに迷惑をかけた。俺もマウンドに立つ怖さは知ってる。沢村君も気になるけど今は川上さんのほうについていく。

川上さんたちも来年は3年.......

自分の地区じゃなければ知り合いのいる学校に勝ってほしい。桐青の時だって河合さんたち目、赤かった。多分泣いてたんだ。そんな姿を知り合いがいる学校にしてほしくない。だから俺は川上さんをフォローするんだ。

 

 

 

 

 

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雷鴉視点........

 

第一試合.....

 

こりゃひでぇ。チャンスで打線が繋がらねぇや。それに細かいミスが多い。練習試合なんだからもっと思い切っていけばいいのに。特に金丸と東条はひどすぎる。

 

三橋:「か、金丸君達、ちょっと、動きがお、おかしく、ない?」

 

廉は気づいたか。おそらく片岡監督も気づいてるんだろうな。

 

狩場:「おかしいっていつも通り動けてるような気がするが?」

 

雷鴉:「じゃ狩場、今何やってるんだ?」

 

狩場:「何って練習試合だろ?」

 

雷鴉:「練習試合は何のためにするんだ?」

 

狩場:「そりゃ試合経験を積むためだろ?」

 

まだわからないのか。これで御幸さんの後継げるのか心配だな。

 

三橋:「それもあ、あるけど、れ、練習試合はい、今まで練習してきたことや、いろんなことをた、試すためにやるんだよ」

 

狩場:「いろんなことって例えばなんだ?」

 

雷鴉:「自分の苦手なところや実戦でしか掴めない感覚を養ったりするんだよ。だが東条や金丸は必死になれてないから細かなミスを連発してるんだ。思い切って飛べば捕れる打球も捕りにいかないし」

 

狩場はみんなのプレーを見て考え込んだ。

そこから何かを掴めよ。

つか降谷はまたスタミナとコントロールがなってない。忘れてやがるな。あとで注意しておかなきゃな。

 

結局第一試合は降谷が7回、栄純が残りを投げ、ミスがあったものの特に影響がなく、前園さん他2年生が改善された打撃力で得点を重ねていき、5-0で勝った。しかし第二試合はまだショックを引きずっていた川上さんが打たれてしまい7-3と負けてしまった。

 

 

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食堂.......

 

夕飯が終わた後の食堂には俺と廉、御幸さん、倉持さん、前園さん、川上さん、降谷、小湊、金丸、東条、狩場が集まった。

だが誰も口を開かず5分が過ぎていった。

 

御幸:「........今日の試合、十六夜達にはどう映った?足りないものはなんだ?」

 

御幸さんが口を開いた。

 

雷鴉:「課題は多くありますがとりあえず皆さん、このままでいいんですか?」

 

皆思い当るところがあるらしくまた黙ってしまった。

 

雷鴉:「金丸と東条は監督にアピールしてるつもりか知らないですが勝負に対して必死になれてないですね」

 

金丸:「だけどアピールしなきゃレギュラーに入れねぇんだぞ!!」

 

東条:「ただでさえ競争率が高いんだからここで結果を出さなきゃ生き残れないぜ」

 

雷鴉:「じゃお前らはレギュラーになることだけが目標なのか?」

 

金・東:「!?」

 

雷鴉:「レギュラーになればそれでいいのか?まぁ確かにレギュラーになれなきゃ始まらねぇわな。だがレギュラーはスタート地点だろ?つかそれ以前に勝負に必死になれねぇ奴が勝負事に勝てると思ってんじゃねぇ。狩場も今日の試合を見てわかっただろ?」

 

狩場は頷いた。金丸も東条も

まぁ3人にはいい経験になっただろ。

 

雷鴉:「次は投手陣です。降谷は夏前に俺が言ったことができてねぇ。すぐにスタミナが付くわけじゃねぇしコントロールもよくなるわけでもねぇ。だが体力ないくせにしょっぱちから飛ばして投げてんなよ。コントロールも向こうがぶんぶん振り回して勝手に空振ってくれてるから三振取れてるだけであって待球指示されたら自滅してく一方だ。次はそれを考えて投げろ。それに栄純もイップスになったせいでインコースに投げられないから使い物になんねぇんだから後ろのことも計算してやれよ」

 

三橋:「い、十六夜君.......ふ、降谷君、落ち込んでる.....から、その辺で.....」

 

廉に言われて降谷を見るとマジで落ち込んでた。わかってるようだからこの辺にしておいてやるか。

 

雷鴉:「次に川上さんですけど俺は廉程優しくないんで率直に言いますがいつまで引き摺ってんすか?」

 

俺らは先輩たちがいないからその悲しみがわからない。だが過ぎてしまったものをいつまでも引き摺っていたって何も始まらない。

 

川上:「......わかってはいるんだ。切り替えなきゃいけないことは。だけどマウンドに立つとどうしてもあの光景が出てくるんだ。沢村もイップスになって余計しっかりしなきゃいけない時なのに.......」

 

川上さんは俯いて震えていた。頭では分かっているみたいだ。だが体が強張っているのか.......

 

雷鴉:「......それだけ責任感じてるなら次やるときにやり返してやる気持ちで一層練習に力入れなきゃ逆に結城さんたちの代に失礼ですよ。前を向かなきゃそれこそ結城さん達3年生に合わせる顔がなくなります。川上さん達の代で甲子園に出て優勝旗を持って帰ることが3年生に対する最大の贖罪になるんじゃないんですか?」

 

もう川上さんが責任を感じる必要はない。

俺はそう思う。

 

川上:「そう.....だよな。十六夜の言う通りだ。いつまでもしょげてちゃいけないよな。迷惑かけた。それと三橋もありがとうな。これからもよろしくな」

 

三橋:「げ、元気になって、よかった」

 

川上さんは元気になったか。廉のお陰だな。

 

雷鴉:「小湊もいつまでも亮介さんの後追ってないで自分の道歩いて行けよ」

 

小湊:「うん、僕もいつまでも兄貴の後追ってちゃ勝てないよね。兄貴を越えなきゃ」

 

小湊もプレーに影響がなかったとはいえ少しキレがなかったからな。夏前にやった時のほうが断然怖かった。

 

雷鴉:「昔ある人が言っていたんです。『危機意識のない勝負に勝利はない』と。これからは頑張ってくださいよ。十分青道は強いんですから」

 

御幸:「なぁ、気になってたんだけどどうして十六夜も三橋も青道に力を貸す?海皇は甲子園で、西浦は関東大会でも当たる可能性があるんだぞ?なぜ敵を増やすようなことをする?」

 

御幸さんが前から気になっていたことを聞いてきた。

疑問にも思うだろ。秋大会に向けて一番練習試合や合宿で一番力をつけなきゃいけない時期に何故チームを離れ、敵になりうる学校でコーチをしてるのか.......

俺は廉を見ると廉ははにかみながら頷いてきた。

 

雷鴉:「俺も廉も、そして栄純も甲子園の優勝旗を賭けた真剣勝負がしたい......ただそれだけです。そのために栄純のイップスを治すついでに青道のレベルを上げてより確実に甲子園に出てもらうようにしているんです。もちろん実力を上げようが打ち砕くだけですがね」

 

だからコーチをしながらじっくり観察させてもらう。

 

倉持:「おもしれぇじゃん」

 

前園:「あんま青道なめとんじゃないで?」

 

御幸:「その自信、奪い取ってやるよ」

 

三橋:「に、西浦も負けない、から」

 

俺の挑発とも取れる発言に全員が対抗心を燃やした。

 

御幸:「お前らのお陰で目が覚めた。ありがとうな」

 

御幸先輩はそれだけ言うとほかのメンバーを連れて自主練の様子を見に行った。

これでいい。青道や西浦が海皇のになってくれれば。

あとは栄純だけだ。もう少し様子を見てヒントを出してやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーチ期間終了・西浦対青道戦まで残り7日........




いかがでしょうか?
やっぱりなんかうまくいきません。
まぁ気にしないでいきます!!

次回は夏川さん視点でいこうかと思います。


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